あざとかわいいとか自分で言うのどうかしてる【完】

雪乃

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歪んだ愛

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「、ーー嘘でしょう?」




慈しみ育てられた花が朝方まで降っていた雨露さえ彩りに変えて、うつくしく佇む。
各国から取り寄せた花々が咲き揃う公爵家の庭は、外交官を招いたパーティー会場としてもよく使われている。


そんな贅沢な庭を眺め、これまた高級茶葉を使用したたいそう美味な紅茶をいただいているというのに、まったく相応しくない淀んだ声を発するのはわたしだ。


「……ほんとうよ。ふふ、」


そして小鳥が囀るような大変愛らしい声と、それに似つかわしくない不穏な笑顔を浮かべているのはフローリア公爵令嬢コーラル。


「…信じられないわ…」

「イカれてるのよ」


そうね、なんてわたしが言えると思っているのまったく…。


「…」


建国の黎明期に活躍した王弟が興したフローリア公爵家は王家に次ぐ歴史を持つ由緒正しい家柄。
宰相を務める当主マナブル様、夫人のミカエラ様、王太子殿下の側近嫡男ラスト様。
目の前にいるコーラルは隣国の第二皇子殿下の婚約者だ。
先々代国王の第三王女が降嫁していることもあり、王家との婚姻は互いに選択肢にもならなかったようだ。


「おかしな反応をするのね。一石二鳥ではないの?」

「…そうかしら…」

「そうでしょう。……愛する気持ちというものは止められないわ。愉しくてしょうがないって感じだったもの。だからは受け取ったってことよ」

「……ほんとにいいのかしら」

「いいのよ、気にすることなんてなーんにもないわ、大丈夫。そんなことより、」


そう言ってコーラルは麗しく微笑む。


…そんなことより、って、…。

高貴な血が流れる方々の考えはわたしなんかには到底理解できないわ…けれど、


大丈夫、というのなら、…いいのかしら…?



「ーー…問題はあなたの噂よ。まぁ、それもそのうち新しいモノに取って代わるでしょうけれど。
…それまで耐えられる?それだけが申し訳ないわ。徹底的に落としてから・・・・・・・・・・、が信条なんだもの…病的に歪んでるわ」


笑顔で言うあなたもたいがいではないかしら。まったく恐ろしい子。


「…平気よ。それに陰口なんてお父様の小言と一緒だもの。聞き流してるわ。頭のなかで算術の計算をするのよ、解いたころには終わってるの」

「アラいいわね、それ。モラノ殿下のお説教のときわたしもやってみるわ。…それで?」


コーラルが優雅な所作でカップを持ち上げる。
…お説教なんて。嫉妬深い第二皇子殿下に溺愛されているだけじゃない。


「…」

「最大の問題は、どうなったのかしら?」

「……冷却期間平行線のままよ」


……うらやましいわ、溺愛。




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