プールサイド

なお

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幼馴染とクラスメイト

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放課後。

「なーおー。部活行こー」
「課題出してから行くって部長に言っといてもらえたら…」
「あっ、そか。小テスト20点なんだっけ」

はい…。

「じゃ、先行くね。部長に伝えとくよ」
「ありがと!」

藍瑠のたくましい背中に感謝の念を送ってたら、階段掃除を終えた野原君が戻ってきた。

「待たせちゃった?やろっか?」
「よろしくおねがいします…」

シャツ腕まくり、かわいいな。あ、メガネを中指で上げた。
見てたらやっぱり、野原君いいなあって思うのに、それ以上は心が動かない。
せっかくのいい時間なのに、違うこと考えてしまう。

「できたっ」
「やったね~」

すぐに課題は完成し、数学の先生に出せば終わり。

「ほんとありがとう、野原君」
「いーよ。…あ、波多野にちょっと聞きたいことがあるんだ」
「聞きたいこと?」
「うん……」

野原君は、鼻の下をこするようにしてうつむいた。クールな表情がちょっと崩れて、いつもとちがう野原君…
職員室までの廊下で、私たちの他には誰もいない。

ど、ドキドキする!


「あの……八木さんて、彼氏いるのかな……?」

ん?
藍瑠…?

「彼氏、いるよ?水泳部に」
「あ、そうなんだ。へー……」

野原君、顔真っ赤。

あ。あ…!
そうなんだ!?

「野原君て、藍瑠……」
「んっ?いや、まあ、ね…。でも、そうか。彼氏いるならね…」
「この前つきあいはじめたばっかりだよ」
「え、じゃ、なおさら出る幕ないよね…」

野原君、苦笑いしてる。

藍瑠かあ……!
だから野原君、よく私に話しかけてきたの?

考えてみれば、気になる野原君に私も失恋したようなものなのに、その時の私は、野原君の人間ぽさが垣間見えたのが嬉しくて、たくさん質問をした。

「ねっ、いつから藍瑠のこと好きだったの?」
「えっ、と。好きっていうかね…気になるっていうかね」
「気になる?好きまではいかないの?」
「うん……てゆか、やめよっか。恥ずかしくなってきた」

テレてる野原君もかわいいな。
ギャップ萌えにはたまらない構図だわ。

「いいじゃん、私、誰にも言わないよ?野原君と恋バナするの楽しいよ」

そしたら、野原君はちょっと安心したような顔で

「よかった。女々しいやつと思われないならいいや…」と、笑っていた。

女々しくないよ、かわいいよ。
藍瑠の勘もあてにならないな。

職員室の前に着いたら、野原君が我に返ったみたいに職員室のプレートを見上げた。

「あ。じゃあ、また…。波多野、これから部活だよね?」
「うん!あっ、私、誰にも言わないからね!」

したら、野原君がまた照れくさそうに笑う。

「うん、言わないで。秘密ね」
「うん!ありがとう、ばいばい!」

意気揚揚と課題を提出して、ノルマは果たした。
プール急がなきゃ。

人の弱み(?)を握ったら、その人に好意を抱く心理ってあるのかなー。
野原君のこと前からいいなぁとは思ってたけど、藍瑠への思いを聞いたら、力になってあげたくなった。

でも、よけいなことになってもなあ……
できることなんて、話を聞くぐらいしかないんだけど……


2枚目の水着を出して、古い更衣室で着替えて、準備完了。
プールサイドに上がろうとしたら、人影が急に現れた。

「……っっ」

ぶつかると思ってぎゅっと目を閉じて身構える。

……と、耳をつんざく罵声が。

「おっせぇよ!!!サボんじゃねぇ!!」
「なっ……」

一瞬、こっちが怯むほど怖い顔したコウキが立ってた。
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