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209 断罪の果てに 北部 ④
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「良かった持ってて」
「それは…自分で縫ったのかい?」
「そう。わりと上手でしょ?」
ハウスの裏口に用意されていたのは脱出用の一頭の馬。いやー、マジビビったわ。これこそサプライズスターの真骨頂!共犯は修道院長だってさ。
そんな訳で僕とアレイスターは馬に乗って本当の二人きりになるべく馬を走らせたのだが…、実はプロムの夜、馬で屋敷まで送ってもらった僕は案の定その後クシャミが止まらなかった。そこで…と言う訳でもないけど、キルトを教えてもらった時に作成しておいたのだよ。何をって?お手製のマスクをね。
キルトは布地と布地の間に綿を挟む。三層構造の分厚いマスクはアレルギー対策にうってつけだ。…ちょっと暑苦しいのと息苦しいのが難だけど…でも緊急時にはそれくらい仕方ない。
因みにお父様にあげたコースターは、その時の失敗さ…副産物だ。
「風邪の予防にもいいですよ。アレイスターのも今度作ってあげますね。冬用に」
「ふむ…。領内に広めるのもいいかもしれない。防寒にもなりそうだ」
こうして何故かシャノンマスクが北部のお土産として定着していったのはちょっとしたオマケの話。
「アレイスター、この広場は?」
到着したのはだだっ広い広場。その広場を起点に左右へ道が延びている。
「ここが副王都の中心地になる。いいかい、ルッソから延びる街道とエンブリーから延びる街道、その二つがここで交わり、ここは交易の要となりどこよりも栄える予定だ。そしてね、ここの名は王都の下町に倣って『シャローナ広場』という」
「えっ?じ、じゃあ!」
「そうだ。ここは君のための広場だ。ここにはいくつもの屋台を並べよう。好きなだけ買い物を楽しむがいい」
「わぁ!アレイスター大好き!もしかして海の幸なんかも…?」
「乾物の屋台だが」
ぱぁぁぁぁ
「ふふ、楽しみかい?」
「すっごく!」
買い物好きのセレブ…みたいなイメージを持たれているのは些か不本意だがこれは…素直に嬉しい!
「まったく君という人は…プリチャード家に生まれながらどうしてこれほど質素なのだろうね。乾物の屋台ごときでこれほど喜ぶとは…」
「……」
質素…だと?…いつも爆買いしてるでしょうが!大人買いとか!このうえなく豪勢でしょうが!どこに目ぇつけてんの!
…ちょっと興奮してしまった(脳内で)…おやあれは?
「ねえアレイスター、あそこに人だかりが。見に行こう!」
「ああシャノン、あれは炭酸泉だ」
「炭酸泉?」
そこにあるのは石で囲った小さな水溜。サイズで言ったら子供用ビニールプールくらいの。そこには一本のパイプが立てられ、パイプからは水が流れている。
アレイスターが言うには、この北部にはところどころ炭酸水の湧く泉があるらしい。
その炭酸泉には、血行を良くしたり胃腸の調子を整える、といった付加効果があるらしく、みんな薬代わりに泉の水を汲みに来るのだとか。
「私もここへ来てから知ったのだけれどね」
「じゃあ他にもあるの?」
「最北にある国境山脈のふもとには何か所もある。私が見たのはここよりも大きな泉だ。あたたかい炭酸泉が噴き出ていたよ」
大きな泉…炭酸の…あたたかい…それってつまり…温泉?
小さな湯舟で一人ずつ入浴する習慣のルテティアでは、湧き出る炭酸泉を発見しても、大勢で裸の付き合い、的な発想にはそもそもならなかったのだろう。だが僕は前世日本人だ。
免疫に難を抱えた入院直前の僕は、その時すでにありとあらゆるアレルギーを発症していた。かきむしった真っ赤な肌を見て、両親は休みのたびに温泉や温泉っぽい施設に連れて行ってくれた。何が言いたいかというと…
僕は温泉が大好きだと言うこと!
「…行ってみたいな…」チラ
「流石に今日は無理だ」
「ねぇアレイスター…」チラ
「いやしかし…」
「……」チラ
「ふー、ではあそこに連れていこう」
「あそこ?」
「一度訪れたかった場所だ。そこにも泉があると聞いている」
いやっふぅ!
ぽっくりぽっくり一時間、休憩しながら六キロくらい進んだかな?到着したのは学校のビオトープみたいな場所。
大中小の雑草に隠れながら、そこには小さな泉があった。いや泉には違いないけど…これじゃ入れない…ガックシ…
「ところでここは?」
「幼い頃母から聞いた場所だ、一度来てみたかったのだよ」
「ヘイザール様に?」
「生家なのだといっていたが…」
「でも何もありませんよ?」
「朽ちてしまったのだろう…」
「ホントだ。ボロボロの古木が落ちてる…」
十になるかならないかで両親を亡くしたヘイザール様は生きるために自ら女子修道院へ入ったのだとか。そして数年後、一人でも生きていける年齢になると自由を求め還俗してたった一人で王都を目指したのだ。
うーん…、王城でも薄々気が付いていたけど…、その逞しい生き方にはどことなく似たスピリッツを感じる…
「シャノン、君はどことなく母に似ている」
「…そうですか?」
わお、いきなりのマザコン宣言。えー…勘弁してよ。マザコンはコンラッドだけで十分なんだけど…
「苦難であろうが幸福であろうが、母も君も自分が自分であることを決して見失わない。シャノン、君は恥じらい深く時に思慮深く、ルテティア貴族の品位を体現したような人だ。だが私の前では時に大胆でそしてひどく我儘で…私はそれが嬉しくて仕方がない」
前半部分は誰の話か分からなかったが…それはさておき今度はドM宣言?大丈夫?
「私を奮い立たせる銀の光、それが君だ。生涯離さない。覚悟はいいね」
真っ直ぐに僕を見つめるアレイスターの瞳に思わず居住まいを正す。
アレイスターのほんのり緑がかったグレーの瞳には僕だけが映ってて…この瞳を独り占めするのはなんだかとても気分が良いように思えた。
だって…
『白銀』の固定カプとか関係ない。ここはゲームの世界だけど、そこに生きる僕はいつだって僕でしか無くて。
アレイスターの中に居るシャノンは出会った一番最初から、シャノンじゃなくていつでもただの僕だったから。
だから…
「そんなこと言っちゃっていいの?僕はけっこうしつこいよ?」
「そう願いたい」
時刻は日暮れ。西の空では夕日が傾き、僕とアレイスターの影はどこまでも伸びる。
ゆっくり近づき重なり合った、一つの長い影が…
で終わると思うじゃん?
甘いね。甘すぎるよ。…想像が。
すっかり暗くなった頃のんきに屋敷へ戻った僕とアレイスターが、阿修羅みたいになったヘクターにどれ程叱られたか…
アレイスターは慣れっこみたいだったけど僕は若干ビビり倒して…、…それからしばらくヘクターさんにはヘコヘコしちゃったよ…
「それは…自分で縫ったのかい?」
「そう。わりと上手でしょ?」
ハウスの裏口に用意されていたのは脱出用の一頭の馬。いやー、マジビビったわ。これこそサプライズスターの真骨頂!共犯は修道院長だってさ。
そんな訳で僕とアレイスターは馬に乗って本当の二人きりになるべく馬を走らせたのだが…、実はプロムの夜、馬で屋敷まで送ってもらった僕は案の定その後クシャミが止まらなかった。そこで…と言う訳でもないけど、キルトを教えてもらった時に作成しておいたのだよ。何をって?お手製のマスクをね。
キルトは布地と布地の間に綿を挟む。三層構造の分厚いマスクはアレルギー対策にうってつけだ。…ちょっと暑苦しいのと息苦しいのが難だけど…でも緊急時にはそれくらい仕方ない。
因みにお父様にあげたコースターは、その時の失敗さ…副産物だ。
「風邪の予防にもいいですよ。アレイスターのも今度作ってあげますね。冬用に」
「ふむ…。領内に広めるのもいいかもしれない。防寒にもなりそうだ」
こうして何故かシャノンマスクが北部のお土産として定着していったのはちょっとしたオマケの話。
「アレイスター、この広場は?」
到着したのはだだっ広い広場。その広場を起点に左右へ道が延びている。
「ここが副王都の中心地になる。いいかい、ルッソから延びる街道とエンブリーから延びる街道、その二つがここで交わり、ここは交易の要となりどこよりも栄える予定だ。そしてね、ここの名は王都の下町に倣って『シャローナ広場』という」
「えっ?じ、じゃあ!」
「そうだ。ここは君のための広場だ。ここにはいくつもの屋台を並べよう。好きなだけ買い物を楽しむがいい」
「わぁ!アレイスター大好き!もしかして海の幸なんかも…?」
「乾物の屋台だが」
ぱぁぁぁぁ
「ふふ、楽しみかい?」
「すっごく!」
買い物好きのセレブ…みたいなイメージを持たれているのは些か不本意だがこれは…素直に嬉しい!
「まったく君という人は…プリチャード家に生まれながらどうしてこれほど質素なのだろうね。乾物の屋台ごときでこれほど喜ぶとは…」
「……」
質素…だと?…いつも爆買いしてるでしょうが!大人買いとか!このうえなく豪勢でしょうが!どこに目ぇつけてんの!
…ちょっと興奮してしまった(脳内で)…おやあれは?
「ねえアレイスター、あそこに人だかりが。見に行こう!」
「ああシャノン、あれは炭酸泉だ」
「炭酸泉?」
そこにあるのは石で囲った小さな水溜。サイズで言ったら子供用ビニールプールくらいの。そこには一本のパイプが立てられ、パイプからは水が流れている。
アレイスターが言うには、この北部にはところどころ炭酸水の湧く泉があるらしい。
その炭酸泉には、血行を良くしたり胃腸の調子を整える、といった付加効果があるらしく、みんな薬代わりに泉の水を汲みに来るのだとか。
「私もここへ来てから知ったのだけれどね」
「じゃあ他にもあるの?」
「最北にある国境山脈のふもとには何か所もある。私が見たのはここよりも大きな泉だ。あたたかい炭酸泉が噴き出ていたよ」
大きな泉…炭酸の…あたたかい…それってつまり…温泉?
小さな湯舟で一人ずつ入浴する習慣のルテティアでは、湧き出る炭酸泉を発見しても、大勢で裸の付き合い、的な発想にはそもそもならなかったのだろう。だが僕は前世日本人だ。
免疫に難を抱えた入院直前の僕は、その時すでにありとあらゆるアレルギーを発症していた。かきむしった真っ赤な肌を見て、両親は休みのたびに温泉や温泉っぽい施設に連れて行ってくれた。何が言いたいかというと…
僕は温泉が大好きだと言うこと!
「…行ってみたいな…」チラ
「流石に今日は無理だ」
「ねぇアレイスター…」チラ
「いやしかし…」
「……」チラ
「ふー、ではあそこに連れていこう」
「あそこ?」
「一度訪れたかった場所だ。そこにも泉があると聞いている」
いやっふぅ!
ぽっくりぽっくり一時間、休憩しながら六キロくらい進んだかな?到着したのは学校のビオトープみたいな場所。
大中小の雑草に隠れながら、そこには小さな泉があった。いや泉には違いないけど…これじゃ入れない…ガックシ…
「ところでここは?」
「幼い頃母から聞いた場所だ、一度来てみたかったのだよ」
「ヘイザール様に?」
「生家なのだといっていたが…」
「でも何もありませんよ?」
「朽ちてしまったのだろう…」
「ホントだ。ボロボロの古木が落ちてる…」
十になるかならないかで両親を亡くしたヘイザール様は生きるために自ら女子修道院へ入ったのだとか。そして数年後、一人でも生きていける年齢になると自由を求め還俗してたった一人で王都を目指したのだ。
うーん…、王城でも薄々気が付いていたけど…、その逞しい生き方にはどことなく似たスピリッツを感じる…
「シャノン、君はどことなく母に似ている」
「…そうですか?」
わお、いきなりのマザコン宣言。えー…勘弁してよ。マザコンはコンラッドだけで十分なんだけど…
「苦難であろうが幸福であろうが、母も君も自分が自分であることを決して見失わない。シャノン、君は恥じらい深く時に思慮深く、ルテティア貴族の品位を体現したような人だ。だが私の前では時に大胆でそしてひどく我儘で…私はそれが嬉しくて仕方がない」
前半部分は誰の話か分からなかったが…それはさておき今度はドM宣言?大丈夫?
「私を奮い立たせる銀の光、それが君だ。生涯離さない。覚悟はいいね」
真っ直ぐに僕を見つめるアレイスターの瞳に思わず居住まいを正す。
アレイスターのほんのり緑がかったグレーの瞳には僕だけが映ってて…この瞳を独り占めするのはなんだかとても気分が良いように思えた。
だって…
『白銀』の固定カプとか関係ない。ここはゲームの世界だけど、そこに生きる僕はいつだって僕でしか無くて。
アレイスターの中に居るシャノンは出会った一番最初から、シャノンじゃなくていつでもただの僕だったから。
だから…
「そんなこと言っちゃっていいの?僕はけっこうしつこいよ?」
「そう願いたい」
時刻は日暮れ。西の空では夕日が傾き、僕とアレイスターの影はどこまでも伸びる。
ゆっくり近づき重なり合った、一つの長い影が…
で終わると思うじゃん?
甘いね。甘すぎるよ。…想像が。
すっかり暗くなった頃のんきに屋敷へ戻った僕とアレイスターが、阿修羅みたいになったヘクターにどれ程叱られたか…
アレイスターは慣れっこみたいだったけど僕は若干ビビり倒して…、…それからしばらくヘクターさんにはヘコヘコしちゃったよ…
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