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しおりを挟む「…レイラ…っ」
泣きそうな顔で飛び込んできたのは
「ーーアベル…、」
幼なじみだった。
ずっと体調不良だと会わないまま騎士科の合宿訓練へと行っていたらしい彼に会うのは三週間ぶりのこと。
いくつかの傷があり、殴られたような痣もある。彼にしては珍しい。
わたしを見てその表情を歪ませるけれど、
彼のほうがよっぽど痛そうだ。
誰かに聞いて、駆けつけてくれたのだろう。
相変わらず優しい幼なじみだ。
そうされる価値など、わたしにはないのに。
そう思ったらなんだかおかしくなって笑ってしまった。そうしたら彼はますます瞳を歪ませて、「ーー」何かを言いかけながらこちらに近づく。
「ーーいくら幼なじみとはいえノックもなしに女性の部屋に押しかけるなど感心しないな。」
「っ、…申し訳ありません」
父の咎めるような呆れた声に、幼なじみは動きを止めた。
「…何故ここに?合宿は明日までではなかったか?」
「課題は終わらせました。戻る許可も取っています。…レイラは寝込んだまま様子もわからなかったので家の者に頼んでいました。
…何かわかったら、連絡を、と。」
「……聞いたのか?」
幼なじみは俯いたままこくりと頷き、震える声でもう一度謝罪をする。
彼が謝ることなど、何一つないのに。
わたしが彼を騙しているというのに。
「ーーアベル、やめ、「そばにいれば、…俺が、…ごめん…ごめんレイラ…」
ひゅ、と喉が鳴った。
母に強く抱きしめられる身体に、
罪悪が重くのしかかる。
「……まったくきみたちはそっくりに泣くんだな……。
似ていないと思っていたがやはり双子だ、リノーヴァ侯爵子息」
『誰よりつよくなって、きみをまもる。
国いちばんのきしになるから、そしたら、ぼくと…』
ーーそう言ったのは、だれ。
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