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母国から付き従ってくれた二頭の馬。彼らに飼い葉をやりブラシを入れているとそこへやって来たのはルイージである。
「イヴァーノ様が栗毛にグリオール、青毛にグラビティと名をつけておいででした。ふふ、グラビティのブラシは僕が入れましょう」
「それはありがたい。丁寧に頼むよ」
ルイージもそろそろ単身騎乗を覚えなければならないだろう。が、ここでは無理な話だ。イヴに頼めばコレッティ家の敷地をお貸しいただけるだろうか…そんなことを考える私にルイージは意味深な表情をむける。
「…そう言えば兄様…、いつの間にかイヴァーノ様をイヴとお呼びなのですね」
「あ、ああ。イヴがそう望んでね」
「いいな、羨ましい…」
まるで幼い頃に戻ったかのような物言い。ルイージもイヴと呼びたいのだろう。
イヴはルイージをとても好ましく思っている。相手がルイージであれば彼は快く愛称呼びを許可するような気もするが…
『フラヴィオは特別だから』
その言葉が思い出されて「イヴに聞いてやろう」その一言を飲み込んでしまう私は大人げないだろうか。
代わりと言ってはなんだが、ルイージの喜びとなる小さな情報をひとつ。
「だがイヴはこっそり君のことを「ルイルイ」と呼んでいたよ。知ってるかい?」
「ええ!本当ですか?ルイルイ…変わった呼び名ですけど…ふふ、嬉しいです」
そこへ裏庭から駆けつけて来たのはリコだ。ロデオから手伝いを言いつかったのだろう。
「フラヴィオさま!寝藁は俺が替えます。後はお任せください」
「ではリコにお願いしよう。さあルイージ、私達は書斎の整理だ」
「はい」
前当主の書斎には様々な古書が積み上げられている。
前当主の男爵は生涯独身を貫かれ最期は親しい使用人たちに見守られ身罷られたという話だ。
机の上に積み上げられているのは褪せた週刊冊子。いくらか日付の若いそれらは恐らく年老いた主人に従者が読み聞かせたものなのだろう。
「なるほど、これらはこの国を知るのにとてもいい」
当時の、国を揺るがした大きな事件や社交界を騒がした小さな事件、それを受け世相がどう動き、結果どのような変化があったか、我が国のなん歩も先を行く大国サルディーニャ、その内なる歴史を知らせるこれらは大きな道標となる。
この中から教材を探せ、そうか…そういうことか…。良きことは手本とし、悪しきことは戒めとする。これもまた母国再生のための一歩。
「兄様、イヴァーノ様と公爵家の婚約を知らせる記事がここに…」
「どれどれ…ああ本当だ」
コレッティ侯爵家と公爵家の婚約。週刊冊子に名が載るほどこのサルディーニャ社交界において大きな関心事だった訳か…
これほどの注目を浴びながら婚約者に冷遇される、それはイヴにとってどれほど心折られる日々だったろう…、彼の心情を思うと胸が痛む。
「ふふ、兄様、ここにもイヴァーノ様の名が、あっ!」
「どうしたルイージ、あ…」
平民街の有力者メルクリオ氏の細君、よりにもよってコレッティ侯爵家ご令息であるイヴァーノ様が取り置かれていた『人魚の涙』と呼ばれる希少な真珠を強引に買い上げてしまい逆鱗に触れる。
メルクリオ氏、夫人はすぐさま揃ってコレッティ家へ謝罪に出向いたが、門番の証言によると謝罪を終え屋敷を出る二人は一気に老け込んで見えたとか。
尚『人魚の涙』は粉にして飲むと肌が見違えるほど甦ると言われている。
後日取材に対し夫人は、涙を浮かべ「お話することは何もありませんから…」と足早に去っていった。
「もしやこの細君とは…」
「僕もそう思います…」
…そうだな。先約のある品を強引に奪ったのであれば夫人に非があろう。イヴが怒るのも無理はない。ああそうだとも…
それからどれほど時間がたったのだろう。気が付けば日暮れ、うっかり冊子を読み耽る私とルイージを呼びに来たのは噂の主だ。
「フラヴィオ、書斎の整理整頓すすんでま…全然進んでませんね…」
「す、すまない!ついうっかり…」
ジト…「本の整理あるあるですから怒りませんけど…晩ご飯ですよ、早くしてね」
「ああ今行く」
並べられたのは朝食にも出された薄い生地の上にハムやパプリカ、そしてチーズをのせトマトのソースで味付けをして焼いたものである。イヴはピッツァと名付けていたが、彼は本当に食材の流用がうまいものだ。
「なんちゃってピザですけどけっこう美味しいでしょ。ルイージ君、そっちのマルゲリータも食べて」
「これは庭のハーブですか?」
「そう。匂いがバジルっぽかったからバジルだと思って」
「わ!美味しい!」
「このキノコとハーブのピッツァもあっさりしていいですな」
「ジェノベーゼね。何と!そのキノコは馬小屋でリコが発見したマッシュルームでーす!」
「おお!リコの奴めやりましたな!これは負けておれませぬ!」
なんと賑やかで和やかな一時。気がつけばあの頑固なロデオが誰よりも打ち解けている事実に目を見張る。
「それよりおじいちゃん。今夜のお風呂順ですけど…僕とフラヴィオ最後に入浴しますから先に入っちゃってね」
「ゴホ!」
…今夜こそは共に湯浴みを、朝からそう考えていたのは確かだがどうすべきか考えあぐねていたと言うのに…まさかイヴから誘われるとは…
しっかりしないかフラヴィオ!私がリードしなくてどうする!
「そういうことだロデオ。寝室にワインの用意を」
「畏まりました」
ついに迎えたその時。私はまるで色事を覚えたばかりの十代のように胸を高まらせていた。
彼に言われるがまま先日と同じように浴槽へ身を沈めイヴを待てば、彼も先日と同じく、腰にタオルを巻き浴室へ足を踏み入れる。
「イ、イヴ、今日は私が背中を洗ってあげよう」
「あ、お構い無く。自分で洗った方が早いですから」
予想外の返答。可愛らしく喜んでくれると思っていたのだが、これはどう切り返せば…
「だ、だが連日の針仕事、疲れているだろう?」
「いいえちっとも。って言うか、フラヴィオの方こそ本の読みすぎで肩パンパンでしょ?むしろ今日も僕が背中を流します!」
「いや、だが私は…」
「流します!」
「で、ではお願いしよう…」
あまりの勢いに押し負けてしまった…
彼の夫として不足なく隣に立ちたい、そう思っているのだがどうしてこう上手くいかないのか…
今更ながらに私は何も出来ない楽園の鳥だったのだと思い知らされる。
そんなため息混じりの私の言葉は、髪を洗う彼の耳にまで届いてしまったようだ。
「なんにも出来ないんじゃなくてしなかっただけじゃないですか?で、しなかったのはしたいことが無かったからですよ」
「まさに真理だな…」
「人は真の欲望を前にしたらとんでもなく行動的になりますから大丈夫です」
「そう思うかい?」
「ええ。知り合いの狩魔さんだって普段はいかに体力を温存するかしか考えてないって言ってましたし」
私のしたいことか…おぼろげながらこの国へ来てその形は見えてきた気がする。
「それよりフラヴィオ、そろそろここ座って」
「ああ頼む」
湯船から出た私の背後に回り髪に手をかけるイヴ。
「イヴ?」
「フラヴィオ、この間も言ったけど髪…随分傷んでますね。切らないんですか?」
「私の国ではね、高貴なものは皆髪を伸ばすのだよ」
「手間暇かけるのは富裕層の証ってやつですね。でもここはサルディーニャで、この国は王子様でさえ跡部ショートですよ?」
「では少し切ってしまおうか」
確かにこの国の貴人は自由に頭髪を楽しんでいるようだ。ならば痛んだ部分を切る程度差し支えまい。
「じゃあ僕が切っちゃいますね!どうせ半年もすればすぐ肩につくくらいは伸びますって」
半年…肩につくくらい…半年で肩につくくらい?と言うことはつまり…
「イヴ!君はどれ程切ろうと」
ジャキ パラパラパラ…
「わあー、このハサミ切れ味良いな!一撃必殺!」
満面の笑みを湛えたイヴの手には馬の尾ほどの髪束が握りしめられていた…
「イヴァーノ様が栗毛にグリオール、青毛にグラビティと名をつけておいででした。ふふ、グラビティのブラシは僕が入れましょう」
「それはありがたい。丁寧に頼むよ」
ルイージもそろそろ単身騎乗を覚えなければならないだろう。が、ここでは無理な話だ。イヴに頼めばコレッティ家の敷地をお貸しいただけるだろうか…そんなことを考える私にルイージは意味深な表情をむける。
「…そう言えば兄様…、いつの間にかイヴァーノ様をイヴとお呼びなのですね」
「あ、ああ。イヴがそう望んでね」
「いいな、羨ましい…」
まるで幼い頃に戻ったかのような物言い。ルイージもイヴと呼びたいのだろう。
イヴはルイージをとても好ましく思っている。相手がルイージであれば彼は快く愛称呼びを許可するような気もするが…
『フラヴィオは特別だから』
その言葉が思い出されて「イヴに聞いてやろう」その一言を飲み込んでしまう私は大人げないだろうか。
代わりと言ってはなんだが、ルイージの喜びとなる小さな情報をひとつ。
「だがイヴはこっそり君のことを「ルイルイ」と呼んでいたよ。知ってるかい?」
「ええ!本当ですか?ルイルイ…変わった呼び名ですけど…ふふ、嬉しいです」
そこへ裏庭から駆けつけて来たのはリコだ。ロデオから手伝いを言いつかったのだろう。
「フラヴィオさま!寝藁は俺が替えます。後はお任せください」
「ではリコにお願いしよう。さあルイージ、私達は書斎の整理だ」
「はい」
前当主の書斎には様々な古書が積み上げられている。
前当主の男爵は生涯独身を貫かれ最期は親しい使用人たちに見守られ身罷られたという話だ。
机の上に積み上げられているのは褪せた週刊冊子。いくらか日付の若いそれらは恐らく年老いた主人に従者が読み聞かせたものなのだろう。
「なるほど、これらはこの国を知るのにとてもいい」
当時の、国を揺るがした大きな事件や社交界を騒がした小さな事件、それを受け世相がどう動き、結果どのような変化があったか、我が国のなん歩も先を行く大国サルディーニャ、その内なる歴史を知らせるこれらは大きな道標となる。
この中から教材を探せ、そうか…そういうことか…。良きことは手本とし、悪しきことは戒めとする。これもまた母国再生のための一歩。
「兄様、イヴァーノ様と公爵家の婚約を知らせる記事がここに…」
「どれどれ…ああ本当だ」
コレッティ侯爵家と公爵家の婚約。週刊冊子に名が載るほどこのサルディーニャ社交界において大きな関心事だった訳か…
これほどの注目を浴びながら婚約者に冷遇される、それはイヴにとってどれほど心折られる日々だったろう…、彼の心情を思うと胸が痛む。
「ふふ、兄様、ここにもイヴァーノ様の名が、あっ!」
「どうしたルイージ、あ…」
平民街の有力者メルクリオ氏の細君、よりにもよってコレッティ侯爵家ご令息であるイヴァーノ様が取り置かれていた『人魚の涙』と呼ばれる希少な真珠を強引に買い上げてしまい逆鱗に触れる。
メルクリオ氏、夫人はすぐさま揃ってコレッティ家へ謝罪に出向いたが、門番の証言によると謝罪を終え屋敷を出る二人は一気に老け込んで見えたとか。
尚『人魚の涙』は粉にして飲むと肌が見違えるほど甦ると言われている。
後日取材に対し夫人は、涙を浮かべ「お話することは何もありませんから…」と足早に去っていった。
「もしやこの細君とは…」
「僕もそう思います…」
…そうだな。先約のある品を強引に奪ったのであれば夫人に非があろう。イヴが怒るのも無理はない。ああそうだとも…
それからどれほど時間がたったのだろう。気が付けば日暮れ、うっかり冊子を読み耽る私とルイージを呼びに来たのは噂の主だ。
「フラヴィオ、書斎の整理整頓すすんでま…全然進んでませんね…」
「す、すまない!ついうっかり…」
ジト…「本の整理あるあるですから怒りませんけど…晩ご飯ですよ、早くしてね」
「ああ今行く」
並べられたのは朝食にも出された薄い生地の上にハムやパプリカ、そしてチーズをのせトマトのソースで味付けをして焼いたものである。イヴはピッツァと名付けていたが、彼は本当に食材の流用がうまいものだ。
「なんちゃってピザですけどけっこう美味しいでしょ。ルイージ君、そっちのマルゲリータも食べて」
「これは庭のハーブですか?」
「そう。匂いがバジルっぽかったからバジルだと思って」
「わ!美味しい!」
「このキノコとハーブのピッツァもあっさりしていいですな」
「ジェノベーゼね。何と!そのキノコは馬小屋でリコが発見したマッシュルームでーす!」
「おお!リコの奴めやりましたな!これは負けておれませぬ!」
なんと賑やかで和やかな一時。気がつけばあの頑固なロデオが誰よりも打ち解けている事実に目を見張る。
「それよりおじいちゃん。今夜のお風呂順ですけど…僕とフラヴィオ最後に入浴しますから先に入っちゃってね」
「ゴホ!」
…今夜こそは共に湯浴みを、朝からそう考えていたのは確かだがどうすべきか考えあぐねていたと言うのに…まさかイヴから誘われるとは…
しっかりしないかフラヴィオ!私がリードしなくてどうする!
「そういうことだロデオ。寝室にワインの用意を」
「畏まりました」
ついに迎えたその時。私はまるで色事を覚えたばかりの十代のように胸を高まらせていた。
彼に言われるがまま先日と同じように浴槽へ身を沈めイヴを待てば、彼も先日と同じく、腰にタオルを巻き浴室へ足を踏み入れる。
「イ、イヴ、今日は私が背中を洗ってあげよう」
「あ、お構い無く。自分で洗った方が早いですから」
予想外の返答。可愛らしく喜んでくれると思っていたのだが、これはどう切り返せば…
「だ、だが連日の針仕事、疲れているだろう?」
「いいえちっとも。って言うか、フラヴィオの方こそ本の読みすぎで肩パンパンでしょ?むしろ今日も僕が背中を流します!」
「いや、だが私は…」
「流します!」
「で、ではお願いしよう…」
あまりの勢いに押し負けてしまった…
彼の夫として不足なく隣に立ちたい、そう思っているのだがどうしてこう上手くいかないのか…
今更ながらに私は何も出来ない楽園の鳥だったのだと思い知らされる。
そんなため息混じりの私の言葉は、髪を洗う彼の耳にまで届いてしまったようだ。
「なんにも出来ないんじゃなくてしなかっただけじゃないですか?で、しなかったのはしたいことが無かったからですよ」
「まさに真理だな…」
「人は真の欲望を前にしたらとんでもなく行動的になりますから大丈夫です」
「そう思うかい?」
「ええ。知り合いの狩魔さんだって普段はいかに体力を温存するかしか考えてないって言ってましたし」
私のしたいことか…おぼろげながらこの国へ来てその形は見えてきた気がする。
「それよりフラヴィオ、そろそろここ座って」
「ああ頼む」
湯船から出た私の背後に回り髪に手をかけるイヴ。
「イヴ?」
「フラヴィオ、この間も言ったけど髪…随分傷んでますね。切らないんですか?」
「私の国ではね、高貴なものは皆髪を伸ばすのだよ」
「手間暇かけるのは富裕層の証ってやつですね。でもここはサルディーニャで、この国は王子様でさえ跡部ショートですよ?」
「では少し切ってしまおうか」
確かにこの国の貴人は自由に頭髪を楽しんでいるようだ。ならば痛んだ部分を切る程度差し支えまい。
「じゃあ僕が切っちゃいますね!どうせ半年もすればすぐ肩につくくらいは伸びますって」
半年…肩につくくらい…半年で肩につくくらい?と言うことはつまり…
「イヴ!君はどれ程切ろうと」
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