イケメン大好きドルオタは異世界でも推し活する

kozzy

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決断の時編

貴重な毎日

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「お前と王妃はとかく可憐な顔をしておるからな、おかしな輩を寄せ付けるわけにはいかぬ」
「でも、僕表立って何もしてないと思うんだけどな?」

「辺境伯夫人が愛らしいと言うのは以前より周知の事となっておりますし、先の陛下歓迎式典で皆の前にお出になられましたでしょう。あれ以降ますます評判となっております」

「むむむ…二度と観衆の前に姿を出してはならぬぞ、良いな」
「はーい、グラナダ様と一緒の時だけにしますね。」

出ないとは言ってない。


気が付いたらキャンディス君が足元まで来ていた。あれからかなり言葉が達者になって、今はおしゃべりが楽しくってしかたないみたい。

「アデルさまはりょうしゅさまのどこがすきですか?」
「えっ、それを語ろうと思ったら一晩あっても足りないよ?」
「りょうしゅさまはアデルさまのどこがおすきですか?」
「私も語りつくせぬが…ふむ、そうだな…今の私がここにあるのは、全てアデルが寄り添ってくれたおかげだ」
「え、へへ///」
「アデルが私を愛してくれねば、そうだな、私は今も闇の中だ。人を信じることも人を愛することも出来ず、ただただ討伐に明け暮れ…いずれは命を落としておったろうよ。生まれて来た意味さえ見いだせず」
「グラナダ様……」

もうずっとイチャイチャして暮らしてきたからグラナダ様が孤独だった事なんて忘れそうになってたけど、そうか、グラナダ様にとっては今でもまだすぐそこにある危機なんだ…

難しい言葉がわからなくてキャンディス君はきょとんとしてる。

「アデルさまがいないと悲しくなっちゃうってことだよ。」
「う~ん?」
「アデル様がいるから今はとっても幸せってこと。さぁ、僕らは行くよ。領主様たちは忙しいんだから」

コラート君とガトゥ君が補足を入れると、キャンディス君の手を取って割り当てられた部屋へと足早にむかう。

「グラナダ様、僕が居ないと悲しくなっちゃいますか?」
「そんな言葉で済むと思うか?」
「僕もグラナダ様が居ないと生きていけないよ」「……」
「そこなんで疑うんですか⁉」

こんな軽口をたたきあえる今ってとても貴重なんだな…改めてそう思ったよ。
腰にまわされた腕からグラナダ様の気持ちが伝わってくる。

僕がすきだった坂下クンは、硬派で男っぽくで、やたらと愛想を振りまかないクールな人だったけど、いつだって誰よりもステージを楽しんでた。

同じ顔したグラナダ様にも、やっぱり毎日を楽しいって思っていて欲しい。
暗黒街のボスは舞台の上だからいいんであって…それでも僕はもらい泣きしたんだから。
僕はグラナダ様に初めて会ったときみたいな暗い目をもう二度として欲しくないんだよ。





「僕は絶対何処にも行かないから、グラナダ様の幸せは確約済みですねっ!」







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