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第2章:王都の雑貨店と夜の鴉
2−25:影を失った少女(其の終)――輪郭の再生
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王都の中心に位置するマーロウ邸の広大な広間は、祝祭の灯火に満たされていた。今夜、エルナの父であるマーロウ氏は、商工連合の次期総帥としての地位を確固たるものにするため、有力者たちを招いた晩餐会を開催していた。豪奢なシャンデリアが放つ光は、招待客たちが身に纏う宝石を煌めかせ、偽りの繁栄を謳歌している。
その華やかな喧騒から離れた屋敷のバルコニーの影。闇に紛れて潜入したカイトは、背負った巨大な「収束レンズ」を慎重に固定し、リヒトへ合図を送った。
「……準備完了だ、店主。ったく、雑貨屋の助手が屋根の上でレンズ磨きなんて、どんな鑑定の修行だよ。」
リヒトは、エルナを連れて広間の真上にある天窓の縁に立っていた。エルナの身体は、リヒトが調合した「屈折率を極限まで高めた溶剤」によって、もはや肉眼では捉えられないほど完全に光を透過し、透明な幽霊と化していた。
「……怖くありませんか、エルナ様。……影のないあなたは、今、この世界で最も自由な『光の粒子』そのものです。」
「……リヒト様。……私、もう一度だけ、お父様の目を見てみたいの。」
リヒトは無言で、彼女の背中にある「王宮の認証コード」に、小型の分光ランプを密着させた。
「……では、始めましょうか。鑑定士による、光の再定義を。」
広間では、マーロウ氏が檀上で高らかに演説を行っていた。
「……我が商権こそが、この王都の未来を照らす光となるのです! スキャンダルも、陰りも、我が一族には存在しない!」
喝采が巻き起こるはずのその瞬間。突如として、広間の照明が全て、不自然なほどの沈黙を保って消え去った。暗転した世界。招待客たちが動揺し、叫び声を上げる中、天窓から一筋の、見たこともないほど純粋で、鋭利な「青白い光」が降り注いだ。
その光は、檀上のマーロウ氏を射抜き、背後の白壁に一つの巨大な「映像」を投影した。
「……なっ、なんだこれは!」
壁に映し出されたのは、精緻な、しかし禍々しい幾何学的な紋様だった。それと同時に、リヒトがレンズの屈折を微調整すると、映像は刻一刻と変化し、マーロウ氏がハルマンと交わした密談の「音声」までもが、壁の振動を増幅させるリヒトの仕掛けによって、広間中に響き渡った。
『……娘の影は完全に消えたのか?』
『……一週間後には彼女の輪郭は光に溶け、誰の目にも見えなくなります』
会場が凍りついた。マーロウ氏の顔は、シャンデリアの予備灯の下で、幽霊のように青ざめた。
「……デタラメだ! こんなものは幻影だ!」
「……いいえ。これは、あなたが『無い』としたものの残像ですよ、マーロウ閣下。」
リヒトの声が、天窓から降ってきた。 彼はエルナの肩を抱き、ゆっくりと広間の中央へと降りてきた。エルナの身体は、今やリヒトの持つ「逆屈折のランプ」によって、透明な皮膜を剥がされるように、その輪郭を光の中に現していた。
だが、彼女の足元には、依然として影がない。光を弾き返す銀の泥が、彼女の周囲の光を全て跳ね返し、足元の影を消滅させている。その異様な光景に、招待客たちは後退りした。
「……見なさい。この少女の姿を。」
リヒトは、マーロウ氏を冷徹な瞳で見据えた。
「あなたが王宮から盗み出し、娘の肌に刻んだ『富の鍵』。それを隠すために、あなたはこの子の『存在の証明』である影を奪った。……影を奪うということは、彼女をこの世界の理から追放するということです。……それは、殺人よりも重い『鑑定の冒涜』だ。」
「……黙れ! 誰だお前は!」
「……私は、ただの雑貨店の店主です。……そして、お客様の『失くしもの』を見つけるのが仕事でしてね。」
リヒトは、カイトが持つ「収束レンズ」から放たれる全反射の光を、エルナの身体に集中させた。
「カイトくん、今です! 屈折率をゼロに!」
「……おうよ! 全反射の逆転、くらえ!」
強烈な閃光が広間を埋め尽くした。リヒトが用意した「中和溶剤」が、エルナの肌に付着した銀の泥と化学反応を起こし、一気に霧散していく。光を迂回させていた障壁が崩壊し、光は正しく、彼女の身体に遮られ、床へと届いた。
一瞬の後。エルナの足元に、小さく、しかし濃い、**「一人の少女の影」**がくっきりと伸びた。
「……あ……。影が……私の、影が……」
エルナは自分の足元を見つめ、涙を流した。影がある。それは、自分がここにいていいという、世界からの承認だった。
その影が伸びた先には、マーロウ氏の足元があった。自分の娘の影に触れられた彼は、まるで見えない刃で刺されたかのように、その場に崩れ落ちた。会場にいた憲兵たちが、壁に映し出された「認証コード」という決定的な証拠(王室財産の横領)を前に、マーロウ氏を拘束するために動き出した。
数日後。とある雑貨店の入り口に、一人の少女が立っていた。彼女の表情からはかつての恐怖は消え、新しく新調したシンプルなワンピースが、冬の柔らかな日差しを浴びていた。
「……リヒト様、カイト様。私、親戚の家に行くことになったわ。……背中の模様も、リヒト様が作ってくれたお薬で、少しずつ消えていってるの。」
エルナは、店の床を何度も確認するように足踏みをした。そこには、彼女の動きに合わせて、忠実に、そして愛おしく動く「影」があった。
「……お元気で、エルナ様。……影は時として重荷になりますが、それがあるからこそ、人は光の温かさを知ることができるのです。」
リヒトはいつものように、眼鏡のブリッジを直し、静かに微笑んだ。
エルナが元気に去っていくのを、カイトはカウンターに寄りかかりながら見送った。
「……店主。結局、あの銀の泥、高値で売れたんだろ? 良い商売になったじゃねえか。」
「……おやおや、カイトくん。あれは軍の廃棄物ですから、処分料をいただいたまでですよ。……もっとも、その処分料で、今夜は美味しいワインが買えそうですが。」
リヒトは再び、ルーペを手に取った影を消された少女が、自分の輪郭を取り戻した。それは、正体を隠して影の中に生きるリヒトにとって、ほんの僅かな「光」への憧憬だったのかもしれない。
窓から差し込む夕暮れの光が、店内の二人の影を、長く、長く、床に描き出していた。その影は、彼らがこの王都の闇の中で、確かに呼吸し、戦っているという何よりの証拠だった。
「……さて。カイトくん。次の鑑定依頼が来ていますよ。……『自分の夢を買い取ってほしい』という、これまた奇妙な紳士が入り口に立っています。。」
「……夢かよ。ったく、うちの店は、まともなもんが一つも来ねえな」
ベルが鳴る。とある雑貨店の、新しい一日が始まろうとしていた。
その華やかな喧騒から離れた屋敷のバルコニーの影。闇に紛れて潜入したカイトは、背負った巨大な「収束レンズ」を慎重に固定し、リヒトへ合図を送った。
「……準備完了だ、店主。ったく、雑貨屋の助手が屋根の上でレンズ磨きなんて、どんな鑑定の修行だよ。」
リヒトは、エルナを連れて広間の真上にある天窓の縁に立っていた。エルナの身体は、リヒトが調合した「屈折率を極限まで高めた溶剤」によって、もはや肉眼では捉えられないほど完全に光を透過し、透明な幽霊と化していた。
「……怖くありませんか、エルナ様。……影のないあなたは、今、この世界で最も自由な『光の粒子』そのものです。」
「……リヒト様。……私、もう一度だけ、お父様の目を見てみたいの。」
リヒトは無言で、彼女の背中にある「王宮の認証コード」に、小型の分光ランプを密着させた。
「……では、始めましょうか。鑑定士による、光の再定義を。」
広間では、マーロウ氏が檀上で高らかに演説を行っていた。
「……我が商権こそが、この王都の未来を照らす光となるのです! スキャンダルも、陰りも、我が一族には存在しない!」
喝采が巻き起こるはずのその瞬間。突如として、広間の照明が全て、不自然なほどの沈黙を保って消え去った。暗転した世界。招待客たちが動揺し、叫び声を上げる中、天窓から一筋の、見たこともないほど純粋で、鋭利な「青白い光」が降り注いだ。
その光は、檀上のマーロウ氏を射抜き、背後の白壁に一つの巨大な「映像」を投影した。
「……なっ、なんだこれは!」
壁に映し出されたのは、精緻な、しかし禍々しい幾何学的な紋様だった。それと同時に、リヒトがレンズの屈折を微調整すると、映像は刻一刻と変化し、マーロウ氏がハルマンと交わした密談の「音声」までもが、壁の振動を増幅させるリヒトの仕掛けによって、広間中に響き渡った。
『……娘の影は完全に消えたのか?』
『……一週間後には彼女の輪郭は光に溶け、誰の目にも見えなくなります』
会場が凍りついた。マーロウ氏の顔は、シャンデリアの予備灯の下で、幽霊のように青ざめた。
「……デタラメだ! こんなものは幻影だ!」
「……いいえ。これは、あなたが『無い』としたものの残像ですよ、マーロウ閣下。」
リヒトの声が、天窓から降ってきた。 彼はエルナの肩を抱き、ゆっくりと広間の中央へと降りてきた。エルナの身体は、今やリヒトの持つ「逆屈折のランプ」によって、透明な皮膜を剥がされるように、その輪郭を光の中に現していた。
だが、彼女の足元には、依然として影がない。光を弾き返す銀の泥が、彼女の周囲の光を全て跳ね返し、足元の影を消滅させている。その異様な光景に、招待客たちは後退りした。
「……見なさい。この少女の姿を。」
リヒトは、マーロウ氏を冷徹な瞳で見据えた。
「あなたが王宮から盗み出し、娘の肌に刻んだ『富の鍵』。それを隠すために、あなたはこの子の『存在の証明』である影を奪った。……影を奪うということは、彼女をこの世界の理から追放するということです。……それは、殺人よりも重い『鑑定の冒涜』だ。」
「……黙れ! 誰だお前は!」
「……私は、ただの雑貨店の店主です。……そして、お客様の『失くしもの』を見つけるのが仕事でしてね。」
リヒトは、カイトが持つ「収束レンズ」から放たれる全反射の光を、エルナの身体に集中させた。
「カイトくん、今です! 屈折率をゼロに!」
「……おうよ! 全反射の逆転、くらえ!」
強烈な閃光が広間を埋め尽くした。リヒトが用意した「中和溶剤」が、エルナの肌に付着した銀の泥と化学反応を起こし、一気に霧散していく。光を迂回させていた障壁が崩壊し、光は正しく、彼女の身体に遮られ、床へと届いた。
一瞬の後。エルナの足元に、小さく、しかし濃い、**「一人の少女の影」**がくっきりと伸びた。
「……あ……。影が……私の、影が……」
エルナは自分の足元を見つめ、涙を流した。影がある。それは、自分がここにいていいという、世界からの承認だった。
その影が伸びた先には、マーロウ氏の足元があった。自分の娘の影に触れられた彼は、まるで見えない刃で刺されたかのように、その場に崩れ落ちた。会場にいた憲兵たちが、壁に映し出された「認証コード」という決定的な証拠(王室財産の横領)を前に、マーロウ氏を拘束するために動き出した。
数日後。とある雑貨店の入り口に、一人の少女が立っていた。彼女の表情からはかつての恐怖は消え、新しく新調したシンプルなワンピースが、冬の柔らかな日差しを浴びていた。
「……リヒト様、カイト様。私、親戚の家に行くことになったわ。……背中の模様も、リヒト様が作ってくれたお薬で、少しずつ消えていってるの。」
エルナは、店の床を何度も確認するように足踏みをした。そこには、彼女の動きに合わせて、忠実に、そして愛おしく動く「影」があった。
「……お元気で、エルナ様。……影は時として重荷になりますが、それがあるからこそ、人は光の温かさを知ることができるのです。」
リヒトはいつものように、眼鏡のブリッジを直し、静かに微笑んだ。
エルナが元気に去っていくのを、カイトはカウンターに寄りかかりながら見送った。
「……店主。結局、あの銀の泥、高値で売れたんだろ? 良い商売になったじゃねえか。」
「……おやおや、カイトくん。あれは軍の廃棄物ですから、処分料をいただいたまでですよ。……もっとも、その処分料で、今夜は美味しいワインが買えそうですが。」
リヒトは再び、ルーペを手に取った影を消された少女が、自分の輪郭を取り戻した。それは、正体を隠して影の中に生きるリヒトにとって、ほんの僅かな「光」への憧憬だったのかもしれない。
窓から差し込む夕暮れの光が、店内の二人の影を、長く、長く、床に描き出していた。その影は、彼らがこの王都の闇の中で、確かに呼吸し、戦っているという何よりの証拠だった。
「……さて。カイトくん。次の鑑定依頼が来ていますよ。……『自分の夢を買い取ってほしい』という、これまた奇妙な紳士が入り口に立っています。。」
「……夢かよ。ったく、うちの店は、まともなもんが一つも来ねえな」
ベルが鳴る。とある雑貨店の、新しい一日が始まろうとしていた。
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