26 / 225
二人のニュースタイル
しおりを挟む
浴室でバッサリ髪を切られるという衝撃的な出来事に幾何かの動揺はあったものの、彼が言うように髪はいずれ伸びるのだしここは自由の国サルディーニャだ。
また伸ばせばいい、そう自分を納得させて私は一人寝室で彼を待った。待ったが…
待てど暮らせど彼は戻らない。私よりも先に出たはずだというのにこれはどういうことだろう。
二時間もたっただろうか。鼻歌交じりに戻ったと思えば「明日も早いからもう寝るね。お休み」といって次の瞬間には寝息をたてる…
寝付きが良いのだな、健康な証だ…
そうとも、妻は健康な方が良いのだし、そうだ。これは良いことだ。
一抹の落胆はあれど、私は自分をそう納得させて眠りについた。
イヴ、彼の朝は早い。
早いといっても我々貴族階級は総じて朝が遅く陽はまだ低い。
「うーん、…もう朝か…」
「もう起きるのかい?」
「今日は忙しいから早くしなくっちゃ」
彼の朝に気怠い…という言葉は似合わない。跳ね上がるようにベッドを降りるとあくびをしながら扉に手をかける。
「フラヴィオはゆっくりしてて。先行くね」
ゆったりベッドで朝食を摂る日はいつか来るのだろうか…?
…無理だな。食事を用意できるのがイヴしか居ない限りそれは無理な話だろう。私はその問題についてロデオと検討を重ねる必要を感じていた。
暫くすると、なんとも食欲をそそる匂いが漂ってくる。
その匂いにまんまと誘い出されてみれば、楽しそうな笑い声をたてるルイージ、リコ、エルモに囲まれた私の妻がいる。なんと温かな良い光景だ。
「楽しそうだね、何をしているんだい?」
「兄様。イヴァーノ様が動物を描いてくださるのです」
「動物?」
「パンケーキにネコをちょっと」
「こんなことが出来るのか…」
「上手でしょ?」
「なんと器用な…ではイヴ、私にはぜひ馬を」
「…大人が何言ってんですか。さっさとお皿運んじゃって」
叱られてしまった…
それにしてもイヴの多彩さには毎日驚かされる。
そんな和やかな時間を打ち破ったのは驚きに満ちたロデオの声だ。
「フラヴィオ様!その髪は一体!」
「あ、ああ…、傷んでいたのでね。イヴに切ってもらったのだよ」
「で、ですが些か短すぎるのではないですかな?」
「私もそうは思うのだが…」
「でもフラヴィオの端整な顔にすごく似合ってるでしょ?ショートのフラヴィオってば超素敵!うんうん!この方が僕は好きだな」
…そうだったのか…
「ロデオ、そういうことだ」
「これはこれは。では仕方ありませんな」
イヴの好みは短い髪か…。そう思えばこの髪もなかなか悪くはない。
「あっそうだ。このあと僕は昼から出かける用意をします。フラヴィオは書斎の片づけ進めてて下さいね」
「分かった」
この屋敷は、玄関を入ってすぐが夜会には少し手狭なホールとサロン、他に書斎、そして上級使用人のための部屋が一室あり、その部屋こそが現在ロデオの居室だ。
廊下を進むと奥にはダイニング、厨房、貯蔵庫と続き、それらの向かい側に浴室などの水回りがある。
そして二階には衣裳部屋、納戸があり、衣裳部屋の向かいにある最も広い居室が私たちの寝室となっている。
二階には他に三つの部屋があり、そのうち一番離れた対角線上の部屋がルイージの部屋である。
のこった二部屋のうち、衣裳部屋の隣に続く小さな部屋をイヴは初日より私室として使用しているのだが、そう言ったまま彼は一度も部屋から出てこない。
そしてもう昼になるという頃だろうか。
昨日の反省も兼ね、早くより書斎へこもる私の耳に書斎の扉をノックする音が聞こえたのは。
開いた扉の向こう側には…
真っ白な衣装を身に着けた、それは清楚で可憐な少女がこちらを見て悪戯そうに微笑んでいた。
-------------
昨晩手に入れたフラヴィオの髪束。
モーブシルバーが見事なこれを、僕は買い込んでいたヘナ粉を使い苦渋の選択で赤毛に染め上げていた。
傷んでいるとはいえ見事なフラヴィオの髪…出来る事ならこのまま使いたい。使いたいのは山々だが…
シルバー・ブロンド系の髪は高位に多い。貴族階級にも黒髪や茶髪は存在するが、逆にシルバー・ブロンドと言った折り紙のスペシャルカラーは庶民階級において、ゼロではないがほとんどいない。
つまり素性を隠し平民の少女になりたい僕は、茶髪か赤毛、もしくは黒の髪にするのが最も無難なのである。
朝食後、乾かしておいた髪をこれに組み合わせれば…
出来た!僕のナースキャップ一体型ウィッグ!
え?フルウィッグじゃないのかって?…足りなくてね…長さが…
それにしても、この世界のメイク用品が〝素肌を生かした”とか〝すっぴん風”とかのキャッチコピーでなくて良かった。おかげでたれ目作成テープがキッチリ隠せる。
さすがにカラコンは存在しないが…見よ!この全力のアイラインと涙袋!
完璧な目細工。サイズ1.5割増し。
自作のパッド入りブラを装着して詰襟の真っ白なワンピースに着替えたら男性用ストッキングで作ったネットの上にキャップをかぶって…
じゃじゃーん!我ながらほれぼれするクラッシックナース完成!
サプライズに行っちゃおーっと!
幸いロデじいとルイルイはリコたちを連れて裏庭に居る。やっぱり初めに見せるのはなんとなくフラヴィオがいいじゃん?
コンコン
静かに扉を開けたフラヴィオの第一声は…
「……どちらのご令嬢だろう。イヴの友人だろうか?」
はい!期待通りの返事いただきましたー!
「ぷぷっ!フラヴィオ、僕ですよ。イヴァーノです!」
「イ、イヴ!? まさか!いやその、だが、ああなんてことだ…君は女性だったのかい?」
「…んなわけないでしょう。一緒にお風呂入っといて何言ってるんですか」
「そうだった…。ならばその姿は一体…」
「少女に化けて仕事へ行こうと思って。似合うでしょ?」
「イヴ、ああイヴ…、駄目だ!君にそんなことをさせる訳には…」
「いーんです!これは僕の使命…とでも言うか、必要なことなんですから」
「必要?」
「そう!みんなが幸せになるために!」
みんな安心してここで暮らせてフラヴィオも当主としての体面保てて…、それで僕は毎日コス気分で仕事が出来て…
これぞまさにwin-winってね☆
また伸ばせばいい、そう自分を納得させて私は一人寝室で彼を待った。待ったが…
待てど暮らせど彼は戻らない。私よりも先に出たはずだというのにこれはどういうことだろう。
二時間もたっただろうか。鼻歌交じりに戻ったと思えば「明日も早いからもう寝るね。お休み」といって次の瞬間には寝息をたてる…
寝付きが良いのだな、健康な証だ…
そうとも、妻は健康な方が良いのだし、そうだ。これは良いことだ。
一抹の落胆はあれど、私は自分をそう納得させて眠りについた。
イヴ、彼の朝は早い。
早いといっても我々貴族階級は総じて朝が遅く陽はまだ低い。
「うーん、…もう朝か…」
「もう起きるのかい?」
「今日は忙しいから早くしなくっちゃ」
彼の朝に気怠い…という言葉は似合わない。跳ね上がるようにベッドを降りるとあくびをしながら扉に手をかける。
「フラヴィオはゆっくりしてて。先行くね」
ゆったりベッドで朝食を摂る日はいつか来るのだろうか…?
…無理だな。食事を用意できるのがイヴしか居ない限りそれは無理な話だろう。私はその問題についてロデオと検討を重ねる必要を感じていた。
暫くすると、なんとも食欲をそそる匂いが漂ってくる。
その匂いにまんまと誘い出されてみれば、楽しそうな笑い声をたてるルイージ、リコ、エルモに囲まれた私の妻がいる。なんと温かな良い光景だ。
「楽しそうだね、何をしているんだい?」
「兄様。イヴァーノ様が動物を描いてくださるのです」
「動物?」
「パンケーキにネコをちょっと」
「こんなことが出来るのか…」
「上手でしょ?」
「なんと器用な…ではイヴ、私にはぜひ馬を」
「…大人が何言ってんですか。さっさとお皿運んじゃって」
叱られてしまった…
それにしてもイヴの多彩さには毎日驚かされる。
そんな和やかな時間を打ち破ったのは驚きに満ちたロデオの声だ。
「フラヴィオ様!その髪は一体!」
「あ、ああ…、傷んでいたのでね。イヴに切ってもらったのだよ」
「で、ですが些か短すぎるのではないですかな?」
「私もそうは思うのだが…」
「でもフラヴィオの端整な顔にすごく似合ってるでしょ?ショートのフラヴィオってば超素敵!うんうん!この方が僕は好きだな」
…そうだったのか…
「ロデオ、そういうことだ」
「これはこれは。では仕方ありませんな」
イヴの好みは短い髪か…。そう思えばこの髪もなかなか悪くはない。
「あっそうだ。このあと僕は昼から出かける用意をします。フラヴィオは書斎の片づけ進めてて下さいね」
「分かった」
この屋敷は、玄関を入ってすぐが夜会には少し手狭なホールとサロン、他に書斎、そして上級使用人のための部屋が一室あり、その部屋こそが現在ロデオの居室だ。
廊下を進むと奥にはダイニング、厨房、貯蔵庫と続き、それらの向かい側に浴室などの水回りがある。
そして二階には衣裳部屋、納戸があり、衣裳部屋の向かいにある最も広い居室が私たちの寝室となっている。
二階には他に三つの部屋があり、そのうち一番離れた対角線上の部屋がルイージの部屋である。
のこった二部屋のうち、衣裳部屋の隣に続く小さな部屋をイヴは初日より私室として使用しているのだが、そう言ったまま彼は一度も部屋から出てこない。
そしてもう昼になるという頃だろうか。
昨日の反省も兼ね、早くより書斎へこもる私の耳に書斎の扉をノックする音が聞こえたのは。
開いた扉の向こう側には…
真っ白な衣装を身に着けた、それは清楚で可憐な少女がこちらを見て悪戯そうに微笑んでいた。
-------------
昨晩手に入れたフラヴィオの髪束。
モーブシルバーが見事なこれを、僕は買い込んでいたヘナ粉を使い苦渋の選択で赤毛に染め上げていた。
傷んでいるとはいえ見事なフラヴィオの髪…出来る事ならこのまま使いたい。使いたいのは山々だが…
シルバー・ブロンド系の髪は高位に多い。貴族階級にも黒髪や茶髪は存在するが、逆にシルバー・ブロンドと言った折り紙のスペシャルカラーは庶民階級において、ゼロではないがほとんどいない。
つまり素性を隠し平民の少女になりたい僕は、茶髪か赤毛、もしくは黒の髪にするのが最も無難なのである。
朝食後、乾かしておいた髪をこれに組み合わせれば…
出来た!僕のナースキャップ一体型ウィッグ!
え?フルウィッグじゃないのかって?…足りなくてね…長さが…
それにしても、この世界のメイク用品が〝素肌を生かした”とか〝すっぴん風”とかのキャッチコピーでなくて良かった。おかげでたれ目作成テープがキッチリ隠せる。
さすがにカラコンは存在しないが…見よ!この全力のアイラインと涙袋!
完璧な目細工。サイズ1.5割増し。
自作のパッド入りブラを装着して詰襟の真っ白なワンピースに着替えたら男性用ストッキングで作ったネットの上にキャップをかぶって…
じゃじゃーん!我ながらほれぼれするクラッシックナース完成!
サプライズに行っちゃおーっと!
幸いロデじいとルイルイはリコたちを連れて裏庭に居る。やっぱり初めに見せるのはなんとなくフラヴィオがいいじゃん?
コンコン
静かに扉を開けたフラヴィオの第一声は…
「……どちらのご令嬢だろう。イヴの友人だろうか?」
はい!期待通りの返事いただきましたー!
「ぷぷっ!フラヴィオ、僕ですよ。イヴァーノです!」
「イ、イヴ!? まさか!いやその、だが、ああなんてことだ…君は女性だったのかい?」
「…んなわけないでしょう。一緒にお風呂入っといて何言ってるんですか」
「そうだった…。ならばその姿は一体…」
「少女に化けて仕事へ行こうと思って。似合うでしょ?」
「イヴ、ああイヴ…、駄目だ!君にそんなことをさせる訳には…」
「いーんです!これは僕の使命…とでも言うか、必要なことなんですから」
「必要?」
「そう!みんなが幸せになるために!」
みんな安心してここで暮らせてフラヴィオも当主としての体面保てて…、それで僕は毎日コス気分で仕事が出来て…
これぞまさにwin-winってね☆
1,164
あなたにおすすめの小説
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜
COCO
BL
「ミミルがいないの……?」
涙目でそうつぶやいた僕を見て、
騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。
前世は政治家の家に生まれたけど、
愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。
最後はストーカーの担任に殺された。
でも今世では……
「ルカは、僕らの宝物だよ」
目を覚ました僕は、
最強の父と美しい母に全力で愛されていた。
全員190cm超えの“男しかいない世界”で、
小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。
魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは──
「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」
これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた
夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。
そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。
婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
勘当された悪役令嬢は平民になって幸せに暮らしていたのになぜか人生をやり直しさせられる
千環
恋愛
第三王子の婚約者であった侯爵令嬢アドリアーナだが、第三王子が想いを寄せる男爵令嬢を害した罪で婚約破棄を言い渡されたことによりスタングロム侯爵家から勘当され、平民アニーとして生きることとなった。
なんとか日々を過ごす内に12年の歳月が流れ、ある時出会った10歳年上の平民アレクと結ばれて、可愛い娘チェルシーを授かり、とても幸せに暮らしていたのだが……道に飛び出して馬車に轢かれそうになった娘を助けようとしたアニーは気付けば6歳のアドリアーナに戻っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる