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第一部・アンコールワットへの道
12・アンコール・ワットへの旅立ち
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一彦とプラタナ(&アスカ)が敵の8人組神能力者集団<スパイダー>の一人を捕らえ、おって、百人頭のモーニーとソクラも、それぞれ一人づつメンバーを捕らえていた。
そもそもが虚弱な神能力しか持たない者たちが8人結集して<ブラフマンの漆黒の海>を生み出していた。
三人もメンバーを失っては、もうグループは崩壊だろう。
<漆黒の海>はとうに消滅していて、そこには、周囲と何も変わらない乾いた土の地面があるのみ。
ここで、俺は死にかけた、地面で溺れ死ぬとこだった・・・、と一彦はノドに苦しさを蘇らせた・・・。
今、バンテアイ・チュマールの前の広場にて、<スパイダー>の三人は、蔓で後ろ手に縛られ、跪かされ、クメール軍に囲まれていた。
ちなみに、戦いの最中、<300人隊>は、遺跡内部の中庭に集結していた。
石門の内部から、臨戦態勢から解除された集団がひしめいているのが見えた。
乱戦になるのが予想でき、乱戦になると少人数の敵が有利になってしまうので、今回の出動はなかった。
「さて」と右近太夫による<スパイダー>への尋問が始まる。「わい(お前)ら、まあ、アユタヤ軍の者なんだろうけど、なかなか行動が早いな。誰に命じられた?」
「・・・、・・・」
<スパイダー>たちはしばし沈黙、だが、一人が答えた。「サクチャイ様の策だ」
「・・・サクチャイ・・・、よくある名だが、仁左衛門(アユタヤ軍の日本人であり、オリオリオの世話人)の上司にあたる訳だな?」
<スパイダー>の一人はまた沈黙、その後、「そうだ・・・」と答える。
「へぇ」と右近太夫は頷く。
右近太夫は納得しているようだが、一彦には、なんかが気になった。
右近太夫や、その配下の者が「スパイダーの躊躇の沈黙」と思っていることが、人の感情の変化を、多少なりとも洞察するに進歩していると思われる現代人の一人である一彦、その人にとってはそうシンプルではないように思えたのだ。
この<スパイダー>たちの沈黙は、クメール軍に誤った情報を与えるために考えている時間だと・・・。
つまり、<スパイダー>たちは嘘をついていると思った。
だが、一彦は、その思いを問題視せずに、スルーしといた。
一彦にとって、この世界はまだまだ未知で、気にかかることが無数にあり過ぎたからだ。
しかし、この一彦の「気にかかり」こそが、
この世界での<最終決戦>で敵対することになる巨悪へのキーポイントであった。
それが分かるのは、作中で、数年後のことになる・・・。
更に、一彦にとって驚くべき話題が続けられていた。
「わい(お前)たちの言う、その<デヴァター>と言うのは、日本人の女のことか?」
と、右近太夫の声がやや激しくなった。
日本人の女・・・? オリオリオのことを言ってるのか?
一彦は、右近太夫と<スパイダー>の会話に意識を戻した。
「デヴァターはデヴァターだ。俺たちは会ったことがない。ただ、サクチャイ様は、デヴァターの進言により、この日本の男を早急に暗殺するように命令を発した」と、<スパイダー>の一人は『この日本人の男』である一彦を振り向いた。
えっ? デヴァターが俺の暗殺を発案した、だと?
「右近太夫、デヴァターってなんだ?」
「こちらの言葉で<女神>のことを言う・・・」
「オリオリオは、アユタヤ軍に『女神扱いされている』と言ってたよね?」
「へぇ」と焦る右近太夫。
まさか・・・、オリオリオが、別れてからわずか数時間で、一彦の暗殺を発案したというのか・・・?
「待って!」とプラタナ。「惑わされないで下さい。こいつらの言ってるデヴァターが、その日本人の女の人のことだとは分からないじゃないですか? こいつらは敵よ。こっちを混乱させるのが仕事なんですから」
「おっ、おおう!」
右近太夫も一彦も、やや我に返った。
が、一彦はかなり落ち込んだ。
「なにはともあれ、アンコールに行けば、<カク>がいるから、こいつらの頭をさらってくれるはずよ」
「連行はするさ」
「敵の言葉は、所詮は言葉でしかない。ほら、カズヒコも落ち込まない。落ち込むなら、さっき、石を打とうとして<らけっと>を枝に引っ掛けてしまったことのほうを悔やんで欲しいわぁ」
「うはっ!」
一彦は違った意味で落ち込んだ^^;
いよいよ、王の待つアンコールワットに旅立つことになる。
右近太夫は、5頭の象を率いる。
前2頭の象には、屋根付きのゴンドラ状のものが設置されており、人が乗り込めるようになっていて、先頭の象には既に右近太夫が乗り込んでいた。
2頭目には一彦が乗り込むことになっていたようだったが、象のあまりの巨大さに一彦は躊躇、「とりあえず歩いて行く」と言った。
小猿アスカが、一彦の肩からピョンピョンとジャンプ、座席に乗り込んだ。
「あたいも」
「あたいも」
「あたいも乗るのです!」
<三人娘>が叫んだ。
・・・そう、先ほど、一彦の命を、見習い神能力で救った<三人娘>も、今回、一彦について行くことになった。
一彦が、「命の恩人」として仲間に加えた。
精霊動物使いのモクが言っていたからだ。「カーリーの時間魔法を使える神能力者ッチは、それが虚弱であろうとも貴重だッチ、ゼイ(They)らは幼いッチから、今後の成長が見込まれるッチ」
それぞれ幼児にしか見えない3人だが、それぞれ8歳だそうだ。
「はいはい!」とプラタナが手を叩いて注目をひいた。「せっかく王様のもとに行けるのだから、大人しくしなさい!」
お姉さんぶっているが、プラタナも相当 幼く見える。
「はーい」
「はーい」
「はいなの」
一彦にはいまだ<3人娘>の区別がつかない。
丸くて点の目で、<すみっコぐらし>のキャラクターのようだった。
すると、右近太夫が大きな声で言ってきた。
「まあ、いいさ、乗りなさい!^^」
<3人娘>は円らな瞳を輝かせた。
「オークン!」「オークン!」「オークンですの!」
オークンは「ありがとう」の意味。
<3人娘>は、服の間から、猿のようなひょろっとした手足を伸ばし、象に掛かっていた縄梯子を掴み、よじ登った。
(作者注)
作家・筒井康隆はそのエッセイで、小説を書く時の原稿の字数・行数稼ぎには、兵士に点呼を取らせれば良いと語っていた。
つまり、「1!」「2!」「3!」「4!」「5!」「6!」「7!」「8!」「9!」「10!」と1行づつセリフで使えば10行を使い、それだけ原稿量が増え原稿料が増えるというのだ(勿体ないので、ここでは行を変えない^^;)。
もっと稼ぎたければ、隊長に「声が小さい! もう一回!」と言わせ、再び、「1!」「2!」「3!」「4!」「5!」「6!」「7!」「8!」「9!」「10!」・・・。
<3人娘>は大体、同じセリフを3度繰り返すが、今後は、行が勿体ないので、3つのセリフを同じ行で記す。
<3人娘>が象に乗り込むと、周囲で右近太夫一行を見送っていた、近在から集まって来ていた50人ほどの村人たちから歓声が上がった。
お父さん風の数人が「頑張れよー!」と叫ぶ。
<3人娘>は微笑みを返す。
<3人娘>の友達たちが黄色い声援を送ってくる。
お父さん風の横で、シワシワのおばあちゃんが泣き崩れていた。
「うちの子があんなに立派になって、オヨヨ」というイメージ。
老婆は服がはだけて、そのシワシワの胸も見えた。
一彦は「見ちゃいけないもの」を見た気がして、目を背けた^^;
その場には兵士の姿がなかった。
もう兵士は前線に戻ったのだ。
見送りは村人だけだった。
後ろの3頭の象は荷物を積んでいて、5頭それぞれには象使いがいる。
右近太夫の従者は二人。
今回の一行は、人間13人(+捕虜3人)、ハヌンも入れて動物が6個体。
先ほど、神能力者による暗殺未遂があったにしては寂しい人数である。
「右近太夫さん! これだけの人数だと、暗殺者の襲撃を考えると、心もとない気がするんだけど」
「平気平気! アンコールへの道はクメールの勢力圏内。それに、わいさんには見えないかも知れないけど、いや、おいにも見えないんだけど、二人の忍者みたいな者が、おいらを常に陰から守ってくれているんだ」
「マジか・・・!?」
一彦は周囲を見回した。
が、そんな簡単に姿をさらす<忍者>でもなく。
「もちろん、その忍者たち、<王のビンディ>と言うのだけど、おいたちの監視もしている。裏切ったりしないようにね。まあ、普通にしていたら、なんら問題はない」
「やっぱ、神能力者なの?」
「違う。だが戦闘術に優れているとは聞く。…カズヒコは、ここに来て、いきなり多くの神能力者や精霊動物に出会ったけど、普通にしていたら、そうそう出会えるもんでもないぞ。おいなんか、この南天竺に来て半年は出会わなかった。その後の半年で、なんかおかしいことがあるぞ、と疑問を持ち始め、王に招聘されたり、戦に出てから、やっと神能力者や精霊動物の存在を知ったんだよ」
「そうなんだ。・・・なんで、さっき、<王のビンディ>は、<スパイダー>の攻撃を受けているときは守ってくれなかったのかな? 俺、死にそうだったんだぜ」
「それはわからん・・・。ともあれ、出発しよう!」
そして、右近太夫は先頭の象使いに出発を促した。
動き出した象に<3人娘>は大喜び。
村人たちも別れの歓声をあげた。
一彦の横で歩くプラタナが言った。
「二つ、考えられるは、あなたの危機に<三人娘>はわりあいすぐに駆けつけてくれた。もしかして、<王のビンディ>が陰ながら三人を誘導してくれたのかも、あの状態で、都合よく<カーリーの時間能力>の使い手がいるのは、考えればおかしいし。・・・もしくは、<王のビンディ>は、王権に都合よく噂されるけど、ホントは実在しないのかもしれない・・・」
「ふうむ・・・」
ともあれ、と一彦は思った、ゲーム「ファイナルファンタジー」の旅の始まりのように・・・。
『・・・かくして、探求の旅は始まった…』
そもそもが虚弱な神能力しか持たない者たちが8人結集して<ブラフマンの漆黒の海>を生み出していた。
三人もメンバーを失っては、もうグループは崩壊だろう。
<漆黒の海>はとうに消滅していて、そこには、周囲と何も変わらない乾いた土の地面があるのみ。
ここで、俺は死にかけた、地面で溺れ死ぬとこだった・・・、と一彦はノドに苦しさを蘇らせた・・・。
今、バンテアイ・チュマールの前の広場にて、<スパイダー>の三人は、蔓で後ろ手に縛られ、跪かされ、クメール軍に囲まれていた。
ちなみに、戦いの最中、<300人隊>は、遺跡内部の中庭に集結していた。
石門の内部から、臨戦態勢から解除された集団がひしめいているのが見えた。
乱戦になるのが予想でき、乱戦になると少人数の敵が有利になってしまうので、今回の出動はなかった。
「さて」と右近太夫による<スパイダー>への尋問が始まる。「わい(お前)ら、まあ、アユタヤ軍の者なんだろうけど、なかなか行動が早いな。誰に命じられた?」
「・・・、・・・」
<スパイダー>たちはしばし沈黙、だが、一人が答えた。「サクチャイ様の策だ」
「・・・サクチャイ・・・、よくある名だが、仁左衛門(アユタヤ軍の日本人であり、オリオリオの世話人)の上司にあたる訳だな?」
<スパイダー>の一人はまた沈黙、その後、「そうだ・・・」と答える。
「へぇ」と右近太夫は頷く。
右近太夫は納得しているようだが、一彦には、なんかが気になった。
右近太夫や、その配下の者が「スパイダーの躊躇の沈黙」と思っていることが、人の感情の変化を、多少なりとも洞察するに進歩していると思われる現代人の一人である一彦、その人にとってはそうシンプルではないように思えたのだ。
この<スパイダー>たちの沈黙は、クメール軍に誤った情報を与えるために考えている時間だと・・・。
つまり、<スパイダー>たちは嘘をついていると思った。
だが、一彦は、その思いを問題視せずに、スルーしといた。
一彦にとって、この世界はまだまだ未知で、気にかかることが無数にあり過ぎたからだ。
しかし、この一彦の「気にかかり」こそが、
この世界での<最終決戦>で敵対することになる巨悪へのキーポイントであった。
それが分かるのは、作中で、数年後のことになる・・・。
更に、一彦にとって驚くべき話題が続けられていた。
「わい(お前)たちの言う、その<デヴァター>と言うのは、日本人の女のことか?」
と、右近太夫の声がやや激しくなった。
日本人の女・・・? オリオリオのことを言ってるのか?
一彦は、右近太夫と<スパイダー>の会話に意識を戻した。
「デヴァターはデヴァターだ。俺たちは会ったことがない。ただ、サクチャイ様は、デヴァターの進言により、この日本の男を早急に暗殺するように命令を発した」と、<スパイダー>の一人は『この日本人の男』である一彦を振り向いた。
えっ? デヴァターが俺の暗殺を発案した、だと?
「右近太夫、デヴァターってなんだ?」
「こちらの言葉で<女神>のことを言う・・・」
「オリオリオは、アユタヤ軍に『女神扱いされている』と言ってたよね?」
「へぇ」と焦る右近太夫。
まさか・・・、オリオリオが、別れてからわずか数時間で、一彦の暗殺を発案したというのか・・・?
「待って!」とプラタナ。「惑わされないで下さい。こいつらの言ってるデヴァターが、その日本人の女の人のことだとは分からないじゃないですか? こいつらは敵よ。こっちを混乱させるのが仕事なんですから」
「おっ、おおう!」
右近太夫も一彦も、やや我に返った。
が、一彦はかなり落ち込んだ。
「なにはともあれ、アンコールに行けば、<カク>がいるから、こいつらの頭をさらってくれるはずよ」
「連行はするさ」
「敵の言葉は、所詮は言葉でしかない。ほら、カズヒコも落ち込まない。落ち込むなら、さっき、石を打とうとして<らけっと>を枝に引っ掛けてしまったことのほうを悔やんで欲しいわぁ」
「うはっ!」
一彦は違った意味で落ち込んだ^^;
いよいよ、王の待つアンコールワットに旅立つことになる。
右近太夫は、5頭の象を率いる。
前2頭の象には、屋根付きのゴンドラ状のものが設置されており、人が乗り込めるようになっていて、先頭の象には既に右近太夫が乗り込んでいた。
2頭目には一彦が乗り込むことになっていたようだったが、象のあまりの巨大さに一彦は躊躇、「とりあえず歩いて行く」と言った。
小猿アスカが、一彦の肩からピョンピョンとジャンプ、座席に乗り込んだ。
「あたいも」
「あたいも」
「あたいも乗るのです!」
<三人娘>が叫んだ。
・・・そう、先ほど、一彦の命を、見習い神能力で救った<三人娘>も、今回、一彦について行くことになった。
一彦が、「命の恩人」として仲間に加えた。
精霊動物使いのモクが言っていたからだ。「カーリーの時間魔法を使える神能力者ッチは、それが虚弱であろうとも貴重だッチ、ゼイ(They)らは幼いッチから、今後の成長が見込まれるッチ」
それぞれ幼児にしか見えない3人だが、それぞれ8歳だそうだ。
「はいはい!」とプラタナが手を叩いて注目をひいた。「せっかく王様のもとに行けるのだから、大人しくしなさい!」
お姉さんぶっているが、プラタナも相当 幼く見える。
「はーい」
「はーい」
「はいなの」
一彦にはいまだ<3人娘>の区別がつかない。
丸くて点の目で、<すみっコぐらし>のキャラクターのようだった。
すると、右近太夫が大きな声で言ってきた。
「まあ、いいさ、乗りなさい!^^」
<3人娘>は円らな瞳を輝かせた。
「オークン!」「オークン!」「オークンですの!」
オークンは「ありがとう」の意味。
<3人娘>は、服の間から、猿のようなひょろっとした手足を伸ばし、象に掛かっていた縄梯子を掴み、よじ登った。
(作者注)
作家・筒井康隆はそのエッセイで、小説を書く時の原稿の字数・行数稼ぎには、兵士に点呼を取らせれば良いと語っていた。
つまり、「1!」「2!」「3!」「4!」「5!」「6!」「7!」「8!」「9!」「10!」と1行づつセリフで使えば10行を使い、それだけ原稿量が増え原稿料が増えるというのだ(勿体ないので、ここでは行を変えない^^;)。
もっと稼ぎたければ、隊長に「声が小さい! もう一回!」と言わせ、再び、「1!」「2!」「3!」「4!」「5!」「6!」「7!」「8!」「9!」「10!」・・・。
<3人娘>は大体、同じセリフを3度繰り返すが、今後は、行が勿体ないので、3つのセリフを同じ行で記す。
<3人娘>が象に乗り込むと、周囲で右近太夫一行を見送っていた、近在から集まって来ていた50人ほどの村人たちから歓声が上がった。
お父さん風の数人が「頑張れよー!」と叫ぶ。
<3人娘>は微笑みを返す。
<3人娘>の友達たちが黄色い声援を送ってくる。
お父さん風の横で、シワシワのおばあちゃんが泣き崩れていた。
「うちの子があんなに立派になって、オヨヨ」というイメージ。
老婆は服がはだけて、そのシワシワの胸も見えた。
一彦は「見ちゃいけないもの」を見た気がして、目を背けた^^;
その場には兵士の姿がなかった。
もう兵士は前線に戻ったのだ。
見送りは村人だけだった。
後ろの3頭の象は荷物を積んでいて、5頭それぞれには象使いがいる。
右近太夫の従者は二人。
今回の一行は、人間13人(+捕虜3人)、ハヌンも入れて動物が6個体。
先ほど、神能力者による暗殺未遂があったにしては寂しい人数である。
「右近太夫さん! これだけの人数だと、暗殺者の襲撃を考えると、心もとない気がするんだけど」
「平気平気! アンコールへの道はクメールの勢力圏内。それに、わいさんには見えないかも知れないけど、いや、おいにも見えないんだけど、二人の忍者みたいな者が、おいらを常に陰から守ってくれているんだ」
「マジか・・・!?」
一彦は周囲を見回した。
が、そんな簡単に姿をさらす<忍者>でもなく。
「もちろん、その忍者たち、<王のビンディ>と言うのだけど、おいたちの監視もしている。裏切ったりしないようにね。まあ、普通にしていたら、なんら問題はない」
「やっぱ、神能力者なの?」
「違う。だが戦闘術に優れているとは聞く。…カズヒコは、ここに来て、いきなり多くの神能力者や精霊動物に出会ったけど、普通にしていたら、そうそう出会えるもんでもないぞ。おいなんか、この南天竺に来て半年は出会わなかった。その後の半年で、なんかおかしいことがあるぞ、と疑問を持ち始め、王に招聘されたり、戦に出てから、やっと神能力者や精霊動物の存在を知ったんだよ」
「そうなんだ。・・・なんで、さっき、<王のビンディ>は、<スパイダー>の攻撃を受けているときは守ってくれなかったのかな? 俺、死にそうだったんだぜ」
「それはわからん・・・。ともあれ、出発しよう!」
そして、右近太夫は先頭の象使いに出発を促した。
動き出した象に<3人娘>は大喜び。
村人たちも別れの歓声をあげた。
一彦の横で歩くプラタナが言った。
「二つ、考えられるは、あなたの危機に<三人娘>はわりあいすぐに駆けつけてくれた。もしかして、<王のビンディ>が陰ながら三人を誘導してくれたのかも、あの状態で、都合よく<カーリーの時間能力>の使い手がいるのは、考えればおかしいし。・・・もしくは、<王のビンディ>は、王権に都合よく噂されるけど、ホントは実在しないのかもしれない・・・」
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