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第二章 中央大陸
拾われ子を知る二人の晩酌
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南大陸のとある町。日が暮れると、酒場や娼館の出入口には明かりが灯り、町は昼とは違った顔を見せる。
露出の多いドレスに身を包んだ妖艶な女が、一人の旅人の男に近付いた。
「旅人さん、今夜どうかしら?」
「興味が無い。他を当たれ」
一瞥すらせず、にべもなく断った旅人は娼館が建ち並ぶ通りを抜け、酒場や飲食店が並ぶ通りへと入る。
自信があったのか、断られた女は数秒呆然としていたが、旅人が歩いていった方向を睨んで悪態を吐くと客引きにと戻っていった。
「いらっしゃい!」
半袖を肩まで捲りあげた体格の良い店員の男が、旅人を出迎える。旅人は店内を見回しながら店員に訊ねた。
「ソウと言う名の男はもう来ているか? その男と飲む約束をしているんだが」
「お客さんの名前を教えてもらえるかい?」
「シュウだ」
「ありがとよ。ソウって人ならもう来てるぜ。席まで案内するから、こっちに来てくれ」
店員の後を着いていき、シュウは窓際のテーブル席につく。そのまま店員にエールを二つ頼むと、向かいに座る中老で細身の男に眼を向けた。
「久しぶりだな、ソウジロウ」
「お久しゅうございます、息災でしたか?」
「あぁ。ソウジロウも元気そうで……少し老けたな」
「ほほっ、貴方様はお変わりありませんな。ですが、数年ぶりにお会いしたのです。この爺めに顔をお見せいただけませんか?」
「……忘れてた」
「ほほっ」
シュウはゴーグルを外して前髪を掻き上げた。黒色の眼を細めて嬉しそうに笑うソウジロウの顔は、五十代半ばと言う年齢の割に目尻や口元の皺が目立つ。
シュウは久々に会ったソウジロウに、懐かしさと共に寂しさと申し訳なさを覚えて微笑った。
「店の中は賑やかですが、念の為此方を使ってよろしいですかな?」
「あぁ、頼む」
他の客からは見えにくい位置に小型の魔道具を置く。盗聴防止の効果があり、貴族や商人がよく使う物だ。
店員がエールを持ってきて二人の前に置くと、互いに樽を模したジョッキを手に取り、乾杯した。氷の魔石か、それを使った魔道具があるのだろう。冷えたエールが喉を通り、体内を流れ落ちていく感覚に爽快感を覚えた。
「冷えたエールは美味いですな」
「そうだな。この暑さの中で飲むのは格別に美味い。極東酒より良いかもしれん」
ソウジロウと親しげに話すシュウの顔は、常時隠れている眼が見えている事もあってか、実年齢よりもやや若く見える。
「……久しく、極東の酒は飲んでおりませんか?」
物寂しさを浮かべた表情でソウジロウが訊ねると、シュウは頷き、ジョッキを傾けた。
「国を出てからは一度も飲んでいない。東大陸産の酒はたまに飲んでいるが」
「……モンスターは日に日に強さを増しております。それでも人々は皆、我々を信じて懸命に生きており、美味い酒が毎年供えられているそうです……」
眼を伏せるソウジロウは静かに語る。
「……そうか、まだ……」
「えぇ。……貴方様にも召し上がっていただきとうございます」
「…………その、あの人はまだ大丈夫だろうか……?」
「歴代最強と言われるだけあって、ご健在でございます。シュウト様に言付けを預かっております」
シュウの顔に僅かに緊張が走る。
「お話してよろしいですか?」
「……頼む」
「此方は心配要らない。お前には長く苦労ばかりかけてすまない。どうか身体を大事にしてくれ。全てが片付いたら、お前とまた酒を飲みながら話したい。……以上が、御当主様からのお言葉でございます」
「…………!」
シュウはきつく眼を瞑ると、エールを飲み干して俯いた。力強くジョッキがテーブルに叩きつけられたが、魔道具と店内の喧騒に掻き消されて誰も気付かない。
ソウジロウは店員を呼び、エールをまた二つ頼んだ。
「……あの人は、いつもそうだな。自分よりも他人を心配する……」
「御当主様は昔からそういうお方でございますから……」
「一番辛いのはあの人なのに……!」
絞り出すような声で、悲痛な面持ちでシュウトは吐き出す。此処に冷静でポーカーフェイスのハンター「シュウ」はいない。
いるのは、幼い頃からよく知る者に心の内を吐き出す青年「シュウト」だ。
「…………すまんな、取り乱した…………」
ソウジロウは眼を閉じて首を左右に振った。
「何を謝る事がありましょう。国を出て、手掛かり無く世界を探し回るあなた様の叫びを、誰が咎められらましょう。遠慮せず、この爺に全部吐き出してくださいませ」
「お待たせ、エール二つだよ! ……兄さん、大丈夫かい? 水は要るか?」
「大丈夫だよ。お気になさらず」
店員に手の平を見せてソウジロウは笑う。いかにも好々爺然とした風貌のソウジロウは相手の気を逸らすのが上手い。
空になったジョッキふたつを店員に渡し、並々注がれたエールを片方、シュウトの前に置いた。
「……お前が居てくれて、本当に良かったと思っている……」
「これ以上無いお言葉でございます」
シュウトを見るソウジロウの眼は敬愛と慈愛に満ちている。
眼の奥が痛み、シュウトは慌てて視線を逸らしてジョッキを呷った。そして先程のソウジロウの言葉に、伝えるべき事を思い出す。
寧ろ、いの一番に伝えなければならなかった事だ。
「……手掛かり無く、か。世界を探し回って七年、もうそろそろ八年経つが……」
「……えぇ」
「漸く、見付けられたよ」
ソウジロウの表情が驚きに固まる。唇が僅かに開いた。
「手掛かり所か、そのものだ」
「!」
驚きに見開かれた黒の眼が、期待と不安で揺れる。
「ま、まさか……!」
「生きていた。あの子は、西大陸で老夫婦に拾われて大切に育ててもらい、今も生きている」
「………………っ!」
言葉に詰まったソウジロウの眼に、瞬く間に涙が溜まった。片手で両眼を押さえたが、その手の下から涙が滑り落ちていく。
シュウトには、今のソウジロウの気持ちが解る気がした。
生存を心から望みながら、世界中を探し続けた。
何年経っても見付けられず、心の何処かで覚悟もしていた。
そんな中訪れた何度目かの西大陸で、少女の顔を見た時程、感情を揺さぶられた事は無い。安堵と歓喜に胸が打ち震えたのを、シュウトは今でも強烈に覚えている。
「なんと……なんと……! 生きていてくださったとは…………っ!」
「元気だったよ。俺の事は覚えていないようで、顔を合わせた時に思いっきり警戒されたが」
アードウィッチのハンターズギルドで会った時の事を思い出す。
紅茶色の髪に群青色の眼。その眼から見て取れる、緊張と警戒。色彩こそ別人だが顔付きに面影があり、見た瞬間に七年探し求めたその子だとシュウトはすぐに解った。
「なっ……!? いや、シュウト様が最後に会われたのは、確か……」
「あの子が二歳の時だ。だから覚えていなくても仕方が無い」
「それはそうですが、あんなに懐いておられたのに……。時と言うものは残酷でございますな……」
「一緒にいる内にだいぶ打ち解けてくれたよ。それでも終ぞ思い出してはくれなかったが……それで良かったとも思っている」
「シュウト様……」
痛ましげにシュウトを見るソウジロウは、シュウトの苦悩を知る数少ない人物だ。
「……今も西大陸に……?」
「ハンターになって、今は中央大陸を旅している筈だ」
「ハンターに!? 何故そのような危険な事を……!」
「あの子の意思だ。育ての親の片方がハンターでな。その育ての親も両方亡くなり、憧れと一人で生きていく為の手段でハンターの道を選んだそうだ」
「……浅慮を承知で窺いますが、ご一緒に旅をする事はお考えにならなかったのですか?」
「考えたさ。当主に提案された道を選ぶ事も。実際、一緒に来ないかとも訊ねたが、あの子は強くなる為に俺と離れて旅をする事を選んだ。立派に自立して生きているよ。頼もしい相棒も見つけてな」
アサシンレオウルフの幼獣と、それを抱いて笑う少女を思い浮かべる。身長を気にしていた少女だが、今は幼獣の方が遥かに大きくなっている筈だ。
ふと、シュウトがソウジロウを見ると、ソウジロウはまた涙を浮かべていた。
「どうした?」
「……シュウト様が、そのようなお顔をなさるのは久しぶりですな……。あの方は、やはり特別な御方です……」
「……そうだな」
「これからどうなさるおつもりでしょうか? 御当主様には何とお伝えすれば……」
「……当主や皆にはまだ何も言わないでおいてくれ」
シュウトの言葉にソウジロウが顔を引き締める。
「今のあの子では、極東どころか東大陸にすら行けない。まだ待つ必要があるんだ。その間下手に情報が漏れて、あの子を余計な危険に晒したくは無い」
「承知致しました」
「あと四年待ってくれ。その頃には答えが出せる。……お前にもあの人にも、まだ待たせる事になって申し訳無いが……」
「待ちましょうとも。あの日から約八年、ずっとこの知らせを待ち続けてきました。生きていると知り、喜びに胸が打ち震える爺にとっては、四年などあっという間です」
ほほっ、と笑うソウジロウにシュウトもつられて笑った。
「シュウト様。よろしければ、成長されたあの方の事を――スイ様の事を、もっとお聞かせ願えませんか?」
「あぁ、話したい事が山程ある。その前にもう一杯頼むか。飲むだろう?」
空になったジョッキを掲げるシュウトに、ソウジロウは眼を細めて頷いた。
「勿論ですとも。今日は――久しぶりに美味い酒が飲めるのですから」
露出の多いドレスに身を包んだ妖艶な女が、一人の旅人の男に近付いた。
「旅人さん、今夜どうかしら?」
「興味が無い。他を当たれ」
一瞥すらせず、にべもなく断った旅人は娼館が建ち並ぶ通りを抜け、酒場や飲食店が並ぶ通りへと入る。
自信があったのか、断られた女は数秒呆然としていたが、旅人が歩いていった方向を睨んで悪態を吐くと客引きにと戻っていった。
「いらっしゃい!」
半袖を肩まで捲りあげた体格の良い店員の男が、旅人を出迎える。旅人は店内を見回しながら店員に訊ねた。
「ソウと言う名の男はもう来ているか? その男と飲む約束をしているんだが」
「お客さんの名前を教えてもらえるかい?」
「シュウだ」
「ありがとよ。ソウって人ならもう来てるぜ。席まで案内するから、こっちに来てくれ」
店員の後を着いていき、シュウは窓際のテーブル席につく。そのまま店員にエールを二つ頼むと、向かいに座る中老で細身の男に眼を向けた。
「久しぶりだな、ソウジロウ」
「お久しゅうございます、息災でしたか?」
「あぁ。ソウジロウも元気そうで……少し老けたな」
「ほほっ、貴方様はお変わりありませんな。ですが、数年ぶりにお会いしたのです。この爺めに顔をお見せいただけませんか?」
「……忘れてた」
「ほほっ」
シュウはゴーグルを外して前髪を掻き上げた。黒色の眼を細めて嬉しそうに笑うソウジロウの顔は、五十代半ばと言う年齢の割に目尻や口元の皺が目立つ。
シュウは久々に会ったソウジロウに、懐かしさと共に寂しさと申し訳なさを覚えて微笑った。
「店の中は賑やかですが、念の為此方を使ってよろしいですかな?」
「あぁ、頼む」
他の客からは見えにくい位置に小型の魔道具を置く。盗聴防止の効果があり、貴族や商人がよく使う物だ。
店員がエールを持ってきて二人の前に置くと、互いに樽を模したジョッキを手に取り、乾杯した。氷の魔石か、それを使った魔道具があるのだろう。冷えたエールが喉を通り、体内を流れ落ちていく感覚に爽快感を覚えた。
「冷えたエールは美味いですな」
「そうだな。この暑さの中で飲むのは格別に美味い。極東酒より良いかもしれん」
ソウジロウと親しげに話すシュウの顔は、常時隠れている眼が見えている事もあってか、実年齢よりもやや若く見える。
「……久しく、極東の酒は飲んでおりませんか?」
物寂しさを浮かべた表情でソウジロウが訊ねると、シュウは頷き、ジョッキを傾けた。
「国を出てからは一度も飲んでいない。東大陸産の酒はたまに飲んでいるが」
「……モンスターは日に日に強さを増しております。それでも人々は皆、我々を信じて懸命に生きており、美味い酒が毎年供えられているそうです……」
眼を伏せるソウジロウは静かに語る。
「……そうか、まだ……」
「えぇ。……貴方様にも召し上がっていただきとうございます」
「…………その、あの人はまだ大丈夫だろうか……?」
「歴代最強と言われるだけあって、ご健在でございます。シュウト様に言付けを預かっております」
シュウの顔に僅かに緊張が走る。
「お話してよろしいですか?」
「……頼む」
「此方は心配要らない。お前には長く苦労ばかりかけてすまない。どうか身体を大事にしてくれ。全てが片付いたら、お前とまた酒を飲みながら話したい。……以上が、御当主様からのお言葉でございます」
「…………!」
シュウはきつく眼を瞑ると、エールを飲み干して俯いた。力強くジョッキがテーブルに叩きつけられたが、魔道具と店内の喧騒に掻き消されて誰も気付かない。
ソウジロウは店員を呼び、エールをまた二つ頼んだ。
「……あの人は、いつもそうだな。自分よりも他人を心配する……」
「御当主様は昔からそういうお方でございますから……」
「一番辛いのはあの人なのに……!」
絞り出すような声で、悲痛な面持ちでシュウトは吐き出す。此処に冷静でポーカーフェイスのハンター「シュウ」はいない。
いるのは、幼い頃からよく知る者に心の内を吐き出す青年「シュウト」だ。
「…………すまんな、取り乱した…………」
ソウジロウは眼を閉じて首を左右に振った。
「何を謝る事がありましょう。国を出て、手掛かり無く世界を探し回るあなた様の叫びを、誰が咎められらましょう。遠慮せず、この爺に全部吐き出してくださいませ」
「お待たせ、エール二つだよ! ……兄さん、大丈夫かい? 水は要るか?」
「大丈夫だよ。お気になさらず」
店員に手の平を見せてソウジロウは笑う。いかにも好々爺然とした風貌のソウジロウは相手の気を逸らすのが上手い。
空になったジョッキふたつを店員に渡し、並々注がれたエールを片方、シュウトの前に置いた。
「……お前が居てくれて、本当に良かったと思っている……」
「これ以上無いお言葉でございます」
シュウトを見るソウジロウの眼は敬愛と慈愛に満ちている。
眼の奥が痛み、シュウトは慌てて視線を逸らしてジョッキを呷った。そして先程のソウジロウの言葉に、伝えるべき事を思い出す。
寧ろ、いの一番に伝えなければならなかった事だ。
「……手掛かり無く、か。世界を探し回って七年、もうそろそろ八年経つが……」
「……えぇ」
「漸く、見付けられたよ」
ソウジロウの表情が驚きに固まる。唇が僅かに開いた。
「手掛かり所か、そのものだ」
「!」
驚きに見開かれた黒の眼が、期待と不安で揺れる。
「ま、まさか……!」
「生きていた。あの子は、西大陸で老夫婦に拾われて大切に育ててもらい、今も生きている」
「………………っ!」
言葉に詰まったソウジロウの眼に、瞬く間に涙が溜まった。片手で両眼を押さえたが、その手の下から涙が滑り落ちていく。
シュウトには、今のソウジロウの気持ちが解る気がした。
生存を心から望みながら、世界中を探し続けた。
何年経っても見付けられず、心の何処かで覚悟もしていた。
そんな中訪れた何度目かの西大陸で、少女の顔を見た時程、感情を揺さぶられた事は無い。安堵と歓喜に胸が打ち震えたのを、シュウトは今でも強烈に覚えている。
「なんと……なんと……! 生きていてくださったとは…………っ!」
「元気だったよ。俺の事は覚えていないようで、顔を合わせた時に思いっきり警戒されたが」
アードウィッチのハンターズギルドで会った時の事を思い出す。
紅茶色の髪に群青色の眼。その眼から見て取れる、緊張と警戒。色彩こそ別人だが顔付きに面影があり、見た瞬間に七年探し求めたその子だとシュウトはすぐに解った。
「なっ……!? いや、シュウト様が最後に会われたのは、確か……」
「あの子が二歳の時だ。だから覚えていなくても仕方が無い」
「それはそうですが、あんなに懐いておられたのに……。時と言うものは残酷でございますな……」
「一緒にいる内にだいぶ打ち解けてくれたよ。それでも終ぞ思い出してはくれなかったが……それで良かったとも思っている」
「シュウト様……」
痛ましげにシュウトを見るソウジロウは、シュウトの苦悩を知る数少ない人物だ。
「……今も西大陸に……?」
「ハンターになって、今は中央大陸を旅している筈だ」
「ハンターに!? 何故そのような危険な事を……!」
「あの子の意思だ。育ての親の片方がハンターでな。その育ての親も両方亡くなり、憧れと一人で生きていく為の手段でハンターの道を選んだそうだ」
「……浅慮を承知で窺いますが、ご一緒に旅をする事はお考えにならなかったのですか?」
「考えたさ。当主に提案された道を選ぶ事も。実際、一緒に来ないかとも訊ねたが、あの子は強くなる為に俺と離れて旅をする事を選んだ。立派に自立して生きているよ。頼もしい相棒も見つけてな」
アサシンレオウルフの幼獣と、それを抱いて笑う少女を思い浮かべる。身長を気にしていた少女だが、今は幼獣の方が遥かに大きくなっている筈だ。
ふと、シュウトがソウジロウを見ると、ソウジロウはまた涙を浮かべていた。
「どうした?」
「……シュウト様が、そのようなお顔をなさるのは久しぶりですな……。あの方は、やはり特別な御方です……」
「……そうだな」
「これからどうなさるおつもりでしょうか? 御当主様には何とお伝えすれば……」
「……当主や皆にはまだ何も言わないでおいてくれ」
シュウトの言葉にソウジロウが顔を引き締める。
「今のあの子では、極東どころか東大陸にすら行けない。まだ待つ必要があるんだ。その間下手に情報が漏れて、あの子を余計な危険に晒したくは無い」
「承知致しました」
「あと四年待ってくれ。その頃には答えが出せる。……お前にもあの人にも、まだ待たせる事になって申し訳無いが……」
「待ちましょうとも。あの日から約八年、ずっとこの知らせを待ち続けてきました。生きていると知り、喜びに胸が打ち震える爺にとっては、四年などあっという間です」
ほほっ、と笑うソウジロウにシュウトもつられて笑った。
「シュウト様。よろしければ、成長されたあの方の事を――スイ様の事を、もっとお聞かせ願えませんか?」
「あぁ、話したい事が山程ある。その前にもう一杯頼むか。飲むだろう?」
空になったジョッキを掲げるシュウトに、ソウジロウは眼を細めて頷いた。
「勿論ですとも。今日は――久しぶりに美味い酒が飲めるのですから」
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