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皇子様。
先生、これは18禁乙女ゲームじゃありません。
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ソビエト帝国との戦争が、終結して、1週間が過ぎた。
私はただいま、学園の本棚に囲まれた執務室で、戦後処理の書類に埋もれている。
書類仕事と言っても、事務官が優秀なので判子をポポンと押すだけだ。
最早、私は判子押しの「達人」と化している。
今はナンにでも判子を押してしまいそうだ。
書類仕事はゴメンだが、狭くて暗いところが大好きな私は、書類にただ埋まっているのは、非常に落ち着く。
皆も、私が不安定になっているのを察して、ここに置いておく事にしたのかもしれない。
私を甘やかし過ぎだろう。困った奴らだ。
まあ、私が一番困った、面倒くさい奴なのは、置いておいて。
ロックのリズムで、ノリノリで頭を振りながら判子を押していたら、天利がドアを開けて入ってきた。
微妙な顔で天利が言った。
「葵様、「例の」捕虜が、面会を求めています。」
私もつられて微妙な顔になる。
「は~。・・・・捕虜って面会権があったっけ?」
選挙権は無さそうだが。
「まあ、無い事もないかと?――――お会いになりますか?」
「・・・・拒否権を行使する!」
「お気持ちは分かりますけど。・・・・―――私がチョット行って、「アレ」をきゅっと絞めて来ましょうか?」
「天利ちゃん!!そんな!!・・・―――くれぐれもバレナイヨウニ・・・」
コソッと答え、二人で黒い微笑を浮かべていると、
私と一緒に書類整理をしていた土論が、
「何マジで相談してるんだよ?!駄目に決まってんだろ?!」
と、水を差す。
「チッ。奴に生存権があったのか・・・?―――・・・生意気な。」
2人で殺人権について、熱く目で語らっていたのに、チッ
只今、この学園には、やんごとないお家柄と言うか、お偉いさんと言うか、ぶっちゃけソビエト帝国の第12皇子様がいらっしゃる。
アンドレイ・アレクサンドロヴィチ・ロマノフ21歳。
青銀に輝きながら真っ直ぐに腰まで流れている美髪、きっと先生の髪と違って、一生懸命三つ編みしてもシュルシュルと元に戻ってしまうと言う形状記憶つきの頭だ!!
そして銀の瞳、真っ白な肌。白に銀の刺繍が眩しい軍服。
どこまで白いねん!!っと言うくらい全体的に真っ白な美貌の皇子様だ。
何も使わず白壁に隠遁できる。
軍服が白って、全然戦う事を想定していないよね!
水溜りにちょっと足突っ込んだだけでオシマイダヨネ。
今から丁度、1週間前。
決着が付き、敵に降伏勧告をした時、ソビエト帝国軍側から一つの「花火」が打ちあがった。
ヒョろろろろ~~~~ぽぽぽぽぽん!!と間抜けな音がしたかと思うと空に、
『けっこんしくさい』と描かれていた。
おおっ!!サプラーイズ・プロポーズでしょうか?!
けど惜しい!「しくさい」になっている。
まさか「血痕し臭い」ではなかろう。
戦場ではこれ程ピッタリな言葉は無いが、花火でわざわざ実況する事柄でもない。
そして、一台だけ以前は白地に銀の薔薇が描かれ美しかっただろうが、今は見る影も無く泥色と化した、
一際頑丈な巨大装甲車の扉が開かれ、中からスルスルスル~・・・と赤い絨毯が速やかに敷かれ、
汚れきった戦場のど真ん中を、奇跡のような汚れ一つない麗しいお姿で一人の青年が紙ふぶきを浴びながら颯爽と姿を現した。
お付の2人が、後ろから黒子のように紙を散らしている。ご苦労様と言いたいが、散らかさないで欲しい。
おもむろに、ちょっと高めの甘い美声で、
『私は、ソビエト帝国の第12皇子アンドレイ・アレクサンドロヴィチ・ロマノフ21歳。独身。花嫁募集中なのさ。今、次期女王、葵殿に結婚を申しこんだところだよ。姫は、いらっしゃるかな?』
多分、ここに居る全員が引いているだろうところに、私はスッと前に出て礼をする。
『ごきげんよう。アンドレイ皇子様。私が、次期女王、葵です。そして、隣にいるのが、『夫』のユーリウス・玲人・神崎。でございます』
すると私を見た皇子が満面の笑みで、近付いてきた。もちろん、足元の赤い絨毯も、黒子の二人が無表情でコロコロと伸ばして付いてくる。
『おおぅ。な~んてチャ~ミングなんだ!ロシア語も完璧だね。私達に言葉の壁は無い様でよかったよ。二人でこれから色んな壁を乗り越えて幸せになろうね?』
私の話を聞けや。
皇子様は、品良く、手を差し出し、
『ここは埃っぽいから、君の城へ案内してくれないかな?そこで2人の「明るい家族計画」を語り合おうよ』
おまえはどこぞのゴム製品の回し者か!!
私は頭痛を覚え頭を抑えながら、
『何か勘違いなさっているようですが、アンドレイ殿下。あなたは私の婚約者ではなく、「捕虜」です』
『緊縛プレイ?!』
嗚呼!・・・分かった!なんかこの人・・・私に・・思考回路が・・・――――
似ている!!
ぎゃーーーーーーーーーーーーーー!!
「同族嫌悪」だろうか?!
せっかく「同士」が現れたのに、「類友」になれる気が全然しない!!
誰か早くこの「おちゃらけ皇子様」を引き取ってくれないだろうか?!
おちゃらけモノは、私だけで十分だ!!
と、なんだか訳の分からない、ライバル心をメラメラと燃やし私はハンカチを噛み締め言った。
『・・・いいえ。殿下。
「監獄プレイ」Death!』
と!!
私はただいま、学園の本棚に囲まれた執務室で、戦後処理の書類に埋もれている。
書類仕事と言っても、事務官が優秀なので判子をポポンと押すだけだ。
最早、私は判子押しの「達人」と化している。
今はナンにでも判子を押してしまいそうだ。
書類仕事はゴメンだが、狭くて暗いところが大好きな私は、書類にただ埋まっているのは、非常に落ち着く。
皆も、私が不安定になっているのを察して、ここに置いておく事にしたのかもしれない。
私を甘やかし過ぎだろう。困った奴らだ。
まあ、私が一番困った、面倒くさい奴なのは、置いておいて。
ロックのリズムで、ノリノリで頭を振りながら判子を押していたら、天利がドアを開けて入ってきた。
微妙な顔で天利が言った。
「葵様、「例の」捕虜が、面会を求めています。」
私もつられて微妙な顔になる。
「は~。・・・・捕虜って面会権があったっけ?」
選挙権は無さそうだが。
「まあ、無い事もないかと?――――お会いになりますか?」
「・・・・拒否権を行使する!」
「お気持ちは分かりますけど。・・・・―――私がチョット行って、「アレ」をきゅっと絞めて来ましょうか?」
「天利ちゃん!!そんな!!・・・―――くれぐれもバレナイヨウニ・・・」
コソッと答え、二人で黒い微笑を浮かべていると、
私と一緒に書類整理をしていた土論が、
「何マジで相談してるんだよ?!駄目に決まってんだろ?!」
と、水を差す。
「チッ。奴に生存権があったのか・・・?―――・・・生意気な。」
2人で殺人権について、熱く目で語らっていたのに、チッ
只今、この学園には、やんごとないお家柄と言うか、お偉いさんと言うか、ぶっちゃけソビエト帝国の第12皇子様がいらっしゃる。
アンドレイ・アレクサンドロヴィチ・ロマノフ21歳。
青銀に輝きながら真っ直ぐに腰まで流れている美髪、きっと先生の髪と違って、一生懸命三つ編みしてもシュルシュルと元に戻ってしまうと言う形状記憶つきの頭だ!!
そして銀の瞳、真っ白な肌。白に銀の刺繍が眩しい軍服。
どこまで白いねん!!っと言うくらい全体的に真っ白な美貌の皇子様だ。
何も使わず白壁に隠遁できる。
軍服が白って、全然戦う事を想定していないよね!
水溜りにちょっと足突っ込んだだけでオシマイダヨネ。
今から丁度、1週間前。
決着が付き、敵に降伏勧告をした時、ソビエト帝国軍側から一つの「花火」が打ちあがった。
ヒョろろろろ~~~~ぽぽぽぽぽん!!と間抜けな音がしたかと思うと空に、
『けっこんしくさい』と描かれていた。
おおっ!!サプラーイズ・プロポーズでしょうか?!
けど惜しい!「しくさい」になっている。
まさか「血痕し臭い」ではなかろう。
戦場ではこれ程ピッタリな言葉は無いが、花火でわざわざ実況する事柄でもない。
そして、一台だけ以前は白地に銀の薔薇が描かれ美しかっただろうが、今は見る影も無く泥色と化した、
一際頑丈な巨大装甲車の扉が開かれ、中からスルスルスル~・・・と赤い絨毯が速やかに敷かれ、
汚れきった戦場のど真ん中を、奇跡のような汚れ一つない麗しいお姿で一人の青年が紙ふぶきを浴びながら颯爽と姿を現した。
お付の2人が、後ろから黒子のように紙を散らしている。ご苦労様と言いたいが、散らかさないで欲しい。
おもむろに、ちょっと高めの甘い美声で、
『私は、ソビエト帝国の第12皇子アンドレイ・アレクサンドロヴィチ・ロマノフ21歳。独身。花嫁募集中なのさ。今、次期女王、葵殿に結婚を申しこんだところだよ。姫は、いらっしゃるかな?』
多分、ここに居る全員が引いているだろうところに、私はスッと前に出て礼をする。
『ごきげんよう。アンドレイ皇子様。私が、次期女王、葵です。そして、隣にいるのが、『夫』のユーリウス・玲人・神崎。でございます』
すると私を見た皇子が満面の笑みで、近付いてきた。もちろん、足元の赤い絨毯も、黒子の二人が無表情でコロコロと伸ばして付いてくる。
『おおぅ。な~んてチャ~ミングなんだ!ロシア語も完璧だね。私達に言葉の壁は無い様でよかったよ。二人でこれから色んな壁を乗り越えて幸せになろうね?』
私の話を聞けや。
皇子様は、品良く、手を差し出し、
『ここは埃っぽいから、君の城へ案内してくれないかな?そこで2人の「明るい家族計画」を語り合おうよ』
おまえはどこぞのゴム製品の回し者か!!
私は頭痛を覚え頭を抑えながら、
『何か勘違いなさっているようですが、アンドレイ殿下。あなたは私の婚約者ではなく、「捕虜」です』
『緊縛プレイ?!』
嗚呼!・・・分かった!なんかこの人・・・私に・・思考回路が・・・――――
似ている!!
ぎゃーーーーーーーーーーーーーー!!
「同族嫌悪」だろうか?!
せっかく「同士」が現れたのに、「類友」になれる気が全然しない!!
誰か早くこの「おちゃらけ皇子様」を引き取ってくれないだろうか?!
おちゃらけモノは、私だけで十分だ!!
と、なんだか訳の分からない、ライバル心をメラメラと燃やし私はハンカチを噛み締め言った。
『・・・いいえ。殿下。
「監獄プレイ」Death!』
と!!
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