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驚きの出会い
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ガヤガヤガヤ…
「見ろよアレ…」
「可愛い子だな…」
「俺声かけてこようかな…」
ガチャ
「面接にお越しのエヴァさん。中にお入りください」
「ハーイ」
「新しいナースか!これはいい!」
「あ、アイタタタ。急に腹具合が…」
「俺も。頭痛が痛い…」
などという周囲の喧騒に気を良くしながら、ここは貴族街の中にある王立病院、その院長室である。目の前に居るのは男の院長、そして目の奥が笑っていない女性、多分…看護師長だ。
「あなたが看護助手に応募してきたエヴァさんね。ずいぶん可憐だこと。…言っておくけどこの仕事は楽でないわよ」
「はい!僕は今までも多くの式典祭典に参加し多くの緊急事態を目の当たりにしてきました。急病人の手当てにも携わった事があります。そこで培った経験をここで生かせれば、そう考えています。もちろん体力にも自信があります」
「その白い服は何なのかしら」
「僕の熱意を知ってもらおうと思って…どうでしょうか?」ニッコリ!
「ふむふむ。なかなか可愛い子じゃないか。なあ看護師t」
ギロリ「院長。仕事は顔でするのではありませんわ。血を見て倒れるような子では使い物になりませんの」
「あっ!僕血とか全然平気です!流血メイクで慣れてるんで」
「ほら看護師長、こう言っていることだし」
「院長!御覧なさいましこの細い腕を。これで暴れる大の男を抑え込めるとお思いですの?」
どうもこの看護師長は可愛い子を見ると目の敵にするタイプのようだ。厄介だな…
「こう見えて意外と腕力あるんですよ?見て下さいこのスプーンを。いいですか…ふん!」クニャリ
「おお!」
「まあ!」
こんなところで宴会芸が役立つとは…だがこのポイントはテコの原理である。
「看護師ty」
「いずれにしても昨日の面接で定員オーバーですわ。残念ですが次の機会にまたどうぞ」
ぐ…ここほど条件の良い職場は無いってのに…
場所は貴族街、患者は平民から貴族まで多岐にわたるが(病棟は分かれている)、少なくとも怪我した酔っぱらいとかケンカして運ばれる暴れん坊とか野蛮なのは居ないだろうし、何より時給がいい!その時給ときたら…庶民街で募集のかかるトラットリアとかの軽く倍だ!何より何より…堂々とナース服が着れる!こんな良い仕事があるだろうか?いや無い!
何とかならないか…
バターン!!!」
「馬鹿者‼面接中だぞ何事だ!」
「殿下が!通りがかりの王太子殿下が緊急で運ばれてございます!」
「なんだと⁉ 」
〝殿下”
その言葉に漏れなく廊下へ走り出る僕を含めた全員。と、そこには両脇を護衛騎士に支えられたプラチナブロンドが光り輝く王子殿下、アマーディオが居た!
こ、これは…!
そのとき僕の脳裏に浮かんだもの、それは二コラとアマーディオの仲をより深めるエピソード。
アマーディオは何かの後遺症に悩んでいた。そこで向かったのが二コラの居る教会だ。彼は教会で二コラの特別な治療を受ける。それにより体調が劇的に好転したことで運命的な何かを感じ(これはあれだ!逆ナイチンゲール症候群だ!)…それがきっかけとなって、それまであまり良い顔をしていなかった王妃や王の説得に成功するという…ラスト付近のエピ!
もしかしてあの後遺症が残った原因って…これか⁉
「ドクター!殿下が喉にマシュマロを詰まらせている!一刻も早く取り除くのだ!」
「な、何と言うことだ!誰か!長い鉗子を持て!早くしろ!」
「殿下!殿下しっかりなさって!」ドン!ドン!
えー!マジで緊急事態じゃん!これってマジでヤバい!もがいてるうちに何とかしないと!
「ちょっとどいて!」
背中を叩いたぐらいで取れるものならもう取れてるって!
「部外者は引っ込んでなさい!」
「一分一秒を争うんだってば!」ズイッ!
「きゃっ!」
ええいこうなったら腕づくだ!
僕はこの状況を見たことがある。お父さんが正月餅をのどに詰まらせた事があるからだ。そのときお母さんがやったのを僕は覚えてる!
「女!殿下に何をする!」
「いいから!」
お腹に腕を回して抑えながら…引き上げる!
グッ!グッ!グッ!
「不敬であるぞ!退かぬか!」
「黙ってて!」
グッ!グッ!
「ゲホッ!」ポロッ
「おおー!!!」
あ、息吐いた。ギリセーフ…
「なんという不敬者!殿下に対してなんという真似を…!誰かこの女を連れて行け!」
ゲッ!不敬罪アゲイン…、これがいくら人助けとは言えここは階級社会。王族を締め上げたら不敬罪は免れない。けど今度こそ情状酌量はききそうに…ない…万事休す…
「ま、待て!」
僕の腕を掴もうとした護衛を制止したのは未だ俯いて咳き込むアマーディオだ。
「これは必要な措置だ!不敬などと…お前たちは何を言っているんだ、下がれ!」
ホッ…、アマーディオが横柄なキャラじゃなくて良かった…
彼はしぶしぶ後ろに下がった護衛を確認すると、お付きの従者から飲み物を受け取り一息ついている。
「これは失礼したね。恩人になんと言うことを…、彼らは私から言い聞かせておこう。それより助かったよ君…、き…み…、き…」
すっかり落ち着きを取り戻したアマーディオは服を整えると僕の方に向き直った。そしてこの反応…。彼は何故かフリーズしている。もしかして…バレた…?
「あ、あの…」オロオロ…
「すまない、つい見惚れてしまった。その…君は随分可憐だ」ギュ
…セーフ…
って、なに!?
セーフで良かったんだけど、何なの?この握りしめた手。死にかけたばっかりだって言うのに惚れっぽいなアマーディオ…
「殿下、特別室をご用意してございます。万全を期すため診察をどうか…」
「院長か。いいだろう、では君付き添ってくれないか」
「え…?」
困惑…
ゲーム内でも僕とアマーディオは大した接点をもたなかった。だってイヴァーノの婚約者はパンクラツィオだし、王子殿下のアマーディオには表向きだけでも一応敬意は払ってたし。なのに何この展開?
けどこれは千載一遇のチャ…ンス…?
「殿下!彼女は当院の看護士ではございまs」
「どきなさい師長!君!エヴァくんだったね。殿下がこう言っておられるのだ。失礼のないよう当院の看護士として相応しい振る舞いをするように。いいね」
あ、あれ?もしかしてこれ…
「はーい!院長」
無事お仕事ゲットだぜ!
「見ろよアレ…」
「可愛い子だな…」
「俺声かけてこようかな…」
ガチャ
「面接にお越しのエヴァさん。中にお入りください」
「ハーイ」
「新しいナースか!これはいい!」
「あ、アイタタタ。急に腹具合が…」
「俺も。頭痛が痛い…」
などという周囲の喧騒に気を良くしながら、ここは貴族街の中にある王立病院、その院長室である。目の前に居るのは男の院長、そして目の奥が笑っていない女性、多分…看護師長だ。
「あなたが看護助手に応募してきたエヴァさんね。ずいぶん可憐だこと。…言っておくけどこの仕事は楽でないわよ」
「はい!僕は今までも多くの式典祭典に参加し多くの緊急事態を目の当たりにしてきました。急病人の手当てにも携わった事があります。そこで培った経験をここで生かせれば、そう考えています。もちろん体力にも自信があります」
「その白い服は何なのかしら」
「僕の熱意を知ってもらおうと思って…どうでしょうか?」ニッコリ!
「ふむふむ。なかなか可愛い子じゃないか。なあ看護師t」
ギロリ「院長。仕事は顔でするのではありませんわ。血を見て倒れるような子では使い物になりませんの」
「あっ!僕血とか全然平気です!流血メイクで慣れてるんで」
「ほら看護師長、こう言っていることだし」
「院長!御覧なさいましこの細い腕を。これで暴れる大の男を抑え込めるとお思いですの?」
どうもこの看護師長は可愛い子を見ると目の敵にするタイプのようだ。厄介だな…
「こう見えて意外と腕力あるんですよ?見て下さいこのスプーンを。いいですか…ふん!」クニャリ
「おお!」
「まあ!」
こんなところで宴会芸が役立つとは…だがこのポイントはテコの原理である。
「看護師ty」
「いずれにしても昨日の面接で定員オーバーですわ。残念ですが次の機会にまたどうぞ」
ぐ…ここほど条件の良い職場は無いってのに…
場所は貴族街、患者は平民から貴族まで多岐にわたるが(病棟は分かれている)、少なくとも怪我した酔っぱらいとかケンカして運ばれる暴れん坊とか野蛮なのは居ないだろうし、何より時給がいい!その時給ときたら…庶民街で募集のかかるトラットリアとかの軽く倍だ!何より何より…堂々とナース服が着れる!こんな良い仕事があるだろうか?いや無い!
何とかならないか…
バターン!!!」
「馬鹿者‼面接中だぞ何事だ!」
「殿下が!通りがかりの王太子殿下が緊急で運ばれてございます!」
「なんだと⁉ 」
〝殿下”
その言葉に漏れなく廊下へ走り出る僕を含めた全員。と、そこには両脇を護衛騎士に支えられたプラチナブロンドが光り輝く王子殿下、アマーディオが居た!
こ、これは…!
そのとき僕の脳裏に浮かんだもの、それは二コラとアマーディオの仲をより深めるエピソード。
アマーディオは何かの後遺症に悩んでいた。そこで向かったのが二コラの居る教会だ。彼は教会で二コラの特別な治療を受ける。それにより体調が劇的に好転したことで運命的な何かを感じ(これはあれだ!逆ナイチンゲール症候群だ!)…それがきっかけとなって、それまであまり良い顔をしていなかった王妃や王の説得に成功するという…ラスト付近のエピ!
もしかしてあの後遺症が残った原因って…これか⁉
「ドクター!殿下が喉にマシュマロを詰まらせている!一刻も早く取り除くのだ!」
「な、何と言うことだ!誰か!長い鉗子を持て!早くしろ!」
「殿下!殿下しっかりなさって!」ドン!ドン!
えー!マジで緊急事態じゃん!これってマジでヤバい!もがいてるうちに何とかしないと!
「ちょっとどいて!」
背中を叩いたぐらいで取れるものならもう取れてるって!
「部外者は引っ込んでなさい!」
「一分一秒を争うんだってば!」ズイッ!
「きゃっ!」
ええいこうなったら腕づくだ!
僕はこの状況を見たことがある。お父さんが正月餅をのどに詰まらせた事があるからだ。そのときお母さんがやったのを僕は覚えてる!
「女!殿下に何をする!」
「いいから!」
お腹に腕を回して抑えながら…引き上げる!
グッ!グッ!グッ!
「不敬であるぞ!退かぬか!」
「黙ってて!」
グッ!グッ!
「ゲホッ!」ポロッ
「おおー!!!」
あ、息吐いた。ギリセーフ…
「なんという不敬者!殿下に対してなんという真似を…!誰かこの女を連れて行け!」
ゲッ!不敬罪アゲイン…、これがいくら人助けとは言えここは階級社会。王族を締め上げたら不敬罪は免れない。けど今度こそ情状酌量はききそうに…ない…万事休す…
「ま、待て!」
僕の腕を掴もうとした護衛を制止したのは未だ俯いて咳き込むアマーディオだ。
「これは必要な措置だ!不敬などと…お前たちは何を言っているんだ、下がれ!」
ホッ…、アマーディオが横柄なキャラじゃなくて良かった…
彼はしぶしぶ後ろに下がった護衛を確認すると、お付きの従者から飲み物を受け取り一息ついている。
「これは失礼したね。恩人になんと言うことを…、彼らは私から言い聞かせておこう。それより助かったよ君…、き…み…、き…」
すっかり落ち着きを取り戻したアマーディオは服を整えると僕の方に向き直った。そしてこの反応…。彼は何故かフリーズしている。もしかして…バレた…?
「あ、あの…」オロオロ…
「すまない、つい見惚れてしまった。その…君は随分可憐だ」ギュ
…セーフ…
って、なに!?
セーフで良かったんだけど、何なの?この握りしめた手。死にかけたばっかりだって言うのに惚れっぽいなアマーディオ…
「殿下、特別室をご用意してございます。万全を期すため診察をどうか…」
「院長か。いいだろう、では君付き添ってくれないか」
「え…?」
困惑…
ゲーム内でも僕とアマーディオは大した接点をもたなかった。だってイヴァーノの婚約者はパンクラツィオだし、王子殿下のアマーディオには表向きだけでも一応敬意は払ってたし。なのに何この展開?
けどこれは千載一遇のチャ…ンス…?
「殿下!彼女は当院の看護士ではございまs」
「どきなさい師長!君!エヴァくんだったね。殿下がこう言っておられるのだ。失礼のないよう当院の看護士として相応しい振る舞いをするように。いいね」
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