見捨てられて死にかけたけど、美少女吸血鬼に眷属にして貰えて吸血鬼として生き延びた?ので見捨てた奴らに復讐します。

Kooily

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7.聖剣エクスカリバー

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 僕の隣には裸の女性がいる。
 刺激が強く、とても直視なんて出来ないのだが、水面に揺らめく肌色の影から、その豊満な女体を容易に想像する事が出来た。
 もう少しだけ視界を広げると、銀杏のように放射状に広がり浮かぶ髪が見える。ここから更に、ほんの少しだけ視界を上げると、双丘が──

「視姦しないで貰えるかしら変態。沐浴くらいでここまで発情するとは思わなかったわ。」

「…すみません。」

「あら、やけに素直ね。最初の威勢は何処へやら。」

 水面の肌色は近づいて来る。
 必然的に浮き袋が二つ視界へと侵入し、思わず視線を背ける。

「あら、リリスって子に相当惚れ込んでいたのだから、とっくにそういうのには慣れていると思っていたのだけれど。その反応、童貞なのね。」

 …。

「こっちを向きなさい。」

 ゆっくりと視線を戻した。すると、金色の紅葉が真っ二つに割られており、か細い背中が晒されていた。

「洗ってくれるかしら。」

 洗う? どうやって…。道具なんて…まさか、素手か。
 …何も言われない…。本当に素手で良いのだろうか…。そもそも素手で洗うって意味あるのか?

 考えるよりも先に右手は動いていた。

 震える手は少しづつ背中へにじり寄る。そしてその手は近づくに連れ速度が低下していった。しかし止まることは無かった。丁度、右肩の辺りに中指が接触したその瞬間。

「あぁん…。」

 甘く香る嬌声が聞こえた。
 その声に吃驚して咄嗟に手を離した。

「あら、続けても良かったのよ。」

 からかわれている。弄ばれている。そんな事は分かっていたのだが、もう一度手を伸ばした。
 R-15なので描写こそしないが、喘ぎ声は次第により過激に、より淫らになっていく。
 僕今、身体洗ってるだけだよな…。時々そう不安になった。

 そして、その事に夢中になっていた為か。近づいてくる何者かの影に話しかけられるまで気が付かなかった。

「あの、シエルキューテ様。何をしてらっしゃるんです?」

 綺麗な女の声だった。
 その声の主に視界を向けると、両腕に羽の生えた少女の姿をしている魔物が居た。

「あら、レミィ。今は眷属君で遊んでいた所よ。」

 あの魔物はレミィと言うらしい。
 そう言いながら、シエルキューテは水から陸へと上がっていった。

「ほら、カリム。早く来なさい。」

 出たいのは山々なのだが、今は聖剣エクスカリバーが真の力を発揮している真っ最中な為、上がるに上がれなかった。

「どうやら、また抱えられたいようね。」

 そうして、僕は抵抗虚しく聖剣を晒された。
 方やジロジロと見つめ、方や顔を赤らめて目を隠した。

「あら、小さいわね。」

 …。

「レミィもそう思うでしょう。」

 目を隠したままレミィと呼ばれる魔族は返答する。

「し、しし知らないです! そ、そそそんな…大きいとか小さいとか! そんな事より早く服着るのです!」

 正直ホッとした。シエルキューテがおかしいだけで他の魔物の感性はまともなんだと知れて。
 服を着ながらそう考えていた。

「カリム、調子に乗らない事ね。」

「はい。」

「まあいいわ。彼女はレミィ、人間にはハーピーとかハーピィとか言われてる魔物よ。」

 レミィは少し困惑した様子だ。

「えっと…。私に何か用でもあるのです?」

「私は無いわよ。用があるのはこのカリムという私の眷属よ。」

 僕は少し会釈し、会釈される。
 …初対面で聖剣見せた後になんて話し始めればいいんだ?
 それとも、いきなり本題でいいのかな。

「あのですね…。──と言う訳で仲間になって欲しいんですよ。」

 レミィは顔をブンブンと横に振る。

「無理です無理です。勇者なんて無理ですよぉ。私そんなに強くないですし。
 まあ、復讐というのは魔物的にありなんですけど…、難易度が高過ぎです。」

 無事断られた。まだ一人目だが、このまま戦力が集まらないのなら…暗殺くらいしか思い付かないが、そんな技術も技量も無い。

「あら、カリムは暗殺がしたいのかしら。」

 …そうか、吸血鬼は夜に生きる魔物だから暗殺が得意なのか。

「シエルキューテ…様、暗殺術を僕に──」

「いえ、私じゃないわ。」

 そーっとレミィが手を挙げる。

「私、暗殺だけなら出来るのですよ。教えるのも良いです。」

 そして、そのまま暗殺術をレミィから教わる事となった。
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