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第二章 死ぬまでにしたい【3】のこと
74話【バルクシュタインside】初めてのアシュフォード家② さて、あたしは誰でしょう?
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あたしはベッドを指さし、言った。
「アシュフォード様、そこに寝て」
「な、なにをするの」
「いいから、はやく」
あたしは、まごつくアシュフォード様をベッドに押し倒した。
アシュフォード様は悲鳴をあげた。
「うるさいなぁ。ちょっと黙っていてよ」
じたばた暴れるアシュフォード様の手首をつかみ、足でからだを押さえ込んだ。
「戯れはやめてください! 人を呼びますよ。」
「呼べばいい。どうぞ。でも、イタムはどうなるの。嫌がるマデリン様に預ける? やっぱり、あたしか。しょうがないよね。他に託せる人なんていないのだから」
アシュフォード様は心から悔しいといった表情を浮かべる。あたしは口角をわざとらしく上げて笑った。
「わたくしがどんな思いで、イタムを貴方にお願いしようと思ったか! バルクシュタインとは、はじまりこそ憎き相手でしたが、その後は友好関係を築いていると思っていましたのに……」
「違いますよ。あたしはアラン殿下を奪った泥棒猫でしょう。それが本性。信用するなんてお人好し過ぎますね。そもそも、なんでアラン殿下に近づいて、恋敵であるアシュフォード様にダンスの教えを請うたかわかりますか。普通に考えたら、相当おかしなことをしていますよね」
アシュフォード様は泣きそうな顔をする。抵抗しなくなったので、手首を離し、髪をなでた。彼女は目をそらす。
「それを教えてくれなかったのは、貴方じゃないですか。推測ですが、わたくしと踊りたかったからですか」
「そうですね。アシュフォード様に近づくためです。そろそろ、あたしの正体に気づいてくれると嬉しいのですが」
あたしは言葉を切った。
「えっ!? ちょっと……冗談はやめてくださいよ」
アシュフォード様は驚愕して、目をみひらいた。
「さて、あたしは誰でしょう?」
顔を近づけ、アシュフォード様の瞳のなかに映るあたしを見つめた。
ふたたび暴れ出したアシュフォード様を押さえつけた。
「まさか……。貴方は……茨の魔女なのですか」
アシュフォード様の声がかすれた。
あたしは笑う。笑いが止まらない。おなかが苦しい。
「なんで否定してくれないの? まだ、茨の魔女についてなにもつかんではいない。バルクシュタインが茨の魔女であるということを、わたくしは否定できない。むしろ辻褄が……あってしまう。色々わからないところはあるけれど、貴方は誰よりもわたくしのそばにいたから」
アシュフォード様の疑惑の目は、恐怖へと変わった。
「いい目だ。揺れ動いて、どうやって生き残ろうか考えている。とっても綺麗だ。イタムをあたしに預ける時、自分がどんな瞳をしていたかわかる? 安心しきっていた。ほっとしていた」
「バルクシュタイン! いますぐ否定してください!! 茨の魔女ではない証拠があれば、出してください!!」
「魔女であることを隠すのなら、証拠なんて出すわけないですよね。さあ、どうします? あたしを殺しますか」
あたしは笑って、アシュフォード様の返答を待った。
「アシュフォード様、そこに寝て」
「な、なにをするの」
「いいから、はやく」
あたしは、まごつくアシュフォード様をベッドに押し倒した。
アシュフォード様は悲鳴をあげた。
「うるさいなぁ。ちょっと黙っていてよ」
じたばた暴れるアシュフォード様の手首をつかみ、足でからだを押さえ込んだ。
「戯れはやめてください! 人を呼びますよ。」
「呼べばいい。どうぞ。でも、イタムはどうなるの。嫌がるマデリン様に預ける? やっぱり、あたしか。しょうがないよね。他に託せる人なんていないのだから」
アシュフォード様は心から悔しいといった表情を浮かべる。あたしは口角をわざとらしく上げて笑った。
「わたくしがどんな思いで、イタムを貴方にお願いしようと思ったか! バルクシュタインとは、はじまりこそ憎き相手でしたが、その後は友好関係を築いていると思っていましたのに……」
「違いますよ。あたしはアラン殿下を奪った泥棒猫でしょう。それが本性。信用するなんてお人好し過ぎますね。そもそも、なんでアラン殿下に近づいて、恋敵であるアシュフォード様にダンスの教えを請うたかわかりますか。普通に考えたら、相当おかしなことをしていますよね」
アシュフォード様は泣きそうな顔をする。抵抗しなくなったので、手首を離し、髪をなでた。彼女は目をそらす。
「それを教えてくれなかったのは、貴方じゃないですか。推測ですが、わたくしと踊りたかったからですか」
「そうですね。アシュフォード様に近づくためです。そろそろ、あたしの正体に気づいてくれると嬉しいのですが」
あたしは言葉を切った。
「えっ!? ちょっと……冗談はやめてくださいよ」
アシュフォード様は驚愕して、目をみひらいた。
「さて、あたしは誰でしょう?」
顔を近づけ、アシュフォード様の瞳のなかに映るあたしを見つめた。
ふたたび暴れ出したアシュフォード様を押さえつけた。
「まさか……。貴方は……茨の魔女なのですか」
アシュフォード様の声がかすれた。
あたしは笑う。笑いが止まらない。おなかが苦しい。
「なんで否定してくれないの? まだ、茨の魔女についてなにもつかんではいない。バルクシュタインが茨の魔女であるということを、わたくしは否定できない。むしろ辻褄が……あってしまう。色々わからないところはあるけれど、貴方は誰よりもわたくしのそばにいたから」
アシュフォード様の疑惑の目は、恐怖へと変わった。
「いい目だ。揺れ動いて、どうやって生き残ろうか考えている。とっても綺麗だ。イタムをあたしに預ける時、自分がどんな瞳をしていたかわかる? 安心しきっていた。ほっとしていた」
「バルクシュタイン! いますぐ否定してください!! 茨の魔女ではない証拠があれば、出してください!!」
「魔女であることを隠すのなら、証拠なんて出すわけないですよね。さあ、どうします? あたしを殺しますか」
あたしは笑って、アシュフォード様の返答を待った。
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