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第三次関門へ出発
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三次審査までの一か月はあわただしく過ぎて行く。
一か月を要する長期審査。帰宅するのは八月になる。
八月は農家にとっても最も忙しいシーズン。
猛暑と呼ばれた前世日本の暑さほどでなくとも、炎天下での作業は体力を奪っていくし、雨の具合によっては水やリにも相当の注意を払わなければならない。
作物が青々と実るということは虫も発生するということであり、適切な害虫駆除に村総出での収穫作業。その合間を縫って、来季に向け現休作地の土を改善していかなければならなかったりもする…
今までになくやることがいっぱいだ。でも初めての充実感。
この世界で荘園をもつ貴族とは学院で運営の基礎を学んで、それ以外の大部分を親から伝授されていくものだ。
そこにはその土地ごとの気候や風土があったりするし、その領ならではの秘訣や秘策があったりするからだ。
先代が急逝したお父様の場合、そこがすっぽり抜けてしまったのだからさぞかし運営は大変だったことだろう。
因みにアンディからは以前こんな見解を聞かされている。
「執事は巧妙に子爵領の財を着服し移動させてた、そんな気がする」
これは先代と一緒に土砂に巻き込まれた古くから仕える執事ではなく、その後新たに雇い入れた新しい執事のことだ。
時系列としては、お父様の結婚、お母様のご懐妊(僕ね)、土砂崩れ、葬儀と共に大慌てで執事の募集、僕の誕生、といった流れだ。つまり僕は直近まで居た執事しか面識はない。
新しい…とはいえ、僕が成人してしばらくまで…十六年間一緒に居たのにそんなことって…考えたくもないけど…
「えぇ⁉ ま、まさか!」
「まさか…そう思うか?普通執事ってのは辞めるにしても紹介状を貰うもんだろう?何故ここの執事はある日いきなり逃げた?そりゃ後ろ暗いことがあるからだ」
そう言われたらそうかも知れない…祖父存命中は、豊かでなくともここまで困窮することなく維持できていたんだから。
「子爵に追い打ちかけるのもなんだし俺からは言わないがな」
アンディは、「もしそうなら執事は財政の傾きを雇い主にバレないようギリギリまで隠していただろう…だから子爵の運営が全て悪かったわけではない」と言ってくれたがこれは慰めになるんだろうか?
そのお父様は僕の農業知識を知って相当驚かれていた。
そして領民たちは胡乱気ながらも若輩者である僕の指示通り動いてくれている。
これは、どれほど貧しくても領民に対して非道じゃなかったお父様の功績も、すこーしだけあると思っている。
さて、刻一刻と三次審査の時は近づいてくる。
「僕の準備は順調だよ。アンディは?」
「俺か?まあまあだな。スターリング子爵にシーモア伯爵への紹介状を書いてもらった。無事面会出来るといいんだが…」
シーモア伯爵とはスターリング子爵位の上司にあたるお方で、それほど大きな力を持つ伯爵領ではないが、実に健全かつ堅い領運営をなさっている。
お父様が散々借財を申し入れたのがこの伯爵だ。我が家の美術品を売るのにも手をお貸しくださっているし、そろそろ現状に呆れ見捨てられていてもおかしくない。
ましてやアンディはいくら聡明でも平民位。お会い下さるだろうか…
お父様からの紹介状以外にアンディが揃えたのは、ロジン産業の計画拡大概要書、現時点での受注貴族名一覧、伯爵様への借財返済計画書、あとは…僕の載った号外…(これね、各領、それぞれの教会を起点に配布されているんだよ)
「号外まで持っていくの?恥ずかしいよ…」
「言ったろ。これはわかりやすい信用だ。お前を疑うことは王家の眼を疑うも同じなんだからな」
まあ…確かに?
その僕自身には、何故殿下方が僕を残したのか疑問でしょうがないのだが…消去法かな?取り立てて良い点も無いけど落とすほどの悪い点も無かった、みたいな?
「このシーモア伯爵を抱き込めるかどうかで今後の展望が大きく変わってくる。何とか攻略したい」
「復路で僕がなんとかアポイントとるよ。往路で面会出来るようにすればいい?」
「頼むオリー。この号外はそのために持っていくようなものだ。必ず執事に渡すんだぞ」
「あ…うん」
僕の信用ってその号外?…これ喜ぶところ?
そうしてある暑い夏の日、ついにその日を迎え、僕とアンディは各々色んな思惑と緊張の中、王都に向かってギグに乗りこんだ。
ギグを操作する僕の横で、アンディはしきりに先日届いた手紙のことを気にしている。
「なあオリー。友だちから手紙が来たって言ったよな?」
「そうなの。彼も受かったって!また一緒に過ごせるんだよ。嬉しいな」
「それは…あれか?あの黒髪の…」
「違うよ。虎之助さまとは住所交換してないもの」
っていってもスターリング子爵領、領主館で届いちゃうんだけどね。
「そうか…。じゃあロジンを渡した例の彼か?」
「ううん。違う友だち。ヒューさんの店に来るはずだから紹介するね」
手紙の主はデイビッド。ツンツンしてた第一印象と違い意外にも彼はなつっこい。多分人見知りをツンで誤魔化すタイプなんだろう。あの三日間で僕たちはすっかり打ち解けていた。
「はは、お前たちライバルじゃないのか」
「それとこれとは別。僕たちは同じ目標に向かって精進する仲間だよ」
「選ばれるのは三人なのに?」
「誰が受かっても恨みっこ無し。そう話してる」
そもそも僕の目標はそこじゃないし。
折り返し送った「僕も受かったよ」の手紙。今頃デイビッドは手にしているだろうか。
「へぇ?ならあのポールも受かってるといいな」
ヒクッ「そ、そうだね…」
アンディってば…、ポールのこと意識してるのかな…やだなあ…
ポールは他薦で参加している人だ。村の期待に応えるためにも精一杯取り組む、とは言っていたが、結果に執着が無いのは僕と同じ。
…それって…彼に好きな人が出来たら選考会より優先順位は高くなるってことだよね…
ポールのアンディへの感情がただの憧れであるように、それでアンディがポールを好きにならないように、そう願ってしまう僕はきっと領の財政以上に心が貧しているのだろう…
ああ…自己嫌悪…
一か月を要する長期審査。帰宅するのは八月になる。
八月は農家にとっても最も忙しいシーズン。
猛暑と呼ばれた前世日本の暑さほどでなくとも、炎天下での作業は体力を奪っていくし、雨の具合によっては水やリにも相当の注意を払わなければならない。
作物が青々と実るということは虫も発生するということであり、適切な害虫駆除に村総出での収穫作業。その合間を縫って、来季に向け現休作地の土を改善していかなければならなかったりもする…
今までになくやることがいっぱいだ。でも初めての充実感。
この世界で荘園をもつ貴族とは学院で運営の基礎を学んで、それ以外の大部分を親から伝授されていくものだ。
そこにはその土地ごとの気候や風土があったりするし、その領ならではの秘訣や秘策があったりするからだ。
先代が急逝したお父様の場合、そこがすっぽり抜けてしまったのだからさぞかし運営は大変だったことだろう。
因みにアンディからは以前こんな見解を聞かされている。
「執事は巧妙に子爵領の財を着服し移動させてた、そんな気がする」
これは先代と一緒に土砂に巻き込まれた古くから仕える執事ではなく、その後新たに雇い入れた新しい執事のことだ。
時系列としては、お父様の結婚、お母様のご懐妊(僕ね)、土砂崩れ、葬儀と共に大慌てで執事の募集、僕の誕生、といった流れだ。つまり僕は直近まで居た執事しか面識はない。
新しい…とはいえ、僕が成人してしばらくまで…十六年間一緒に居たのにそんなことって…考えたくもないけど…
「えぇ⁉ ま、まさか!」
「まさか…そう思うか?普通執事ってのは辞めるにしても紹介状を貰うもんだろう?何故ここの執事はある日いきなり逃げた?そりゃ後ろ暗いことがあるからだ」
そう言われたらそうかも知れない…祖父存命中は、豊かでなくともここまで困窮することなく維持できていたんだから。
「子爵に追い打ちかけるのもなんだし俺からは言わないがな」
アンディは、「もしそうなら執事は財政の傾きを雇い主にバレないようギリギリまで隠していただろう…だから子爵の運営が全て悪かったわけではない」と言ってくれたがこれは慰めになるんだろうか?
そのお父様は僕の農業知識を知って相当驚かれていた。
そして領民たちは胡乱気ながらも若輩者である僕の指示通り動いてくれている。
これは、どれほど貧しくても領民に対して非道じゃなかったお父様の功績も、すこーしだけあると思っている。
さて、刻一刻と三次審査の時は近づいてくる。
「僕の準備は順調だよ。アンディは?」
「俺か?まあまあだな。スターリング子爵にシーモア伯爵への紹介状を書いてもらった。無事面会出来るといいんだが…」
シーモア伯爵とはスターリング子爵位の上司にあたるお方で、それほど大きな力を持つ伯爵領ではないが、実に健全かつ堅い領運営をなさっている。
お父様が散々借財を申し入れたのがこの伯爵だ。我が家の美術品を売るのにも手をお貸しくださっているし、そろそろ現状に呆れ見捨てられていてもおかしくない。
ましてやアンディはいくら聡明でも平民位。お会い下さるだろうか…
お父様からの紹介状以外にアンディが揃えたのは、ロジン産業の計画拡大概要書、現時点での受注貴族名一覧、伯爵様への借財返済計画書、あとは…僕の載った号外…(これね、各領、それぞれの教会を起点に配布されているんだよ)
「号外まで持っていくの?恥ずかしいよ…」
「言ったろ。これはわかりやすい信用だ。お前を疑うことは王家の眼を疑うも同じなんだからな」
まあ…確かに?
その僕自身には、何故殿下方が僕を残したのか疑問でしょうがないのだが…消去法かな?取り立てて良い点も無いけど落とすほどの悪い点も無かった、みたいな?
「このシーモア伯爵を抱き込めるかどうかで今後の展望が大きく変わってくる。何とか攻略したい」
「復路で僕がなんとかアポイントとるよ。往路で面会出来るようにすればいい?」
「頼むオリー。この号外はそのために持っていくようなものだ。必ず執事に渡すんだぞ」
「あ…うん」
僕の信用ってその号外?…これ喜ぶところ?
そうしてある暑い夏の日、ついにその日を迎え、僕とアンディは各々色んな思惑と緊張の中、王都に向かってギグに乗りこんだ。
ギグを操作する僕の横で、アンディはしきりに先日届いた手紙のことを気にしている。
「なあオリー。友だちから手紙が来たって言ったよな?」
「そうなの。彼も受かったって!また一緒に過ごせるんだよ。嬉しいな」
「それは…あれか?あの黒髪の…」
「違うよ。虎之助さまとは住所交換してないもの」
っていってもスターリング子爵領、領主館で届いちゃうんだけどね。
「そうか…。じゃあロジンを渡した例の彼か?」
「ううん。違う友だち。ヒューさんの店に来るはずだから紹介するね」
手紙の主はデイビッド。ツンツンしてた第一印象と違い意外にも彼はなつっこい。多分人見知りをツンで誤魔化すタイプなんだろう。あの三日間で僕たちはすっかり打ち解けていた。
「はは、お前たちライバルじゃないのか」
「それとこれとは別。僕たちは同じ目標に向かって精進する仲間だよ」
「選ばれるのは三人なのに?」
「誰が受かっても恨みっこ無し。そう話してる」
そもそも僕の目標はそこじゃないし。
折り返し送った「僕も受かったよ」の手紙。今頃デイビッドは手にしているだろうか。
「へぇ?ならあのポールも受かってるといいな」
ヒクッ「そ、そうだね…」
アンディってば…、ポールのこと意識してるのかな…やだなあ…
ポールは他薦で参加している人だ。村の期待に応えるためにも精一杯取り組む、とは言っていたが、結果に執着が無いのは僕と同じ。
…それって…彼に好きな人が出来たら選考会より優先順位は高くなるってことだよね…
ポールのアンディへの感情がただの憧れであるように、それでアンディがポールを好きにならないように、そう願ってしまう僕はきっと領の財政以上に心が貧しているのだろう…
ああ…自己嫌悪…
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