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93 断罪への企み
アレイスターが爆弾を落としていったあの日の週末。ついに僕と宝石商で共同出資した、屋形船の出航式が行われた。
船便を含めた川の管理管轄はクーパー伯爵。アリソン君のお父さんだ。
王都に屋敷を持つ貴族はそれぞれが宮廷から割り当てられた何らかのお役目を持っている。自分で管理するもよし。バーナード伯爵のように、部下に当たる下の貴族に丸投げしても良し。
クーパー伯爵は前者だ。
乗員数は船員除き10名まで。乗合不可。貸し切り限定。利用者に貴族や富んだ商人を想定しているため、マスターベッドルームが三部屋個室化され、使用人用の部屋、テーブルの設置された食事室、ソファなどの設置されたリビングと仕切られているためこれが限界だったようだ。
そうそう。いまその屋形船にはプリチャード家が総出で見学に来ていた。案内人はクーパー伯。乗船した僕たちに細かく説明してくれているところだ。
先ず案内された機関室ではお父様とブラッドが興味深そうに話を聞いている。船と電車にはいつでも男のロマンが詰まっている。
僕のロマンはむしろ、船員のコスの方だ。制服…それはいつでも僕のロマンを掻き立てる。
因みにここの制服は、対貴族用にあつらえられた、真っ白に青いパイピングの詰襟ジャケット、同じく白に青線の入った筒状の帽子だ。実はこの制服、僕は製作段階で見本をワンセットいただいている。みんなにはナイショで…
そして次に客室部分へと案内される。
「おおっ!これは何と見事な!」
「ですが家具や調度品は全て軽量化されたものなのですね」
「これらは全て特別に作らせたものです。ソティリオ商会の手配した職人が粗末に見えぬよう意匠を凝らしております」
「些か寝室は狭いようだが…仕方あるまい」
「代わりに寝具は最高級品を使っております。シャノン様からの大きな援助がありましたので」
…僕のイメージしていた屋台船とはかなり趣が違うようだ…。目の前にはコンパクトにしたスイートルームがあらわれた…。
それにしても…、この川は流れをほとんど感じない穏やかな川だが、どうしても北へ向かうにつれ少しずつ流れが発生する。流れが急になり始めるより手前が終着、北の船着き場で、そこからエンブリーは馬車で一日かからないと聞いた。
五日間という僕の野望はエンジンの無い船ではさすがに無理だったが、荷の受け渡しが都度ある船便と違い、停留時間の短さで所要期間十日は七日ほどになる計算らしい。実はその検証を兼ねているのが今回の出航なのである。
予定としては次の船着き場まで記念ゲストの僕とお父様、そしてクーパー伯が乗船し、そこでクーパー伯を残して僕たちは下船する。入れ替わりにアレイスターがヘクターや従者とともに乗り込む予定なのだとか。
陸路だといくつもの山を越え時に迂回し、他領で泊まらせてもらい食料を補充し、さらに獣や盗賊を警戒しつつの…それはもう大変な、二か月もかかる北東部への道程を1週間に短縮してくれる、そんな真っすぐに伸びたセントローム川には感謝しかない。
「おやシャノン?その荷物は何だい?」
ギクッ!
「あ、え、っと、その…ア、アレイスター様にお渡しする荷物です」
「ではカイルに持たせなさい。鞄もなにやら膨らんでいるが…」
「馬車で食べるおやつとかです。気にしないでください」
「そうかね」
「シャノン様、シェイナが先ほどから抱っこをせがんでおりますわよ」
「じ、じゃあカイル。これよろしく。中身は見ないでね。絶対見ないで!絶対だよ!」
「かしこまりました」
「おいでシェイナ」
「バブー」
抱えてきた大きな荷物と入れ替えに抱っこされるシェイナは朝から妙にご機嫌だ。ご機嫌なのはいいことだ。因みに、益々足腰がしっかりしてきたアノンはブラッドに手を引かれて、さっきからよちよち自力で歩いている。
「さあ侯爵閣下。シャノン様。そろそろ出航いたします。他の方々は下船を」
と、ここでひとつだけ問題発生!
「まあシェイナ様…」
「バブゥ!」
「シェイナ、早く降りないと船の人に迷惑かけちゃうよ?」
「ブババブバブゥ!」
「うっ!」ギュゥゥゥ…
この力よ…
何が起きたかって、シェイナが何が何でも離れない!と、まるで強力マグネットのような、洗礼式の時と同じ状態になったのだ。
「いいよ。号泣準備に入ってるし…次の船着き場までこのまま連れていくね」
「良いのですか?」
「平気。まあ任せて」
優秀なシッター兼頼りになるお兄ちゃんである僕は、自信満々でナニーからおむつと、シェイナが握って離さない、最近シェイナがお気に入りの等身大人形を預かりそのままシェイナを抱っこしていくことにした。
こうして出発した船。この船は蒸気で外輪を回す自走船だ。海と違い波もなくこの辺りでは大した流れもない。それに川幅のある大きな河、と言っても対岸はかろうじて見えているので遭難はしない。
つまり、非常に安全の保障された平和な船旅である。
ソファではお父様がクーパー伯と呑気にお茶をすすっている。それを横目に僕は個室の一つに入りシェイナにお昼寝をさせていた。
次の船着き場に到着してからが勝負だ。そのためにも今ここでシェイナを寝かしつける必要がある。
「ほーらシェイナ。トントンだよ」
しばらく背中をトントンするとシェイナはすんなり眠りについた。そうこうするうちに船は王都を出てすぐの船着き場へと到着する。ここで乗り込んでくるのがアレイスターだ。
「アレイスター、ヘクターさん、こちらの部屋へどうぞ。」
「やあシャノン、ここまでの船旅はどうだった?」
「なかなかいい感じでした。カイル、お渡しする荷物を」
「はい。ここに」
「随分大きな荷物だね?これは何だい?」
「え…と、これアレイスターに。あっ!見るのはあとですよ。まだダメです。どうぞ船旅お楽しみに。じゃ後で」パタン
「後で…?」
さて、ち密な計算で動くべき僕に、一分一秒も余分な時間はない。
お父様たちに出迎えられたアレイスターを個室へ案内した後、僕はたらこキューピーにしてあったシェイナを急いで抱き上げ、下船したお父様が乗る馬車へと向かった。
うん?何故ぐるぐる巻きにしてあるかって?これは乳児が暴れたりしないように、という貴族の風習である。
自我のハッキリしているシェイナは普段これをものすごく嫌がるのだが…よく眠っているのだろう。ほとんど顔の見えない状態で微動だにしない。
「お父様ー!」
「なんだねシャノン。大声を出して」
「えっと、お父様たまにはシェイナを抱っこしたいって言ってたじゃありませんか。だからはい」
「う、うむ…だが」
「しぃ!今寝てるから起さないで!それよりニコールさんが心配してると思うんで早く出発してください」
僕とお父様は別々の馬車で帰ることになっている。何故なら、僕は寄り道があるからご一緒出来ないと事前にお伝えしてあるからだ。
そして次。僕は大慌てで自分の馬車に乗り込み…
「カイルごめんね。お父様が大事な話があるって言うから…一人で乗って行ってくれる?」
「旦那様が…。ええもちろんですとも」
乗った扉とは反対側の扉から降りると、こっそりカバンに詰め込んできた船員の服を上に羽織って白い帽子を頭にかぶる。
こういう衣装は一瞬で印象を変えられるのがいいところだ。
こうして僕は何食わぬ顔をして船の中へと戻っていった。二台の馬車は船が岸を離れるのを確認して動き出したが、まさか僕が乗っているとは思うまい。
「ふーやれやれ。あ、荷物」
さっきアレイスターに渡した荷物は僕の旅行用パッキングだ。
個室は三部屋。アレイスター、ヘクターさん、そしてクーパー伯。でも問題ない。僕は居間のソファでもかまわない。
そう思ってアレイスターの部屋に入るとそこには…
初めて見る困り顔のアレイスターと、そのアレイスターに抱きかかえられた…シェイナが居た。
「え…?」
船便を含めた川の管理管轄はクーパー伯爵。アリソン君のお父さんだ。
王都に屋敷を持つ貴族はそれぞれが宮廷から割り当てられた何らかのお役目を持っている。自分で管理するもよし。バーナード伯爵のように、部下に当たる下の貴族に丸投げしても良し。
クーパー伯爵は前者だ。
乗員数は船員除き10名まで。乗合不可。貸し切り限定。利用者に貴族や富んだ商人を想定しているため、マスターベッドルームが三部屋個室化され、使用人用の部屋、テーブルの設置された食事室、ソファなどの設置されたリビングと仕切られているためこれが限界だったようだ。
そうそう。いまその屋形船にはプリチャード家が総出で見学に来ていた。案内人はクーパー伯。乗船した僕たちに細かく説明してくれているところだ。
先ず案内された機関室ではお父様とブラッドが興味深そうに話を聞いている。船と電車にはいつでも男のロマンが詰まっている。
僕のロマンはむしろ、船員のコスの方だ。制服…それはいつでも僕のロマンを掻き立てる。
因みにここの制服は、対貴族用にあつらえられた、真っ白に青いパイピングの詰襟ジャケット、同じく白に青線の入った筒状の帽子だ。実はこの制服、僕は製作段階で見本をワンセットいただいている。みんなにはナイショで…
そして次に客室部分へと案内される。
「おおっ!これは何と見事な!」
「ですが家具や調度品は全て軽量化されたものなのですね」
「これらは全て特別に作らせたものです。ソティリオ商会の手配した職人が粗末に見えぬよう意匠を凝らしております」
「些か寝室は狭いようだが…仕方あるまい」
「代わりに寝具は最高級品を使っております。シャノン様からの大きな援助がありましたので」
…僕のイメージしていた屋台船とはかなり趣が違うようだ…。目の前にはコンパクトにしたスイートルームがあらわれた…。
それにしても…、この川は流れをほとんど感じない穏やかな川だが、どうしても北へ向かうにつれ少しずつ流れが発生する。流れが急になり始めるより手前が終着、北の船着き場で、そこからエンブリーは馬車で一日かからないと聞いた。
五日間という僕の野望はエンジンの無い船ではさすがに無理だったが、荷の受け渡しが都度ある船便と違い、停留時間の短さで所要期間十日は七日ほどになる計算らしい。実はその検証を兼ねているのが今回の出航なのである。
予定としては次の船着き場まで記念ゲストの僕とお父様、そしてクーパー伯が乗船し、そこでクーパー伯を残して僕たちは下船する。入れ替わりにアレイスターがヘクターや従者とともに乗り込む予定なのだとか。
陸路だといくつもの山を越え時に迂回し、他領で泊まらせてもらい食料を補充し、さらに獣や盗賊を警戒しつつの…それはもう大変な、二か月もかかる北東部への道程を1週間に短縮してくれる、そんな真っすぐに伸びたセントローム川には感謝しかない。
「おやシャノン?その荷物は何だい?」
ギクッ!
「あ、え、っと、その…ア、アレイスター様にお渡しする荷物です」
「ではカイルに持たせなさい。鞄もなにやら膨らんでいるが…」
「馬車で食べるおやつとかです。気にしないでください」
「そうかね」
「シャノン様、シェイナが先ほどから抱っこをせがんでおりますわよ」
「じ、じゃあカイル。これよろしく。中身は見ないでね。絶対見ないで!絶対だよ!」
「かしこまりました」
「おいでシェイナ」
「バブー」
抱えてきた大きな荷物と入れ替えに抱っこされるシェイナは朝から妙にご機嫌だ。ご機嫌なのはいいことだ。因みに、益々足腰がしっかりしてきたアノンはブラッドに手を引かれて、さっきからよちよち自力で歩いている。
「さあ侯爵閣下。シャノン様。そろそろ出航いたします。他の方々は下船を」
と、ここでひとつだけ問題発生!
「まあシェイナ様…」
「バブゥ!」
「シェイナ、早く降りないと船の人に迷惑かけちゃうよ?」
「ブババブバブゥ!」
「うっ!」ギュゥゥゥ…
この力よ…
何が起きたかって、シェイナが何が何でも離れない!と、まるで強力マグネットのような、洗礼式の時と同じ状態になったのだ。
「いいよ。号泣準備に入ってるし…次の船着き場までこのまま連れていくね」
「良いのですか?」
「平気。まあ任せて」
優秀なシッター兼頼りになるお兄ちゃんである僕は、自信満々でナニーからおむつと、シェイナが握って離さない、最近シェイナがお気に入りの等身大人形を預かりそのままシェイナを抱っこしていくことにした。
こうして出発した船。この船は蒸気で外輪を回す自走船だ。海と違い波もなくこの辺りでは大した流れもない。それに川幅のある大きな河、と言っても対岸はかろうじて見えているので遭難はしない。
つまり、非常に安全の保障された平和な船旅である。
ソファではお父様がクーパー伯と呑気にお茶をすすっている。それを横目に僕は個室の一つに入りシェイナにお昼寝をさせていた。
次の船着き場に到着してからが勝負だ。そのためにも今ここでシェイナを寝かしつける必要がある。
「ほーらシェイナ。トントンだよ」
しばらく背中をトントンするとシェイナはすんなり眠りについた。そうこうするうちに船は王都を出てすぐの船着き場へと到着する。ここで乗り込んでくるのがアレイスターだ。
「アレイスター、ヘクターさん、こちらの部屋へどうぞ。」
「やあシャノン、ここまでの船旅はどうだった?」
「なかなかいい感じでした。カイル、お渡しする荷物を」
「はい。ここに」
「随分大きな荷物だね?これは何だい?」
「え…と、これアレイスターに。あっ!見るのはあとですよ。まだダメです。どうぞ船旅お楽しみに。じゃ後で」パタン
「後で…?」
さて、ち密な計算で動くべき僕に、一分一秒も余分な時間はない。
お父様たちに出迎えられたアレイスターを個室へ案内した後、僕はたらこキューピーにしてあったシェイナを急いで抱き上げ、下船したお父様が乗る馬車へと向かった。
うん?何故ぐるぐる巻きにしてあるかって?これは乳児が暴れたりしないように、という貴族の風習である。
自我のハッキリしているシェイナは普段これをものすごく嫌がるのだが…よく眠っているのだろう。ほとんど顔の見えない状態で微動だにしない。
「お父様ー!」
「なんだねシャノン。大声を出して」
「えっと、お父様たまにはシェイナを抱っこしたいって言ってたじゃありませんか。だからはい」
「う、うむ…だが」
「しぃ!今寝てるから起さないで!それよりニコールさんが心配してると思うんで早く出発してください」
僕とお父様は別々の馬車で帰ることになっている。何故なら、僕は寄り道があるからご一緒出来ないと事前にお伝えしてあるからだ。
そして次。僕は大慌てで自分の馬車に乗り込み…
「カイルごめんね。お父様が大事な話があるって言うから…一人で乗って行ってくれる?」
「旦那様が…。ええもちろんですとも」
乗った扉とは反対側の扉から降りると、こっそりカバンに詰め込んできた船員の服を上に羽織って白い帽子を頭にかぶる。
こういう衣装は一瞬で印象を変えられるのがいいところだ。
こうして僕は何食わぬ顔をして船の中へと戻っていった。二台の馬車は船が岸を離れるのを確認して動き出したが、まさか僕が乗っているとは思うまい。
「ふーやれやれ。あ、荷物」
さっきアレイスターに渡した荷物は僕の旅行用パッキングだ。
個室は三部屋。アレイスター、ヘクターさん、そしてクーパー伯。でも問題ない。僕は居間のソファでもかまわない。
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