90 / 310
55 断罪はオペラの幕間 ①
しおりを挟む
ついにやって来たお待ちかね。前世から通算して初めての舞台観劇の日。
そして貴族のオペラとは、ファミ席みたいな個室から観劇するものだと初めて知った、シャノン・プリチャード、16歳。
「ここがルテティア歌劇場…」
「私は演劇なら見に来たことがあるのですよ。シャノン様は…、失礼しました。そんな余暇などありませんでしたね…」
「そうですね。僕はどこにも行けませんでしたから…」
実際…、闘病の為病院から一歩も出られなかった僕とお妃教育でがんじがらめだったシャノンは、自由がない、という意味で全く同じだ。だからこれは心からの言葉。
「見たかったんですオペラも演劇も」
正確には2.5次元舞台や2.5次元ミュージカルだけど…
「僕に出来たのは四角い部屋で本を読んだり動く絵を見たり、それから絵を描いたりすることだけでしたから」
正しくはマンガやアニメやイラストだけど。
「シャノン様…。も、もういいではありませんか。今はこうして少しばかり自由を手に入れられたのだし。そう考えると、あのお三方の愚行にも感謝しなければなりませんね」
スンッ…「それはないから」
「し、失礼しました」
とはいえ、ブラッドとは良好な義兄弟関係を築いているし、ロイドとも…、やたらと勉強会へいつ来るんだ、と催促がうるさい以外は付かず離れずの関係が続いている。「また今度ね」「考えとくね」と言えばお断りの常套句だというのに…、ロイドってば素直なのかな?というか…、これは一度参加しないと永遠に言われ続けるんじゃないだろうか。ふー…
僕は夏休み中に一度ロイドをプリチャード邸に呼んで(もちろんアリソン君も)勉強会を開くことを、なんとなくだが考え始めた。
「シャノン様こちらをどうぞ」
「わ…ゴージャス」
席に着くなり手渡されたのは、宝石のいっぱい施された装飾のキレイなアイマスク。
なんでも家柄の良い貴婦人は、観劇の際こうして顔を隠すのが普通なんだとか。慎みってやつ?劇中には、ちょっとエッチな台詞とかあったりするから、周囲の視線避けなんだって。男性にもマスク姿の人はいるけど…まあこっちはお忍び用だ。
僕が渡されたのは鼻から上を覆い隠すマスクなのだが、目を超えおでこも超えてその上、…そこには耳が付いている。
……ネコ耳…だと?
「動物はお嫌いでしたか?」
「ううん。本物じゃ無ければ平気。本物はクシャミが止まらなくなっちゃうから…」
シャノンは動物嫌い、それがゲーム上の設定だが、僕は僕で前世の僕はアレルギーがあり動物の毛を苦手としている。でも、どうやらシャノンも同じ理由で動物が苦手だったようだ。この間、悲願達成!と調子に乗ってネコと戯れたら鼻水と涙でグチャグチャになった…。だが今問題なのはそこではない。一体誰がネコ耳を用意したか?ってことだ。
「そういう事だったのか」
ぎょ!ア、アレイスター!マスクで顔を隠しているが、間違いない。お前はアレイスターだな?
何でこう、いつもいつもサプライズを仕掛けてくるのかこの男は。いい加減にしろ!僕はフラッシュモブとか許さないタイプだ!
「おかしいと思っていたのだよ。君のように子供好きな人が動物を苦手にしているなど…」
子供好きが動物好きとは限らないし動物好きが子供好きとも限らな、まあいい。
ついでにいうと、僕はブラコンのシスコンだが、別に子供好きじゃない。それで言ったら美中年のほうが好きだ。
「すまないねアリソン」
「いえ…」
一礼して個室を出ていくアリソン君。え?え?どういう事?
「どうしても君と同席したくてね。アリソンに代わってもらったのだよ」
…じゃあこの高そうなマスクはアレイスターの趣味…。そっか。アレイスターはケモ耳属性か…
「彼はどこに?」
「隣だ。君の従者も一緒にね」
気が付けばカイルもいない。なんてこった。
「王子特権ですか?悪い人ですね」
「君との時間が必要だと思ったのだ」
なぬっ?…それ程までにケモ耳を…引くわ~…。と、ともかく今はオペラだ。
本日の題材は『アイーン』。ガイドブックによると見どころは、惹かれ合う王子と敵国の王女による歌唱の掛け合いである。
開幕までにまだまだ時間はあるが、その間にお茶やお酒を楽しむのだとか。なんだその高そうなつまみとワインは。セレブめ…
「君にはこれを。果実水とアマレッティだ。甘いものが好きだろう?」
「わあ!」
サクサクしてコロンとしたクッキー。気が利くな。と思ったのに…
「ほら、口を開けて」
「え…?」
パクリ
いやー、いいっちゃ良いんだけど…ハズイわー。
「ふふ、君と観劇か…。一年前には考えられなかった」
「それは僕も同じです。一年前かぁ…、大変でした、あの頃は…」
この世界の基礎知識に貴族のマナーにダンス、ああそうそう、交友関係を含めたシャノンの基礎知識も。明けても暮れても暗記暗記暗記…そして時々断罪(後)対策。
前世の受験勉強でも大変だったのに、転生したら更に大変とはこれ如何に?神様ってイジワル。ううん、贅沢言っちゃダメ。サ〇マさんも言ったじゃないか。生きてるだけで丸儲け、って…。
「でもその甲斐あって万事上手くいっています。ある一点を除いて」
その一点とは…、上手く社交界から逃れることである。
アーロンを改宗させ、…られたら一番いいけど、それが無理でもせめて人様に迷惑をかけないよう、細々とどこかで好きなだけ信仰しなさいと説得して、それら全てを高飛車に行なうことでコンラッドの恨みを買い、ワンチャン断罪へ…というのが僕の描いた二兎を得るための完璧なシナリオだ。
なんかもう色々破綻している気はするが…、いや!初志貫徹。僕は最後の最後まで断罪を諦めない…
「気持ちは分かるがもう少し待ってくれないか」
ん?言われなくてもあと一年半は待つつもりですけど?
「えっと…、そんなことより今日は楽しみましょうよ」
「ふふ、君は文化に関心が強いのだね」
「え…?それほどでも。普通ですよこんなの」
特装版すら買えなかったお小遣い生活の僕など、特典欲しさに複数買いする猛者たちの、足元どころか足の裏にも及んでいない。
「よく似合っているよ、そのマスク」
「人に耳を付けて楽しいですか?」
「ああとても」
ヤバい。ガチだ。ケモ耳のガチ勢だ。
開演まで続くたわいもない歓談。思えばアレイスターと会う時はいつも穏やかな時間が流れている。いつもケンカになるコンラッドとは大違い。
燃えるように真っ赤な髪と落ち着いたグレーの髪。髪は体を表すとはこのことだ。
「こうして…、君と二人きりになるのに人目を忍ばねばならないことが…歯痒いよ」
「二人きりになりたいんですか?でもいつも僕から逃げるのアレイスター様じゃないですか」
「学院内や王城ではね。憚られる。コンラッドはともかく、王妃アドリアナ様は良い顔をなさらないだろう」
そりゃ、息子の嫁(予定)が浮気とか…笑えない。
「…だからランチタイムにお誘いしてもなかなか来てくれないんですか?」
「そうだ」
「僕がいつもどれほどガッカリしてるか…、アレイスター様は分ってない。あなたが僕にとってどんな存在なのかを」
「シャノン…」
アレイスターだけが僕に最上級の王室マナーを教えてくれる存在なのに…分ってない!おかげで僕は今でも時々挙動不審だ。
「光栄だよシャノン。だが、慎重にいかねば。君の評判をさげてはならない」
そっと取られる右手。こういうところが王子様なんだよね。
「僕の評判…」
とはなんぞや?
「シャノン、最近社交界で囁かれている噂を知っているかい?」
「何でしょう?僕は茶会も夜会も、ほとんど出席しないんでよく分かりません」
コンラッドの婚約者で唯一良かったのは、有象無象のご招待を、立場を理由に問答無用でお断り出来るところだ。
「『聖なる力』の神子…。あれが君なのではないかと言われているよ」
…ふーん、そうなんだ。……………って
「へっ?」
そして貴族のオペラとは、ファミ席みたいな個室から観劇するものだと初めて知った、シャノン・プリチャード、16歳。
「ここがルテティア歌劇場…」
「私は演劇なら見に来たことがあるのですよ。シャノン様は…、失礼しました。そんな余暇などありませんでしたね…」
「そうですね。僕はどこにも行けませんでしたから…」
実際…、闘病の為病院から一歩も出られなかった僕とお妃教育でがんじがらめだったシャノンは、自由がない、という意味で全く同じだ。だからこれは心からの言葉。
「見たかったんですオペラも演劇も」
正確には2.5次元舞台や2.5次元ミュージカルだけど…
「僕に出来たのは四角い部屋で本を読んだり動く絵を見たり、それから絵を描いたりすることだけでしたから」
正しくはマンガやアニメやイラストだけど。
「シャノン様…。も、もういいではありませんか。今はこうして少しばかり自由を手に入れられたのだし。そう考えると、あのお三方の愚行にも感謝しなければなりませんね」
スンッ…「それはないから」
「し、失礼しました」
とはいえ、ブラッドとは良好な義兄弟関係を築いているし、ロイドとも…、やたらと勉強会へいつ来るんだ、と催促がうるさい以外は付かず離れずの関係が続いている。「また今度ね」「考えとくね」と言えばお断りの常套句だというのに…、ロイドってば素直なのかな?というか…、これは一度参加しないと永遠に言われ続けるんじゃないだろうか。ふー…
僕は夏休み中に一度ロイドをプリチャード邸に呼んで(もちろんアリソン君も)勉強会を開くことを、なんとなくだが考え始めた。
「シャノン様こちらをどうぞ」
「わ…ゴージャス」
席に着くなり手渡されたのは、宝石のいっぱい施された装飾のキレイなアイマスク。
なんでも家柄の良い貴婦人は、観劇の際こうして顔を隠すのが普通なんだとか。慎みってやつ?劇中には、ちょっとエッチな台詞とかあったりするから、周囲の視線避けなんだって。男性にもマスク姿の人はいるけど…まあこっちはお忍び用だ。
僕が渡されたのは鼻から上を覆い隠すマスクなのだが、目を超えおでこも超えてその上、…そこには耳が付いている。
……ネコ耳…だと?
「動物はお嫌いでしたか?」
「ううん。本物じゃ無ければ平気。本物はクシャミが止まらなくなっちゃうから…」
シャノンは動物嫌い、それがゲーム上の設定だが、僕は僕で前世の僕はアレルギーがあり動物の毛を苦手としている。でも、どうやらシャノンも同じ理由で動物が苦手だったようだ。この間、悲願達成!と調子に乗ってネコと戯れたら鼻水と涙でグチャグチャになった…。だが今問題なのはそこではない。一体誰がネコ耳を用意したか?ってことだ。
「そういう事だったのか」
ぎょ!ア、アレイスター!マスクで顔を隠しているが、間違いない。お前はアレイスターだな?
何でこう、いつもいつもサプライズを仕掛けてくるのかこの男は。いい加減にしろ!僕はフラッシュモブとか許さないタイプだ!
「おかしいと思っていたのだよ。君のように子供好きな人が動物を苦手にしているなど…」
子供好きが動物好きとは限らないし動物好きが子供好きとも限らな、まあいい。
ついでにいうと、僕はブラコンのシスコンだが、別に子供好きじゃない。それで言ったら美中年のほうが好きだ。
「すまないねアリソン」
「いえ…」
一礼して個室を出ていくアリソン君。え?え?どういう事?
「どうしても君と同席したくてね。アリソンに代わってもらったのだよ」
…じゃあこの高そうなマスクはアレイスターの趣味…。そっか。アレイスターはケモ耳属性か…
「彼はどこに?」
「隣だ。君の従者も一緒にね」
気が付けばカイルもいない。なんてこった。
「王子特権ですか?悪い人ですね」
「君との時間が必要だと思ったのだ」
なぬっ?…それ程までにケモ耳を…引くわ~…。と、ともかく今はオペラだ。
本日の題材は『アイーン』。ガイドブックによると見どころは、惹かれ合う王子と敵国の王女による歌唱の掛け合いである。
開幕までにまだまだ時間はあるが、その間にお茶やお酒を楽しむのだとか。なんだその高そうなつまみとワインは。セレブめ…
「君にはこれを。果実水とアマレッティだ。甘いものが好きだろう?」
「わあ!」
サクサクしてコロンとしたクッキー。気が利くな。と思ったのに…
「ほら、口を開けて」
「え…?」
パクリ
いやー、いいっちゃ良いんだけど…ハズイわー。
「ふふ、君と観劇か…。一年前には考えられなかった」
「それは僕も同じです。一年前かぁ…、大変でした、あの頃は…」
この世界の基礎知識に貴族のマナーにダンス、ああそうそう、交友関係を含めたシャノンの基礎知識も。明けても暮れても暗記暗記暗記…そして時々断罪(後)対策。
前世の受験勉強でも大変だったのに、転生したら更に大変とはこれ如何に?神様ってイジワル。ううん、贅沢言っちゃダメ。サ〇マさんも言ったじゃないか。生きてるだけで丸儲け、って…。
「でもその甲斐あって万事上手くいっています。ある一点を除いて」
その一点とは…、上手く社交界から逃れることである。
アーロンを改宗させ、…られたら一番いいけど、それが無理でもせめて人様に迷惑をかけないよう、細々とどこかで好きなだけ信仰しなさいと説得して、それら全てを高飛車に行なうことでコンラッドの恨みを買い、ワンチャン断罪へ…というのが僕の描いた二兎を得るための完璧なシナリオだ。
なんかもう色々破綻している気はするが…、いや!初志貫徹。僕は最後の最後まで断罪を諦めない…
「気持ちは分かるがもう少し待ってくれないか」
ん?言われなくてもあと一年半は待つつもりですけど?
「えっと…、そんなことより今日は楽しみましょうよ」
「ふふ、君は文化に関心が強いのだね」
「え…?それほどでも。普通ですよこんなの」
特装版すら買えなかったお小遣い生活の僕など、特典欲しさに複数買いする猛者たちの、足元どころか足の裏にも及んでいない。
「よく似合っているよ、そのマスク」
「人に耳を付けて楽しいですか?」
「ああとても」
ヤバい。ガチだ。ケモ耳のガチ勢だ。
開演まで続くたわいもない歓談。思えばアレイスターと会う時はいつも穏やかな時間が流れている。いつもケンカになるコンラッドとは大違い。
燃えるように真っ赤な髪と落ち着いたグレーの髪。髪は体を表すとはこのことだ。
「こうして…、君と二人きりになるのに人目を忍ばねばならないことが…歯痒いよ」
「二人きりになりたいんですか?でもいつも僕から逃げるのアレイスター様じゃないですか」
「学院内や王城ではね。憚られる。コンラッドはともかく、王妃アドリアナ様は良い顔をなさらないだろう」
そりゃ、息子の嫁(予定)が浮気とか…笑えない。
「…だからランチタイムにお誘いしてもなかなか来てくれないんですか?」
「そうだ」
「僕がいつもどれほどガッカリしてるか…、アレイスター様は分ってない。あなたが僕にとってどんな存在なのかを」
「シャノン…」
アレイスターだけが僕に最上級の王室マナーを教えてくれる存在なのに…分ってない!おかげで僕は今でも時々挙動不審だ。
「光栄だよシャノン。だが、慎重にいかねば。君の評判をさげてはならない」
そっと取られる右手。こういうところが王子様なんだよね。
「僕の評判…」
とはなんぞや?
「シャノン、最近社交界で囁かれている噂を知っているかい?」
「何でしょう?僕は茶会も夜会も、ほとんど出席しないんでよく分かりません」
コンラッドの婚約者で唯一良かったのは、有象無象のご招待を、立場を理由に問答無用でお断り出来るところだ。
「『聖なる力』の神子…。あれが君なのではないかと言われているよ」
…ふーん、そうなんだ。……………って
「へっ?」
3,779
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
婚約破棄署名したらどうでも良くなった僕の話
黄金
BL
婚約破棄を言い渡され、署名をしたら前世を思い出した。
恋も恋愛もどうでもいい。
そう考えたノジュエール・セディエルトは、騎士団で魔法使いとして生きていくことにする。
二万字程度の短い話です。
6話完結。+おまけフィーリオルのを1話追加します。
【短編】花婿殿に姻族でサプライズしようと隠れていたら「愛することはない」って聞いたんだが。可愛い妹はあげません!
月野槐樹
ファンタジー
妹の結婚式前にサプライズをしようと姻族みんなで隠れていたら、
花婿殿が、「君を愛することはない!」と宣言してしまった。
姻族全員大騒ぎとなった
【完結】マジで婚約破棄される5秒前〜婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ悪役令息は一体どうしろと?〜
明太子
BL
公爵令息ジェーン・アンテノールは初恋の人である婚約者のウィリアム王太子から冷遇されている。
その理由は彼が侯爵令息のリア・グラマシーと恋仲であるため。
ジェーンは婚約者の心が離れていることを寂しく思いながらも卒業パーティーに出席する。
しかし、その場で彼はひょんなことから自身がリアを主人公とした物語(BLゲーム)の悪役だと気付く。
そしてこの後すぐにウィリアムから婚約破棄されることも。
婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ一体どうしろと?
シナリオから外れたジェーンの行動は登場人物たちに思わぬ影響を与えていくことに。
※小説家になろうにも掲載しております。
雫
ゆい
BL
涙が落ちる。
涙は彼に届くことはない。
彼を想うことは、これでやめよう。
何をどうしても、彼の気持ちは僕に向くことはない。
僕は、その場から音を立てずに立ち去った。
僕はアシェル=オルスト。
侯爵家の嫡男として生まれ、10歳の時にエドガー=ハルミトンと婚約した。
彼には、他に愛する人がいた。
世界観は、【夜空と暁と】と同じです。
アルサス達がでます。
【夜空と暁と】を知らなくても、これだけで読めます。
2025.4.28 ムーンライトノベルに投稿しました。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる