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禿鷹
しおりを挟む「…ひぃ、っく」
ロニー。ロニー…。
ひどいよ…ぼくそんなにいけないことをしたの?
好きな人と一緒にいたかっただけなのになんで…?
勘違いだったなんてひどいよ…ずっと信じてたのに…どうしてぼくから離れるの…?
…あの女、…あの暴力女のせいじゃないか…!
ぜんぶ、…ぜんぶ…!
ぼくは、悪くないのに…!
「…うっ、…ロニーぃぃ…」
ロニーが出て行ったあと少しして先生が来た。
泣いてる僕をほんのちょびっと診察しただけなのに怖い顔で、「仮病は駄目だよ」と言った。
仮病なんかじゃないのに。いやなことがあったり、悲しいことがあったら咳が出るのに。
きっとあの暴力女がロニーに嘘を言ったんだ。
だってロニーはあの女のせいでおかしくなっちゃったんだから。
だってせっかくのお休みだったのに会ってくれなかった。
いつものようにロニーのお邸に行ったらいつも優しい執事が困ったみたいな顔をして、ロニーからだと手紙をくれた。
そこにはキレイな字でひどいことがたくさん書かれていたからびっくりした。
もう迎えには行かないとか、出かけたりできないって。デートできないってこと?なんで?って悲しくなった。
他にも、行動を一緒にしないとか、いろいろ書かれていた。
ぼくは泣いてロニーに会わせてって叫んだけど会えない。お邸にも入れてくれなかった。
泣きながら帰って次の日また行ったけどやっぱりダメだった。
でも学園の迎えには来てくれるって思ってたのに来てくれなくて、ぼくは遅刻した。
先生にすごく怒られて、ランチタイムまで休み時間もなかったんだ。
ロニーがおかしくなっちゃったのはあの女のせいだから文句を言ってやらなきゃと思って、そうしただけなのに。
ぼくは暴力女の護衛に脅されて殺されそうになった被害者なのになんで悪者みたいになっているのかわからない。
すっごく怖かったのに…!
…ロニーはぼくを見てもくれなかった。
それから、もうぼくとは友だちじゃない、って。
好き合ってるんだからそれはそうかもしれないけど、もう会ってくれないって…なんで?
わからなくて待ってよって言ったけどロニーはそのままいなくなっちゃった…。
悲しくて涙がとまらない。
腹が立ってどうにかなっちゃいそうだよ。
だってぼくは悪くない。いじわるしちゃったかもって思うけど悪いのは暴力女だもん。
ぼくのロニーなのに…。
「ロニー…うぅ…」
「ーーねぇ、」
めそめそ涙をぬぐっていたら、後ろから声がした。…誰だろ、ロニー?
「……大変だったね。……ひどいよねぇ、キリング侯爵令嬢」
紫のキレイな目をした知らない人が、笑いながらぼくに近づいてきた。
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