プールサイド

なお

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幼馴染とクラスメイト

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風を遮るように、コウキは線路に背を向けて立ってる。
背中丸めて下向いて、背伸びしたり、落ち着きなくしてる。

私は背中を壁に当てて立ってた。
コウキがバランス崩したら大接近しそうな、危うい距離……
まっすぐな睫毛がよく見える。

「明日は塾だから、朝練だけ出る」

うん、と頷いたのにコウキは下向いたまま、スニーカーのつま先の具合を見てる。

「なんだよ。オレの予定なんか興味ない??」
「頷いたんだけど」
「…………」

そしたら、コウキはつま先遊びをやめて頭を上げた。
身長170後半のコウキ。私は、160cm届かない程度。
コウキの唇が目の前にきて、今度は私がうつむく番に。
つい意識してしまって、どうにも……

コウキは、私と野原君とのことで怒ったんだよね?それって、どういう意味?
私はどうしたらいいの……??

電車が来た。

コウキの気持ちがわからないまま、帰るのはやだ。
また、今日も寝られなくなる。

「……待って、帰らないで」

電車に乗り込もうとしてるコウキの後ろから、ブレザーの裾を引っ張った。
肝心なことは何にも聞けなくて、次来た電車に乗った。

「混んでんな~」

時間帯によっては、混雑することもある某各停電車。座れないから、並んでつり革を持った。
聞きたいことが、うまく言葉にならない。
言いたいことも、同じく……

「苦手なのは数学だけ?」
「あ、物理も…」
「オレ得意~」
「また自慢?」
「バーカ。だから、教えてやるって言ってるんだろ。土曜の練習終わったらやるからな」
「え~~練習後の勉強なんて頭入んないよ」
「やる前からできないって言うな」

どうしても勉強させる気のようだ。いらっとするけど、まんざらイヤでもない……

駅に着いた。
まだ、聞きたいことが聞けてない。

「…ね、コウキ」
「ん?」

改札を出ながら、前にいるコウキを呼び止める。
心臓が、ばく、ばく、ばく…

「好きな人って、だれ?」

コウキが振り返った。

「おまえ、って言ったらどうする?」


コウキの目には動揺もなく、答えを待っている。

どうしよう……
まだ、自覚したばかりの気持ちなのに。

でも、伝えたい。

「…………うれしい、と思う」


予想外の答えだったのか、驚くコウキ。

「嬉しいの?」
「う。うん」
「………なお、オレのこと好きなの?」

はじめて、コウキの瞳が揺らぐ。

肯定したら、絶対うっとおしいことになるって、見えてるけど……

ウザいの含めて、たぶん、コウキが好き。


「たぶん、好き……」
「たぶんてなんだよ」

好きって言葉にしたら、隠れてる思いが全部溢れそうになる。

「コウキは?」
「はーっ、ちょっと待って。震える」

ほんとに震えてる手を見せてきて、つなぐ。

「もーちょっと、一緒に…」

大勢のひとが行き交う駅の本階段から離れて、人通りのない駐車場通路まで歩いた。
手ーつないでる…。コウキと。

「なお」

コウキに呼ばれて、見上げたら、そっと優しく抱きしめられた。

コンクリ壁の駅の通路口。
コウキの顔が近づいてきて、唇が触れ合っても、キスの仕方がわかんなくて目を開けたまま息を止めてた。
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