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一滴目の思い出は
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あれは、私が7歳の時でした。
王宮の第二王子の婚約者選びのお茶会で、私は『数あわせの令嬢』として呼ばれたのです。
既に婚約者には、侯爵令嬢が内定されているので、他の令嬢は選ばれた侯爵令嬢の友人候補や派閥の令嬢らだったのです。
私は、ふと珍しい蝶に惹かれ、ふらふらとお茶会の席から外れ、知らない場所を歩いていました。
何処を通って来たのか、帰り道がわからなくなり、泣いていました。
「君は迷子かな?そう言えば今日は、第二王子殿下のお茶会が合ったね」
「わ…私、き…綺麗な蝶を見ながらここに来たんです。グスッ…お茶会に戻りたいんです」
泣きながら、訴えていると男の子は
「連れていってあげる」
そう言い、私をお茶会の会場まで案内してくれたのです。
お茶会の会場に到着すると
「今度からは一人歩きはダメだよ。誰かと一緒にね」
そう言い、私から離れて行ったのです。
誰が彼を
「アンドリュ、そこにいたのか」
と声をかけていました。
私はその日、帰ってからずっと彼のことを考えていました。
名前しか知らない彼が私の淡い初恋でした。
私が10歳になると父は、婚約者をに探してくれました。
「エスメラルダ、婚約者が決まったよ。ドメイク侯爵家の次男でアンドリュと言う名前だ。歳は三つ上だね」
私は、父から聞かされ天にも昇る心地でした。
「私の婚約者がアンドリュ様」
「次の休日に顔合わせをするよ。恥ずかしく無いように支度しなさい。最初が肝心だからね」
当日は浮かれていました。
「初めまして、というか前に会ったことがあるよね」
「はい、以前助けて頂きました」
覚えていて下さいました。ほんの一時の一度切りの事を
それだけで私はとても嬉しかったのです。
「僕の名前はアンドリュ・ドメイク侯爵家の次男です。婚約者として、どうぞ宜しくエスメラルダ嬢」
「エスメラルダ・アルバートです。こちらこそ宜しくお願いします」
その後も色々な事を二人で話して楽しい一時でした。
私達は、政略的な婚約をしたのですが、仲はとても良かったのです。
私は、ずっとこの関係が続くと思っていました。
王宮の第二王子の婚約者選びのお茶会で、私は『数あわせの令嬢』として呼ばれたのです。
既に婚約者には、侯爵令嬢が内定されているので、他の令嬢は選ばれた侯爵令嬢の友人候補や派閥の令嬢らだったのです。
私は、ふと珍しい蝶に惹かれ、ふらふらとお茶会の席から外れ、知らない場所を歩いていました。
何処を通って来たのか、帰り道がわからなくなり、泣いていました。
「君は迷子かな?そう言えば今日は、第二王子殿下のお茶会が合ったね」
「わ…私、き…綺麗な蝶を見ながらここに来たんです。グスッ…お茶会に戻りたいんです」
泣きながら、訴えていると男の子は
「連れていってあげる」
そう言い、私をお茶会の会場まで案内してくれたのです。
お茶会の会場に到着すると
「今度からは一人歩きはダメだよ。誰かと一緒にね」
そう言い、私から離れて行ったのです。
誰が彼を
「アンドリュ、そこにいたのか」
と声をかけていました。
私はその日、帰ってからずっと彼のことを考えていました。
名前しか知らない彼が私の淡い初恋でした。
私が10歳になると父は、婚約者をに探してくれました。
「エスメラルダ、婚約者が決まったよ。ドメイク侯爵家の次男でアンドリュと言う名前だ。歳は三つ上だね」
私は、父から聞かされ天にも昇る心地でした。
「私の婚約者がアンドリュ様」
「次の休日に顔合わせをするよ。恥ずかしく無いように支度しなさい。最初が肝心だからね」
当日は浮かれていました。
「初めまして、というか前に会ったことがあるよね」
「はい、以前助けて頂きました」
覚えていて下さいました。ほんの一時の一度切りの事を
それだけで私はとても嬉しかったのです。
「僕の名前はアンドリュ・ドメイク侯爵家の次男です。婚約者として、どうぞ宜しくエスメラルダ嬢」
「エスメラルダ・アルバートです。こちらこそ宜しくお願いします」
その後も色々な事を二人で話して楽しい一時でした。
私達は、政略的な婚約をしたのですが、仲はとても良かったのです。
私は、ずっとこの関係が続くと思っていました。
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