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第5章『悪魔の王様を探す事にした』
そよ風の突風と平和のお茶
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そよそよと心地よいそよ風が庭一面に干してある洗濯物を乾かそうとしているかの如く吹いている。
だがそよそよとした風以外にもう一つ、こちらは洗濯物が吹き飛びそうな勢いの突風が一人の女性により作り出されている。
剣道の基本的な動作とも言える、「面!」「胴!」「小手!」と掛け声を上げ三拍子を一秒の間に行い二秒の休憩を挟む。
そしてまた「面!」「胴!」「小手!」とこのリズムを零コンマ一秒の遅れも出さずに一時間もの間に渡って続けていた。
これは過去にユートも行っていた金剛流剣闘術の基本修行の一つであり、最低でもあと二時間は続けるのが毎日の日課となっている。
その修行を芝生の上にあぐらをかきながらドーナツを頬張るリスのような少女がいる。
レンカはレイカの修行には特に興味もないが、その隣で休んでいるとレイカが木刀を振るう度に突風が巻き起こるため涼むには最適なのだ。
ドーナツの山が半分に差し迫った時、レンカはドーナツを食べる手を止めて一つの疑問をレイカにぶつける。
「レイカさんってさ、ユートお兄ちゃんのことをどう思ってるの?」
「ふぇ?!……アイタ!」
何の前フリもない突拍子もない話にレイカは握っていた木刀をすっぽりと離してしまいクルクルと宙を舞った木刀はレイカの頭頂部を牙突した。
「ななな、何を急に言っているのよ!」
「いやさ、この中で一番初めにユートお兄ちゃんに出会ったのはレイカなんでしょ?なのに全然関わろうとしてないし…いや、むしろユートお兄ちゃんの事を意図的に避けてない?」
図星、ではなかった。
確信、でもなかった。
だがレイカはレンカの一言にまるで胸を銃で撃ち抜かれたかのような衝撃が迸り一歩後ずさりしてしまう。
「別に避けてなんてないわよ」
「ふぅ~ん…でもさでもさ、聞いた話によるとユートお兄ちゃんの師匠だったんでしょ?しかも一つ屋根の下で…男女二人が一つ屋根の下に…何も起きないはずもなく~」
「………何も起きてないわよ、本当にね」
「じゃぁレイカはユートお兄ちゃんのことは単なる弟子としか思ってないの?」
「そうね、正直に言うと私は確かにユート君の事は好きよ…えぇ、とってもね…でも、私はユート君には絶対にそれを言わないし言うつもりもないわ、お墓に持っていく程の私の秘密よ」
まるで自分に言い聞かせるように言うレイカを見たレンカはドーナツを全て平らげるとつまんなさげに立ち上がりドーナツが積まれていたお皿を持ち上げる。
「まぁレイカがそれでいいなら良いけどさ、私から言わせてもらうならだけど…あまり無理しない方がいいよ、精神的にもね、貴方は四賢者~なんて持て囃されるけど私やお姉ちゃんとは違ってただの人なんだからさ」
「私は応援してるよ、レイカのその気持ちが正直になるようにね」
レンカがそう言った途端、ガチャりと中庭と舘の廊下とが繋がる扉が開いて見知らぬ女性が現れる。
いや、それは女体化したユートであった。話を聞かれていたのでないかと焦ったレイカはそれとなしに質問を試みるも。
「話?なんかしてたのか?俺は今来たところだから分からないが困ってるなら相談程度は乗ってやるよ」
「あ、あぁうん、ありがとうユート君」
「それで?お兄ちゃん…いや、お姉ちゃんは何しに来たの?」
「態々言い直しをありがとよ、レイカ、俺と一緒にトートに行くから支度しといてくれ」
「えぇ!?そんな急に言われても……」
「いやか?」
「いや…別に嫌とは言わないけれどもね…私にも準備ってものが…」
しどろもどろになっているレイカを見て少し不安になってきたユートだったが、救済かはたまた別の類いかの手が差し伸べられる。
「ねぇねぇ、それ私も着いていっていい?」
「え?俺は別に構わないが…お前が行くって事はランカも行くんだよな…これで五人か…まぁ少し多い気もするが…」
「ううん、私一人だけ、お姉ちゃんはお留守番してもらうから」
「は?ランカはそれで良いのかよ」
「《了承》分かりました、お土産にトートの特産品てんこ盛りで許しましょう」
「ひゃん!」
何気なしに了承を得ようとした途端に泥だらけの姿で地面からぼっこりと出てきたランカにユートは女のような声を上げてしまった。
一方その頃、その光景を二階の窓から覗いていたドーラは。
「……平和っすね~」
と、呟きながらお茶を啜っていたという。
だがそよそよとした風以外にもう一つ、こちらは洗濯物が吹き飛びそうな勢いの突風が一人の女性により作り出されている。
剣道の基本的な動作とも言える、「面!」「胴!」「小手!」と掛け声を上げ三拍子を一秒の間に行い二秒の休憩を挟む。
そしてまた「面!」「胴!」「小手!」とこのリズムを零コンマ一秒の遅れも出さずに一時間もの間に渡って続けていた。
これは過去にユートも行っていた金剛流剣闘術の基本修行の一つであり、最低でもあと二時間は続けるのが毎日の日課となっている。
その修行を芝生の上にあぐらをかきながらドーナツを頬張るリスのような少女がいる。
レンカはレイカの修行には特に興味もないが、その隣で休んでいるとレイカが木刀を振るう度に突風が巻き起こるため涼むには最適なのだ。
ドーナツの山が半分に差し迫った時、レンカはドーナツを食べる手を止めて一つの疑問をレイカにぶつける。
「レイカさんってさ、ユートお兄ちゃんのことをどう思ってるの?」
「ふぇ?!……アイタ!」
何の前フリもない突拍子もない話にレイカは握っていた木刀をすっぽりと離してしまいクルクルと宙を舞った木刀はレイカの頭頂部を牙突した。
「ななな、何を急に言っているのよ!」
「いやさ、この中で一番初めにユートお兄ちゃんに出会ったのはレイカなんでしょ?なのに全然関わろうとしてないし…いや、むしろユートお兄ちゃんの事を意図的に避けてない?」
図星、ではなかった。
確信、でもなかった。
だがレイカはレンカの一言にまるで胸を銃で撃ち抜かれたかのような衝撃が迸り一歩後ずさりしてしまう。
「別に避けてなんてないわよ」
「ふぅ~ん…でもさでもさ、聞いた話によるとユートお兄ちゃんの師匠だったんでしょ?しかも一つ屋根の下で…男女二人が一つ屋根の下に…何も起きないはずもなく~」
「………何も起きてないわよ、本当にね」
「じゃぁレイカはユートお兄ちゃんのことは単なる弟子としか思ってないの?」
「そうね、正直に言うと私は確かにユート君の事は好きよ…えぇ、とってもね…でも、私はユート君には絶対にそれを言わないし言うつもりもないわ、お墓に持っていく程の私の秘密よ」
まるで自分に言い聞かせるように言うレイカを見たレンカはドーナツを全て平らげるとつまんなさげに立ち上がりドーナツが積まれていたお皿を持ち上げる。
「まぁレイカがそれでいいなら良いけどさ、私から言わせてもらうならだけど…あまり無理しない方がいいよ、精神的にもね、貴方は四賢者~なんて持て囃されるけど私やお姉ちゃんとは違ってただの人なんだからさ」
「私は応援してるよ、レイカのその気持ちが正直になるようにね」
レンカがそう言った途端、ガチャりと中庭と舘の廊下とが繋がる扉が開いて見知らぬ女性が現れる。
いや、それは女体化したユートであった。話を聞かれていたのでないかと焦ったレイカはそれとなしに質問を試みるも。
「話?なんかしてたのか?俺は今来たところだから分からないが困ってるなら相談程度は乗ってやるよ」
「あ、あぁうん、ありがとうユート君」
「それで?お兄ちゃん…いや、お姉ちゃんは何しに来たの?」
「態々言い直しをありがとよ、レイカ、俺と一緒にトートに行くから支度しといてくれ」
「えぇ!?そんな急に言われても……」
「いやか?」
「いや…別に嫌とは言わないけれどもね…私にも準備ってものが…」
しどろもどろになっているレイカを見て少し不安になってきたユートだったが、救済かはたまた別の類いかの手が差し伸べられる。
「ねぇねぇ、それ私も着いていっていい?」
「え?俺は別に構わないが…お前が行くって事はランカも行くんだよな…これで五人か…まぁ少し多い気もするが…」
「ううん、私一人だけ、お姉ちゃんはお留守番してもらうから」
「は?ランカはそれで良いのかよ」
「《了承》分かりました、お土産にトートの特産品てんこ盛りで許しましょう」
「ひゃん!」
何気なしに了承を得ようとした途端に泥だらけの姿で地面からぼっこりと出てきたランカにユートは女のような声を上げてしまった。
一方その頃、その光景を二階の窓から覗いていたドーラは。
「……平和っすね~」
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