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第5話 ようこそ、火の道へ
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雨上がりの森は、まるで天地が一度洗い流されたように澄み切っていた。
葉の上の露が月光を吸い込み、青白い光を返している。風が木々を抜け、濡れた苔の匂いが肺の奥まで沁みていった。
燐生は、焔璃たち炎狐族の背を追いながら、ぬかるんだ山道を歩いていた。靴底に絡みつく泥が重く、歩を進めるたびに音がぬるりと響く。
「なあ、焔璃。本当にこの棄人を連れてくのか?」
赤毛の少年・煉火れんかが、不満げに声を上げた。その隣で黒耳の少年・焔牙えんがが、鼻で笑う。
「気まぐれだろ。火を分けただけで、仲間気取りとはな」
焔璃は振り返らなかった。ただ、尾がふわりと揺れ、霧の中で淡い炎のように光を放つ。
「二人とも、私の言葉に背くつもり?」
その声はやわらかだったが、抗えぬ響きを宿していた。
二人の炎狐は目を見合わせ、静かに頭を垂れる。
「……了解だ、姫さま」
煉火がため息をつき、焔牙が肩をすくめた。
☆★☆
夜明けの光が、霧を割って森に差し込み始める。
木々の隙間からこぼれる光が濡れた草をきらきらと照らし、苔むした石畳が途切れ途切れに現れては消えた。
歩くたび、燐生の足跡が新しい道を刻んでいくようだった。これで炎狐族に入る。どんな運命を待っているのか。不安もありながら、炎の術を学べば、新しい道を開かれると信じていた。強くなる、心のなかで、誓った。
焔璃は先頭に立ち、背を橙の光が包む。その姿は、まるで暗闇の中で新たな夜明けを描く炎のように見える。この人は、俺の運命を変える人でしょうか。燐生は思った。
「どこへ行くの?」
燐生が尋ねると、焔璃は少しだけ振り向き、唇に笑みを浮かべた。
「東の山脈――“焔脈えんみゃく”。そこが私たち炎狐族の里よ。
そこには我が一族の聖火があるの。でも今、その火が……消えかけているの」
「火が……消える?」
「ええ。火が絶えるというのは、炎狐族の命が薄れるということ。だから、私たちは“火を継ぐ者”を探しているの」
焔璃の声は静かで、けれど胸を焦がすように熱かった。その橙の瞳が一瞬、燐生を射抜く。
「もしかしたら――あなたが、その“鍵”かもしれない」
燐生は息を呑む。自分が?この火の民の運命に関わる存在だと?
焔璃はくすりと笑い、肩をすくめた。
「冗談よ。棄人は火を継げない。」
いつも太陽のように明るい焔璃に手伝いことができれば、何でもやると思う瞬間だった。
☆★☆
霧が晴れ、森が終わる。四人は丘を越え、谷間の草原へ出た。
雨の名残が陽に溶け、世界そのものが光を吸い込んでいる。遠くの空に、二重の虹がかかっていた。
「おおっ、虹だ!」
煉火が少年のように叫ぶ。焔牙も、わずかに口角を上げた。
「……悪くねぇ朝だ」
焔璃は立ち止まり、振り返って問う。
「ねえ、燐生。人の世界では、虹を見たとき、何を願うの?」
「願う?」
燐生は少し迷い、空を見上げた。
「昔はね、“もう一度逢いたい人がいるとき、虹を渡る”って言われてた」
焔璃の瞳が、やわらかに揺れた。
「いいね、それ。……じゃあ、私たちも渡ってみようか」
「どこへ?」
「火の里へ。虹の向こうにある場所へ」
焔璃が歩き出す。尾が陽を浴び、炎のように輝く。
煉火と焔牙が笑いながら続き、燐生もその背を追う。草を踏む感触、光の眩しさ、土の匂い――すべてが現実離れしていて、それでも確かに“始まり”の音がしていた。
風が吹き抜け、虹の根元へ近づくにつれ、空気が熱を帯びていく。大地が低く唸り、土の奥で何かが脈打つようだった。
焔璃が足を止め、静かに呟く。
「この先は“境さかい”――炎狐と外とを分かつ結界。ここを越えたら、故郷だよ。」
燐生は深く息を吸い、胸の奥に熱を感じた。何が待つのかはわからない。けれど、足は――自然と前へ出た。
「戻る場所なんて、とっくにないさ」
焔璃が微かに微笑み、尾を一度だけ揺らした。
「なら――ようこそ、火の道へ」
燐生が一歩を踏み出した瞬間、世界が震えた。風が爆ぜ、虹が光を散らし、目の前の風景が一変した。
☆★☆
山並みが幾重にも重なり、地の底から紅の息が吹き上がっていた。
焔脈――それは炎狐族が古より棲む火の山域。昼でも山肌は赤く染まり、風が吹けば岩の裂け目から橙の光がちらりと覗く。まるで大地そのものが呼吸をしているようだった。
燐生たちが踏み入ったのは、焔脈の中心ーー《焚天の谷》であった。
山腹から滲み出る霊炎が霧のように漂い、夜になると無数の炎狐がその光を浴びながら舞っていた。
彼らの尾は一本一本が火の揺らめきで、風に乗って小さく明滅する。
「……綺麗だな」
思わず漏らした燐生の言葉に、隣を歩く焔璃が小さく微笑んだ。
「ここが、私たち炎狐族の生まれた場所。火の霊気が濃いほど、魂も燃える。あなたも感じる?」
燐生は深く息を吸い、胸の奥が熱を帯びるのを感じた。
心が微かに震えた気がした。ここは新しい”家”だろうか。
「よそ者が焔脈に入るなんて、姫さんの顔がなきゃ無理だぜ」
後ろを歩く焔牙が鼻で笑う。
「迷子にならないように、ちゃんとついて行くさ」
燐生は苦笑で返した。
山の斜面には無数の洞窟が並び、そこから橙の光が洩れている。
洞窟の前では狐たちが忙しそうに立ち働き、子どもたちの尾がふわふわと揺れていた。
空中には焔の鳥が舞い、谷間を流れる川の水面には赤い光が宿る。
それは水でありながら、“炎の気”を含んだ命の流れのようでもあった。
「……懐かしい」
焔璃が、かすかに笑った。
その瞳には、他の誰も知らぬ郷愁が浮かんでいる。
煉火と焔牙も尾を揺らし、故郷の気を胸いっぱいに吸い込んだ。
「焔璃様、お帰りなさいませ!」
高台の上から、炎狐たちが一斉に頭を垂れた。
その光景は荘厳だった。まるで燃える神を迎えるように、炎が揺れ、風が旋回する。
焔璃は軽く頷き、仲間たちを率いて中央の広場へと進んだ。
そこにはひときわ巨大な石が鎮座していた。
人の背丈の三倍はある紅黒の岩で、表面に刻まれた紋様が脈打つように光を放っている。
「これは?」
「“火霊石かれいせき”。炎の素質を測る石よ」
焔璃は穏やかに答えた。
「火に愛された者ほど、多くの星が灯る。あなたも試してみるといい」
燐生は掌を石に当てる。ひやりとした感触が走り、すぐに熱が掌を貫いた。奇妙な石だ。
脈動する赤光が広場を照らし、炎狐たちが息をのむ。
──ひとつ、またひとつ。
石の表面に淡い光が浮かび、三つの星が揺らめいた。三つの輝く星をみて、燐生はすごいと思って、喜んだ。
「三つ、か……」「火を継ぐ者は八星以上のはずだ」
小さなさざ波のように囁きが広がり、焔璃はほんの少しだけ目を伏せた。
彼女の尾が、静かに揺れる。唇が微かに動いた。
「……私は、見間違えたのか。火を継ぐ者ではなかった……」
焔璃は背を向け、冷たく言った。
「煉火、彼を錬器屋に連れて行って。灰器の修理を手伝わせなさい」
それはまるで、“用が済んだ”という口ぶりだった。
燐生はやっと、光る星が少ないことを理解した。失望でもないが、落ち込んでいた。
煉火は、肩を叩いた。
「こっちだ。まあ、飯は出るから安心しろ」
二人が谷を下り、焔璃はふと空を仰いだ。
裂けた雲のあいだから銀の月が顔を出し、霊炎の海に光を注ぐ。
赤と白が交わり、山々は静か。その光の中で、焔璃の表情は読めなかった。
☆★♪
やがて、煉火と燐生は谷の片隅に建つ古びた小屋へ着いた。
屋根は煤で黒く、入口には干からびた草の束が吊るされている。
中では、年老いた炎狐が赤く光る炉の前に座っていた。
「おお、人族か。珍しいのぅ」
白髪の老人――炎翁は、目を細めて燐生を見た。
「灰器の修理を手伝ってやれ。火の扱いくらい学べるだろう」
そう言って、錆びた鉄槌を渡された
それからの日々、燐生はただの雑用された。火を焚き、煤を掃き、鉄屑を運ぶ。誰も彼を異質な者とは見なさず、使い物にならない人間として扱った。
雑用されても、かまわない。今の自分は外の世界で生きていくのも精一杯である。住むところがあって、新しいことを学べば、それでいい。燐生は黙々と手を動かした。
時折、炉の中で金属が光を帯びるとき、胸の奥がかすかに疼く。いつか灰の村の仇を打つのだ。だが、その前に生きること。そして、強くなること。炎の音が、何かを囁いているように思える。小さな焔はやがて、野原を燃やしあがる。
そして、燐生は炎狐族で、知らずの日々を流した。
☆★♪
夜、谷の上では焔璃がひとり立っていた。
霊炎の光が尾を照らし、目を細める。
「……やはり違ったのか。私の“見た火”は幻だったのか」
葉の上の露が月光を吸い込み、青白い光を返している。風が木々を抜け、濡れた苔の匂いが肺の奥まで沁みていった。
燐生は、焔璃たち炎狐族の背を追いながら、ぬかるんだ山道を歩いていた。靴底に絡みつく泥が重く、歩を進めるたびに音がぬるりと響く。
「なあ、焔璃。本当にこの棄人を連れてくのか?」
赤毛の少年・煉火れんかが、不満げに声を上げた。その隣で黒耳の少年・焔牙えんがが、鼻で笑う。
「気まぐれだろ。火を分けただけで、仲間気取りとはな」
焔璃は振り返らなかった。ただ、尾がふわりと揺れ、霧の中で淡い炎のように光を放つ。
「二人とも、私の言葉に背くつもり?」
その声はやわらかだったが、抗えぬ響きを宿していた。
二人の炎狐は目を見合わせ、静かに頭を垂れる。
「……了解だ、姫さま」
煉火がため息をつき、焔牙が肩をすくめた。
☆★☆
夜明けの光が、霧を割って森に差し込み始める。
木々の隙間からこぼれる光が濡れた草をきらきらと照らし、苔むした石畳が途切れ途切れに現れては消えた。
歩くたび、燐生の足跡が新しい道を刻んでいくようだった。これで炎狐族に入る。どんな運命を待っているのか。不安もありながら、炎の術を学べば、新しい道を開かれると信じていた。強くなる、心のなかで、誓った。
焔璃は先頭に立ち、背を橙の光が包む。その姿は、まるで暗闇の中で新たな夜明けを描く炎のように見える。この人は、俺の運命を変える人でしょうか。燐生は思った。
「どこへ行くの?」
燐生が尋ねると、焔璃は少しだけ振り向き、唇に笑みを浮かべた。
「東の山脈――“焔脈えんみゃく”。そこが私たち炎狐族の里よ。
そこには我が一族の聖火があるの。でも今、その火が……消えかけているの」
「火が……消える?」
「ええ。火が絶えるというのは、炎狐族の命が薄れるということ。だから、私たちは“火を継ぐ者”を探しているの」
焔璃の声は静かで、けれど胸を焦がすように熱かった。その橙の瞳が一瞬、燐生を射抜く。
「もしかしたら――あなたが、その“鍵”かもしれない」
燐生は息を呑む。自分が?この火の民の運命に関わる存在だと?
焔璃はくすりと笑い、肩をすくめた。
「冗談よ。棄人は火を継げない。」
いつも太陽のように明るい焔璃に手伝いことができれば、何でもやると思う瞬間だった。
☆★☆
霧が晴れ、森が終わる。四人は丘を越え、谷間の草原へ出た。
雨の名残が陽に溶け、世界そのものが光を吸い込んでいる。遠くの空に、二重の虹がかかっていた。
「おおっ、虹だ!」
煉火が少年のように叫ぶ。焔牙も、わずかに口角を上げた。
「……悪くねぇ朝だ」
焔璃は立ち止まり、振り返って問う。
「ねえ、燐生。人の世界では、虹を見たとき、何を願うの?」
「願う?」
燐生は少し迷い、空を見上げた。
「昔はね、“もう一度逢いたい人がいるとき、虹を渡る”って言われてた」
焔璃の瞳が、やわらかに揺れた。
「いいね、それ。……じゃあ、私たちも渡ってみようか」
「どこへ?」
「火の里へ。虹の向こうにある場所へ」
焔璃が歩き出す。尾が陽を浴び、炎のように輝く。
煉火と焔牙が笑いながら続き、燐生もその背を追う。草を踏む感触、光の眩しさ、土の匂い――すべてが現実離れしていて、それでも確かに“始まり”の音がしていた。
風が吹き抜け、虹の根元へ近づくにつれ、空気が熱を帯びていく。大地が低く唸り、土の奥で何かが脈打つようだった。
焔璃が足を止め、静かに呟く。
「この先は“境さかい”――炎狐と外とを分かつ結界。ここを越えたら、故郷だよ。」
燐生は深く息を吸い、胸の奥に熱を感じた。何が待つのかはわからない。けれど、足は――自然と前へ出た。
「戻る場所なんて、とっくにないさ」
焔璃が微かに微笑み、尾を一度だけ揺らした。
「なら――ようこそ、火の道へ」
燐生が一歩を踏み出した瞬間、世界が震えた。風が爆ぜ、虹が光を散らし、目の前の風景が一変した。
☆★☆
山並みが幾重にも重なり、地の底から紅の息が吹き上がっていた。
焔脈――それは炎狐族が古より棲む火の山域。昼でも山肌は赤く染まり、風が吹けば岩の裂け目から橙の光がちらりと覗く。まるで大地そのものが呼吸をしているようだった。
燐生たちが踏み入ったのは、焔脈の中心ーー《焚天の谷》であった。
山腹から滲み出る霊炎が霧のように漂い、夜になると無数の炎狐がその光を浴びながら舞っていた。
彼らの尾は一本一本が火の揺らめきで、風に乗って小さく明滅する。
「……綺麗だな」
思わず漏らした燐生の言葉に、隣を歩く焔璃が小さく微笑んだ。
「ここが、私たち炎狐族の生まれた場所。火の霊気が濃いほど、魂も燃える。あなたも感じる?」
燐生は深く息を吸い、胸の奥が熱を帯びるのを感じた。
心が微かに震えた気がした。ここは新しい”家”だろうか。
「よそ者が焔脈に入るなんて、姫さんの顔がなきゃ無理だぜ」
後ろを歩く焔牙が鼻で笑う。
「迷子にならないように、ちゃんとついて行くさ」
燐生は苦笑で返した。
山の斜面には無数の洞窟が並び、そこから橙の光が洩れている。
洞窟の前では狐たちが忙しそうに立ち働き、子どもたちの尾がふわふわと揺れていた。
空中には焔の鳥が舞い、谷間を流れる川の水面には赤い光が宿る。
それは水でありながら、“炎の気”を含んだ命の流れのようでもあった。
「……懐かしい」
焔璃が、かすかに笑った。
その瞳には、他の誰も知らぬ郷愁が浮かんでいる。
煉火と焔牙も尾を揺らし、故郷の気を胸いっぱいに吸い込んだ。
「焔璃様、お帰りなさいませ!」
高台の上から、炎狐たちが一斉に頭を垂れた。
その光景は荘厳だった。まるで燃える神を迎えるように、炎が揺れ、風が旋回する。
焔璃は軽く頷き、仲間たちを率いて中央の広場へと進んだ。
そこにはひときわ巨大な石が鎮座していた。
人の背丈の三倍はある紅黒の岩で、表面に刻まれた紋様が脈打つように光を放っている。
「これは?」
「“火霊石かれいせき”。炎の素質を測る石よ」
焔璃は穏やかに答えた。
「火に愛された者ほど、多くの星が灯る。あなたも試してみるといい」
燐生は掌を石に当てる。ひやりとした感触が走り、すぐに熱が掌を貫いた。奇妙な石だ。
脈動する赤光が広場を照らし、炎狐たちが息をのむ。
──ひとつ、またひとつ。
石の表面に淡い光が浮かび、三つの星が揺らめいた。三つの輝く星をみて、燐生はすごいと思って、喜んだ。
「三つ、か……」「火を継ぐ者は八星以上のはずだ」
小さなさざ波のように囁きが広がり、焔璃はほんの少しだけ目を伏せた。
彼女の尾が、静かに揺れる。唇が微かに動いた。
「……私は、見間違えたのか。火を継ぐ者ではなかった……」
焔璃は背を向け、冷たく言った。
「煉火、彼を錬器屋に連れて行って。灰器の修理を手伝わせなさい」
それはまるで、“用が済んだ”という口ぶりだった。
燐生はやっと、光る星が少ないことを理解した。失望でもないが、落ち込んでいた。
煉火は、肩を叩いた。
「こっちだ。まあ、飯は出るから安心しろ」
二人が谷を下り、焔璃はふと空を仰いだ。
裂けた雲のあいだから銀の月が顔を出し、霊炎の海に光を注ぐ。
赤と白が交わり、山々は静か。その光の中で、焔璃の表情は読めなかった。
☆★♪
やがて、煉火と燐生は谷の片隅に建つ古びた小屋へ着いた。
屋根は煤で黒く、入口には干からびた草の束が吊るされている。
中では、年老いた炎狐が赤く光る炉の前に座っていた。
「おお、人族か。珍しいのぅ」
白髪の老人――炎翁は、目を細めて燐生を見た。
「灰器の修理を手伝ってやれ。火の扱いくらい学べるだろう」
そう言って、錆びた鉄槌を渡された
それからの日々、燐生はただの雑用された。火を焚き、煤を掃き、鉄屑を運ぶ。誰も彼を異質な者とは見なさず、使い物にならない人間として扱った。
雑用されても、かまわない。今の自分は外の世界で生きていくのも精一杯である。住むところがあって、新しいことを学べば、それでいい。燐生は黙々と手を動かした。
時折、炉の中で金属が光を帯びるとき、胸の奥がかすかに疼く。いつか灰の村の仇を打つのだ。だが、その前に生きること。そして、強くなること。炎の音が、何かを囁いているように思える。小さな焔はやがて、野原を燃やしあがる。
そして、燐生は炎狐族で、知らずの日々を流した。
☆★♪
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霊炎の光が尾を照らし、目を細める。
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