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王位交代開始編
カウントダウンフェス メイン会場 ー魔の森②ー
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センターを固める部隊、そして縦花道から後方扇状に守りを固める部隊それぞれに一斉付与をかける。
グラナダ様は身体能力、魔力ともに高すぎて汎用性の付与では間に合わない。
だから戦いの最中、それぞれ、必要なタイミングで必要な力を飛ばすときめている。
付与はね…、タイミングが命なんだよっ!
「気配が変わった!いくぞアデル!」
ケルベロス、オルトロスの兄弟犬を左右にはねのけバジリスクに向かってゆくグラナダ様。
深淵から飛び立ったイビルガルダとヒュッケバインが頭上から降下してくる。
「『身体硬化!』『反射速強化!』」
ダイアウルフにブラッククアールが左右から飛び掛かる。
「『跳躍強化!』ちっ!『回復!』『能力向上!』」
だめだ!鳥類がセンターにばらけた!
視線を戻せばブラックサーペントとサラマンダーの爬虫類コンビ!ええい!次から次へと!かば焼きにしてくれる!
振り落とさんとする剣先に炎のバフをまとわせれば一刀両断にするグラナダ様。
「よくやったアデル!」
敵の切れ間に回復を飛ばす。『HP回復!』『MP回復!』
おっと、自分がエンプティ…MPポーションを一気飲み。
今どれぐらい時間たったんだろう。木々の合間から見えるくすんだ太陽の位置は少しも変わった気がしない…
ううん!気にしちゃだめだ!いつか時間は過ぎるんだから!
あれからどれくらいの魔獣を倒したのか…グラナダ様も隊のみんなも休まず戦い続けてる。
魔獣たちはすでに大型の異形に代わってる。
アウルベア、ヒュドラ、ベへモス、巨体というだけでもその難易度が跳ね上がる。
…はぁ…はぁ…はぁ…そうだ!
サラマンダーから手に入れた魔石を媒体に光を集約しレーザーを作り出し剣先に送る。
ほら、切れ味抜群…はぁ…はぁ…
大丈夫。ポーションの在庫はまだまだあるよ。全然大丈ブ…うぷ…
‼
深淵の奥から今までにない異様な気配がする!
「…ヴィーヴル…」
グラナダ様が誰に聞かせるでもなくつぶやいた…
蝙蝠型の羽をもつ小型の竜。その眼は啜った血の量だけ深みを増したブラッドレッド。
怖い…ここにきて初めてそう思った…
グラナダ様の動きを邪魔しないよう慎重にバフをかけ続ける。
それでもアダマンタイトのような鱗に炎で燃やそうがレーザーで焼こうがすべて無効化される。ウォーターカッターもエアーカッターも入らない。
そしてヴィーヴルの爪羽がグラナダ様を傷つけその戦装束が血に染まっていく。
「ぐっ!アデル!バフだ!私の炎に雷をまとわせよ!」
『バースト‼』
『サンダー‼』
いつかの森を震わした轟音よりもさらに大きな衝撃とともに一面の木々が燃え地面が焼ける。だけど…
拡散した煙の向こうには真っ赤な目を憤怒にそめた奴の姿があった。
「ぬぉぉぉぉ!」
絶望を振りほどきグラナダ様が立ち向かう。身体中、もう血に染まってない場所なんてないのに。強化の支援で回復が間に合わない…うぅ…泣いてる場合じゃない!しっかりしろ!
爪先が…凍らせた爪の先が…ほんの少しだけどもしかして…欠けた?
「グラナダ様っ!逆ですっ!炎じゃない!奴の弱点は、きっと氷ですっっ!」
剣先に風と水で作り出した氷結を飛ばす。
「だめだ!これでは効いてはいるが致命傷にはならぬ!」
剣の作り出した裂傷がすぐにふさがってゆく…
僕吐き気をこらえポーションを飲み込んだ。そしてこれ以上ないほどの全力で氷結バフを刀身にかける。
「グラナダ様っー!これでっ、これで決めてっー‼」
ビキビキビキビキビキ
一瞬にして凍り付く森と魔獣。そしてヴィーヴル。グラナダ様も部隊のみんなも呆然としている。良かった…人は凍ってない…
立っていられず倒れこむ僕。グラナダ様が駆け付けようとしている。
「ダメ…後ろ…」
ほっとしたのもつかの間、凍り付いたヴィーヴルがかすかに揺れた。
「っ!これでっ、本当に終いだっ!」
鈍く光る剣がその氷像に触れた瞬間、とても禍々しい黒色蒸気が発生しグラナダ様の身体を包んだ。
「ぐ、グラナダさ、ま」
…何事も無かったかのように氷の粉塵となって散ってゆくヴィーヴル。
終わった?本当に終わった?こんなドッキリはシャレにならない…から…ね。
グラナダ様は身体能力、魔力ともに高すぎて汎用性の付与では間に合わない。
だから戦いの最中、それぞれ、必要なタイミングで必要な力を飛ばすときめている。
付与はね…、タイミングが命なんだよっ!
「気配が変わった!いくぞアデル!」
ケルベロス、オルトロスの兄弟犬を左右にはねのけバジリスクに向かってゆくグラナダ様。
深淵から飛び立ったイビルガルダとヒュッケバインが頭上から降下してくる。
「『身体硬化!』『反射速強化!』」
ダイアウルフにブラッククアールが左右から飛び掛かる。
「『跳躍強化!』ちっ!『回復!』『能力向上!』」
だめだ!鳥類がセンターにばらけた!
視線を戻せばブラックサーペントとサラマンダーの爬虫類コンビ!ええい!次から次へと!かば焼きにしてくれる!
振り落とさんとする剣先に炎のバフをまとわせれば一刀両断にするグラナダ様。
「よくやったアデル!」
敵の切れ間に回復を飛ばす。『HP回復!』『MP回復!』
おっと、自分がエンプティ…MPポーションを一気飲み。
今どれぐらい時間たったんだろう。木々の合間から見えるくすんだ太陽の位置は少しも変わった気がしない…
ううん!気にしちゃだめだ!いつか時間は過ぎるんだから!
あれからどれくらいの魔獣を倒したのか…グラナダ様も隊のみんなも休まず戦い続けてる。
魔獣たちはすでに大型の異形に代わってる。
アウルベア、ヒュドラ、ベへモス、巨体というだけでもその難易度が跳ね上がる。
…はぁ…はぁ…はぁ…そうだ!
サラマンダーから手に入れた魔石を媒体に光を集約しレーザーを作り出し剣先に送る。
ほら、切れ味抜群…はぁ…はぁ…
大丈夫。ポーションの在庫はまだまだあるよ。全然大丈ブ…うぷ…
‼
深淵の奥から今までにない異様な気配がする!
「…ヴィーヴル…」
グラナダ様が誰に聞かせるでもなくつぶやいた…
蝙蝠型の羽をもつ小型の竜。その眼は啜った血の量だけ深みを増したブラッドレッド。
怖い…ここにきて初めてそう思った…
グラナダ様の動きを邪魔しないよう慎重にバフをかけ続ける。
それでもアダマンタイトのような鱗に炎で燃やそうがレーザーで焼こうがすべて無効化される。ウォーターカッターもエアーカッターも入らない。
そしてヴィーヴルの爪羽がグラナダ様を傷つけその戦装束が血に染まっていく。
「ぐっ!アデル!バフだ!私の炎に雷をまとわせよ!」
『バースト‼』
『サンダー‼』
いつかの森を震わした轟音よりもさらに大きな衝撃とともに一面の木々が燃え地面が焼ける。だけど…
拡散した煙の向こうには真っ赤な目を憤怒にそめた奴の姿があった。
「ぬぉぉぉぉ!」
絶望を振りほどきグラナダ様が立ち向かう。身体中、もう血に染まってない場所なんてないのに。強化の支援で回復が間に合わない…うぅ…泣いてる場合じゃない!しっかりしろ!
爪先が…凍らせた爪の先が…ほんの少しだけどもしかして…欠けた?
「グラナダ様っ!逆ですっ!炎じゃない!奴の弱点は、きっと氷ですっっ!」
剣先に風と水で作り出した氷結を飛ばす。
「だめだ!これでは効いてはいるが致命傷にはならぬ!」
剣の作り出した裂傷がすぐにふさがってゆく…
僕吐き気をこらえポーションを飲み込んだ。そしてこれ以上ないほどの全力で氷結バフを刀身にかける。
「グラナダ様っー!これでっ、これで決めてっー‼」
ビキビキビキビキビキ
一瞬にして凍り付く森と魔獣。そしてヴィーヴル。グラナダ様も部隊のみんなも呆然としている。良かった…人は凍ってない…
立っていられず倒れこむ僕。グラナダ様が駆け付けようとしている。
「ダメ…後ろ…」
ほっとしたのもつかの間、凍り付いたヴィーヴルがかすかに揺れた。
「っ!これでっ、本当に終いだっ!」
鈍く光る剣がその氷像に触れた瞬間、とても禍々しい黒色蒸気が発生しグラナダ様の身体を包んだ。
「ぐ、グラナダさ、ま」
…何事も無かったかのように氷の粉塵となって散ってゆくヴィーヴル。
終わった?本当に終わった?こんなドッキリはシャレにならない…から…ね。
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