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番外編 第二世代の恋模様
思春期アベニア大騒動①
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僕はアベニア・リーガル。つい先日12歳になったところ。このリーガル王国両陛下の親族であり、北の辺境バーガンディの嫡男だ。
兄弟は下に弟が2人と弟予定がもう1人。あと半月程度で母様のお腹から誕生する。
すぐ下の弟グレンは9歳でその下の弟は4歳のミルドレッド。そしてもうじき生まれる一番下の弟はウィニーって、もう名前は決まってる。
僕はどちらかというと父様似で「マイルドにしたグラナダ様」って母様に大好評だ。そうしてグレンはわりと母様似で「勝気なアデル」って父様がご満悦。そうしたら次に生まれたミルドレッドが母様に瓜二つだったものだから、「想いの強さが勝ったのだ」と年々自慢げになる父様に何故か母様が憤慨し「絶対グラナダ様にそぉぉぉっくりなお子を産んでみせる!」って宣言したのが7か月前の出来事だ。二人が何を競っているのか僕たちには分からない。だけど仲が良いってことだけはこれでもかって言うほど伝わってくる。
生誕珠を賜るための神殿への寄付はとても高額で、生誕珠で4人の子を持つというだけでもバーガンディの繁栄を知らしめられるのだとトマスが僕に教えてくれた。そしてまた、生誕珠で子を持つと言うことは強い魔力を備えた子が増えると言うことで、より一層栄えていくのだとそれもトマスが教えてくれた。
魔物湧き出る封印の森とありとあらゆる娯楽に彩られた眠らない街グランベガス。
この両極にある拠点を中心にこの国で最も栄えているのが僕らの住むバーガンディ領だ。
封印の森、今では地上のダンジョンと、第一部隊改めバーガンディ森林警備隊に管理され、良質の資源と高値の付く魔物を目当てに多くの冒険者がやってくる。そうして賑わう封印の森は僕の生まれるよりも前に大きなスタンピードがあったと聞いた。そしてそれを抑えたのがこのバーガンディの誇る精鋭、森林警備隊と尊敬する僕の父様、グラナダ・リーガル辺境伯だ。
そのスタンピードで父様は驚異を薙ぎ払う代償に危うく人外に堕ちかけたそうだ。そしてそれを命がけで救ったのが母様だって護衛のマカフィーに聞いて僕はそんな両親のもとに生まれたことを心の底から感謝した。
なんて…なんて感動的なんだろう…父様と母様はそれほどの愛で結ばれているんだ…
母様はとても小柄でお可愛らしいのにいつでも精力的に仕事をされる。
第四部隊改めバーガンディ音楽親善隊を皮切りに合唱団や競馬場、最近では歌劇団なるものまで始められ、誰よりも先進的で独創的な様々な催しを興された。
「皆の楽しそうな笑顔を見るのがなにより幸せ」って母様はおっしゃった。僕はとても素晴らしいと思ったのに、父様は「お前が幸せにするのはこの私だけで十分だ」って言って母様を部屋に引っ張っていった。尊敬する父様ではあるが、あの嫉妬深さはどうかと思う。
ともかく、そんな両親に愛情をそそがれ育った僕は一つの真理にたどり着く。
最後に人を守るもの…それは愛。
挫けそうなとき心を強く持てるのも、険しい道で心の支えになるのも、絶望的な状況で一筋の希望となるのも…愛なんじゃないかって。
一度それを王宮に住む王妃様、母様の下の兄さまワイアット様に話したことがある。王妃様は「本当にそうだね」って柔らかく微笑みながら、
「だからこそ人は親愛を得られなかったり最愛を失いかけたりすると…心を見失う事がある…酷ければ心が壊れることもある…。愛はもろ刃の刃だね。とても扱いが難しい…。アベニア、愛はとても大切だけど独りよがりになってはいけないよ。覚えておいてね。」
ワイアット様を妃に選んだクリフト陛下は本当に良い選択をされたと思う。
ワイアット様はクリフト陛下より5つほど年上だ。その事実は僕をとても勇気づける。5つ年上も8つ年上も…たいして変わらないよね…って。
ふわふわの僕の砂糖菓子はいくつになってもふわふわしていて…僕は最近ある体の変化に、ただひたすら狼狽えるばかり。だけどこんな事誰にも相談できないし…ルミエには…もちろんまだ早い…
ジョッシュやマカフィーはからかうに決まっているし…
こんなとき頼りになるのはカマーフィールドにいるローラン兄さん。
兄さんは母様の義兄にあたり僕にとっては伯父様になるんだろうけど、まだ若いローラン兄さんをおじさんと呼ぶのは忍びなく僕もルミエも兄さんって呼んでいる。
最初はお兄様って言ったんだけど強張った顔でやめて欲しいと懇願された。
そうだ。ローラン兄さんに相談しよう…
兄弟は下に弟が2人と弟予定がもう1人。あと半月程度で母様のお腹から誕生する。
すぐ下の弟グレンは9歳でその下の弟は4歳のミルドレッド。そしてもうじき生まれる一番下の弟はウィニーって、もう名前は決まってる。
僕はどちらかというと父様似で「マイルドにしたグラナダ様」って母様に大好評だ。そうしてグレンはわりと母様似で「勝気なアデル」って父様がご満悦。そうしたら次に生まれたミルドレッドが母様に瓜二つだったものだから、「想いの強さが勝ったのだ」と年々自慢げになる父様に何故か母様が憤慨し「絶対グラナダ様にそぉぉぉっくりなお子を産んでみせる!」って宣言したのが7か月前の出来事だ。二人が何を競っているのか僕たちには分からない。だけど仲が良いってことだけはこれでもかって言うほど伝わってくる。
生誕珠を賜るための神殿への寄付はとても高額で、生誕珠で4人の子を持つというだけでもバーガンディの繁栄を知らしめられるのだとトマスが僕に教えてくれた。そしてまた、生誕珠で子を持つと言うことは強い魔力を備えた子が増えると言うことで、より一層栄えていくのだとそれもトマスが教えてくれた。
魔物湧き出る封印の森とありとあらゆる娯楽に彩られた眠らない街グランベガス。
この両極にある拠点を中心にこの国で最も栄えているのが僕らの住むバーガンディ領だ。
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そのスタンピードで父様は驚異を薙ぎ払う代償に危うく人外に堕ちかけたそうだ。そしてそれを命がけで救ったのが母様だって護衛のマカフィーに聞いて僕はそんな両親のもとに生まれたことを心の底から感謝した。
なんて…なんて感動的なんだろう…父様と母様はそれほどの愛で結ばれているんだ…
母様はとても小柄でお可愛らしいのにいつでも精力的に仕事をされる。
第四部隊改めバーガンディ音楽親善隊を皮切りに合唱団や競馬場、最近では歌劇団なるものまで始められ、誰よりも先進的で独創的な様々な催しを興された。
「皆の楽しそうな笑顔を見るのがなにより幸せ」って母様はおっしゃった。僕はとても素晴らしいと思ったのに、父様は「お前が幸せにするのはこの私だけで十分だ」って言って母様を部屋に引っ張っていった。尊敬する父様ではあるが、あの嫉妬深さはどうかと思う。
ともかく、そんな両親に愛情をそそがれ育った僕は一つの真理にたどり着く。
最後に人を守るもの…それは愛。
挫けそうなとき心を強く持てるのも、険しい道で心の支えになるのも、絶望的な状況で一筋の希望となるのも…愛なんじゃないかって。
一度それを王宮に住む王妃様、母様の下の兄さまワイアット様に話したことがある。王妃様は「本当にそうだね」って柔らかく微笑みながら、
「だからこそ人は親愛を得られなかったり最愛を失いかけたりすると…心を見失う事がある…酷ければ心が壊れることもある…。愛はもろ刃の刃だね。とても扱いが難しい…。アベニア、愛はとても大切だけど独りよがりになってはいけないよ。覚えておいてね。」
ワイアット様を妃に選んだクリフト陛下は本当に良い選択をされたと思う。
ワイアット様はクリフト陛下より5つほど年上だ。その事実は僕をとても勇気づける。5つ年上も8つ年上も…たいして変わらないよね…って。
ふわふわの僕の砂糖菓子はいくつになってもふわふわしていて…僕は最近ある体の変化に、ただひたすら狼狽えるばかり。だけどこんな事誰にも相談できないし…ルミエには…もちろんまだ早い…
ジョッシュやマカフィーはからかうに決まっているし…
こんなとき頼りになるのはカマーフィールドにいるローラン兄さん。
兄さんは母様の義兄にあたり僕にとっては伯父様になるんだろうけど、まだ若いローラン兄さんをおじさんと呼ぶのは忍びなく僕もルミエも兄さんって呼んでいる。
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