寝取られるくらいなら、抱いてやるよ 幼馴染の執着愛に囚われて

桜城恋詠

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8・酔って、抱かれて、覚えていない

※私はあなたのもの・2

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「わ、たる……っ」

 彼の指先が身体を撫でるたびに、自分ものとは思えない甘い声が漏れ出てしまう。

 唇を噛み締めてそれを必死に押し留めるべく耐えていれば、息を吐き出した際に生まれた隙間から、彼の人差し指が差し込まれた。

「ん……っ」
「我慢する必要、ねぇだろ? 香帆の声、もっと聞かせて」
「ん、ぁ……っ」

 彼が指先を腔内で動かすたびに、唾液が混ざり合ういやらしい音が室内に響き渡る。

(息苦しくて、気持ちよくて。頭がおかしくなりそうなのに……)

 香帆の敏感な場所に触れて刺激を与えてくれることが、嬉しくて堪らない。

「ん、んん……っ!」

 彼女の意識が口元に差し込まれた指先へ向いているのをいいことに、彼は手慣れた手付きでブラウスのボタンを外し、胸元を露出させる。
 下着の中に指を差し込んだ彼は、彼女の豊かな膨らみを堪能し始めた。

「は、ぁ……っ。ん……っ!」
「ここ?」

 渉の指先が胸元の先端に触れた瞬間、彼女はビクリと上半身を震わせる。
 その反応を見逃さなかった彼は、唇を蹂躙していた指先を外し、二つの胸の膨らみの中央で存在を主張している頂を重点的に弄り始めた。

 乳輪を優しく円を描くように親指の腹を使って撫で回したかと思えば、乳頭を爪で弾く。
 まるで楽器を奏でるかのように繊細な指使いで胸元に触れたなら、こうした経験が一切ない香帆は堪らない。

「ゃ……っ。なんか、変……っ」
「どんな風に? ちゃんと言葉で伝えてくれなきゃ、わかんねぇよ」

 香帆は一瞬戸惑うような仕草を見せたが、答えを自ら口にしなければ続きはできないと言うかのように、指先の動きが止まったからだろう。

(こんなところで、終わるなんて……。やだ……)

 迷いを振り切るように瞳を閉じた香帆は、勢いよく声を吐き出した。

「わ、たるの……っ。触れた、とこ……っ。熱く、て……っ」
「ああ。それで?」

 彼は胸元から両手を離すと、彼女の女性らしいラインに指先を這わせた。
 そうして撫でられるだけでも敏感に反応を示してしまう香帆は、両手で胸元を隠しながら、瞳を潤ませて懇願した。

「……もっと……っ! 渉のことしか、考えられないように、して……!」
「よく言えました」

 渉は満面の笑みを浮かべると、より強い快感を与えるため──香帆の隠された場所へ触れた。

「ん……っ!」

 秘所の蜜口からは愛する人に触れられていることを喜ぶように、甘い蜜が溢れ出て下着に染みを作っている。

「ゃ……っ。な、なんで……っ」

 唇の中に指を差し込まれ、唾液を掻き回されていた時のように──秘所からよく似た水音が響いていると気づいた香帆は、焦ったように驚きの声を上げる。

「心配すんなって。ここが濡れてんのは、気持ちいい証拠」

 彼は香帆の快楽を高めるために、彼女の秘所に指を這わせた。

「ん……っ。ぁ……っ!」

 渉が下着に覆い隠された花園を直接撫でた瞬間。
 香帆は自分のものとは思えない、艶やかな声を上げてしまう。

 恥ずかしさに耐えきれずに声を押し殺そうとしたが、渉が嬉しそうに香帆の感じている姿を観察していることに気づいたのだろう。
 それからは無理に抑えず、甘い声を漏らし続ける。

「香帆のここに触れていいのは、オレだからな?」
「ん……っ。渉の、指、気持ち、い……っ」
「香帆を感じさせられんのも、オレだけ」

 彼が与える快楽の虜になった香帆は、渉の言葉に何度も頷いて全身を震わせる。

「今日のことは、忘れても構わねぇから……! 身体に、刻み込め……っ」

 そんな彼女の姿を目にした幼馴染は、最後の仕上げとばかりに蜜壷の中へと指を差し入れた。

「ぁあ……っ!」

 一際甲高い嬌声を上げた香帆は、渉の責め苦に耐え切れずに悶え苦しむ。

(身体が熱くて、苦しいけど、気持ちいい……)

 蜜壷の中に差し込まれた指先が出たり入ったりを繰り返すたびに、溢れ出た愛液が淫靡な音を奏でる。
 その聴覚効果によって快楽を引き出された状態で、ぷっくりと膨れ上がった花園の敏感な蕾を執拗に撫で付けられたら、堪らない。

「わ、たる……っ。駄目……っ。なんか、来ちゃう……っ!」
「我慢すんなって、言ったろ? イッちまえ……!」

 限界を告げた香帆の快楽を引き出すべく、敏感な場所で蠢く指の動きを早めた渉の責め苦に耐え切れず──ー香帆は達してしまった。

「ぁ……っ! んぁあ……っ」

 視界が爆ぜた瞬間。
 全身が小刻みに震え、蜜口から愛液が滴り落ちる。
 香帆は絶頂の余韻に浸りながら、ゆっくりと目を閉じた。

「香帆は、誰にも渡さねぇよ……」

 渉が低い声で、ここにはいない人物に対して憎悪を滲ませていることに、気づくことなく──。
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