異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした

森崎駿

文字の大きさ
226 / 241
第5章『悪魔の王様を探す事にした』

こだわりの朝と謎の落下痴少女

しおりを挟む
ユートの優雅な一日は子ども達からの一撃に始まる
スヤスヤと寝息を立てている腹部に天井スレスレまで飛び上がり瓦を五六枚は割りそうな勢いで降り注ぐ

その為、寝る前には必ず自身に鋼鉄化ヘビメタを付与してから寝ないと朝になったら亜神モードになっていた事がしばしばある

普通ならば叱らなければならない事なんだろうが…アイトとユラの万遍な笑みでおはようと言われれば全てがどうでも良くなってしまい、ついつい怒るのを忘れてしまう


部屋を出て廊下を歩き、全員が食事をする卓につくとリンカが一杯のコーヒーを入れてくれる
砂糖一本とミルクを70g…これは絶対に譲れない朝のこだわりだ

一杯を飲み終えるといつもリンカはもう一杯勧めてくるが…朝のコーヒーは一杯だけと決めているとだけ伝えると今度はイリーナが大きなお腹を擦りながら食事を盆に載せ持ってくる

ここでまたこだわりがある、それは朝は必ず和食だという事だ
昼と夜は洋食でも中華料理でも何でも良いが…和食が食べられると知った今…日本を少なならず忘れない為に毎朝和食にしているのだ

味噌汁を一口啜る、味噌の深い独特な甘みと風味が口いっぱいに広がりいつの間にかそれを更に引き立たせようとご飯を一口だけ放り込む

《至福》その言葉が相応しいと断言出来るほどに充実した時間
だが忘れないで欲しい…ユートがこれまでにまともに朝食を完食できたのは一度だけであり、それ以外は必ず何かしらの問題が降り注いできているのだという事を。

そして…おかずである焼きジャケの骨を取り除いていた瞬間
中庭の方からドゴォン!!!と巨大な爆音と振動がユートの館全体に響き渡る

「またか…今度はおかずを食べる前…か……」

ユートは落胆の言葉を表し、渋々パジャマからいつもの戦闘服…
及びディオニスに作らされた白をベースに金の装飾が施され、右肩に龍の羽のような形をした肩当、青の短いマントを翻し、腰から銀色のチェーンを垂らし、家紋の証である龍の頭を包む様に二本の光輪が交差している模様の《緑の宝石のイヤリング》を左耳につける

何かしらの事態になった時は必ずこの服を着ていなければならないと、ディオニスやヒューイ…果てにはカイトにまで口を酸っぱくして言われた為、仕方なく着ているのだ

「堅苦しいのは嫌いなんだが…着てないと後でうるさく言われるからなぁ」

ユートは再度苦悶の表情を浮かべながら溜息をつき、爆音が鳴り響いた中庭へと転移ワープで向かった


__________________________________

中庭に着くと直径十メートルはありそうな程の大きな穴が出来ており、そこに元々あった筈のもみの木は庭中にバラバラになって散開していた

ユートは戦闘態勢を取りながらも穴の中央を覗き込むと底には頭が地面にめり込み身動きが取れない状態の一人の女の子がいた

『スミまセん、助ケテくレませンカ?』

歪でノイズに似た音声が頭の中に突然響いてくる、その音をずっと聞いていたら精神が崩壊してしまいそうな程の音に苦痛の表情を浮かべる

だが、その内容をちゃんと聞くと…どうやら底にいる女の子が助けを求めているのだという事がわかりスグにユートは穴の中へ飛び降り、念の為飛翔フライを応用させた魔法《浮遊フロート》で直接触れない様に女の子を浮かばせる

女の子をよく見てみると、身体を包んでいる包帯のようなボロボロの布地はほころびによって素肌なのであろう青白い肌が殆ど顕になっている
だが、Vゾーンはそこの所を警戒しているのかしていないのか…前貼りは貼っているが逆にそれ以外には包帯のような布地の下には何も対策されておらずモロ見え状態になっている

髪は白髪のショートで毛先が丸みがかった前髪だけは異様に伸び、目元は完全に隠れており表情はよく伺えないが、たまにチラチラと前髪が風で揺れ動くたびに深緑色をした瞳が見える

『ありガトうこざイまシ多』

女の子が頭を下げるとついでに、また頭の中にノイズの様な響いてくる

「あのさぁ、これ止めてくれないか? 結構ずっしりと響いてきて少しばかり気持ち悪くなってきちゃうからさ…」

そう言うと女の子はバッと顔を上げ、ユートの顔をジーッと見つめた後に大きく深呼吸をしてまるで雑巾で絞り上げた様な声を出す

「あ…ありが…とう………です」

初めて声を出したのだと直感させられるダミ声にユートは異質な何かを感じていたが…今はそれよりも何が目的なのかを聞かねばならないと思い尋ねてみる

「#℃♯&#♂¥@※×□§¢△~○○@@Ủ」

精一杯伝えようとしているのはわかるが互いに話し合うには少しばかり不便だと思ったユートは、懐から一つの懐中時計を取り出して《精霊対話フェアリータイム》を発動させる

「ん? ふぁわぁぁ……主様久しぶりじゃのぅ、それで? 妾に何用かの?」

時計の精霊クローノは以前、アンナが創り出した本の世界で通訳を頼んでいた為今回も頼もうと思っていたのだが…それを言うとハッキリと無理だと言われた

「主様、通訳も何も普通に話している者の言葉を訂正し話すというのは酷なものじゃぞ?」
「う~ん…他にもな? この言葉には一文字一文字にとある力が込められていてのぅ…妾の様にその土地の者以外が話した場合は呪いにかかってしまうのじゃ」

どうやら、クローノは今この女の子が話している言語がわかるのだという…だが、しかしこの言語の翻訳は不可能だと言われなにか他の手口がないか考えていると…

館の方から様子を見に来た巨大なハンマーを構えた少女、改めユートの妻の一人ドーラがひょっこりと姿を現した

「ユート様、随分と時間がかかってるっすね」

ドーラはのほほんとした様子で話しかけて来るが…今はそれ所ではないため返事は一応するモノの多少雑になってしまう

「∂◎¥×%¢£△¥♪□▽◎#Å$!♯◎@」

女の子は今まだずっと不思議な言語を使って必死に話そうとしている、これは嘔吐覚悟であの響く声を使ってもらうしかないかと思った時

「♂≠&?○∂♀££~??※℃□◎∂&§∂?」

ドーラが突然横から女の子と同じ言語を話し始め二人は普通に話し合いを初めたのだ

「え? ドーラこの言葉わかるのか!?」
「う~ん…今まで見た事も話した事もない言葉なんすけど…何故か今理解出来てるんっすよねぇ…」

どうやらドーラ自身も何故話せているのかがわからない様だが…今はそれよりも女の子の目的が何なのかを聞き出してもらうことにした
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...