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192 断罪からの帰還
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光の矢になって飛ばされた先、そこに広がる光景は…『北の国から』
ガクガクブルブル…イヤ本気で。
カチカチカチカチ…歯が欠けそう…
そう言えば僕は裁判所でジャケットを脱いでて、今着ているのはブラウスとベストだけだった。さ、寒い…
はっ!実体が…戻ってる!良かったぁ~、フォルダにキャラ画像突っ込んどいて!
というか…、アカン…寒いうえに正面から吹き付ける雪交じりの強風で前も見えないし…ほ、ホワイトアウト…とかいうんだっけ?
BLのノベルゲーからミステリーになり、ミステリーからホラーになり、ホラー展開から法廷もの…ときて今度は遭難サスペンスものか…
ああっ!誰か早く僕をBLゲーに戻して!この際18禁でもいいから!
「シャノン!シャノンなのか!」
「アレイスター?そこに居るの?」
怖くて寒くて一歩も進めない!そう思った時、真っ白な空間から聞こえてきたのは今一番聞きたかったアレイスターの声!
「アレイスター!アレイスター!どこーっ!」
……早業過ぎてよく分からなかったが、気が付いたら僕は秒でガァァァッチリホールドされていた。いやもう、ハグってレベルじゃなくてね。
でも暖かいからこのままでいいや…
「ああシャノン、無事で良かった!」
ジワリ「……実は無事じゃなかった。もうちょっとで消えちゃうとこだった…」
「ではシェイナ嬢の感覚は当たっていたのか…」
「シェイナが何って?」
やっぱり僕とシェイナは二人で一つ!相棒であるシェイナは僕の生存を察知し、風前の灯となった魂を繋ぎとめるため、秘めたる力(多分潜在的な神子パワー)を使って魂のもと(オーラ…とか気…的な?)を送り続けているのだとか。
「でもそんなことしたらシェイナが死んじゃうんじゃないの?アレイスター!どうして止めてくれなかったの!」
「心配はいらない、彼女はエンブリー卿が護る」
「ど、どういうこと?」
「彼はシェイナ嬢の消失を危惧し、彼女の魂が無くならないよう自分の魂を差し出している」
「ええっ!」
「二人で力を出し合えばどちらも死ぬことは無いと私は信じているよ」
真実の愛ここに発見!
ジェロームがそこまでシェイナを想ってたなんて…。だってゆうてもシェイナは現状幼児だし…まさかそこまでとは。いやー、愛だね。
けど僕はそんなジェロームとシェイナ、二人分の愛に支えられ今ここに居るわけだから。つまり一番愛されているのは…僕!
ホンワカ…って、ホンワカしている場合か!凍死するわ!
ブルブルッ
「は、早く連れてってアレイスター!このままじゃ全員揃ってフィギュアになる!」
あっちの二人はミイラに。こっちの二人は雪像に。
「そうしたいのはやまやまだが、参ったな。迎えに来たは良いが私に手段はない」
「え?ノープランで来たの?」
アレイスターがスパダリ未満なのはそういうとこだよ?ま、キライじゃないけど…
「君が知ってるだろうとシェイナ嬢が。分かるかいシャノン」
なに!
シェイナがそんな一か八かの賭けに出るだろうか…、いいや出ない。ってことは何かあるはず…
「シェイナは他に何か言ってなかった?」
「愛し合わないと難しい、と」
「な…っ!」
ボボボボボ!シ、シェイナ…なんてことを…!
「どうだろうシャノン」
「うーん…多分だけど…分かった気がする…」
ここで大事なのはシェイナが言った愛し合う二人、という部分だ。
シェイナも僕も、小説の強制力に振り回されて来た苦労人だ。だからこそ、物語にはお約束の展開がある、というのもよく知っている。
そのうえでわざわざそこを強調するってことは多分アレだ。だってこういう場面の蘇生方法なんて一つしかない。
それはアレだ。ほらアレだよ。眠りっぱなしの姫が起きたり…白い雪みたいなお姫様が蘇生したりっていう、例のアレ。
古今東西、お姫さまを目覚めさせるのは王子様の役目って決まってるワケで!わー!自分で姫って言っちゃった!
それにここのシャノンを僕で固定するためには、僕がアレイスターの〝運命の人”になる必要があって…それには僕とアレイスターがアレをするのがかなり有効と思われるわけで…だからその…やるか?やるしかないのか?
「どうしたんだシャノン。早くしないと」
「いや急かされても…」
いや別に?フライングで一度したし?って言うかされたし?アレぐらい?どうってこと無いけど?
…でもこう、改まっては恥ずかしいと言うかなんというか…
だってアレをアレイスターとアレするって…わー!もうアレアレって、アレはもういい!
「急ぐんだシャノン!私は何をすればいい?」
くっ!…自分の口から言わされるとは、これなんて罰ゲーム…
「…キスを…」
ぴゆぅぅぅぅ
「良く聞こえないシャノン」
「だからキスを!」
びゅぅぅぅぅ
「もっと大きな声で!」
わざとじゃないよね!?
はっ!ポケットに入ってるこれは…クリスマスソックスを編んだ時の赤い毛糸の残り!
そうだよ!何も運命確定するのにアレしなくったってこれで良いじゃん!ア、アレは…あとでほんのちょっと、触れる程度で…
「アレイスター、指貸して」
「指?…意味深だね」
「…バカ…薬指じゃなくて…小指。左手の」
「こうかい?」
キュキュ
「こっちは僕の小指に…出来た」
「これは?」
「運命の赤い糸」
「運命の赤い糸?それは…」
「この赤い糸で結ばれた二人は、時間も距離も超えて絶対結ばれるって東洋…、つまりシッタカブッタの地域では言われてるの。この赤い糸は絶対切れなくて、だからもうこれでアレイスターと僕は二度と離れられない運命共同体。ああ良かった、これで一安し、ん!んんー!」
だ、誰がアレしていいって言ったー!
それも…こんな熱烈なやつ…
ふ、あ、は、こ、これは、ど、どう、ああもう…頭の中…真っ白…
どれくらいそうして、いや、そうされていただろう。
何度も何度も角度を変えるそれに、ボーっとなった頭へ理性が戻ってきた頃…微かに聞こえてきたのは吹雪の音でなく人々のざわめき。
ん?人々のざわめき?
「シャノン!気が付いたのかシャノン!」
「兄さん!大丈夫ですか!」
う、わぁぁぁぁ!ストップ!アレイスターやめぃ!
「ん、ん!」ドン!
「…これは…」
これは…じゃない!見ろ!注目の的じゃないか!こっぱずかしい!
「おおお!殿下の口づけで『神託』がお目覚めになったぞ!」
「いいや違う!妹シェイナ様のお力だ!」
「馬鹿を言え、殿下だ!」
「シェイナ様だ!」
ええい!どっちでもいい!
そこはさっきまで居た雪国でなく裁判所で、床に寝そべった僕は上体だけを起こした姿勢で、アレイスターに抱きしめられたまま衆人監視の中で…キ、キスをされていた。くあぁ…もう表通りを歩けない…
「ノン…」
傍らから聞こえてきたのは聞きなれた幼児声。
「シェイナ!!!」
僕の恩人!魂の消失を防いでくれた、正真正銘、本物の元神子!
「シェイナありがとう。つなぎとめてくれたんだね…」
「う…」
様子がおかしい…
「シェイナ…大丈…あっ!ジェロームまで!」
一難去ってまた一難。そこには力尽き床に身体を横たえるジェロームの姿が…!そして僕の姿を確認したシェイナもまた、そのうえに重なるように倒れていく…!
ああ…一体いつになったらここに平穏が訪れるのか…
ガクガクブルブル…イヤ本気で。
カチカチカチカチ…歯が欠けそう…
そう言えば僕は裁判所でジャケットを脱いでて、今着ているのはブラウスとベストだけだった。さ、寒い…
はっ!実体が…戻ってる!良かったぁ~、フォルダにキャラ画像突っ込んどいて!
というか…、アカン…寒いうえに正面から吹き付ける雪交じりの強風で前も見えないし…ほ、ホワイトアウト…とかいうんだっけ?
BLのノベルゲーからミステリーになり、ミステリーからホラーになり、ホラー展開から法廷もの…ときて今度は遭難サスペンスものか…
ああっ!誰か早く僕をBLゲーに戻して!この際18禁でもいいから!
「シャノン!シャノンなのか!」
「アレイスター?そこに居るの?」
怖くて寒くて一歩も進めない!そう思った時、真っ白な空間から聞こえてきたのは今一番聞きたかったアレイスターの声!
「アレイスター!アレイスター!どこーっ!」
……早業過ぎてよく分からなかったが、気が付いたら僕は秒でガァァァッチリホールドされていた。いやもう、ハグってレベルじゃなくてね。
でも暖かいからこのままでいいや…
「ああシャノン、無事で良かった!」
ジワリ「……実は無事じゃなかった。もうちょっとで消えちゃうとこだった…」
「ではシェイナ嬢の感覚は当たっていたのか…」
「シェイナが何って?」
やっぱり僕とシェイナは二人で一つ!相棒であるシェイナは僕の生存を察知し、風前の灯となった魂を繋ぎとめるため、秘めたる力(多分潜在的な神子パワー)を使って魂のもと(オーラ…とか気…的な?)を送り続けているのだとか。
「でもそんなことしたらシェイナが死んじゃうんじゃないの?アレイスター!どうして止めてくれなかったの!」
「心配はいらない、彼女はエンブリー卿が護る」
「ど、どういうこと?」
「彼はシェイナ嬢の消失を危惧し、彼女の魂が無くならないよう自分の魂を差し出している」
「ええっ!」
「二人で力を出し合えばどちらも死ぬことは無いと私は信じているよ」
真実の愛ここに発見!
ジェロームがそこまでシェイナを想ってたなんて…。だってゆうてもシェイナは現状幼児だし…まさかそこまでとは。いやー、愛だね。
けど僕はそんなジェロームとシェイナ、二人分の愛に支えられ今ここに居るわけだから。つまり一番愛されているのは…僕!
ホンワカ…って、ホンワカしている場合か!凍死するわ!
ブルブルッ
「は、早く連れてってアレイスター!このままじゃ全員揃ってフィギュアになる!」
あっちの二人はミイラに。こっちの二人は雪像に。
「そうしたいのはやまやまだが、参ったな。迎えに来たは良いが私に手段はない」
「え?ノープランで来たの?」
アレイスターがスパダリ未満なのはそういうとこだよ?ま、キライじゃないけど…
「君が知ってるだろうとシェイナ嬢が。分かるかいシャノン」
なに!
シェイナがそんな一か八かの賭けに出るだろうか…、いいや出ない。ってことは何かあるはず…
「シェイナは他に何か言ってなかった?」
「愛し合わないと難しい、と」
「な…っ!」
ボボボボボ!シ、シェイナ…なんてことを…!
「どうだろうシャノン」
「うーん…多分だけど…分かった気がする…」
ここで大事なのはシェイナが言った愛し合う二人、という部分だ。
シェイナも僕も、小説の強制力に振り回されて来た苦労人だ。だからこそ、物語にはお約束の展開がある、というのもよく知っている。
そのうえでわざわざそこを強調するってことは多分アレだ。だってこういう場面の蘇生方法なんて一つしかない。
それはアレだ。ほらアレだよ。眠りっぱなしの姫が起きたり…白い雪みたいなお姫様が蘇生したりっていう、例のアレ。
古今東西、お姫さまを目覚めさせるのは王子様の役目って決まってるワケで!わー!自分で姫って言っちゃった!
それにここのシャノンを僕で固定するためには、僕がアレイスターの〝運命の人”になる必要があって…それには僕とアレイスターがアレをするのがかなり有効と思われるわけで…だからその…やるか?やるしかないのか?
「どうしたんだシャノン。早くしないと」
「いや急かされても…」
いや別に?フライングで一度したし?って言うかされたし?アレぐらい?どうってこと無いけど?
…でもこう、改まっては恥ずかしいと言うかなんというか…
だってアレをアレイスターとアレするって…わー!もうアレアレって、アレはもういい!
「急ぐんだシャノン!私は何をすればいい?」
くっ!…自分の口から言わされるとは、これなんて罰ゲーム…
「…キスを…」
ぴゆぅぅぅぅ
「良く聞こえないシャノン」
「だからキスを!」
びゅぅぅぅぅ
「もっと大きな声で!」
わざとじゃないよね!?
はっ!ポケットに入ってるこれは…クリスマスソックスを編んだ時の赤い毛糸の残り!
そうだよ!何も運命確定するのにアレしなくったってこれで良いじゃん!ア、アレは…あとでほんのちょっと、触れる程度で…
「アレイスター、指貸して」
「指?…意味深だね」
「…バカ…薬指じゃなくて…小指。左手の」
「こうかい?」
キュキュ
「こっちは僕の小指に…出来た」
「これは?」
「運命の赤い糸」
「運命の赤い糸?それは…」
「この赤い糸で結ばれた二人は、時間も距離も超えて絶対結ばれるって東洋…、つまりシッタカブッタの地域では言われてるの。この赤い糸は絶対切れなくて、だからもうこれでアレイスターと僕は二度と離れられない運命共同体。ああ良かった、これで一安し、ん!んんー!」
だ、誰がアレしていいって言ったー!
それも…こんな熱烈なやつ…
ふ、あ、は、こ、これは、ど、どう、ああもう…頭の中…真っ白…
どれくらいそうして、いや、そうされていただろう。
何度も何度も角度を変えるそれに、ボーっとなった頭へ理性が戻ってきた頃…微かに聞こえてきたのは吹雪の音でなく人々のざわめき。
ん?人々のざわめき?
「シャノン!気が付いたのかシャノン!」
「兄さん!大丈夫ですか!」
う、わぁぁぁぁ!ストップ!アレイスターやめぃ!
「ん、ん!」ドン!
「…これは…」
これは…じゃない!見ろ!注目の的じゃないか!こっぱずかしい!
「おおお!殿下の口づけで『神託』がお目覚めになったぞ!」
「いいや違う!妹シェイナ様のお力だ!」
「馬鹿を言え、殿下だ!」
「シェイナ様だ!」
ええい!どっちでもいい!
そこはさっきまで居た雪国でなく裁判所で、床に寝そべった僕は上体だけを起こした姿勢で、アレイスターに抱きしめられたまま衆人監視の中で…キ、キスをされていた。くあぁ…もう表通りを歩けない…
「ノン…」
傍らから聞こえてきたのは聞きなれた幼児声。
「シェイナ!!!」
僕の恩人!魂の消失を防いでくれた、正真正銘、本物の元神子!
「シェイナありがとう。つなぎとめてくれたんだね…」
「う…」
様子がおかしい…
「シェイナ…大丈…あっ!ジェロームまで!」
一難去ってまた一難。そこには力尽き床に身体を横たえるジェロームの姿が…!そして僕の姿を確認したシェイナもまた、そのうえに重なるように倒れていく…!
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