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ある天使
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「中央政権がターミナルに握られてから丁度50年の時が………」
特に可愛いとも思わないTVのアナウンサーが今日もまた特に面白みのない放送を垂れ流しにしている。
世の中はつまらなく、何もない。
毎日が淡々と過ぎ、自分は誰の目にも止まらない。
「あーーーー、楽しいことないかなぁ」
その言葉は自分1人の部屋に吸い込まれる。TVも消したので光源もなく、明け方の明る過ぎない薄い光がカーテンの隙間から漏れ出ている。
もう朝か、そう言えばお腹すいたな、なんか買いに行くか
まだ春とは言いづらい季節に部屋着のまま出るのは少し寒いので、黒い厚手のパーカーを着て、フードを深くかぶってコンビニへ行った。
何かを隠すように。
高校生活は順調だ。
あることを理由に私服の高校にしたのが正解だった。
部活には特に入っておらず、強いて言うなら帰宅部、とでも言っておこうか。
別に入りたくなくて入っていないわけではないのだから。
急に何を、と思うかもしれないが
自分は犯罪者だ。
まぁ、落ち着いて聞いてくれ、
人を殺したとか、何か盗んだ、とか人様に迷惑をおかけするようなことは一切してないのだから。
けれど俺は犯罪者だ。
そりゃもう立派な。
罪名は他種隠匿。
つまり天使であることを隠している。
俺はルーラルだ。
それでもいつかバレるとは思うが、まぁ、バレたらバレたでその時考える。
天界に行かないのは、何となく。としか言いようがない。
幼い頃から天使という存在が好きではなかった。
人類から出る天使は毎年数パーセントしかいないというが、自分が天使でないことを祈っていた。
天使ってだけでこの世を牛耳って、それが何だか気に食わなかった。
自分はそうやって誰かを虐げる存在になりたくないなと思っていた
そして高校生になった。
ルーラルと分かった時は自分が嫌になったけれど、仕方がないと諦めて、でも天上界に行くのだけは嫌だった。
多くはない友達と別れるのもだけど、なんせ好きな奴もいたわけで。
なってから気づいたけど、エンジェル・リングって気合い入れて気をつけていれば多少は縮ませることが出来る。
完全なる物体と違って無機物の光の集合体みたいなものなので取り外すことは 残念ながら不可能だ。
ただ、光の集合体といってもぶっちゃけ昼間ならそんなに目立たない。夜だったり、暗いところならちょっと隠せないくらいには光るが。
あとは、自分が天使であることを隠すやつなんかいない。いたとしてももう自分たちの代の天使なんか地上界に残っているはずがない。という周りの先入観で自分は割と普通に、無難に高校生活を送っている。
ん?好きな奴?
またさっきさらっと流そうとしたとこを引っ張ってきやがって。
そーゆー細かいこと気にしてるともてねーぞ。気をつけろー。なんて。
いいよ別に。隠すほど大した恋愛でもねーし。
小中と同じ学校だった。高校は違うけど。
向こうの気持ちはわかんないけど、仲のいい方だった。と思う。
断言できないのは自分のことを贔屓目に見ちゃう乙女心だ。乙女心って言葉を使うには男子高校生にもなって気持ち悪いか。
男だけど恋愛に関して焦ったり、嫉妬したり、好きな奴と話せて嬉しいのは女だけじゃないと思う。
小学校2年の時、好きになった。
我ながら単純だと思う。姉ちゃんがよく読んでた少女漫画に出てきそうなくらいベタベタな理由だ。
当時隣の席だったあいつが消しゴムをなくして困ってたから俺が貸した。
そしたら、帰ってきた時、その消しゴムのカバーの隙間に小さいノートの切れ端に猫の絵とありがとうの文字が書いてあった。
隣の席だから、直接言えばいいのにとも思ったけれど、その何気ない切れ端がめっちゃ嬉しかった。
それからもよく話しかけてくれるようになって、まぁ、好きになった。
そんなもんだ。
思いを告げられるほど肝は座っておらず、グダグダと女のように片想いを続けて早8年が過ぎ、いまに至る。
今更どうこうなろうとも思わないが、それなりにモテるあいつが中学の時何人かと付き合っているのを見て、相手が死ぬほど羨ましくもあったし、それと同じくらい死ぬほど嫉妬もした。
高校入ってからも少し連絡するくらいの間柄だから、仲は悪くないし、嫌われてもいないと思うが、長い間で培ってきたこの関係を今更壊す気にもならず、どうしようものか、片想いをこじらせ過ぎた。と、最近の悩みでもある。
と、こんな感じに毎日くだらない些細なことで悩んでいるから自分がルーラルであることを忘れられるし、他種隠匿を大して重要なものとも思っていなかった。
あのバカと出会ってしまうまでは。
特に可愛いとも思わないTVのアナウンサーが今日もまた特に面白みのない放送を垂れ流しにしている。
世の中はつまらなく、何もない。
毎日が淡々と過ぎ、自分は誰の目にも止まらない。
「あーーーー、楽しいことないかなぁ」
その言葉は自分1人の部屋に吸い込まれる。TVも消したので光源もなく、明け方の明る過ぎない薄い光がカーテンの隙間から漏れ出ている。
もう朝か、そう言えばお腹すいたな、なんか買いに行くか
まだ春とは言いづらい季節に部屋着のまま出るのは少し寒いので、黒い厚手のパーカーを着て、フードを深くかぶってコンビニへ行った。
何かを隠すように。
高校生活は順調だ。
あることを理由に私服の高校にしたのが正解だった。
部活には特に入っておらず、強いて言うなら帰宅部、とでも言っておこうか。
別に入りたくなくて入っていないわけではないのだから。
急に何を、と思うかもしれないが
自分は犯罪者だ。
まぁ、落ち着いて聞いてくれ、
人を殺したとか、何か盗んだ、とか人様に迷惑をおかけするようなことは一切してないのだから。
けれど俺は犯罪者だ。
そりゃもう立派な。
罪名は他種隠匿。
つまり天使であることを隠している。
俺はルーラルだ。
それでもいつかバレるとは思うが、まぁ、バレたらバレたでその時考える。
天界に行かないのは、何となく。としか言いようがない。
幼い頃から天使という存在が好きではなかった。
人類から出る天使は毎年数パーセントしかいないというが、自分が天使でないことを祈っていた。
天使ってだけでこの世を牛耳って、それが何だか気に食わなかった。
自分はそうやって誰かを虐げる存在になりたくないなと思っていた
そして高校生になった。
ルーラルと分かった時は自分が嫌になったけれど、仕方がないと諦めて、でも天上界に行くのだけは嫌だった。
多くはない友達と別れるのもだけど、なんせ好きな奴もいたわけで。
なってから気づいたけど、エンジェル・リングって気合い入れて気をつけていれば多少は縮ませることが出来る。
完全なる物体と違って無機物の光の集合体みたいなものなので取り外すことは 残念ながら不可能だ。
ただ、光の集合体といってもぶっちゃけ昼間ならそんなに目立たない。夜だったり、暗いところならちょっと隠せないくらいには光るが。
あとは、自分が天使であることを隠すやつなんかいない。いたとしてももう自分たちの代の天使なんか地上界に残っているはずがない。という周りの先入観で自分は割と普通に、無難に高校生活を送っている。
ん?好きな奴?
またさっきさらっと流そうとしたとこを引っ張ってきやがって。
そーゆー細かいこと気にしてるともてねーぞ。気をつけろー。なんて。
いいよ別に。隠すほど大した恋愛でもねーし。
小中と同じ学校だった。高校は違うけど。
向こうの気持ちはわかんないけど、仲のいい方だった。と思う。
断言できないのは自分のことを贔屓目に見ちゃう乙女心だ。乙女心って言葉を使うには男子高校生にもなって気持ち悪いか。
男だけど恋愛に関して焦ったり、嫉妬したり、好きな奴と話せて嬉しいのは女だけじゃないと思う。
小学校2年の時、好きになった。
我ながら単純だと思う。姉ちゃんがよく読んでた少女漫画に出てきそうなくらいベタベタな理由だ。
当時隣の席だったあいつが消しゴムをなくして困ってたから俺が貸した。
そしたら、帰ってきた時、その消しゴムのカバーの隙間に小さいノートの切れ端に猫の絵とありがとうの文字が書いてあった。
隣の席だから、直接言えばいいのにとも思ったけれど、その何気ない切れ端がめっちゃ嬉しかった。
それからもよく話しかけてくれるようになって、まぁ、好きになった。
そんなもんだ。
思いを告げられるほど肝は座っておらず、グダグダと女のように片想いを続けて早8年が過ぎ、いまに至る。
今更どうこうなろうとも思わないが、それなりにモテるあいつが中学の時何人かと付き合っているのを見て、相手が死ぬほど羨ましくもあったし、それと同じくらい死ぬほど嫉妬もした。
高校入ってからも少し連絡するくらいの間柄だから、仲は悪くないし、嫌われてもいないと思うが、長い間で培ってきたこの関係を今更壊す気にもならず、どうしようものか、片想いをこじらせ過ぎた。と、最近の悩みでもある。
と、こんな感じに毎日くだらない些細なことで悩んでいるから自分がルーラルであることを忘れられるし、他種隠匿を大して重要なものとも思っていなかった。
あのバカと出会ってしまうまでは。
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