【完結】私は、愛しい貴方に毒を盛る

春野オカリナ

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魔女の薬屋との約束事

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 私は、魔女との約束でこの毒薬を今日のお茶会で入れる事にしました。

 魔女は言いました。

 「いいかい、この毒薬は三滴だけ入れるんだよ。これ以上入れると死んでしまうからね。必ず守ること」

 「わかりました」

 「それと、この毒薬を入れる時には必ず今までの君の想いを込めるんだ。一滴ずつね。これも必ず守る事!」

 「もし、守らなかったらどうなるんですか?」

 「約束事を守れなかったら効果は消えて君の事を忘れてしまうよ。だから必ず守る事だ」

 私は、魔女の言われた通りに一滴をカップに入れました。

 それはアンドリュ様と初めて会った王宮での思い出を

 二滴目は、初めてのデートを

 三滴目は、プロポーズの言葉を

 私は、アンドリュ様との大切な思い出と共に紅茶の中に入れたのです。

 無味無臭のカップをアンドリュ様に手渡して、私は元のアンドリュ様に戻ってくれることを祈りながら、紅茶を飲み干す彼を見守っていました。

 暫くは何も変化がありませんでした。

 でも段々、彼の形相が変化して、次々と真実を語りだしました。驚愕の真実に周りは騒然となっています。

 そして、私は魔女の最後の忠告を思い出しました。


ーーーこの毒薬を使えば、君の忘れたい事も思い出すよ。それでも使うかい?


 私は、魔女のその言葉で思い出しました。

 そう、彼に毒薬を飲ませようと思った理由を…



 
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