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アリスティア編
新しい私
ルミエル様とケロイド様の言い争いは続いていた。
「アリス、気分はどう?」
「ありがとう。エミリー。もう大分落ち着いたわ」
「えっ、もしや記憶が……」
「ええ、さっき殆どの記憶が戻ったわ。今まで私とお友達でいてくれてありがとう。これからも宜しくね」
「ほ…本当に、私が誰か解るのね。嬉しい、これからは一緒に夜会にも行けるし、お泊り会も出来るのね」
「ええ、そうよ。もう気弱で、人の目を避けていた私じゃあない。私は公爵令嬢アリスティア・クロムウェル。かつて救国の英雄と呼ばれたこの国の第二王子マクシミアン殿下の末裔よ」
「凄いわ。どうやって思い出したの?何がきっかけ」
私達が盛り上がっている姿を見て、ルミエル様とケロイド様も言い争いを止めている。
「一体、何が遭ったんだ。具合は大丈夫なのか」
「もう平気です。ルミエル様。今まで親切にして下さりありがとうございます」
「えっ、僕が誰だか解るのか?」
「はい、もう頭の中の靄も無くなりました。今は何だかすっきりしています」
「そ…そうか。それは良かった」
「だから、ルミエル様もローラン様もエミリーもリーンも皆、好きな人と結ばれて下さい。私にはずっと慕っている方がいるので、今晩祖父に告げます」
「じゃあ、もう心は決まったんだな」
「はい、ご心配をおかけしました」
そう、ルミエル様はエミリーナ様と、ローラン様はアイリーン様と想い合っていた。私が誰を選ぶか分からなかったから二組の婚約は保留となっている。
私が選ぶ相手は決まっている。
母がお茶会にも出席できなくなってから、よく公爵家に見舞いに来ていた人。
レイラン王弟殿下。
この学院の薬草学の教授。ライザス・ルクド。ルクドは彼の母方の伯爵家姓。ライザスはミドルネームなのだ。
「それにしても貴女が『午前0時のシンデレラ』だったなんて、殿下方も酷いですわ。一言言ってくれても良かったでしょうに」
「仕方ないよ。色々騒がれると厄介事が増えるからね。今だってそうだろう。なあ、ケロイド君。もういい加減にしないか?それとも警備の者を呼んで一晩牢屋で過ごせば気がすむのか?」
「なんだと、いくら公爵家の人間だって言っていいことと…」
「そこまでだ!君達は何をしているんだ。他の生徒の邪魔になるだろう。早く家に帰りなさい」
「ええ、何故先生がここにいるんです?暫く帰ってこれないんじゃあ……」
「ああ、あれはもっと前に書いて渡してあったんだが、君が今日受け取るとは思わなかった」
「そうですか。でも戻られてホッとしています。レイラン王弟殿下」
「き…記憶が戻ったのか?全部?」
「全てではないけれど、殆ど戻っています」
「では、無駄足になったのかな」
「先生そちらの方は?」
「ああ、隣国の心理学の医師でロイド・メッシ―博士だ。この国に学会の発表で来られていると聞いて、訪ねて君を見てもらおうと思ったんだが、一足遅かったか」
先生の隣に銀縁眼鏡の長身の男性がいた。その瞳は射抜くように私を見つめていたのだ。
「すみません。先生」
私は先生の後ろにいたケロイド様に
「ケロイド様、貴方が何をなさろうと、どんな噂を流そうが私は正真正銘のクロムウェル公爵家の嫡子です。一週間後にその事実をご自分の目でお確かめ下さい。それではごきげんよう」
私は綺麗な礼をして、自分の馬車に乗った。先生とメッシ―博士と共に帰宅したのだ。
「アリス、気分はどう?」
「ありがとう。エミリー。もう大分落ち着いたわ」
「えっ、もしや記憶が……」
「ええ、さっき殆どの記憶が戻ったわ。今まで私とお友達でいてくれてありがとう。これからも宜しくね」
「ほ…本当に、私が誰か解るのね。嬉しい、これからは一緒に夜会にも行けるし、お泊り会も出来るのね」
「ええ、そうよ。もう気弱で、人の目を避けていた私じゃあない。私は公爵令嬢アリスティア・クロムウェル。かつて救国の英雄と呼ばれたこの国の第二王子マクシミアン殿下の末裔よ」
「凄いわ。どうやって思い出したの?何がきっかけ」
私達が盛り上がっている姿を見て、ルミエル様とケロイド様も言い争いを止めている。
「一体、何が遭ったんだ。具合は大丈夫なのか」
「もう平気です。ルミエル様。今まで親切にして下さりありがとうございます」
「えっ、僕が誰だか解るのか?」
「はい、もう頭の中の靄も無くなりました。今は何だかすっきりしています」
「そ…そうか。それは良かった」
「だから、ルミエル様もローラン様もエミリーもリーンも皆、好きな人と結ばれて下さい。私にはずっと慕っている方がいるので、今晩祖父に告げます」
「じゃあ、もう心は決まったんだな」
「はい、ご心配をおかけしました」
そう、ルミエル様はエミリーナ様と、ローラン様はアイリーン様と想い合っていた。私が誰を選ぶか分からなかったから二組の婚約は保留となっている。
私が選ぶ相手は決まっている。
母がお茶会にも出席できなくなってから、よく公爵家に見舞いに来ていた人。
レイラン王弟殿下。
この学院の薬草学の教授。ライザス・ルクド。ルクドは彼の母方の伯爵家姓。ライザスはミドルネームなのだ。
「それにしても貴女が『午前0時のシンデレラ』だったなんて、殿下方も酷いですわ。一言言ってくれても良かったでしょうに」
「仕方ないよ。色々騒がれると厄介事が増えるからね。今だってそうだろう。なあ、ケロイド君。もういい加減にしないか?それとも警備の者を呼んで一晩牢屋で過ごせば気がすむのか?」
「なんだと、いくら公爵家の人間だって言っていいことと…」
「そこまでだ!君達は何をしているんだ。他の生徒の邪魔になるだろう。早く家に帰りなさい」
「ええ、何故先生がここにいるんです?暫く帰ってこれないんじゃあ……」
「ああ、あれはもっと前に書いて渡してあったんだが、君が今日受け取るとは思わなかった」
「そうですか。でも戻られてホッとしています。レイラン王弟殿下」
「き…記憶が戻ったのか?全部?」
「全てではないけれど、殆ど戻っています」
「では、無駄足になったのかな」
「先生そちらの方は?」
「ああ、隣国の心理学の医師でロイド・メッシ―博士だ。この国に学会の発表で来られていると聞いて、訪ねて君を見てもらおうと思ったんだが、一足遅かったか」
先生の隣に銀縁眼鏡の長身の男性がいた。その瞳は射抜くように私を見つめていたのだ。
「すみません。先生」
私は先生の後ろにいたケロイド様に
「ケロイド様、貴方が何をなさろうと、どんな噂を流そうが私は正真正銘のクロムウェル公爵家の嫡子です。一週間後にその事実をご自分の目でお確かめ下さい。それではごきげんよう」
私は綺麗な礼をして、自分の馬車に乗った。先生とメッシ―博士と共に帰宅したのだ。
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