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推し活満喫編
神様ありがとうっ
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進めば進むほどに森は暗く肌寒くなっていく。
この乗り心地最悪な馬車はそれでも嫁に出す息子への最後のはなむけとばかりにお父さんやお兄さんたちが目いっぱいの防御魔法をかけてくれたみたいだ。せめて道中安全なようにと。
辺境伯領、その名も魔獣の住まう地バーガンディ。この地の空気は年々瘴気の淀みが進行していて、昔はここまでひどい状態ではなかったのに今では魔力の弱いものは足を踏み入れることもできないらしい。
もともと領内に住んでいた先住民たちは少しずつの変化だったから適応していったみたいだけど外からの者はそうはいかない。
そういう意味でも魔力操作に長けたカマーフィールド家の血筋はこの地への適性が高い。なるほど、婚姻相手に選ばれるわけだ。そんなわけで旅の従者も伯爵家の使用人の中でも比較的魔力の多い者が厳選された。それでも長く留まるほどではないみたい。ギリ入ることは出来る程度ってところ。そのため僕を無事送り届けたら皆すぐ帰ってしまう。
とは言っても僕的にはこの人たちすら道中の2~3日分の面識しかないからそれほど寂しさは感じないんだ。心細さ?そんなのこの世界に来た時からずっと心細さは続いてる!
どうせ誰も頼れない。参ったな…。でも大丈夫。僕はアクティブなオタクだからね。考えるな感じろだよ。行動さえすれば道は開けるはず!
悶々としている間に領主邸に着いたようだ。何だか知らないけど正門をくぐった辺りから徐々に空が赤暗くなり厚い雲に覆われゴロゴロと雷鳴がなり始めた。…え~ここは魔王城かなんかなの?SEおかしくない?
正面のポーチに領主邸の使用人の方々が並んでくれている。その中一番前にひときわ背の高い人が。
あれがバーガンディ辺境伯グラナダ・リーガル様かな?顔は…暗くてよくみえないな。
緊張で心拍数がやばいことになっている。ひぃ~。
恐る恐る馬車から降り挨拶のために近づく。
「お出迎えありがとうございます辺境伯様。アデル・カマーフィールドと申します。一生懸命頑張りますのでよろしくお願いします。」
貴族の口上なんてちっともわかんないから新しいバイト先で自己紹介するときの感覚であいさつして頭を下げた。すると頭上から声がした。
「…我が兄はこの強力な魔力の宿る血脈を何が何でも残したいらしい。仕方がない。断れば叛意ととられる。子を生す為の道具としてお前を迎えた。伯爵家へは十分な結納金を払ってある。夜伽以外でお前と関わるつもりはない。離宮をくれてやるから好きにせよ」
!!
びっくりした!声が!声が!大好きな大好きな坂下クンにそっくり!
驚いて顔を上げるとなんと!顔もそっくり~!こんなことってあってもいいの?
え~え~まじですか~語彙がっ語彙が無くなる~!え~僕坂下クンのお嫁さんになっちゃうの~?え~これなんてご褒美!異世界転移の特典ですかっ!
生きてて良かった!神様ありがとう!
表向き平静をよそおいながら心の中、超テンション爆上がりでだいぶん頭の悪いことばかり考えてたら正面玄関から真っすぐ抜けた中央の老木になんと雷が落ちた!
あまりの衝撃と雷鳴にびっくりして「ぎゃぁっ」と可愛くない悲鳴を上げながら、僕にはその落雷が運命の合図に思え(この人を推す!全力で推す!!)幸せな使命感に包まれながら気を失った。
この乗り心地最悪な馬車はそれでも嫁に出す息子への最後のはなむけとばかりにお父さんやお兄さんたちが目いっぱいの防御魔法をかけてくれたみたいだ。せめて道中安全なようにと。
辺境伯領、その名も魔獣の住まう地バーガンディ。この地の空気は年々瘴気の淀みが進行していて、昔はここまでひどい状態ではなかったのに今では魔力の弱いものは足を踏み入れることもできないらしい。
もともと領内に住んでいた先住民たちは少しずつの変化だったから適応していったみたいだけど外からの者はそうはいかない。
そういう意味でも魔力操作に長けたカマーフィールド家の血筋はこの地への適性が高い。なるほど、婚姻相手に選ばれるわけだ。そんなわけで旅の従者も伯爵家の使用人の中でも比較的魔力の多い者が厳選された。それでも長く留まるほどではないみたい。ギリ入ることは出来る程度ってところ。そのため僕を無事送り届けたら皆すぐ帰ってしまう。
とは言っても僕的にはこの人たちすら道中の2~3日分の面識しかないからそれほど寂しさは感じないんだ。心細さ?そんなのこの世界に来た時からずっと心細さは続いてる!
どうせ誰も頼れない。参ったな…。でも大丈夫。僕はアクティブなオタクだからね。考えるな感じろだよ。行動さえすれば道は開けるはず!
悶々としている間に領主邸に着いたようだ。何だか知らないけど正門をくぐった辺りから徐々に空が赤暗くなり厚い雲に覆われゴロゴロと雷鳴がなり始めた。…え~ここは魔王城かなんかなの?SEおかしくない?
正面のポーチに領主邸の使用人の方々が並んでくれている。その中一番前にひときわ背の高い人が。
あれがバーガンディ辺境伯グラナダ・リーガル様かな?顔は…暗くてよくみえないな。
緊張で心拍数がやばいことになっている。ひぃ~。
恐る恐る馬車から降り挨拶のために近づく。
「お出迎えありがとうございます辺境伯様。アデル・カマーフィールドと申します。一生懸命頑張りますのでよろしくお願いします。」
貴族の口上なんてちっともわかんないから新しいバイト先で自己紹介するときの感覚であいさつして頭を下げた。すると頭上から声がした。
「…我が兄はこの強力な魔力の宿る血脈を何が何でも残したいらしい。仕方がない。断れば叛意ととられる。子を生す為の道具としてお前を迎えた。伯爵家へは十分な結納金を払ってある。夜伽以外でお前と関わるつもりはない。離宮をくれてやるから好きにせよ」
!!
びっくりした!声が!声が!大好きな大好きな坂下クンにそっくり!
驚いて顔を上げるとなんと!顔もそっくり~!こんなことってあってもいいの?
え~え~まじですか~語彙がっ語彙が無くなる~!え~僕坂下クンのお嫁さんになっちゃうの~?え~これなんてご褒美!異世界転移の特典ですかっ!
生きてて良かった!神様ありがとう!
表向き平静をよそおいながら心の中、超テンション爆上がりでだいぶん頭の悪いことばかり考えてたら正面玄関から真っすぐ抜けた中央の老木になんと雷が落ちた!
あまりの衝撃と雷鳴にびっくりして「ぎゃぁっ」と可愛くない悲鳴を上げながら、僕にはその落雷が運命の合図に思え(この人を推す!全力で推す!!)幸せな使命感に包まれながら気を失った。
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