春雷の銀狼と華やぐ青鹿

彩田和花

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祝福の恋人達の初夜と少年少女深夜の駆け引き

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ハイドとヒルデの誕生日には約2週間の差があり、ヒルデよりひと足早く17歳の成人を迎えたハイドだったが、つがいの相手であるヒルデが成人を迎えるまでは、左手の薬指の指輪はまだ銀色のままだった。 

そしてついにヒルデが成人を迎える日の前夜。 
二人一緒に祝福を受ける瞬間を過ごそうと、ヒルデはハイドの部屋に泊まりに来ていた。
そして、この時を迎える前に何度も話し合ってきたことを振り返るのだった──。

ハイドはヒルデが成人して祝福を受けると同時に結婚をしたかった。 
彼なりにヒルデの実家であるカフェ”森の青鹿亭”と、彼女の父親のことを考えて、狩人は弟のライキが継ぐだろうから、自分がヒルデの家に入婿し、森の青鹿亭の亭主になってもいいと提案していた。
ヒルデも本当はそうしたかったが、かわいい娘が正式に他の男のものになるのが嫌だと父が首を縦に振らなかったため、 結婚は少し待って欲しいとハイドに伝えていた。
「駄々っ子かよ、あのクソ親父が・・・。
わかった・・・結婚は待ってやる。 
ただし1年だけな。
1年してまだ親父が反対してようがそれ以上は待てない。 
そん時は強行手段で先に子作りしちまうからな! 
あと、待つのは結婚だけだ。
祝福を受けたなら何がなんでもセックスする。
つがい時代に散々我慢してるのにそれ以上待てるかってんだ!」 
「でも・・・。
結婚もしてないのに赤ちゃんが出来たらどうするつもりなのよ!?」 
「子供が出来たとなりゃ流石にあの娘溺愛親父も結婚を認めざるを得ないだろ?
・・・なら1年も待つことねーか。
祝福を得たと同時に子作りしまくればいいんだよ。」
ニヤリとほくそ笑むハイド。 
「ちょっと!
1年待ってくれるって言ったでしょ!?」
 「・・・ちっ! 
本音を言えば親父の気持ちを無視してでもお前とすぐ結婚してーよ! 
そしたらお前と一緒に暮らせるし、堂々と子作りも出来る!
だがそれじゃお前は納得が出来ないんだろう?」
「・・・ごめん。
やっぱり父さんにもちゃんと結婚を認めてもらいたい・・・。
だってあたしたち、家族になるんだもの。
1年かけて説得してみるから。」
 「・・・わかった。
1年間は子供が出来ないよう気をつけてやる。
セックスはするが、中出しは安全日のみ、危険日は挿入しない、それ以外の日は外に出す、でどうだ? 
これじゃ避妊とは呼べねーけど、子供が出来る確率は減る筈だ。
だからお前も自分が今日どうなのかを知るために毎日基礎体温を計れ。
それでも子供が出来た場合、結婚を認めるかは親父次第だが、俺はお前と子供に対してきちんと責任を取る。
そこは安心しろ。」
「・・・わかった。
ありがと、ハイド・・・。」 
「・・・つか小鹿ちゃんさ、俺と比べてセックスに消極的じゃね?
俺が何も言わなきゃ結婚を待つ流れでセックスも待たせるつもりだったろ?
俺と最後までシたくないのかよ?
傷付くんだけど。」 
ムスッと不貞腐れるハイド。
「ご、ごめん・・・あんたの事愛してるよ?
ただ、凶悪なもの持ってるじゃない?
正直受け入れるのが怖いっていうのはあるかな・・・。」
ヒルデは冷や汗をかきながら答えた。
「散々指で慣らしてきたんだし大丈夫だろ。 
2本は余裕で入るぜ?」
指を2本立てて見せると意地悪く笑うハイド。
「・・・処女膜無くなっちゃったけどね!」 
「まだそれ気にしてるのか?」
「当たり前でしょ!
初体験で破瓜の血が出るっていうシチュエーションに凄く憧れてたんだから!
乙女の夢を返してよ!」 
「血がロマンチックってか?
女の言うことは良くわかんねぇな。
俺は小鹿ちゃんが処女だって知ってるわけだし、初めての時に血が出ようが出まいが小鹿ちゃんを抱けるなら何でもいーけどな。
早くガンガン犯して泣かせてぇ!」 
「・・・この男は。」
そんなわけで祝福を受けた後1年は結婚はせず、今まで通り実家に住み、通いで逢瀬をすることをお互いの両親に伝えたのだった──。

そして、時は現在に戻る──。
深夜0時まで残り数秒に迫る壁掛け時計を見つめる二人。
3・・・2・・・1・・・
ついにヒルデの17歳の誕生日に日が変わった。
その途端、2人の指輪がパアアァァと煌めき、金色へと変わった! 
「おっ!来たな!」 
「ついに、あたしたち祝福を得たのね・・・!」
「よっしゃ、そんじゃヤるか!」 
ハイドはペロッと舌舐めずりをするとヒルデに覆いかぶさった。
今まで裸でじゃれあっていたためハイドは既にフル勃起状態でスタンバイOKだった。 
「ちょっと!
そんじゃヤるか!じゃないでしょ!
ムードは何処にやったのよ!
愛を囁くくらいしてよ! 
大切な初体験なんだよ?
破瓜の血は無いけどさ・・・。」 
「わかってるよヒルデ。
・・・愛してる。
ずっと一緒に居ような。」
 優しく微笑みかけ髪を撫でてやる。 
「うん・・・あたしも愛してる・・・。
これでもう死ぬ時も一緒だね。」 
ヒルデも幸せそうにはにかんで擦り寄った。
「あぁ・・・。」 
ハイドはそんな彼女の肩を抱くとそのままマウントを取り、脚を開かせてもう一度指を入れて軽く解してから指を抜いた。
「挿れるぞ・・・。」 
「う、うん・・・。」
 ヒルデが不安そうに頷くと、
「大丈夫だって・・・」
と囁き、軽くキスしてから自分の先端を彼女の秘部に当てがう。 
そしてぐっと腰を沈めた。 
「・・・・・!!」
ヒルデは苦痛に顔をゆがめてハイドの背中に爪を立てて耐えている。
それを見てハイドはもう一度優しくキスをしながら囁いた。 
「力を抜け・・・ヒルデ。
余計苦しいぞ?」
「んっ!
でも、力を抜くのってどうすればいいの? 
ちょっと入ってるだけで痛すぎて何も考えられないんだけど・・・!!」 
ヒルデの涙を舌で掬いながら、クリトリスを指の腹で刺激してやる。 
「それじゃこっちに集中してろ・・・。」 
「あっ!あっあっあっ♥あっああっあんあっ♥ 」 

一方隣の部屋で布団に入って寝ていたライキだったが、ヒルデの甘い喘ぎが聴こえてきたので覚醒し、 段々と変な気分になっていた。 
「リーネ・・・ごめん。
リーネ・・・リーネ・・・!」
そう呟きながら目を閉じて、リーネの姿を思い浮かべて性器を扱く。
リーネはまだマールが亡くなった後店を始めたばかりなので、 そんなリーネでいやらしい妄想をする事が申し訳なかったが、彼の親友ユデイが言っていたように、何度か射精を経験するうちに男とはこういう生き物で、この行為は性欲をコントロールするために必要なことだと理解し、割り切れるようになってきていた。 
(心苦しいけど、出してしまえば冷静になって、明日リーネに優しく接することが出来る・・・。)
その間もヒルデの嬌声が若い彼の性欲を刺激し続ける。
(・・・リーネもエロいことしたらこんな声出すのかな・・・ごくっ・・・
いつか俺もリーネとひとつになって・・・
 リーネ・・・リーネ・・・!・・・リーネ!!・・・っくっ・・・!!) 

そしてハイドの方は隣の部屋から人の気配が消えたことを感じとっていた。 
(おっ、ライキの奴俺らに当てられて飛んだな?
あいつは優しすぎるからな。 
リーネの今の状況を見守るあいつの心が参らないように、性欲に素直なのはいいこった。) 
と思いながらハイドは容赦なくヒルデを追い込んだ。 
「隣暫くいねーから気にしないでイっていいぜ?」 
「いないってこんな深夜にライキはどこに・・・ああっ♥」 
「いいから集中しろって。」 
「あっはあっあっあっあっあぁんあっあぁあぁぁ―――♡♥」 
ヒルデはクリトリスへの刺激により絶頂を迎えるも、その事によりハイドは大きな問題にぶつかっていた。 
(・・・あれ?
ヒルデがイって締まってるからか? 
余計抵抗が高くなって・・・全く奥に進まねーぞ?
・・・これは・・・まずったか?) 
「いっ!痛いっ!痛っ!!やっ!お願いハイド!抜いて・・・!!」 
絶頂した直後で敏感になっているヒルデには、途中まで入っているハイドのそれがより大きく辛く感じるのだった。 
「えっ、そんなにか!?
折角ひとつになれるんだぜ? 
もう1/3くらいは入ってるし、抜きたくねーんだけど!」
と更にぐぐぐっと押し込もうとする。 
「お願いっ!
無理無理無理!!
こんなの絶対無理だからっ!!
壊れちゃう!!」 
「やだね!
抜きたくない!
このまま貫通させる!!」 
「もうっ!!
この大馬鹿野郎!!」 
ヒルデは拳を握りしめるとハイドのみぞおちを思いっきり打ち付けた! 
ハイドがグハッ!と力を失い倒れ込んだ際にイチモツも抜け、ヒルデはすざましい苦痛から開放された。
「いっててて・・・!
何すんだよ!」 
「それはこっちのセリフよ! !
裂けるかと思ったのにやめないなんて、マジありえないから!!」 
「いや、だって初夜だぜ?
待ちに待った小鹿ちゃんの中に入れるんだぜ? 
止められるわけねーだろ!!
もう1回しきりなおしだ!」 
「もうやだ!
今日はしない!!」 
「はっ!?
そりゃないだろ!?
ここまで昂ってんだぜ?
今更収まりがつくかよ!!」 
そう言ってフル勃起状態のイチモツでヒルデの頬を叩く。 
「・・・もう、それやめてよ!
・・・わかったわよ。
抜いてあげるから今日はもう勘弁して。
口でいい?」
そのまま頬に当たるペニスにそっと手をかける。
「畜生・・・それなら!」 
そう言ってヒルデの脚を開きかつぎ上げると自分のモノをヒルデの割れ目に挟んで腰を揺すり始めた。 
「あっあっあっあん♥ああっ♥やっ、やああぁっ♥」 
「もう祝福を受けたんだし素股してもうちの親父も止めにこねーしな!! 
明日は止めねーから!!
絶対お前を犯してやる・・・!」 
「あっあっあっあぁあっあぁあーーーーっ♡♥!!」

──そして、次の日もヒルデはハイドの部屋に泊まりに来ていた。 
ヒルデの親父を説得するのは大変だったが、結婚を待ってやるんだからもう1晩くらいヒルデを貸せと半ば強引に交渉したのだった。 
(昨日はヒルデを先にイかせたのがまずかった。
 今日は焦らしに焦らしまくって、自分からおねだりさせてやる。 
そして、一晩中犯しまくってやる・・・!) 
ハイドはヤる気に満ち溢れ、燃え盛っていた。 
いつもなら必ず一度はヒルデをイかせてやるハイドだが、この日はいい所でやめるのを繰り返す。 
流石のヒルデも焦れてもどかしいのか、腰をムズムズとさせ、たっぷりと濡れた秘部を自ら広げて火照った顔でハイドに懇願した。 
「お、お願い・・・もうたまらないの・・・。
どうにかして・・・!!」 
そんな愛しの彼女の姿だけでハイドはもう爆発しそうだったが、そこをぐっと堪えて更に焦らす。
「どうにかって?
もっと具体的に俺にオネダリしてみな?
小鹿ちゃん。」 
「い、意地悪・・・ 。
お、おねがい、あたしのここに・・・ハイドの凶悪なのを・・・」 
「凶悪な、なんだって?」 
「っ・・・凶悪な、硬く、大きく、あっ、熱くなったおチンチン・・・を、入れてっ・・・!
滅茶苦茶にっ・・・かっ・・・かき回して!!」 
ヒルデが全身を火照らせ涙ながらに懇願する様を見て、背筋がゾクゾクするハイド。 
「くっ・・・!
よく言った・・・!
偉いぞヒルデ・・・ッ!」 
ハイドはたまらず限界まで滾ったペニスを彼女の入口に当て、勢いをつけて一気に貫いた! 
充分すぎるくらいに濡れて柔らかく解れていたそこは、昨日の苦労が嘘のように彼の大きなモノを受け入れ、飲み込んだのだった! 
「あァあぁアッ・・・・!!」 
ヒルデは声にならない声を上げて身をよじらせた。 
「はっ・・・やった!入った!!
大丈夫か?ヒルデ・・・。」 
「っ・・・痛い・・・けど・・・やっとひとつになれたんだね・・・。」 
「ん・・・そうだな・・・。」 
そう言ってキスを交わす。 
「あそこが痺れてて感覚がよく分からないけど、これで全部入ってるの?」 
「あぁ・・・入ってるよ。
奥に当たってるの、わかるか?」
と子宮口を亀頭でつんつんとつつく。 
「んっ♥
・・・うん・・・わかる・・・。
すごいね、あんなに凶悪なのが入っちゃうんだ・・・ 。
あたしのナカ、緩い・・・?」 
「はっ・・・そんなことねーよ。 
小鹿ちゃんのナカ・・・熱くて狭くてキツくてたまんねー・・・。
・・・少し動いていいか?」 
「うん、いいよ・・・。」
 ギシ、ギシ、ギシ ・・・ベッドが軋む。
「あっ、もっ、もっと優しくして・・・!」 
「わかってる・・・けど、やべ・・・余裕ないわ・・・」 
ギッギッギッギッ・・・ 
「あっ・・・はっ・・・ハイ・・・ド・・・の、馬鹿ぁ・・・」
「わりぃ・・・くっ・・・はっ・・・
まだ痛むか?」 
「ううん、まだ痺れてるような感じは少しあるけど・・・でも、なんか、変な感じになってきた・・・。
あっ・・・んっ・・・♥」 
「変?
それって感じてきたってことか?」
「あっ、あっ♥
やっ・・・あっそ、そうみたいっ・・・あっ♥」

隣の部屋ではまたしてもライキがベッドの中で頭を抱えて悶々としていた。 
(ヒルデ姉さんの喘ぎにこの軋みと振動・・・。
ヤってる音だよな・・・? )
ゴクリと生唾を飲み込む。
(兄貴達やっと祝福を得たんだからヤって当然なんだけど・・・。
やばい・・・ムラムラしてきた・・・。
今夜も抜いとこう・・・。
・・・リーネ・・・今日は笑ってくれて可愛かったな・・・。
リーネ・・・好きだ・・・俺のものになって・・・リーネ・・・
はっ、はあっ、はっ、はっ、はあっ・・・うっ・・・・・っ・・・くっ!) 

一方ハイドの部屋では。 
「・・・隣いなくなったな。
じゃあ遠慮なくラストスパートいくぞ・・・!
ヒルデっ・・・俺のヒルデっ!!」 
「い、いなくなったって、また?
・・・ああっ♥」 
「いいからこっち集中・・・!
はっ、はっ、はっ、ヒルデ・・・ヒルデっ!!」 
「あっ・・・ハイド・・・あっ・・・あっ、あっあん♥・・・ハイド!・・・あっあっあっ♡
・・・あっあっあんあんあぁあぁーーーーーv♡♥」 

ライキは射精後の狩猟小屋からの帰り道に、いつも薬屋の前で一旦立ち止まり、リーネの部屋を見上げるのがお決まりのパターンとなっていた。
(リーネ、流石にもう寝てるよな・・・。
いい夢見てるといいな・・・。)
そんなことを思いながら今日もリーネの部屋を見上げると、灯りのついていない部屋の出窓が開いていて、そこから小さな高い声がした。
「ライキ・・・?」 
ライキの愛しの彼女はもう日を跨いだ深夜だというのにまだ起きていて、真っ暗な部屋で窓を開けてボーッと外を眺めていたようだった。 
その様子にライキは彼女の孤独の深さを感じて胸が苦しくなるが、優しく微笑んで言葉を返した。 
「リーネ、もう深夜なのにまだ起きてたんだ?」 
「ライキこそ、こんな時間に出歩いたりしてどうしたの?」 
「・・・俺は、ちょっと散歩。」 
「・・・私はさっきまで寝てたんだけど、夢で目が覚めちゃって、眠れなかったからここから村の灯りを見てたの。 
そしたらライキが真下を通るのが見えたから・・・。」 
「・・・そっか。」 
「・・・あの、ライキ、もし急いでなかったら、少し話し相手になってくれない?
そしたら眠れる気がする。」
「・・・いいよ。
俺も今部屋に帰りづらいし・・・。」
(多分兄貴達一晩中ヤってるだろうから帰ってもまた変な気分になりそうだし(汗)
 リーネの様子も心配だしな・・・。) 
「よかった・・・!
今下の扉を開けに行くから・・・。」 
「いや、わざわざ下に降りなくてもいいよ。
屋根に上がってもいい?」 
「えっ、屋根!?
いいけど、そこから上がれるの・・・?」 
ライキはサッと手頃な足場と捕まるところを見つけると、トンっと軽く音を立てて薬屋の2階の屋根にあっさりと登った。 
「凄い!
こんなにあっさり登れちゃうのね!」
「うん、狩人やってると木とか崖に飛び乗ったりするからそれと同じようなものだし。」 
「わぁ、流石だね!
カッコイイ!
あっ、じゃあ出窓から部屋にあがって?」 
「い、いいよ。
女の子の部屋にあがれないよ。
夜中だし尚更・・・ここで話しよう。」 
「・・・でも・・・寒くない?」 
「平気だよ。」 
「・・・ありがとう。
 あの、・・・さっき部屋に帰りづらいって言ってたけど、どうしてか聞いていい?」 
「・・・いや、兄貴とヒルデ姉さんが最近祝福を受けたから、今日も泊まりに来ててさ。 
俺の部屋は隣だから、その・・・・・。」
ユデイが相手なら遠慮なくこの先も言えるが、女の子であるリーネにこれ以上は言い辛くて言い淀んでいると 、
「あっ!
エッチしてるの聴こえちゃうんだ?
くすくす・・・。」
と笑いながら言い当てられた。
 かぁぁぁぁ~っと更に赤くなるライキ。 
「う、うん・・・。
つか、リーネ女の子だしその手の話題嫌いかと思って遠慮したのに。」 
「えーっ、女子だってエッチな話くらいするよ?」 
「マジで?」 
「うん。
つがいになったらどんなことするのかなって興味あるもん。
友達とかお姉さん達と女子会するとそういう話になるよ?」 
「そ、そっか・・・。」
赤くなって目を逸らすライキ。
「そうだよ・・・。」
リーネも恥ずかしそうに目を逸らした。 
そして暫しの沈黙──。
それを破ったのは、リーネの意外なセリフだった。
 「・・・・・ライキは・・・誰かとつがいにはならないの?」 
「えっ・・・。」
 リーネの表情は髪で隠れ夜目が効くライキにも読みづらかった。 
「・・・いや、こればかりは相手がいる事だし・・・。」 
「・・・相手は・・・?
誰か心に決めた人はいるの?」 
(なんだよ?
どういうつもりだ?リーネ・・・。
こんなときいないって言った方がいいのか? 
いや・・・リーネに嘘はつきたくない・・・。)
「・・・・・いるよ。」 
「・・・・・どんな子?」 
「えっ・・・どんな子って・・・。」 
(目の前にいる子だよ・・・。) 
とは流石に言えなくて、眉を寄せリーネを伺うように見つめるライキ。
だが相変わらず彼女の表情は髪の毛で隠れて見えない。
 「・・・なんで俺の好きな子のことを知りたがるんだよ?」 
「・・・何でって・・・気になるから。
 私の知ってる子・・・?」 
リーネは顔を上げた。
その表情はとても不安気で、まるで縋るようだった。
(・・・そうか。
リーネは俺の気持ちが自分にあるかどうかを確認して、安心がしたいんだ・・・。
きっと、孤独を埋めてくれる相手が離れていかないかを心配してる・・・。
でも今告白してしまうのは、その孤独に付け入ることになるし、そんな気持ちのリーネとつがいになってもお互いのためにならない。
かと言って他の誰かを好きだと勘違いされるのは困るし、ある程度のヒントを与えておいて別の話題にシフトするのがベストだな・・・。)
「・・・・・そうだな。
 多分1番よく知ってる・・・いや、近すぎて案外知らない子なのかも知れない。」
「・・・・・」 
それを聞いてリーネは俯くとしばらく黙り込み、やがてゆっくりと顔を上げた。
その表情は少し頬を赤く染め、ホッとしたように見えた。
「・・・その子に告白はしないの?」 
「・・・今はそうすべきじゃないと思うから。」
「どうして?
待ってるかもしれないよ?」
「・・・孤独に付け入るような事はしたくない。」 
「・・・・・!」
再び俯き黙り込むリーネ。 
「・・・私、さっき眠れなかったからここから村の灯りを見てたって言ったけど、あれライキの家のことなの。 
ライキが見えるところにいるのって何だかホッとするから。 
ほら、この指の先・・・見えるでしょ?」 
彼女は彼の家のある方角を指差した。
「うん・・・。」 
「2階は暗いから、もうライキは寝たかな?って思ってたら、まさかうちの下を歩いてるんだもの。
びっくりしちゃった。」 
「驚かせてごめん。」 
「ううん、会いたいなって思ってたから凄く嬉しい・・・。」
 「・・・俺も、夜中に散歩する時にここを通ると、リーネは寝たかな?って考えながら部屋を見上げるんだ。
今日もそんな感じで見上げたら、こんな時間なのに起きていて声を掛けられるなんて思わなかった。」 
「驚かせてごめん。」 
「いいよ。
俺も会いたかった・・・。」 
と言って互いに小さく笑い合う。 
「ねぇ・・・やっぱり部屋に入って・・・」
 リーネが頬を染めておずおずと手招きした。
ライキはそんな彼女にドキッとしてから(どういうつもりだ?)と訝しげに眉を寄せた。
「いや、でもそれは。」 
「・・・ライキの心に住んでいる女の子が私の思ってる子で合っているなら、私はその子に遠慮しなくてもいい筈だよ?」
 「・・・・・そうだけど。
夜中に男を部屋に誘う意味、わかってる?」
「えっ・・・?」
「・・・俺、オトコになったよ。
部屋に入ったなら、狼の牙を隠し通せるかわからない。」 
「・・・・・!」
リーネはライキのその言葉にハッとし、息を飲んだ。
だが、少し考えた後、拳をぎゅっと握り締め、真っ赤に染まった顔で俯いて、目を逸らしながら震える声で言った。
「そ、それでも・・・傍に来て欲しいの・・・。
・・・だめ?」 
「・・・これは、エッチなお誘い・・・ってわけじゃないんだろ?」
ライキは小さくため息をついてから、
「何で部屋に誘う?
俺に何して欲しい?」
と、厳しめの表情で問う。
リーネはライキに手を伸ばすと袖をそっと引っ張った。
「・・・・・ライキにギュッと抱きしめて欲しい・・・。
 部屋の外じゃ手が届かないでしょ・・・?」
(抜いてきてて良かった・・・。
じゃなきゃ、こんな誘われ方をして、自分がリーネに何をするかわからない・・・。) 
「わかった・・・。」 
ライキは出窓からそっとリーネの部屋に入ると、その華奢な肩を抱き、背中に手を回し、抱きしめた。 
「・・・リーネ・・・。」 
ネグリジェ姿のリーネの柔らかな感触と髪の匂いに、射精してばかりなのに股間が反応する。 
ライキは股間がリーネに触れないように気にしながら、優しく背中を撫でてやる。 
すると張り詰めた糸が切れたかのように彼女は震えだし、嗚咽をはじめた。 
「実は・・・さっきおばあちゃんの夢を見たの・・・。
幸せそうにおじいちゃんみたいな人と歩いてた。
でも私と2人の間には川が流れていて、橋がかかっていなかったから傍に行けなくて、1人にしないでって叫びながら目が覚めたの。 
そしたら真っ暗な部屋で一人きりで、その現実に耐えられなくなってライキの家を見てたの・・・ 。
でも、ライキが下にいてくれて・・・良かった・・・。
ライキが暖かくて・・・ホッとする・・・。」
「・・・うん・・・。 
リーネ、母さんが前に言ってたけど、うちに来てもいいんだよ?
1階に空き部屋があるしそこを使えばいい。
そしたら寂しくなっても誰かが傍にいるし、俺もいつでも話を聞けるよ?」
「・・・ありがとう。
でもやっぱりライキのお家に他人の私が入り込むわけにはいかないよ。」 
「そんなの気にしなくていいのに。 
うち男ばかりだけど母さんリーネみたいな娘が欲しかったみたいで、リーネのこと凄く好きなんだよ。 
迷惑どころか喜ぶよ?」 
「・・・そう言ってくれて嬉しい・・・ 。
でも、おばあちゃんと暮らしたこの家でまだ暮らしていたいの・・・。
ごめんね・・・。」 
「・・・そっか・・・。
リーネの思うようにしたらいい。 
俺の胸で良かったらいつでも貸すから言って。」 
「・・・うん・・・ありがとう・・・」 
そして、そのままリーネは動かなくなり、やがて安からな寝息を立て始めた。 
「・・・・・。」 
ライキは起こさないようにそっとリーネをベッドに運んでやると、窓から出て家へ続く道を歩いて帰った。 
(・・・やっぱり今はまだ告白しては駄目だ。 
リーネが悲しみを乗り越え、幸せになるために未来のことを考えられるようになったのなら・・・。
その時に想いを伝えよう。 
それまで俺はリーネを精一杯支える。) 

家が近づいてくるとまだヒルデの嬌声が響いていた。 
「あっあっあっあんあっあっあっ・・・♥
もうらめっ♥
あたし、ま、またっ・・・♡」 
「はっ、いいぜ・・・
一緒にイくぞ小鹿ちゃん・・・♥
くっ・・・そんな締めるなよ・・・
先に出ちまうだろ・・・ ?
はぁ、はぁ、はっ・・・くっ・・・出すぞ・・・!
もういっそのこと孕んぢまえよ!」
「やっ、やだぁ・・・!
お、お願い!
今日は安全日じゃないの!
外に出して!」 
「ちっ・・・しゃーねぇな。
今度は胸に出すから受け止めろよ・・・♡」 
「あっあっあっいくいくイッちゃう・・・♥♥
ああぁんあっあぁアァーーーー!!」
「んうっ・・・!!
・・・・・・はぁ、はぁ
・・・小鹿ちゃん・・・マジ最高♥
次はバックで犯すから四つん這いになって?」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・
って、あんた一体何回連続でヤるつもりなのよ!」
「小鹿ちゃんのナカ気持ちよすぎだし出しても全然萎えねーの♡
後3発はいけるぜ?」
「あたしが持たないっ!
ちょっとは休憩させてよ!」
「だーめ。
油断してると後ろから・・・
ほーらはいったぁ!!」
「あァあァあーーーーーっ♥♡♥」
(・・・だめだこりゃ。
今夜はとても部屋にいられないな・・・。) 
ライキは赤面しつつ苦笑いしてトッと自分の部屋近くの屋根に上がると窓から入り毛布を持ち出してまた下に降り立った。 
(今夜は狩猟小屋で寝よう・・・。) 
(いいなぁ兄貴・・・。
俺もリーネと・・・。
でもいつかはきっと。)
月が煌々と照らし出す夜のあぜ道を、またリーネの家方面へと歩いて行くライキなのであった。
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