238 / 241
第5章『悪魔の王様を探す事にした』
事象固定と尻すぼみ
しおりを挟む
「力を貸すぞ?主殿」
そう言いながらユートの耳元に浮かぶ一匹の精霊クローノは話をどこから聞いていたのか知ることはできないが、今現在問題となっていることを解決する手立てを持っているようだ。
「主殿は妾をゲットした時から大分成長しておるじゃろ?妾は主殿のスキルによって生み出された存在じゃ、つまりは主殿が成長すれば妾も同様に成長できる」
「何が言いたいんだ?」
「妾が子を孕む前まで時間を戻せば、出産やら何やらの問題なぞズバッと解決じゃぞ」
それを横で聞いていたイリーナはバンと机が壊れるかと思われるような音を立てながら立ち上がりクローノに迫る。その表情からは怒りの感情が用意に感じ取れる。
「クローノ殿!それは私とユート殿との子どもを殺すという事に他ならないのではないでしょうか!そんな事、私が許可しません!」
「まぁまぁ、落ち着くのじゃイリーナよ、まだ話は終わっておらん」
鬼気迫るイリーナを軽く受け流したクローノはゴソゴソと懐をまさぐり、懐から人からすれば極小サイズの、まるで人形遊びに使用するオモチャのような、ペンダントを取り出した。
「これは『事象固定』というアイテムじゃ、この中にある一定の事柄…要は状態を保存しておける物で、これを使えば腹の中の赤子をこの中に保存しておきイリーナの時間だけを妊娠する前に戻す」
「安心せぃ、記憶やステータスは変わらんぞ、精々少し若返るといった認識で構わん」
説明を聞いたイリーナはまだ半信半疑の状態だ、それも当然といえば当然である。
クローノの事はユートの眷属ということで信用しているが、まだ見ぬ自分の子どもの命が絶たれてしまうのではないかという不安は母親からすれば至極当たり前なことなのだ。
不安気なイリーナの手をユートは優しくそっと握りイリーナを見つめて囁く。
「絶対に嫌だと言うのならそれでもいい、その時はその時でまた別の方法を考えるからさ」
「……いや、大丈夫だ…だがしかし、私からユート殿に条件をつけさせてもらうぞ」
「私もトートに連れて行ってくれ、当然クローノ殿も共にな」
「そんな事ならお易い御用、クローノ、頼んだ」
イリーナの瞳に曇りがなくなりあるのは、ユートを信じる真っ直ぐなもの。
それを聞いたクローノは手に持っているおもちゃのようなペンダントをかざすと、イリーナの体から黄色い淡く光る玉の群れがぽぽぽと出現する。
その淡い光の群れはやがてクローノの方へ向かい、ペンダントの中に収納されていく。
イリーナの体から出てきていた光の群れが無くなると、イリーナのお腹が妊娠する前の姿に戻っていた。
イリーナは寂しげに中には誰もいないお腹をさすっているとクローノはユートに一言呟く。
「主殿の子どもじゃが…相当ヤバいな、仮にこの魔法を明日以降に行っていたら妾の魔法が弾かれておったのじゃ」
その呟きを聞いたユートは何故か妙な安心感と納得を得た、ユートはそのような予感は薄々していたのだ。
アイトもユラも、親バカという観点を差し引いても普通の子どもとは訳が違うのは火を見るよりも明らかだったのだ、ならばイリーナとの赤ちゃんも大なり小なり普通とは違うだろうとは思っていた。
「それじゃぁ、トートに行く面々に声をかけなくちゃな、あと一人連れて行きたい」
ユートはそう言って部屋をあとにしようとすると、先程から行儀よく座っているミルシィに気が付きこのままにしておく訳にもいかないので指示を出してみる。
「二階で子ども達と遊んであげてくれ、まさか男は子どもでも無理とは言わないよな?」
「流石に言いませんよ!それに少なからず与えられた仕事であれば男と関わる事になってもある程度は我慢できます、えぇ我慢できますとも」
尻すぼみになる声を置き去りに、ミルシィのことをリンカに任せた後に中庭で木刀を振るっているレイカの元へ向かった。
そう言いながらユートの耳元に浮かぶ一匹の精霊クローノは話をどこから聞いていたのか知ることはできないが、今現在問題となっていることを解決する手立てを持っているようだ。
「主殿は妾をゲットした時から大分成長しておるじゃろ?妾は主殿のスキルによって生み出された存在じゃ、つまりは主殿が成長すれば妾も同様に成長できる」
「何が言いたいんだ?」
「妾が子を孕む前まで時間を戻せば、出産やら何やらの問題なぞズバッと解決じゃぞ」
それを横で聞いていたイリーナはバンと机が壊れるかと思われるような音を立てながら立ち上がりクローノに迫る。その表情からは怒りの感情が用意に感じ取れる。
「クローノ殿!それは私とユート殿との子どもを殺すという事に他ならないのではないでしょうか!そんな事、私が許可しません!」
「まぁまぁ、落ち着くのじゃイリーナよ、まだ話は終わっておらん」
鬼気迫るイリーナを軽く受け流したクローノはゴソゴソと懐をまさぐり、懐から人からすれば極小サイズの、まるで人形遊びに使用するオモチャのような、ペンダントを取り出した。
「これは『事象固定』というアイテムじゃ、この中にある一定の事柄…要は状態を保存しておける物で、これを使えば腹の中の赤子をこの中に保存しておきイリーナの時間だけを妊娠する前に戻す」
「安心せぃ、記憶やステータスは変わらんぞ、精々少し若返るといった認識で構わん」
説明を聞いたイリーナはまだ半信半疑の状態だ、それも当然といえば当然である。
クローノの事はユートの眷属ということで信用しているが、まだ見ぬ自分の子どもの命が絶たれてしまうのではないかという不安は母親からすれば至極当たり前なことなのだ。
不安気なイリーナの手をユートは優しくそっと握りイリーナを見つめて囁く。
「絶対に嫌だと言うのならそれでもいい、その時はその時でまた別の方法を考えるからさ」
「……いや、大丈夫だ…だがしかし、私からユート殿に条件をつけさせてもらうぞ」
「私もトートに連れて行ってくれ、当然クローノ殿も共にな」
「そんな事ならお易い御用、クローノ、頼んだ」
イリーナの瞳に曇りがなくなりあるのは、ユートを信じる真っ直ぐなもの。
それを聞いたクローノは手に持っているおもちゃのようなペンダントをかざすと、イリーナの体から黄色い淡く光る玉の群れがぽぽぽと出現する。
その淡い光の群れはやがてクローノの方へ向かい、ペンダントの中に収納されていく。
イリーナの体から出てきていた光の群れが無くなると、イリーナのお腹が妊娠する前の姿に戻っていた。
イリーナは寂しげに中には誰もいないお腹をさすっているとクローノはユートに一言呟く。
「主殿の子どもじゃが…相当ヤバいな、仮にこの魔法を明日以降に行っていたら妾の魔法が弾かれておったのじゃ」
その呟きを聞いたユートは何故か妙な安心感と納得を得た、ユートはそのような予感は薄々していたのだ。
アイトもユラも、親バカという観点を差し引いても普通の子どもとは訳が違うのは火を見るよりも明らかだったのだ、ならばイリーナとの赤ちゃんも大なり小なり普通とは違うだろうとは思っていた。
「それじゃぁ、トートに行く面々に声をかけなくちゃな、あと一人連れて行きたい」
ユートはそう言って部屋をあとにしようとすると、先程から行儀よく座っているミルシィに気が付きこのままにしておく訳にもいかないので指示を出してみる。
「二階で子ども達と遊んであげてくれ、まさか男は子どもでも無理とは言わないよな?」
「流石に言いませんよ!それに少なからず与えられた仕事であれば男と関わる事になってもある程度は我慢できます、えぇ我慢できますとも」
尻すぼみになる声を置き去りに、ミルシィのことをリンカに任せた後に中庭で木刀を振るっているレイカの元へ向かった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる