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189 断罪を終えた下町
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「シェイナ、アノン、お利口にしてね」
「あい」
「はい」
ふっふっふっ。本日は二年ぶりの神礼祭イン下町。
僕と双子の三人で、というナイスな案は即座に却下され、エンブリーから戻っていた護衛ABCとともに、ロイド、そしてアリソン君が同行を願い出た。いや、別に問題無いんだけどね。
残念ながらリアム君とミーガン嬢は両親と一緒に王城だ。その後はチャムリー侯爵邸に親戚一同集まって晩餐らしい。あの二人は卒業とともに結婚だし、一族顔合わせ…的な?その場には二女の婚約予定者ブラッドも同席する。
前回と同じように今回も平民服に着替えた僕らだが、僕の面が割れすぎていて、実際のところほとんど無意味だ。けどまあ…貴族服だと浮くし、一応ね。雰囲気だよ雰囲気。
「アリソン様似合いますよその平民服。ロイド様も」
「…シャ、シャノン様もその、す、すす、スカート姿がなんとも、か、かわ」
「二年前はアレイスター殿下とまわられたのですよね?」
ロイドをぶった切って話しかけるアリソン君の手はしっかりとアノンに繋がれている。
そしてシェイナと手を繋ぐのは僕だが、そういえばあの時はアレイスターと手を繋いで歩いたんだっけ。
「今日もいっしょに行けたら良かったんだけど…でもお務めは大切だから」
アレイスターはああいうお手振り…的なのが苦手みたいだ。けど北部に行ったら嫌でもやらなきゃいけないんだし…仕方ないよね。
とまあ、そんな感じで本日のテーマ、双子ちゃんの『初めてのお使い』始まり始まり~!
「ジョン、ジョンこちらへ」
「はいにいさん」
「今日はアノン様から絶対目を離さない事、常に何か不足は無いか考え心を配る事、いいね」
「は、は、はい!」
一応ナニーもいるのだが、今日はジョンの従者見習いデビューの日でもある。
ジョンはこう…、出自が孤児院だけに、なかなか貴族の礼儀とか作法とか話し方…とかに抵抗が強かったのだが、あのクリスマスの夜から、がぜんヤル気が出たようだ。
あれからわずか三週間足らずだというのに、話し方とか振る舞いがかなり改善されている。
何があったか知らないが、やっぱりフレッシュな脳細胞は本気さえ出せば覚えが早い。この調子で頑張ってもらいたいものだ。
コソッ「シェイナは下町初めて?」
「そう」
よーしよーし、そうかそうか。
「シェイナ、アノン、欲しいものがあったらお兄ちゃんに言うんだよ。何でも買ってあげるからね」
「わぁい、おにいちゃまだいちゅき」
ぐっはぁ!
アカン…アノン攻撃力たっかいわー。…お父様のあの顔を幼児期まで退行させるとこれほどキュートになるとは…その部分だけがイマイチ納得いかないが、よく見ればお父様の顔は童顔タイプと言えなくもない。なるほど、一個覚えた。
シェイナの顔はお人形の様に整いまくっているがアノンはキュート、例えるなら正統派美人女優とトップアイドル…みたいな?どっちも美味しいよね。よきよき。
「…ノン、あれは?」
「あれは…ガレットだよ」
「ガレット?」
ここで説明しておこう。薄くて丸い焼き菓子クレープは貴族街でも楽しまれているスイーツだ。けどここ下町のクレープは、高価な小麦粉でなく、ルテティアでは安価なそば粉が使われているのだが、それを称してガレットと呼ばれている。
ガレットはパン代りの主食になったりもするが、庶民は果実で甘みをつけてスイーツ代りにしたりもする。
そういえばシャノンは焼き菓子が好きだったな…
「シェイナ、食べ歩きとか…してみたくない?」
「えっ?ちょんな…」
「大丈夫大丈夫。みんな、ここであったことは…」
「私には何も見えません」
「私もです」
貴族の嗜みなんか今日は無礼講だ!だって僕はシャノン。高飛車な男。誰も僕を止められない。
「はいシェイナは木苺、アノンはリンゴ。落とさないでね」
嬉しそうに上品にかじるシェイナと、あっという間に落としたアノン…ああ…
「ふ、ふぇ…」
「ジョン!ガレットあるだけ買ってきて!大至急!」チャリン
「は、はい!」
セーフ!危なかった…
おっと、シェイナが何かに気付いたようだ。
「…ノン…おかね…」
「自分で持ってるよ。買い物は自分でしてこその満足だからね」
貴族の中の貴族だったシェイナには〝お金を持つ”という感覚がどうもないらしい。彼らは基本外商が屋敷にやって来るし、外での買い物は大店ならつけ払いだし、小さな店なら従者が払う。でも真の貨幣価値は自分で支払ってこそ身に付くものだ。
「シェイナ、アノン、今日は二人にもお財布を作ってきたんだよ」
もちろんゴム付きで。
「ここに銀貨を入れてあげるから好きなもの自分で買ってごらん」
おずおずと、それでも楽しそうに店を見てまわるシェイナと、素直にうなずき無邪気にキャンディーを買いに行ったアノン。双子と言っても厳密に双子じゃない二人は行動パターンも全然違う。
そして僕は気付いている。何気にアリソン君も初めての下町を楽しんでいるということに…
「アリソン様、ほらこれとか。あの子にお土産…いかがですか?」
「あの子…、ああ、カーティスですか?そうですね…、では他にも何か…」
よしっ!こうして地味に接点を作ってやればいずれは…ムフフ…
「シェイナ様、アノン様、ここから先が『シャローナ地区』と呼ばれる、シャノン様が改革された慈悲の地区ですよ」
ロイドの言葉を聞いて最奥をじぃぃっと見つめるシェイナ。もと『スキッド地区』だと知ってるシェイナは気になるんだろうな。
「寄りたいシェイナ?」
「いえシャノン様。もうすぐパレードの時間です。沿道に参りましょう」
「残念。また今度ね」
馬車道の沿道には既に人だかりが出来ている。僕たちはというと、実はアシュリーが場所をキープしてくれているので余裕だ。
「シャノン様、こちらです」
「ありがとうございますアシュリー」
ウェイブの様に大きくなってくる歓声。パレードの近づいて来る合図だ。
「もうきますよ」
「ああ先頭に剣を持ったコンラッドが」
ロイド、その情報は別に要らない。
「シャノン様、あそこにアレイスター殿下が」
「あ…」
バッチリ合う目と目。顔を見ながら振られる手。そうか…これがファンサというやつか。
なかなかいい気分だな、とても気分が良い。
ふと気づくと周囲の声援が耳に飛び込んでくる。
「コンラッド殿下は難行の旅に出られるそうよ」
「そいつぁすごい」
「アレイスター殿下は」
ドキッ!
日頃あまり人々の口端に乗ることの無いアレイスターの名前を聞いて思わずドキッとする。
「あの方は母親が平民出の第三側妃だからねぇ」
「劇場の踊り子だったな」
「そういうことさね」
劇場の踊り子…、これは前世で言うとミュージカルダンサーとかではなくナイトクラブのお色気系ダンサーである。そしてこの世界のそれには…夜のオマケがついてくる。第三側妃の出自がとやかく言われるのにはそういうわけだ。
「でもアレイスター殿下があんなに凛々しいなんて知らなかったわ」
「声かけちゃおう。アレイスター殿下ー!」
「私も!アレイスター殿下ー!」
…アレイスターが見つかった…!
ディレクター気分で黄色い声援をおくる女子たちをしばらく見ていた僕だが…
なんだろう、このモヤっと感は…
微笑みながら手を振るアレイスターはまんざらでもなさそうに見えて…なんかムカつく…あ、またこっち見た。
べーだ!
驚いた顔のアレイスター。でもしょうがないじゃん。もやもやするんだから…
「あい」
「はい」
ふっふっふっ。本日は二年ぶりの神礼祭イン下町。
僕と双子の三人で、というナイスな案は即座に却下され、エンブリーから戻っていた護衛ABCとともに、ロイド、そしてアリソン君が同行を願い出た。いや、別に問題無いんだけどね。
残念ながらリアム君とミーガン嬢は両親と一緒に王城だ。その後はチャムリー侯爵邸に親戚一同集まって晩餐らしい。あの二人は卒業とともに結婚だし、一族顔合わせ…的な?その場には二女の婚約予定者ブラッドも同席する。
前回と同じように今回も平民服に着替えた僕らだが、僕の面が割れすぎていて、実際のところほとんど無意味だ。けどまあ…貴族服だと浮くし、一応ね。雰囲気だよ雰囲気。
「アリソン様似合いますよその平民服。ロイド様も」
「…シャ、シャノン様もその、す、すす、スカート姿がなんとも、か、かわ」
「二年前はアレイスター殿下とまわられたのですよね?」
ロイドをぶった切って話しかけるアリソン君の手はしっかりとアノンに繋がれている。
そしてシェイナと手を繋ぐのは僕だが、そういえばあの時はアレイスターと手を繋いで歩いたんだっけ。
「今日もいっしょに行けたら良かったんだけど…でもお務めは大切だから」
アレイスターはああいうお手振り…的なのが苦手みたいだ。けど北部に行ったら嫌でもやらなきゃいけないんだし…仕方ないよね。
とまあ、そんな感じで本日のテーマ、双子ちゃんの『初めてのお使い』始まり始まり~!
「ジョン、ジョンこちらへ」
「はいにいさん」
「今日はアノン様から絶対目を離さない事、常に何か不足は無いか考え心を配る事、いいね」
「は、は、はい!」
一応ナニーもいるのだが、今日はジョンの従者見習いデビューの日でもある。
ジョンはこう…、出自が孤児院だけに、なかなか貴族の礼儀とか作法とか話し方…とかに抵抗が強かったのだが、あのクリスマスの夜から、がぜんヤル気が出たようだ。
あれからわずか三週間足らずだというのに、話し方とか振る舞いがかなり改善されている。
何があったか知らないが、やっぱりフレッシュな脳細胞は本気さえ出せば覚えが早い。この調子で頑張ってもらいたいものだ。
コソッ「シェイナは下町初めて?」
「そう」
よーしよーし、そうかそうか。
「シェイナ、アノン、欲しいものがあったらお兄ちゃんに言うんだよ。何でも買ってあげるからね」
「わぁい、おにいちゃまだいちゅき」
ぐっはぁ!
アカン…アノン攻撃力たっかいわー。…お父様のあの顔を幼児期まで退行させるとこれほどキュートになるとは…その部分だけがイマイチ納得いかないが、よく見ればお父様の顔は童顔タイプと言えなくもない。なるほど、一個覚えた。
シェイナの顔はお人形の様に整いまくっているがアノンはキュート、例えるなら正統派美人女優とトップアイドル…みたいな?どっちも美味しいよね。よきよき。
「…ノン、あれは?」
「あれは…ガレットだよ」
「ガレット?」
ここで説明しておこう。薄くて丸い焼き菓子クレープは貴族街でも楽しまれているスイーツだ。けどここ下町のクレープは、高価な小麦粉でなく、ルテティアでは安価なそば粉が使われているのだが、それを称してガレットと呼ばれている。
ガレットはパン代りの主食になったりもするが、庶民は果実で甘みをつけてスイーツ代りにしたりもする。
そういえばシャノンは焼き菓子が好きだったな…
「シェイナ、食べ歩きとか…してみたくない?」
「えっ?ちょんな…」
「大丈夫大丈夫。みんな、ここであったことは…」
「私には何も見えません」
「私もです」
貴族の嗜みなんか今日は無礼講だ!だって僕はシャノン。高飛車な男。誰も僕を止められない。
「はいシェイナは木苺、アノンはリンゴ。落とさないでね」
嬉しそうに上品にかじるシェイナと、あっという間に落としたアノン…ああ…
「ふ、ふぇ…」
「ジョン!ガレットあるだけ買ってきて!大至急!」チャリン
「は、はい!」
セーフ!危なかった…
おっと、シェイナが何かに気付いたようだ。
「…ノン…おかね…」
「自分で持ってるよ。買い物は自分でしてこその満足だからね」
貴族の中の貴族だったシェイナには〝お金を持つ”という感覚がどうもないらしい。彼らは基本外商が屋敷にやって来るし、外での買い物は大店ならつけ払いだし、小さな店なら従者が払う。でも真の貨幣価値は自分で支払ってこそ身に付くものだ。
「シェイナ、アノン、今日は二人にもお財布を作ってきたんだよ」
もちろんゴム付きで。
「ここに銀貨を入れてあげるから好きなもの自分で買ってごらん」
おずおずと、それでも楽しそうに店を見てまわるシェイナと、素直にうなずき無邪気にキャンディーを買いに行ったアノン。双子と言っても厳密に双子じゃない二人は行動パターンも全然違う。
そして僕は気付いている。何気にアリソン君も初めての下町を楽しんでいるということに…
「アリソン様、ほらこれとか。あの子にお土産…いかがですか?」
「あの子…、ああ、カーティスですか?そうですね…、では他にも何か…」
よしっ!こうして地味に接点を作ってやればいずれは…ムフフ…
「シェイナ様、アノン様、ここから先が『シャローナ地区』と呼ばれる、シャノン様が改革された慈悲の地区ですよ」
ロイドの言葉を聞いて最奥をじぃぃっと見つめるシェイナ。もと『スキッド地区』だと知ってるシェイナは気になるんだろうな。
「寄りたいシェイナ?」
「いえシャノン様。もうすぐパレードの時間です。沿道に参りましょう」
「残念。また今度ね」
馬車道の沿道には既に人だかりが出来ている。僕たちはというと、実はアシュリーが場所をキープしてくれているので余裕だ。
「シャノン様、こちらです」
「ありがとうございますアシュリー」
ウェイブの様に大きくなってくる歓声。パレードの近づいて来る合図だ。
「もうきますよ」
「ああ先頭に剣を持ったコンラッドが」
ロイド、その情報は別に要らない。
「シャノン様、あそこにアレイスター殿下が」
「あ…」
バッチリ合う目と目。顔を見ながら振られる手。そうか…これがファンサというやつか。
なかなかいい気分だな、とても気分が良い。
ふと気づくと周囲の声援が耳に飛び込んでくる。
「コンラッド殿下は難行の旅に出られるそうよ」
「そいつぁすごい」
「アレイスター殿下は」
ドキッ!
日頃あまり人々の口端に乗ることの無いアレイスターの名前を聞いて思わずドキッとする。
「あの方は母親が平民出の第三側妃だからねぇ」
「劇場の踊り子だったな」
「そういうことさね」
劇場の踊り子…、これは前世で言うとミュージカルダンサーとかではなくナイトクラブのお色気系ダンサーである。そしてこの世界のそれには…夜のオマケがついてくる。第三側妃の出自がとやかく言われるのにはそういうわけだ。
「でもアレイスター殿下があんなに凛々しいなんて知らなかったわ」
「声かけちゃおう。アレイスター殿下ー!」
「私も!アレイスター殿下ー!」
…アレイスターが見つかった…!
ディレクター気分で黄色い声援をおくる女子たちをしばらく見ていた僕だが…
なんだろう、このモヤっと感は…
微笑みながら手を振るアレイスターはまんざらでもなさそうに見えて…なんかムカつく…あ、またこっち見た。
べーだ!
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