涙袋 ~現代居酒屋千夜一夜物語~

与四季団地

文字の大きさ
191 / 299
第2章・この世界の片隅で

   第192夜・『嫌われリカの青春(7:paper weight篇)』

しおりを挟む
 ・・・文鎮が、本来の用途とは別に、梨華を待ち伏せていた先輩たちの手に握られ、それを複数が振り上げていた。

     ・・・これ、私、死ぬ・・・。

 先輩たちは、いつもの通り、梨華を「生意気」だと糾弾しはじめ、土下座を強要する。

 梨華は、おとなしく、トイレの床で土下座する。

 先輩の一人が、トイレの蛇口を指で押さえ、水流を梨華に向けた。

 バシャーッ!!

 梨華、水が掛かるままに、頭を下げ続けた。

「分かったね、調子こくんじゃねーぞ!」

 そして、一人づつ、床にうつ伏している梨華に蹴りをくれて出ていくのだった。

 梨華は、その数をカウントしていた。

 ・・・21!

 つまり、この狭いトイレには、21人もの先輩が集まって、梨華に呪詛の念を送り続けていたのだ。

   ◇

「そのグループはね、50人ぐらいいたの。でね、学校には、それとは別に、4人の子たちのグループがあったの。50人の方はブスばっかだったけど、4人の方は可愛い子たちばかりだったの」

「ほう」と、私は、話に光明が見えたと思った。「50人と対立したので、そのセレブ4人とは仲良くなったんだな^^ 捨てる神あらば拾う神あり、って感じだな」

     「ううん・・・。どちらからも攻撃された・・・」

「・・・、・・・」

   ◇

 通学中、先輩に会うと、梨華は丁寧に頭を下げるのだ。

 「挨拶もしやがらねえ、生意気だ」と言われたので、挨拶をすることにしたのだ。

 先輩は、必ず、頭を下げる梨華に蹴りを入れたり、パンチをくれたりしていった。

 他の生徒は、普通に楽しそうに登校している。

 梨華は思った。

 これが続けば、私は、もう、学校に来れなくなる!

 ならば・・・と、梨華は、ある決意をした・・・。

              (続く 2013/12/11)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

真面目な女性教師が眼鏡を掛けて誘惑してきた

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
仲良くしていた女性達が俺にだけ見せてくれた最も可愛い瞬間のほっこり実話です

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...