あいするひと。【完】

雪乃

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シエル②

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今が永遠に続けばいいなんて、

柄にもないことを思って自嘲する。



可哀想なくらい怯えてた。


それに愉悦が混じるんだからやっぱり俺はイカれてるんだと、安堵する。











双子兄弟なんて、いちばん分かり易い比較対象だ。
燻る劣等感みたいなモノはたぶんお互いにずっとあった。
おなじ女を好きになって、牽制し合って。

婚約が決まり、たしかに感じた優越感。


ーー…結局は、プライドを傷つけられてムカついたんだ。
勝ったと思っていたのに不戦勝の肩透かしを食らって、その事実を自尊心が認められなかった。
くだらないそれを、捨てられなかっただけだ。


こんな風に触れることが、次はできるか分からない。
いつ、また、白い肌が染まるほどアトを刻んで、奪うか分からない。


なのに、また触れたいと思ってる。


触れなきゃよかった。媚を売るような自分が気持ち悪かった。痛めつけてやればよかった。そばにいれば必ず俺はまたそうする。


それなのにそばにいれば、いつか、またーー











寝息に耳をすます。

目を閉じたくないとかなんとか言ってたクセに。この女は嘘つきだ、相当。

でも俺も嘘つきだからちょうどいい。


名前を呼んでくちびるに触れたら、やわらかい息を吐く。
みえないしるしを、いくつも刻む。








いつか、まともな人間になることができたら会いに行く。

どこにいても探し出す。

次、会うことがあったら。
今度こそ攫って、離さない、二度と。

心からお前の笑顔を望むことができたら、



「ーー…覚悟しろよ」



誰がいても、誰といても、今度こそ俺を、選ばせてやる。

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