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ローフェル編
別れ
デビュタントの日が近づいたが、相変わらずアリスティアは自分の容姿を嫌っている。
私は義父である公爵に、遠縁の者だと紹介してもらい、部厚い眼鏡を付けてエスコートして会場入りした。
既に私達が用意したドレスと装飾品は王宮の一室に運び込んでいる。王妃殿下と王子達とも話が出来ている。
王族方への挨拶が終わった後、娘とファーストダンスを踊った。その後、壁の華のように静かに身を潜めているアリスティアを王子達が上手く連れ出してくれた。
部屋で着替えて王子にエスコートされて出てきたアリスティアはかつてのアデライトの様で美しかった。
一瞬で全ての人の注目を集め、その日の話題の人となった。午前0時の鐘と共に私と帰る途中、レイラン殿下がアリスティアと話をしようと追いかけて、靴が片方脱げてしまい。『午前0時のシンデレラ』と噂されることになる。
時々、あの時の殿下の慌てようがおかしくて、揶揄う様に言うと「自分こそ長い間、娘に忘れていたくせに」と痛い所を突かれている事は、後々の話。
アデライトが娘の為にドレスを造っても、ちっとも着てくれないとぼやいていたことも内緒だ。
だから、アリスティアのドレスはいつもこっそり、持ち込んで、王妃殿下の指示で着替えさせられている。
勿論、その都度エスコートは、私がしているのだが。
アリスティアは覚えていない。いつか思い出した時に伝えればいい。
そして、見事な髪飾りはランナの工房で作った物だ。これがきっかけで、彼女の工房は大きくなって公爵家の持つ商会の装飾品は彼女の工房が一手に担ってくれることになる。
デビュタントでの様子を私はアデライトに話して聞かせた。もうこの頃の彼女は弱っていて、寝たり起きたりを繰り返していた。ベッドの傍らで彼女の寝顔に顔を近づけて、生きている事を確認するのが日課の様になっていた。
アリスティアが学院に入学すると私は護衛としてついて行った。その際の仮の婚約者のケロイドの態度を見て何度殴ってやりたいと思ったかしれない。
ランナの夫はガラス工芸の職人で、彼に頼んである物を作ってもらった。それは目の色を変えるガラスだ。普段は眼鏡を変えて色の変化を隠しているが、何れ必要になる。私は彼に何度も試作品を作ってもらっていた。
この頃には、アリスティアはアデライトに変わって執務をこなしていた。公に私が手伝う訳にもいかず、苦労をさせている娘を不憫に思っている。
そして、とうとう恐れていたことが起こった。
アリスティアが17才を迎える春のある日、アデライトの容態が急変した。
彼女はアリスティアを傍に呼び、まるで何かを予測していたように
「アリスティア、17才の誕生日に呪いは全て解けるわ。罪は罪人に還るでしょう」
そう言い残し、私には自分が死んだ後、アリスティアを頼むと涙を流しながらこの世を去って行った。
最後に
「貴方に会えて、妻でいられて幸せだった」
そう言い残して。
葬儀の最中に義父から
「これから起こる事に君の手を汚す必要はない。アデライトの意志だ。全てあの子が計画した事だ」
そして、それはアリスティアが17才の誕生日に起こる。そう伝えられた。
オーウェンは葬儀にも顔を出さないで、アデライトが亡くなって3か月後にあのマリエルとエリーゼを伴って、わが物顔で公爵家に帰って来た。
そして、それはアリスティアの幸せな時間を壊す結果となったのだ。
私は義父である公爵に、遠縁の者だと紹介してもらい、部厚い眼鏡を付けてエスコートして会場入りした。
既に私達が用意したドレスと装飾品は王宮の一室に運び込んでいる。王妃殿下と王子達とも話が出来ている。
王族方への挨拶が終わった後、娘とファーストダンスを踊った。その後、壁の華のように静かに身を潜めているアリスティアを王子達が上手く連れ出してくれた。
部屋で着替えて王子にエスコートされて出てきたアリスティアはかつてのアデライトの様で美しかった。
一瞬で全ての人の注目を集め、その日の話題の人となった。午前0時の鐘と共に私と帰る途中、レイラン殿下がアリスティアと話をしようと追いかけて、靴が片方脱げてしまい。『午前0時のシンデレラ』と噂されることになる。
時々、あの時の殿下の慌てようがおかしくて、揶揄う様に言うと「自分こそ長い間、娘に忘れていたくせに」と痛い所を突かれている事は、後々の話。
アデライトが娘の為にドレスを造っても、ちっとも着てくれないとぼやいていたことも内緒だ。
だから、アリスティアのドレスはいつもこっそり、持ち込んで、王妃殿下の指示で着替えさせられている。
勿論、その都度エスコートは、私がしているのだが。
アリスティアは覚えていない。いつか思い出した時に伝えればいい。
そして、見事な髪飾りはランナの工房で作った物だ。これがきっかけで、彼女の工房は大きくなって公爵家の持つ商会の装飾品は彼女の工房が一手に担ってくれることになる。
デビュタントでの様子を私はアデライトに話して聞かせた。もうこの頃の彼女は弱っていて、寝たり起きたりを繰り返していた。ベッドの傍らで彼女の寝顔に顔を近づけて、生きている事を確認するのが日課の様になっていた。
アリスティアが学院に入学すると私は護衛としてついて行った。その際の仮の婚約者のケロイドの態度を見て何度殴ってやりたいと思ったかしれない。
ランナの夫はガラス工芸の職人で、彼に頼んである物を作ってもらった。それは目の色を変えるガラスだ。普段は眼鏡を変えて色の変化を隠しているが、何れ必要になる。私は彼に何度も試作品を作ってもらっていた。
この頃には、アリスティアはアデライトに変わって執務をこなしていた。公に私が手伝う訳にもいかず、苦労をさせている娘を不憫に思っている。
そして、とうとう恐れていたことが起こった。
アリスティアが17才を迎える春のある日、アデライトの容態が急変した。
彼女はアリスティアを傍に呼び、まるで何かを予測していたように
「アリスティア、17才の誕生日に呪いは全て解けるわ。罪は罪人に還るでしょう」
そう言い残し、私には自分が死んだ後、アリスティアを頼むと涙を流しながらこの世を去って行った。
最後に
「貴方に会えて、妻でいられて幸せだった」
そう言い残して。
葬儀の最中に義父から
「これから起こる事に君の手を汚す必要はない。アデライトの意志だ。全てあの子が計画した事だ」
そして、それはアリスティアが17才の誕生日に起こる。そう伝えられた。
オーウェンは葬儀にも顔を出さないで、アデライトが亡くなって3か月後にあのマリエルとエリーゼを伴って、わが物顔で公爵家に帰って来た。
そして、それはアリスティアの幸せな時間を壊す結果となったのだ。
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