先生、これは18禁乙女ゲームじゃありません。

bara10jisya

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初めての船旅。

先生、これは18禁乙女ゲームじゃありません。

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「ヨーソロー」

操舵号令が響く。
転じて至る所から 復唱されるその声は、潮の香りと海鳥たちの歌声とが 交じり合い一種の ノスタルジーを誘う。

短く 鋭く  キラキラと輝く はるか彼方、目が届く限り ただ紺碧の海に、白い航跡を残し、私を乗せた船は、あの人から遠ざかって行く・・・・。

それも、飛ぶように・・・・っ!!
オービスは、無いのか。この海は。
アンドレイは、確か、去り際、"私を、捕まえてごらんなさい。おほほ・・・"とか、ぬかしていたはずだが、捕まる気無いです。

私は、デッキの手すりに寄りかかって、底の見えない海面に、吸い込まれそうになりながら、力の入らない足をふらつかせ、眩暈とともに込み上げるものを必死で堪える。

・・・・先生、皆、先立つ不孝をお許し下さい。
佳人薄命といいますが、私の身にもとうとう、お迎えが来たようです。
自分の体の事です。自分が一番よくわかっています。
・・・・私は、おそらくもう、だめでしょう・・・・――――。


「よぉ~そろろろろろろろろろろ・・・・・・・・・」


パタリ・・・
私は、瀕死の白鳥のように儚く甲板に崩れ落ちた。
嘴が多少セクシーすぎる感が否めないが、リアルオデット姫と言えるだろう。

ゲロまみれだが。


『オウムちゃん!』

船員さん達が、数人集まって来てくれたような足音が近づいて来る、そのうちの誰かが、私の頭を自分の膝にそっと乗せてくれた。

ゲロまみれだよ?

『鳥でも船酔いするとはなぁ。だいじょうぶか~?』

「死に、ま・・・・」

『今、"死にます"って言わなかったか?!天才だ!!』

『オウムだからな』

『しかし、オウムってこんなんだったか?』

『さあ?しゃべったんだからオウムだろ?』

『よぉ~しよしよしエライぞぉ~!!オウムちゃん、吐いたら楽になるからな』

気の良い船員さんたちの励ましの中、優しくゲロを拭われ、私が、落ち着くまで、いつまでも背中を擦ってくれる、優しい手の存在に気付く。
その手には覚えがある。
すでに、魂が、体からの脱出を図っていた私は、その出来るイタコさんの手によって、魂と一緒に甘美な官能までをも、呼び起こされ、鮮烈な、あの夜の痺れが、今、ビリビリと背筋を這い上がって、甘くかすれた声となって漏れでる・・・―――。

「ん・・・ハアァ・・・ッぁん・・・っ気持ち、いいよ・・・」


『『『『・・・・――――ッブーーーーーーーーーーーーー!!!』』』』



しまった、しゃべっちゃたよ・・・・。うっぷ、やっぱぎもぢわる・・・・・っ。

『うっ!・・・・葵の声そのものだ・・・・っ!!』

本人です。そこ、・・・っもっとさすって・・・っ。

『・・・・・すっげーエロい・・・・っ!』

『陛下、もう、オウムちゃんが、嫁さんで良いんじゃないでしょうかね?ワハハ・・・』

一斉に笑いが起こる。

嫁ですが、何か?


『それにしても、・・・・大丈夫だろうか。船酔いだとは思うが、医者に診せた方がいいだろう。少々計画に遅れは出るが、一番近くの港に一時寄港する事にする。』

私は、アンドレイに抱かれ、そのままアンドレイの個室に連れて行かれた。
そして、ハンモックでは、酔いが酷くなるからと、床にクッションをいっぱい乗せた、ふかふかの寝床を作ってくれて、私に添い寝しながら、背中をさすってくれる大きな温かい手。
そして特徴的な、艶っぽい美声に励まされ、ようやく、少し吐き気が落ち着き、ウトウトしながら思う。

ああ・・・・――――優しい、アンドレイ。
アンドレイとは、まだあまり一緒に過ごした事はないが、新婚旅行の時といい、看病ばかりしてもらっているような印象がある。

そう気が付いた私は、『いつも、すまないねぇ。ゴホゴホ・・・(吐血)』(2回目)というセリフが頭に浮かんだのは、必然と言えるだろう。

と、来れば、後は、恩返ししかない。
鶴然り。鳥は昔から義理堅いと相場が決まっているのだ!

是非とも、彼に感謝の気持ちを表さなければなるまい。
しかも、やるからには、従来の神の羽に最新のテクノロジーを加え、さらに進化を遂げた、画期的な"恩返し"をする事になるだろう。

・・・・・――――最新のテクノロジーってなんだ。

そんなものは知るわけないが、今の私は、アンドレイの大好きな、巨乳どころか、貧乳さえ無いのだから、それ位グレードアップしなければ、恩返しにはなるまい。
ぜひとも、この体に巨乳をくっ付けて、彼の反応を拝みたいものだが、念じたところで生えてこなかったのだから致し方ない。

念じたんかーい!・・・―――いや一応踏ん張ってみただけだ。

これは本当に恩返しか?!と言う、私の行く手を阻むかのような、天のツッコミが聞こえるが、純粋に、悪戯ごこ・・・――――間違えました、感謝の心がほとばしった結果なのだから、"恩返し"で間違いはない。

・・・―――ただ、恩を仇で返してしまうと言う、リスクと、隣り合わせなだけだ。
珍しいことではない。よくあることだ。
リスクと戦っているのは、なにも、乳酸菌だけではないのだ!!

とはいえ、今は、無理だ。この病に、勝てる気がしない、・・・・お、おぅえ~~~~~~~。




しばらくたったある日。ようやく、近くの港に停泊する手筈が整いつつあった早朝、

個室でアンドレイと一緒に寝ていた私は、夢うつつの中、操舵室方面から慌ただしく近づいて来る足音を聞いた。
そして、ドンドンと言うノックの音と共に、はっきりとした声が、響く。

『偵察隊からの報告です!!日本王国次期女王一行が、帝国に到着したと、連絡がありました』

「っ!!ごふっぶふげほっごぼっ」

何?!駄目だ。死んでいる場合ではない!早く、元に戻って天利ちゃんと交代しないと・・・・っ!!
戻れ!!私!!戻れ!!戻れ・・・・っっ!!!


「ば、ぶ~~~~!!」


―――――・・・・・え?

アンドレイの腕の中で、自分の手を見ると、羽ではなく、小さすぎるぷくぷくした手が映る。
そして目覚めたアンドレイも、私を見て二の句が継げない様子だ。

『・・・・・な、どういう事なんだ?・・・・何故、オウムちゃんが、人間の赤ん坊に?!』

「・・・・ば・・・ばぶ?(訳;・・・・ショッカーの・・・改造?)」

『か、可愛い過ぎる!!!!!』


「ぶっ(訳;Спасибоスパシーバ)」





・・・・―――――あれ?しまった!これじゃあ、は、いったい・・・・?!
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