あざとかわいいとか自分で言うのどうかしてる【完】

雪乃

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蛇に嬲られる蛙

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「アラ、解消には至らなかったの?」

「…」




ーーあの日から一週間ほど経った。


数日後先触れがあり、
伯爵夫妻と謝罪に訪れたロビンは、なにか決意めいた表情をしていた。


話を聞いたお父様は『…………ほう。』とひとこと。
お母様は目を細め扇の下で何も発さず。
夫妻は終始青ざめていて、謝罪をくり返されるたび申し訳なく思った。


『ーー…個人の嗜好なぞどうでもいい。問題はお前がそのような愚かな行為をする人間だと気づかず見抜けず知りもせず婚約者を蔑ろにするくだらない男だったということだ』


軽蔑すら値しないというように放たれた視線と言葉に、ロビンの琥珀が揺れた。


『まぁ、今わかって此方としては良かった。このまま継続し婚姻後もそのを振り撒かれてはたまったものではない。
…屈辱に耐えられず家門ごと切り裂いていたかもしれないからな』


幸い娘の意思は聞いている。


お父様が続けて言ったとき、『…っお待ちください!』ロビンが蒼白に叫んだ。


『過ちは認めます…!失った信用を取り戻すことは容易ではないことも、っ…取り戻せるかわからないということも、』

『当然だな』

『…っ、ですが私はパリスを愛しています…っそれだけは誓って、『何の保証にもならん。』

『、私は必ずっ『"幸せにする。思いやり、一生支える。"ーーだったか?……お前の必ずは軽いな。誓う愛も脆い。』

『ーー』

『支えるなど到底無理だろう。娘は当主になるのだ。いちばん身近な伴侶という立場に真の置けない者を据えるか?その美徳は害意をはらってはくれないだろう?盲目なのだから。
そのような不安要素をなぜ娘が抱えねばならない?愛だなんだとさもありなんと声高に言うのは止めろ。本質はそこではない。
やりたいなら芝居小屋か娼館で思う存分叫んでくればいい』


脳筋一家といわれる家で育ちながらこれほど弁が立つお父様。
代々騎士団長の職を継ぐのは嫡男、との家訓をぶった斬り、叔父様に譲られたのは正解だったのだわ。…コレでさらに剣まで持つとか恐ろしすぎる…
わたしも含め、部屋じゅう瀕死状態だもの。…お母様以外。


『もちろん我が娘にも多少の非は『パリスに非などありません!』


…ロビン…勇敢だわ…負けないで…。

ってなんでかしら。意味不明に応援したくなってしまうわ。


『非はすべて私にあります。そのうえで、…どうか、どうかお願いいたします…チャンスをお与えください…』


そんな勇者ロビンは膝をつき、頭を擦りつけるように肩を震わせた。


『交渉できる立場か?材料もないのに。
令息の処遇はどうした?お前が関わらないと決めたとしてもそれに素直に従う奴なのか?
娘に危害を加えることはないと断言できるのか?その両親との話し合いは?』

『…っ』

『何か一つでも結果を出してからではないのか。……始めに言った通り謝罪は受け取る。
事業のこともある、私たちは夫妻と話があるから下がりなさい。』


夫妻に声をかけられたロビンがのろのろと起き上がり、両親に頭を下げたあとふらふらと部屋を出てゆく。
入ってきたときとは別人のようになりながら。


『お前も話をしたほうがいいだろう、行きなさい』

『…失礼いたします』


夫妻へ深く膝を折り、あとを追った。



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