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約束
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エドワードは、両手をパンと叩くと其処から黒い煙の様なものが出てきた。そして、黒い煙から幾つもの恐ろしい声が重なりあって聞こえてきた。
誰もが恐怖に怯えていた。その黒い煙は、王に向かって螺旋状に伸びていた。
王は、震え上がり、腰を抜かして床を這って後退りした。
「これが国王陛下の犯した罪です」
そう言って、エドワードは又両手をパンと叩いた。すると煙は消え、辺りは静まり返った。
「そ、その方は国王である我に何をする」
「今のは、貴方方に殺された子供達の怨嗟の念ですよ。此が犯した罪です」
エドワードは、王達の性欲の捌け口として生まれた子供達の怨みの念を私達に示した。「死にたくない。生きたかった。どうしてこんな目に合わなければならない」
声にならない悲痛な思いが怨嗟となったのだ。
私達王族は、大きな過ちを犯した。
「そなたは一体何者なのだ?」
「陛下貴方方は、そんな事も忘れたのですか?約束も」
呆れた様子で、私達を見据えた瞳は、冷たかった。
そう、私達は長い間、彼らとの取り決めなど無かったかのように、その存在を無視していた。
元々、レッドブラックリー一族は、流れの魔術師一族だったのだが、初代国王が彼らに北の魔の森の監視を頼んだのだ。その代償として自由を与えた。勿論、仮初めの身分を与えた。王にも国にも仕える必要も無かった。
その時々に、関係した人々さえ生活出来ればいいのだから、流浪の一族だった彼らを縛るもの等ありはしなかった。
気に入らなければ国に止まらなくても良いとのお墨付きなのだ。
だから能力が高くても子爵止まりだったのだ。そんな事すら忘れたいた王家に、私が入宮したから興味を持ったエドワードが接触してきたのだった。
彼らからすれば、王家のいざこざ等どうでも良かった。ただ私と云う存在が気になっただけの事。今回もエドワードの気まぐれが招いただけ、私は自嘲気味に笑った。
「本来なら、妻が亡くなった時にこの国から出る予定だったんですが、面白い人を見つけて、もう少し様子を見る事にしたんですよ。国王陛下」
エドワードの妻は出産した二年後に亡くなった。現在独り身の彼が誰と親しくしようと王家の干渉は無用なのだ。
固まっている国王や臣下の目の前で、エドワードは私のドレスの裾を持ち上げて跪くと、
「私、エドワード・ブラックボンドは、王妃マーガレット様に永遠の忠誠を捧げます」
と誓った。この事において、私はブラックボンド家の後ろ楯を得た事になる。
それは、実質上国王より立場が上になったのだ。
その後、私は王族殺しの夫の愛人を処罰した。
夫は何も言わなかった。いや言えなかったのだ。
私の後ろには、世界最強の魔術師エドワード・ブラックボンドがついているから…
誰もが恐怖に怯えていた。その黒い煙は、王に向かって螺旋状に伸びていた。
王は、震え上がり、腰を抜かして床を這って後退りした。
「これが国王陛下の犯した罪です」
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「今のは、貴方方に殺された子供達の怨嗟の念ですよ。此が犯した罪です」
エドワードは、王達の性欲の捌け口として生まれた子供達の怨みの念を私達に示した。「死にたくない。生きたかった。どうしてこんな目に合わなければならない」
声にならない悲痛な思いが怨嗟となったのだ。
私達王族は、大きな過ちを犯した。
「そなたは一体何者なのだ?」
「陛下貴方方は、そんな事も忘れたのですか?約束も」
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そう、私達は長い間、彼らとの取り決めなど無かったかのように、その存在を無視していた。
元々、レッドブラックリー一族は、流れの魔術師一族だったのだが、初代国王が彼らに北の魔の森の監視を頼んだのだ。その代償として自由を与えた。勿論、仮初めの身分を与えた。王にも国にも仕える必要も無かった。
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彼らからすれば、王家のいざこざ等どうでも良かった。ただ私と云う存在が気になっただけの事。今回もエドワードの気まぐれが招いただけ、私は自嘲気味に笑った。
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と誓った。この事において、私はブラックボンド家の後ろ楯を得た事になる。
それは、実質上国王より立場が上になったのだ。
その後、私は王族殺しの夫の愛人を処罰した。
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