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第17話 「はじまり 1」
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普段より早く目が覚めた在過は、電気ケトルで湯を沸かしドリップコーヒーに準備をする。仕事ある日は眠たいが、休日だと早く目が覚めてしまうのは、なぜだろう? そんな事を考えながら眠っている神鳴をみつめる。
自分の携帯を手に持ち、ロックを解除する。いつものように、ニュースアプリを確認する為であった。
「ん?」
ロック解除した画面には、なぜか通話アプリが起動しており、トーク一覧画面が表示されている。いろんな人とのやり取りが表示されているが。
「……ない」
就職前の、バイトの先輩とやりとりしていた履歴がなかった。友達一覧と言う項目をタップし、該当する人物を探す。下にスライドさせていくが、やはりいなかった。
しかも、在過にとって自殺まで追い込まれていた時に助けてくれた存在の一人。ノウたりんと言う友人とは違い、経済的や精神面的な部分を全面的に援助してくれた先輩だ。
「おいおい、まさか」
ベットの上で眠る神鳴の姿を見て、嫌な予感を感じた。信じたい気持ちもあったが、今までの事を考えると、神鳴が消した可能性が最も高い。そもそも、昨日連絡していたばかりだ。トーク履歴も上部位置にあった。
頭に血が上る感覚と、問い詰めないといけない……そんな衝動が在過を襲う。
ベットで眠る神鳴の体を揺さぶる。
「ちょっと、神鳴? 悪いんだけど、ちょっと起きて」
「んぅん……なぁに?」
寝惚け眼で在過を見つめる神鳴は、ゾクッと言う怖い感覚を覚える。目の前にいる在過の表情が怒っている。不機嫌な在過の姿が、神鳴には理解できない。
「なぁ? 俺が寝てるときに携帯触った?」
「……見ちゃダメなの? 何か隠し事でもしてるの!」
「いま、俺が聞いているんだけど? 俺が寝ているときに、携帯さわった?」
普段の口調でない在過に、ゆっくりと神鳴自身も違和感を感じ始める。いつもとは違う、怖い、責められている、睨んでいる。そんな不安感が神鳴を行動させる。
「あのさ、聞いてるから答えてくれないかな? なんで、携帯触り始めるの?」
聞いている質問に答えない神鳴に対し、より苛立ちを感じてしまう。また、神鳴が自分の携帯を触り始めたことで、人の話を聞かない。そんな印象を受けてしまった在過は、強い口調で言ってしまう。
「だから! どうして見ちゃダメなの! 隠し事してるなんておかしいじゃんっ!」
「俺の知らない間に、勝手に触ったってことだね?」
「みた」
「別に、見られて困ることないからいいんだけど。勝手に見るのはおかしいでしょ? 見たいなら、素直に見たいって言えばいいだろ?」
「だって、怒るもん」
「怒らないよ」
「ぜっったい嘘! まえ、携帯見せて貰った時……怒ったもん!」
「あれは、神鳴が勝手にメールしちゃうからだろ? それをしなければ怒らないよ」
「だって、神鳴に内緒で沢山の女の子と連絡してるし」
「職場の人じゃん。……まぁいいや、もう一つ聞きたいんだけど。消した?」
ベットの上でタオルケットを握りしめ、俯いている神鳴に問う。その瞳には、すでに涙がじわじわと溢れ出している。いつもの在過なら、すぐに涙を拭ってあげていたかもしれない。しかし、今回の件に関しては許せない気持ちと、また”泣けばいいと思っている”そんな感情が強かった。
「だって、だってだって。スタンプとか、絵文字とか沢山使ってたし、遊びに行く約束もしてた! 神鳴知らないっ! 何も聞いてない!」
その発言は、”消した”と言う事に対しての肯定。連絡が取れなくなってしまった、と言う絶望感と”ふざけるなよ”と言う怒り。呼吸が粗くなっていく感覚と同時に、外から聞こえる鳥の鳴き声がうるさい。
また、在過にとっては大事ことなのだが、神鳴にとってはそうじゃない。在過が見つめる神鳴は、先ほどかずっと携帯を握りしめ、ゲーム画面を起動させている。
「…………」
ポロポロと涙を落とし、在過の顔を見ては携帯を見る。その姿を無言で見る在過。
「神鳴が消した人は、俺にとって命の恩人なんだ。まだ、なにも恩を返せていない人なんだよ。俺が神奈川に越してくる前の人だから、会ってお礼も言えない。今回、東京に遊びに行くって話を聞いたから、お礼の為に、飲みに行く予定を立ててたんだ」
「……」
「どうしてくれるの? もう二度と連絡取れない」
「神鳴のせいじゃないもん。在君が女の子と連絡しているからいけないんだもん」
「おい!」
「どんな理由があっても嫌なの! 神鳴以外の女の子と喋って欲しくないっ! 一人だけしか消してないじゃん! まだ沢山女の子とやりとりしてる。もうっ本当に嫌なの! 全部消してほしいの!」
「消せるわけないだろ? 職場の人や学友だっているんだぞ? しかも、最悪なことに恩人を消しやがって。どうしてくれるんだよ!」
「神鳴には関係ないもん。在君は、神鳴だけでいいの! 最初に携帯みた時から、ずっとずっと我慢してきたんだから!」
お互いがヒートアップしてしまい、自分の気持ちを吐き出していく。
自分の携帯を手に持ち、ロックを解除する。いつものように、ニュースアプリを確認する為であった。
「ん?」
ロック解除した画面には、なぜか通話アプリが起動しており、トーク一覧画面が表示されている。いろんな人とのやり取りが表示されているが。
「……ない」
就職前の、バイトの先輩とやりとりしていた履歴がなかった。友達一覧と言う項目をタップし、該当する人物を探す。下にスライドさせていくが、やはりいなかった。
しかも、在過にとって自殺まで追い込まれていた時に助けてくれた存在の一人。ノウたりんと言う友人とは違い、経済的や精神面的な部分を全面的に援助してくれた先輩だ。
「おいおい、まさか」
ベットの上で眠る神鳴の姿を見て、嫌な予感を感じた。信じたい気持ちもあったが、今までの事を考えると、神鳴が消した可能性が最も高い。そもそも、昨日連絡していたばかりだ。トーク履歴も上部位置にあった。
頭に血が上る感覚と、問い詰めないといけない……そんな衝動が在過を襲う。
ベットで眠る神鳴の体を揺さぶる。
「ちょっと、神鳴? 悪いんだけど、ちょっと起きて」
「んぅん……なぁに?」
寝惚け眼で在過を見つめる神鳴は、ゾクッと言う怖い感覚を覚える。目の前にいる在過の表情が怒っている。不機嫌な在過の姿が、神鳴には理解できない。
「なぁ? 俺が寝てるときに携帯触った?」
「……見ちゃダメなの? 何か隠し事でもしてるの!」
「いま、俺が聞いているんだけど? 俺が寝ているときに、携帯さわった?」
普段の口調でない在過に、ゆっくりと神鳴自身も違和感を感じ始める。いつもとは違う、怖い、責められている、睨んでいる。そんな不安感が神鳴を行動させる。
「あのさ、聞いてるから答えてくれないかな? なんで、携帯触り始めるの?」
聞いている質問に答えない神鳴に対し、より苛立ちを感じてしまう。また、神鳴が自分の携帯を触り始めたことで、人の話を聞かない。そんな印象を受けてしまった在過は、強い口調で言ってしまう。
「だから! どうして見ちゃダメなの! 隠し事してるなんておかしいじゃんっ!」
「俺の知らない間に、勝手に触ったってことだね?」
「みた」
「別に、見られて困ることないからいいんだけど。勝手に見るのはおかしいでしょ? 見たいなら、素直に見たいって言えばいいだろ?」
「だって、怒るもん」
「怒らないよ」
「ぜっったい嘘! まえ、携帯見せて貰った時……怒ったもん!」
「あれは、神鳴が勝手にメールしちゃうからだろ? それをしなければ怒らないよ」
「だって、神鳴に内緒で沢山の女の子と連絡してるし」
「職場の人じゃん。……まぁいいや、もう一つ聞きたいんだけど。消した?」
ベットの上でタオルケットを握りしめ、俯いている神鳴に問う。その瞳には、すでに涙がじわじわと溢れ出している。いつもの在過なら、すぐに涙を拭ってあげていたかもしれない。しかし、今回の件に関しては許せない気持ちと、また”泣けばいいと思っている”そんな感情が強かった。
「だって、だってだって。スタンプとか、絵文字とか沢山使ってたし、遊びに行く約束もしてた! 神鳴知らないっ! 何も聞いてない!」
その発言は、”消した”と言う事に対しての肯定。連絡が取れなくなってしまった、と言う絶望感と”ふざけるなよ”と言う怒り。呼吸が粗くなっていく感覚と同時に、外から聞こえる鳥の鳴き声がうるさい。
また、在過にとっては大事ことなのだが、神鳴にとってはそうじゃない。在過が見つめる神鳴は、先ほどかずっと携帯を握りしめ、ゲーム画面を起動させている。
「…………」
ポロポロと涙を落とし、在過の顔を見ては携帯を見る。その姿を無言で見る在過。
「神鳴が消した人は、俺にとって命の恩人なんだ。まだ、なにも恩を返せていない人なんだよ。俺が神奈川に越してくる前の人だから、会ってお礼も言えない。今回、東京に遊びに行くって話を聞いたから、お礼の為に、飲みに行く予定を立ててたんだ」
「……」
「どうしてくれるの? もう二度と連絡取れない」
「神鳴のせいじゃないもん。在君が女の子と連絡しているからいけないんだもん」
「おい!」
「どんな理由があっても嫌なの! 神鳴以外の女の子と喋って欲しくないっ! 一人だけしか消してないじゃん! まだ沢山女の子とやりとりしてる。もうっ本当に嫌なの! 全部消してほしいの!」
「消せるわけないだろ? 職場の人や学友だっているんだぞ? しかも、最悪なことに恩人を消しやがって。どうしてくれるんだよ!」
「神鳴には関係ないもん。在君は、神鳴だけでいいの! 最初に携帯みた時から、ずっとずっと我慢してきたんだから!」
お互いがヒートアップしてしまい、自分の気持ちを吐き出していく。
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