先生、これは18禁乙女ゲームじゃありません。

bara10jisya

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妖怪口吸い。

先生、これは18禁乙女ゲームじゃありません。

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明けの明星が薄白く霞み始める、彼は誰時――――、

 銀の長い睫が震え、深い眠りについていた妖の本性が目覚め始める。

 それまで傍らで眠る彼の宝物の柔らかな肢体を大事そうに抱き締め、
甘えるように、大好きなふくらみに顔を埋め、震える薄紅の蕾を眠るままに吸い続けていた美妖の扇情的な唇が緩やかに離れ、
幾つもの口づけの華を散らしながら、糸を引くままにまろい下腹部を彷徨いだす。

 妖の躍動する背筋から零れ落ちる銀の髪が極上の垂れ絹のように少女の肢体を覆い、
妖しくうねる毛先と熱い舌先が、少女の官能を更に目覚めさせながら、徐々に下へ降りてゆく・・・。

 やがて、足の間に顔を埋めた美妖の愛を注ぐような口づけは、
少女のせつなげな吐息とともに、肢体を眠るままに白魚のように跳ね悶えさせ、

ついには、全身を駆け巡る恍惚に幾度も痙攣し――――・・・、



 恋する妖怪の一途な求愛に、少女のまだ閉じられたままの優しい瞳がやがて彼を見、自らの中へ迎え入れてくれるまで、銀の美妖はひたむきに口づけ求め続ける――――・・・。


*************************


人には人それぞれ、寝相と言うものがある。

先生は、私を優しく抱き締めて眠りに落ち、目覚めるまで、私を大事そうに抱いたまま離そうとしない。
そういう寝方に慣れていた私だったが、アンドレイはと言うと、驚いたことに、大好きな巨乳に吸い付いたまま寝落ちし、私が目覚めた時にはいつの間にか、私の脚と脚の間で爆睡している。
ワープという特殊技能をお持ちらしい。
いったいどういう寝相なのか?!新婚旅行では、明け方、むき出しの神経を擽られるような、拷問に近い絶頂で、いつも起こされる羽目になったものだ。やれやれ。



 そして、現在。 


アンドレイだと分かる、甘く一途な口づけと胸元を妖しく彷徨う手の感触。
だがしかし!なにやら起こし方が、いつもより控え目過ぎる!!

 エマージェンシー!エマージェンシー!

どうしたんだ?!ウサギの調子でも悪いのか?!
そう思いながら、アンドレイとは一ヶ月ぶりの、再会であったことを思い出した。
軍船とはいえ、往復の船旅を考えると、最短でも、二、三ヶ月は行っているものと思っていたので、早過ぎる唐突の帰国に胸騒ぎがした・・・。

まあ、早く帰ってきてくれたことが嬉しくもあったので、彼の久しぶりの良い香りを胸いっぱいに吸い込み、彼の幻想的な銀色の瞳をぼんやり仰ぎ見ながら、微笑む。

 おはよう、と。

私のOKサインに可愛い妖怪さんは、喜び勇んで私を抱き直し立ち上がる。
その時になって、初めて周りを見た私は十数の『視線』と目が、合った。
そして、明らかに多数のギャラリーが居る中での『公開処刑』であったことに、ようやく!気付いたのである。応接室な~う。
おちゃらけている場合ではない!

 一瞬で、顔から『出火』し、即座に地底に潜ろうとするも、『人体自然発火現象』は顔だけだったため、炭になって消え逝くことは出来なかった!

羞恥プレイの主犯であるアンドレイは、さすが史上最強と謳われた戦士のかくし芸的力量を垣間見せ、鬼の形相で『妖怪口吸い』(アンドレイ)の首根っこを捕まえようとした兄2人と、背後にブリザードを背負って私を取り戻そうとした先生を、一瞬にして、私を抱いたままテーブルもソファも飛び越えかわし、サーカスにでも就職可能な身のこなしで、愛を交わせる場所を求めて華麗なる脱走を図った。  

状況を全く把握していなかった私は、突然の脱走劇に口も目も『O』にしながら、固まっていたが、背後から、

 「ふはははは・・・!!奴め!エロエロスイッチがとうとう作動したな!
今こそ!羞恥プレイ潜入作戦を実行に移す時が来たのだ!!追え!!決して見失ってはならぬぞ!!」

 「「「「Yes, Your Majesty.」」」」

 生きがいに全精力を傾けたような、物凄く嬉しそうな鼻息荒い声を背に受け、ここは何が何でも逃げ切る事が!至上の命題だ!!と言う事だけは、理解できた。


アンドレイは私を抱いたまま、学園中を駆け抜け、暫くの逃走劇の後、いったん茂みに覆われた物陰に隠れ、さすがに息を乱しつつも、バラ色に染まった頬が眩しいほど、嬉しそうな顔で、私を優しく向かい合わせに抱き直し、

 『今すぐ愛を交わしたい。―――・・・誰にも邪魔されない場所で・・・』

私の耳朶を口に含み舌で愛撫しながら、艶っぽい美声で囁く。
彼の情熱的なおねだりに、頭がくらくらし腰砕けになりながらも、このかわいい人のおねだりを叶えたいと、必死に頭を働かせ、潜伏先を考える。

 『んっ・・・・誰にも侵入されず・・・と言う事は、逆に考えれば、「誰も出られない場所」なら、進入口は一つきりだから、何処よりも、安全かも―――・・・?』

私の言葉に、ハッとしたように目を見張ったアンドレイは、それはそれは嬉しそうに、私と目を見交わし、悪戯っぽい目をして声を弾ませる。



 『監獄プレイだね!』と。



**************





 ――――・・・狂おしい一昼夜をすごし、翌朝、葵は一人きりでぽやんと目覚める。

 そして、傍らに、

『永遠に、あなただけを愛している』

と、書かれた便箋を残して――――――・・・




 ――――・・・ソビエト帝国皇帝アンドレイ・アレクサンドロヴィチ・ロマノフの姿は、何処からも消えてしまった。



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