イケメン大好きドルオタは異世界でも推し活する

kozzy

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番外編 騒動のその後色々

カフェオープン初日

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今日は待ちに待ったバーガンディカフェのオープン日。

どーしても、どおしても!お客さんとしてここに来たかった僕はアラタになった上、さらに変装してルーシーさんとやってきた。
どこにも飾りのついてない普通のシャツに何かの皮で出来ているジレ。淡く色の入った大きな丸眼鏡で顔のほとんどを隠し、意気揚々と店内へ入った。

「わぁ、なんか」
懐かしいという言葉はグッと飲み込み店内を見渡す。
画質は荒いけど秘蔵の写真機カメラで撮ったたくさんのパネルが飾られていて、その横にはちゃんと説明文も入れられている。
テーブルの上の注文品の下にはバーガンディ音楽隊のロゴの入った紙ナプキンが敷いてあり、持って帰れる仕様になっている。
量産できる薄い紙…間に合って良かった…
そう、薄い紙といえばさらにもう一つ。
飲み物や皿にはメニューの元となった隊員の、僕考案の似顔絵を描いたアクスタならぬ紙スタが添えられていて…
これは大変だった…5つ描いたところで、残りの枚数をみて絶望し急遽ハンコを作成した。
そうして人海戦術で大量の紙スタを作り上げたのだ。
あの時の兵舎での隊員さんたちの怨嗟の籠った目はきっと一生忘れられない…

「ねね、ルーシーさん何頼む?」
「えぇ~、私はマカフィー様の紅茶にジョッシュ様のマカロン頼んで紅茶にマカロン浸して食べるって決めてますから~」
「なんかヤラシく聞こえるのは気のせい?」

マカフィーさんは今バックヤードで、ジョッシュさんは変装して外に居る。
聞こえてなくて本当に良かった。
ナイジェルさんが音もなく近づいてくる。すると悪い笑顔でこう言った。

「ふぅん、俺のめにゅーは注文してない…っと」
「頼みます!今頼もうと思ってたんです!すみませ~ん、〝ナイジェル様の白昼夢”お願いしま~す!」

「ちょっと…」
「セオドアと競う売り上げもだが、ジョッシュなんかに注文数で負けるのも不愉快だ」

なんかって…まったくほんとにこの人は…



店内が恐ろしいほど混みあって、やり手のナイジェルさんは急遽、隣の空き部屋に急こしらえでテーブルをセットした。
ああ、もう!完全にキャパオーバーじゃん。

「ごめんね、ルーシーさん。僕ちょっと手伝ってくる。」

笑い話がホントになった。
カフェの制服を着こみ邪魔な眼鏡を外して給仕してると、バイト時代を思い出してどんどんエンジンがかかってくる。
給仕のぼくに気が付いたマカフィーさんは慌てているし外のジョッシュさんは大笑いをしている。
ナイジェルさんだけがほくそ笑んでいる…カオス…

しばらくたつと変な威圧感を外から感じ………

げっ!

店内が騒然とする中、僕はすごすごとバーガンディカフェを後にした。




「お前は何をやっているのだ!領主の妻が茶房で給仕など!まったくもってけしからん!」
「ご、ごめんなさい…忙しそうだったから、つい…」
「マカフィー!お前も何故止めぬ!」「止める暇もなく気がついたら既に給仕をしておいででして」
「まぁまぁ閣下、邸に戻って二人で休憩でもしたらどうですか」





強制連行された先は、辺境伯邸の敷地の林を抜けた先のガゼボだった。
グラナダ様と初めてアフタヌーンティーをした記念の場所だ。

「トマス、今日の給仕はせずとも良い。アデルがしたくてしたくて仕方ないらしいからな」

いい顔しながら僕を見るグラナダ様。誰が渡したんだろう。このアリスのようなフリフリエプロンを。

「ジョッシュが言っておったのだ。アデルはこれを着て来店客に愛想を振りまく予定だと」

ジョッシューーー!  
なっ、なんてことを…まさかの裏切者がここに居た…

「それであんなタイミング良く現れたのか…」
「ほら、これも付けぬか」

取り出したのはウサギの耳…相変わらずほんとに好きだなグラナダ様……
でも旦那様が嬉しそうだからいっか。





こうして今日もバーガンディの平和な一日が過ぎていくのだった。






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