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初めてのクリスマスプレゼント
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えっと、つけてみてもいいですか?」
「もちろんです。それじゃあこちらから」
葵が順番に時計をつけていくが、正直葵がつけていると、どれも可愛く似合っている様に見えるが、葵は二番目につけた物を嬉しそうに眺めている。
薄い水色の文字盤のスクエア型の時計だが、確かに葵に一番似合っている気がする。
「凛くん、本当に買ってもらってもいいのでしょうか?」
「もちろんだよ」
「それじゃあ、これをお願いします」
あれ? 葵が渡して来たのは二番目の時計では無く一番目に身につけた時計だった。
確かにこれも悪くはないが、どう考えても二番目の時計を気に入っていた様に見えた。
「本当にこれでいいの?」
「はい、もちろんです。ありがとうございます」
葵が花が咲いたような満面の笑みでお礼を言ってくれるが、やはり二番目の時計を身につけた時の嬉しそうな葵の表情が気になって、二番目の時計に目をやる。
もちろん一つ目の時計と形も色も違うが、俺は、もう一つ違う事に気がついてしまった。
三つ目の時計も見てみるが、多分間違いない。
多分お店の人が気を利かせて予算内で選べる様にさりげなく値段の違うものを三つ並べてくれていた様だ。
一つ目の時計は六千円、二つ目の時計は三万二千円、三つ目の時計が一万五千円だった。
三つの中で二つ目の時計が一番高額だ。
恐らく葵は、この値段を見て決めたのだろう。
俺に負担をかけない様に二番目の時計では無く一番安い時計を選んだに違いない。
「あ、あの、葵。この時計も似合ってるとは思うけど、俺はこっちの時計の方が似合ってると思うな」
「えっ?」
「せっかくだからこっちの時計をもう一度つけてみてよ」
「でも……」
「いいですか?」
店員さんにお願いしてもう一度時計をつけさせてもらう。
「うん、やっぱりこれが一番いいと思う」
「いえ、でも……」
「俺のわがままだけど、これが一番似合ってると思うからこの時計をプレゼントさせてもらえないかな」
「…………はい。ありがとうございます」
「それじゃあ、これをお願いします」
レジでお金を支払う時に店員さんが小さな声で
「さすがですね。そのさりげなさが素敵ですよ。彼女さん間違いなくこの時計を一番気に入っていただいていましたよ」
と声をかけてくれた。
やはり俺の勘違いでは無かった様で良かった。
葵に時計を渡すと
「一生大事にしますね。凛くんが選んでくれてうれしかったです。ありがとうございます」
と天使の様な笑顔を浮かべて御礼を言ってくれた。
御礼を言ってもらう為に買った訳じゃないけど、喜んでくれたみたいで良かった。
目的を無事果たしたので、ケーキだけ買って帰る事にしたが、なぜか帰り道も葵に手を引かれる形で帰る事になった。
来る時はいろいろあって余裕も無くて特に何も考えてなかったが、よくよく考えてみると学園を出てからずっと葵と手を繋いでいるので、急に恥ずかしくなって来てしまい、全身が熱くなってしまった。
お陰で冬にもかかわらず汗をかいてしまったので今度は手汗が気になってしまい、さっきまでとは違った意味での恥ずかしさが襲ってきてしまった。
部屋に着くと、しばらくして着替えを済ませた葵がやって来て晩ご飯の準備を始めてくれたので、俺はTVを見ながら待つ事にするが、見るチャンネルの全てがクリスマス関連の内容になっている。
今年は葵がいてくれるから見ていても特に何も感じないが、これは一人で見ると結構辛いな。
いくつもTV局はあるのだから、多様性を考えてこんな時程一人で見て楽しい番組を流しても良いんじゃないだろうか?
恐らく世の中の半分以上の人はクリスマスに付き合っている相手がいる訳ではないのだから、非クリスマスの番組を流した方がむしろ視聴率を稼げるんじゃないだろうか?
こんな時は、時代劇とか大食い番組とか流してくれた方が安心して見ることが出来そうだ。
そんな事を考えながらクリスマス色全開のバラエティ番組を見ていたら葵が料理を運んできてくれた。
「おおっ……!」
なんとテーブルの上には鳥の丸焼きが運ばれて来た。
テレビでは見たことがあるが現物を見たのはこれが初めてだ。
これは七面鳥じゃなくて多分チキンだと思うが、うちのキッチンでどうやってこんなの焼いたんだ?
それに付け合わせの野菜とコーンスープにパン。
そこには俺が今まで見た事のないクリスマスディナーが並んでいる。
。
「凄いな……。葵、頑張り過ぎてないか?」
「そんな事ありません。凛くんとのクリスマスなのですからこのぐらいは当たり前です。私の家では七面鳥だったのですけど、近くのスーパーに七面鳥は売っていなかったのでチキンで代用です」
七面鳥なんか食べた事もない。と言うか鳥の丸焼きを食べた事がない。
それにしても家で七面鳥を食べてる葵ってもしかしてお金持ちなのか?
今まで、人の家庭を詮索するのは憚られたので聞いた事なかったけど、いい機会だから聞いてみようかな。
「もちろんです。それじゃあこちらから」
葵が順番に時計をつけていくが、正直葵がつけていると、どれも可愛く似合っている様に見えるが、葵は二番目につけた物を嬉しそうに眺めている。
薄い水色の文字盤のスクエア型の時計だが、確かに葵に一番似合っている気がする。
「凛くん、本当に買ってもらってもいいのでしょうか?」
「もちろんだよ」
「それじゃあ、これをお願いします」
あれ? 葵が渡して来たのは二番目の時計では無く一番目に身につけた時計だった。
確かにこれも悪くはないが、どう考えても二番目の時計を気に入っていた様に見えた。
「本当にこれでいいの?」
「はい、もちろんです。ありがとうございます」
葵が花が咲いたような満面の笑みでお礼を言ってくれるが、やはり二番目の時計を身につけた時の嬉しそうな葵の表情が気になって、二番目の時計に目をやる。
もちろん一つ目の時計と形も色も違うが、俺は、もう一つ違う事に気がついてしまった。
三つ目の時計も見てみるが、多分間違いない。
多分お店の人が気を利かせて予算内で選べる様にさりげなく値段の違うものを三つ並べてくれていた様だ。
一つ目の時計は六千円、二つ目の時計は三万二千円、三つ目の時計が一万五千円だった。
三つの中で二つ目の時計が一番高額だ。
恐らく葵は、この値段を見て決めたのだろう。
俺に負担をかけない様に二番目の時計では無く一番安い時計を選んだに違いない。
「あ、あの、葵。この時計も似合ってるとは思うけど、俺はこっちの時計の方が似合ってると思うな」
「えっ?」
「せっかくだからこっちの時計をもう一度つけてみてよ」
「でも……」
「いいですか?」
店員さんにお願いしてもう一度時計をつけさせてもらう。
「うん、やっぱりこれが一番いいと思う」
「いえ、でも……」
「俺のわがままだけど、これが一番似合ってると思うからこの時計をプレゼントさせてもらえないかな」
「…………はい。ありがとうございます」
「それじゃあ、これをお願いします」
レジでお金を支払う時に店員さんが小さな声で
「さすがですね。そのさりげなさが素敵ですよ。彼女さん間違いなくこの時計を一番気に入っていただいていましたよ」
と声をかけてくれた。
やはり俺の勘違いでは無かった様で良かった。
葵に時計を渡すと
「一生大事にしますね。凛くんが選んでくれてうれしかったです。ありがとうございます」
と天使の様な笑顔を浮かべて御礼を言ってくれた。
御礼を言ってもらう為に買った訳じゃないけど、喜んでくれたみたいで良かった。
目的を無事果たしたので、ケーキだけ買って帰る事にしたが、なぜか帰り道も葵に手を引かれる形で帰る事になった。
来る時はいろいろあって余裕も無くて特に何も考えてなかったが、よくよく考えてみると学園を出てからずっと葵と手を繋いでいるので、急に恥ずかしくなって来てしまい、全身が熱くなってしまった。
お陰で冬にもかかわらず汗をかいてしまったので今度は手汗が気になってしまい、さっきまでとは違った意味での恥ずかしさが襲ってきてしまった。
部屋に着くと、しばらくして着替えを済ませた葵がやって来て晩ご飯の準備を始めてくれたので、俺はTVを見ながら待つ事にするが、見るチャンネルの全てがクリスマス関連の内容になっている。
今年は葵がいてくれるから見ていても特に何も感じないが、これは一人で見ると結構辛いな。
いくつもTV局はあるのだから、多様性を考えてこんな時程一人で見て楽しい番組を流しても良いんじゃないだろうか?
恐らく世の中の半分以上の人はクリスマスに付き合っている相手がいる訳ではないのだから、非クリスマスの番組を流した方がむしろ視聴率を稼げるんじゃないだろうか?
こんな時は、時代劇とか大食い番組とか流してくれた方が安心して見ることが出来そうだ。
そんな事を考えながらクリスマス色全開のバラエティ番組を見ていたら葵が料理を運んできてくれた。
「おおっ……!」
なんとテーブルの上には鳥の丸焼きが運ばれて来た。
テレビでは見たことがあるが現物を見たのはこれが初めてだ。
これは七面鳥じゃなくて多分チキンだと思うが、うちのキッチンでどうやってこんなの焼いたんだ?
それに付け合わせの野菜とコーンスープにパン。
そこには俺が今まで見た事のないクリスマスディナーが並んでいる。
。
「凄いな……。葵、頑張り過ぎてないか?」
「そんな事ありません。凛くんとのクリスマスなのですからこのぐらいは当たり前です。私の家では七面鳥だったのですけど、近くのスーパーに七面鳥は売っていなかったのでチキンで代用です」
七面鳥なんか食べた事もない。と言うか鳥の丸焼きを食べた事がない。
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