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第27話 蟹と猿
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【子蟹の啜り泣き】
引き伸ばされた人影が闇に溶け、太陽は西の稜線の向こうへと沈んだ。 空は朱から群青へと移ろい、森はゆっくりと別の顔を見せ始める。
正雪と清代姫は、風を避けられる岩陰を選び、そこで一夜を明かすことに決めた。 夜は人の時間ではない。野獣と妖の世界である。
クルルは身体を丸め、すでに深い眠りに落ちていた。 羽毛の隙間から、規則正しい寝息がかすかに漏れている。
河童の壺が小さく揺れ、蓋の隙間から淡い光がにじみ出した。貝の妖――梨花が、ゆっくりと姿を現す。
「……夜になりましたね」
長時間、外に留まることはできない身だが、以前よりも随分と滞在できるようになっていた。月光を受けたその殻は、真珠のように静かな輝きを放っていた。
続いて、壺から仙蛙の翠夏も跳ね出た。
「見張りは任せて」
二人は夜の番人だ。修仙者にとって、眠りは必ずしも必須ではない。精神を研ぎ澄まし、座禅を組み、術や功法を巡らせる。その瞑想もまた、修行であると同時に、周囲への警戒を兼ねた守りとなるのだ。
夜は深まり、月は高く昇り、森は深い静寂に包まれていた。
――その時である。
闇の奥から、かすかな音が届いた。 すすり泣くような、幼い声。
正雪は静かに目を開いた。気配を殺し、音のする方へと歩みを向ける。
そこには、すでに清代姫がいた。月明かりの下、彼女は腰を落とし、地をはう小さな影と向き合っている。
それは、赤い甲殻を持つ、蟹の子であった。
「……大丈夫。ゆっくりでいいわ」
清代姫の声は、夜霧に溶けるほどに柔らかい。 蟹の子はあふれる涙を拭いもせず、ぽつりぽつりと、途切れがちに語り始めた。
「……悪い、猿が……いたんだ」
震える声が、悲劇を紡ぐ。
「父さんと、無理やり宝物を交換したんだ。でも、渡された種が珍種だって分かると……猿はそれを奪い返した。それだけじゃなくて……」
小さな鋏が、ぎゅっと握りしめられる。
「……父さんを大けがさせて……そのせいで、父さんは死んじゃったんだ……」
正雪はその言葉を聞き、眉をひそめた。 理不尽な要求、強奪、そして暴力。 力ある者が弱き者を踏みにじる――この変質した世界において、それは決して珍しいことではない。
だが。
「その猿は、どこへ行った」
正雪が静かに問いかける。 蟹の子は、月影の濃い森の奥を、頼りなげな鋏で指し示した。
「……あっち」
清代姫が、静かに立ち上がる。 その長い裙の奥で、蛇の尾が月光を浴びて僅かに蠢いた。
「……行きましょう」
それは、掲げるべき正義のためでも、燃え上がる復讐心のためでもない。 ただ、目の前の小さな悲しみを、見過ごせなかっただけだ。
夜は、すべてを隠す。だが同時に――本性もまた、浮かび上がらせる。
【猿の小屋】
森の深部へ進むにつれ、木漏れ日は次第に細く、鋭くなっていった。 重なり合う枝葉が陽光を分断し、引き伸ばされた光の糸が、足元に淡く明滅を繰り返している。
清代姫はもはや、己の下半身を隠そうとはしなかった。 白磁のように滑らかな上半身に対し、腰から下は淡い鱗を帯びた、しなやかな蛇の姿。歩みを進めるたびに、長い尾が左右へ、ゆらり、ゆらりと優雅な軌跡を描く。
その動きは不安定に見えて、どこか厳かな韻律を宿していた。 風に揺れる水面のように、今にも崩れそうでいて、決して均衡を失わない。 正雪は無意識のうちに、その背を静かに見つめていた。
――異様だ。 だが、目を奪われるほどに、美しい。
人と妖。その境界が溶け合い、一つに調和した存在。 そこには恐れや違和感よりも先に、抗いがたい神秘の輝きがあった。
「……まだ、見ている?」
清代姫が振り返らずに言った。 その声音には、ほんのわずかな――悪戯めいた笑みが含まれていた。
正雪は一瞬言葉に詰まり、視線を逸らしかけて、やがて腹をくくったように正直に答えた。
「ああ……。美しいな。もはや、隠す必要などないな」
清代姫は軽く尾を揺らし、歩調を整える。
「ええ。正雪の前ではね。尾を裙で隠して、ゆっくり歩けば人と変わらない。でも、急げばすぐに露呈する」
彼女はわずかに速度を上げ、しなやかな身のこなしを見せてから、再び元の速度に戻した。
「隠したまま急ぐと、裙が尾に絡まる。特に戦いのときは……致命的です」
蛇尾は力であり、同時に制約でもある。 今の彼女は、その両方を受け入れ、ありのままの姿で正雪の隣を歩んでいた。
蟹の子の案内を受け、二人は周到に準備を整えたのち、さらに森の最深部へと足を踏み入れた。 やがて、唐突に視界が開ける。
そこに現れたのは――天を突くようにそびえ立つ、一本の巨木だった。
苔と蔓に覆われた太い幹から幾重にも枝が広がり、その頭上にもう一つの森を抱いているかのようだ。
「……あの上」
蟹の子が、小さな鋏で指し示す。
「悪い猿は、あそこに住んでるんだ」
だが、今は、静謐な昼下がり。 枝の間に動く気配はなく、鳥の声すら遠く隔たっている。
「留守か」
正雪は周囲の気配を読み取りながら、低く言った。
「好都合だな」
清代姫は静かにうなずいた。
二人は音を殺して巨木を登る。 清代姫の尾は自在に幹を捉え、強固な支えとなった。人の五体では及ばぬ高さも、今の彼女にとっては呼吸をするのと変わらぬ自然な動作だった。
枝の奥、重なる葉に隠れるようにして、一軒の小さな小屋が佇んでいた。 粗末な板で組まれた、獣の巣のような場所。だが――。
「結界だ」
正雪が足を止める。小屋の周囲には、蜘蛛の巣のような光の網が張り巡らされていた。触れれば、即座に反発が返ってくる。
「力任せでは……無理そうですね」
清代姫が眉をひそめた、その時だった。
「……あの」
背後から、恐る恐る声がかかった。振り返ると、いつの間にか蟹の子たちが枝の上に姿を現していた。
「その結界……知ってる」
少し年かさの蟹が言う。
「昔からの近隣だから。これには、弱点があるんだ」
子蟹たちは結界へと近づき、小さな鋏を構えた。
カシャ、カシャ、カシャ――
軽い音とともに、光の網がほつれ、やがて人ひとりが通れるほどの穴が開く。
「今だ」
正雪と清代姫は、蟹たちとともに素早く中へ滑り込んだ。
小屋の中は、拍子抜けするほど簡素だった。粗末な寝台、使い古された木箱、壊れかけの棚。大きな桶に、雑に散らばった果物――猿らしい住処だ。
――だが。
「きゃっ……!」
清代姫が小さく悲鳴を上げ、正雪が即座に振り向く。
小屋の一角。縄で縛り上げられ、意識を失った二つの影が転がっていた。
「……朔夜?」
「朔月……!」
正雪の声が、低く沈む。
そこにいたのは――霧獣法流の同門、早波川朔夜と朔月の兄妹だった。全身に生々しい傷を負ってはいるが、辛うじて呼吸はある。まだ、生きている。
清代姫の尾が、憤りを示すように静かに床を打った。
「……正雪の仲間で、本当に良かった」
だが同時に、正雪の胸には冷徹な確信が生まれていた。 ――悪猿は、必ず戻ってくる。 何一つ知らぬまま、獲物の待つこの巣へ。
真昼の静寂は、血の雨を予感させる嵐の前触れに過ぎなかった。
引き伸ばされた人影が闇に溶け、太陽は西の稜線の向こうへと沈んだ。 空は朱から群青へと移ろい、森はゆっくりと別の顔を見せ始める。
正雪と清代姫は、風を避けられる岩陰を選び、そこで一夜を明かすことに決めた。 夜は人の時間ではない。野獣と妖の世界である。
クルルは身体を丸め、すでに深い眠りに落ちていた。 羽毛の隙間から、規則正しい寝息がかすかに漏れている。
河童の壺が小さく揺れ、蓋の隙間から淡い光がにじみ出した。貝の妖――梨花が、ゆっくりと姿を現す。
「……夜になりましたね」
長時間、外に留まることはできない身だが、以前よりも随分と滞在できるようになっていた。月光を受けたその殻は、真珠のように静かな輝きを放っていた。
続いて、壺から仙蛙の翠夏も跳ね出た。
「見張りは任せて」
二人は夜の番人だ。修仙者にとって、眠りは必ずしも必須ではない。精神を研ぎ澄まし、座禅を組み、術や功法を巡らせる。その瞑想もまた、修行であると同時に、周囲への警戒を兼ねた守りとなるのだ。
夜は深まり、月は高く昇り、森は深い静寂に包まれていた。
――その時である。
闇の奥から、かすかな音が届いた。 すすり泣くような、幼い声。
正雪は静かに目を開いた。気配を殺し、音のする方へと歩みを向ける。
そこには、すでに清代姫がいた。月明かりの下、彼女は腰を落とし、地をはう小さな影と向き合っている。
それは、赤い甲殻を持つ、蟹の子であった。
「……大丈夫。ゆっくりでいいわ」
清代姫の声は、夜霧に溶けるほどに柔らかい。 蟹の子はあふれる涙を拭いもせず、ぽつりぽつりと、途切れがちに語り始めた。
「……悪い、猿が……いたんだ」
震える声が、悲劇を紡ぐ。
「父さんと、無理やり宝物を交換したんだ。でも、渡された種が珍種だって分かると……猿はそれを奪い返した。それだけじゃなくて……」
小さな鋏が、ぎゅっと握りしめられる。
「……父さんを大けがさせて……そのせいで、父さんは死んじゃったんだ……」
正雪はその言葉を聞き、眉をひそめた。 理不尽な要求、強奪、そして暴力。 力ある者が弱き者を踏みにじる――この変質した世界において、それは決して珍しいことではない。
だが。
「その猿は、どこへ行った」
正雪が静かに問いかける。 蟹の子は、月影の濃い森の奥を、頼りなげな鋏で指し示した。
「……あっち」
清代姫が、静かに立ち上がる。 その長い裙の奥で、蛇の尾が月光を浴びて僅かに蠢いた。
「……行きましょう」
それは、掲げるべき正義のためでも、燃え上がる復讐心のためでもない。 ただ、目の前の小さな悲しみを、見過ごせなかっただけだ。
夜は、すべてを隠す。だが同時に――本性もまた、浮かび上がらせる。
【猿の小屋】
森の深部へ進むにつれ、木漏れ日は次第に細く、鋭くなっていった。 重なり合う枝葉が陽光を分断し、引き伸ばされた光の糸が、足元に淡く明滅を繰り返している。
清代姫はもはや、己の下半身を隠そうとはしなかった。 白磁のように滑らかな上半身に対し、腰から下は淡い鱗を帯びた、しなやかな蛇の姿。歩みを進めるたびに、長い尾が左右へ、ゆらり、ゆらりと優雅な軌跡を描く。
その動きは不安定に見えて、どこか厳かな韻律を宿していた。 風に揺れる水面のように、今にも崩れそうでいて、決して均衡を失わない。 正雪は無意識のうちに、その背を静かに見つめていた。
――異様だ。 だが、目を奪われるほどに、美しい。
人と妖。その境界が溶け合い、一つに調和した存在。 そこには恐れや違和感よりも先に、抗いがたい神秘の輝きがあった。
「……まだ、見ている?」
清代姫が振り返らずに言った。 その声音には、ほんのわずかな――悪戯めいた笑みが含まれていた。
正雪は一瞬言葉に詰まり、視線を逸らしかけて、やがて腹をくくったように正直に答えた。
「ああ……。美しいな。もはや、隠す必要などないな」
清代姫は軽く尾を揺らし、歩調を整える。
「ええ。正雪の前ではね。尾を裙で隠して、ゆっくり歩けば人と変わらない。でも、急げばすぐに露呈する」
彼女はわずかに速度を上げ、しなやかな身のこなしを見せてから、再び元の速度に戻した。
「隠したまま急ぐと、裙が尾に絡まる。特に戦いのときは……致命的です」
蛇尾は力であり、同時に制約でもある。 今の彼女は、その両方を受け入れ、ありのままの姿で正雪の隣を歩んでいた。
蟹の子の案内を受け、二人は周到に準備を整えたのち、さらに森の最深部へと足を踏み入れた。 やがて、唐突に視界が開ける。
そこに現れたのは――天を突くようにそびえ立つ、一本の巨木だった。
苔と蔓に覆われた太い幹から幾重にも枝が広がり、その頭上にもう一つの森を抱いているかのようだ。
「……あの上」
蟹の子が、小さな鋏で指し示す。
「悪い猿は、あそこに住んでるんだ」
だが、今は、静謐な昼下がり。 枝の間に動く気配はなく、鳥の声すら遠く隔たっている。
「留守か」
正雪は周囲の気配を読み取りながら、低く言った。
「好都合だな」
清代姫は静かにうなずいた。
二人は音を殺して巨木を登る。 清代姫の尾は自在に幹を捉え、強固な支えとなった。人の五体では及ばぬ高さも、今の彼女にとっては呼吸をするのと変わらぬ自然な動作だった。
枝の奥、重なる葉に隠れるようにして、一軒の小さな小屋が佇んでいた。 粗末な板で組まれた、獣の巣のような場所。だが――。
「結界だ」
正雪が足を止める。小屋の周囲には、蜘蛛の巣のような光の網が張り巡らされていた。触れれば、即座に反発が返ってくる。
「力任せでは……無理そうですね」
清代姫が眉をひそめた、その時だった。
「……あの」
背後から、恐る恐る声がかかった。振り返ると、いつの間にか蟹の子たちが枝の上に姿を現していた。
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カシャ、カシャ、カシャ――
軽い音とともに、光の網がほつれ、やがて人ひとりが通れるほどの穴が開く。
「今だ」
正雪と清代姫は、蟹たちとともに素早く中へ滑り込んだ。
小屋の中は、拍子抜けするほど簡素だった。粗末な寝台、使い古された木箱、壊れかけの棚。大きな桶に、雑に散らばった果物――猿らしい住処だ。
――だが。
「きゃっ……!」
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小屋の一角。縄で縛り上げられ、意識を失った二つの影が転がっていた。
「……朔夜?」
「朔月……!」
正雪の声が、低く沈む。
そこにいたのは――霧獣法流の同門、早波川朔夜と朔月の兄妹だった。全身に生々しい傷を負ってはいるが、辛うじて呼吸はある。まだ、生きている。
清代姫の尾が、憤りを示すように静かに床を打った。
「……正雪の仲間で、本当に良かった」
だが同時に、正雪の胸には冷徹な確信が生まれていた。 ――悪猿は、必ず戻ってくる。 何一つ知らぬまま、獲物の待つこの巣へ。
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