剣と魔法と愛と

御夢

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皇宮にて

俺、帰ります

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   「その手を離せ。お前たちが触れていいものでは無い。」

   レオ様が来てくれた。助かるんだ。
 
   「へっ、皇太子様自ら迎えにか?よっぽど大切なやつなんだなぁ。このかわい子ちゃん。」

   ひっ、剣が俺に向けられた。怖い。
   でも大丈夫。レオ様がいるから、安心できる。

   「………………”俺”が言ったことが理解できなかったのか?俺のアカネに触れている、その手を離せと言っているんだ。」

   「は、誰が聞くかよ。俺たちは誰の指図設けねぇ。依頼人にだって俺たちの邪魔はされない。こいつは金になる。だから売る。だから渡さない。お前ら、やるぞ!!」

   「おお!!!」

   「!?!?レオ様!!!!」

   屈強な男たちがレオ様に向かっていった。でも、心配はしてないよ。だって、

   「ぐわっ!」

   「くっ!」

   「ぎゃぁ!」

   「…………こんなものか?口ほどにもないな。」

   だって、レオ様はグラディウス皇国で一番強いんだもの。レオ様は負けないよ。”俺のレオ様”だからね。………………へへ。は、恥ずかしぃ。
   
   「さぁ、アカネを返してもらおうか。」

   「………………………ここまでか。お前ら!ずらかるぞ!!」

    「え?!か、頭ァ!いいんですか?!」

   「皇太子相手にやったら組織は全滅だ。だったらここは大人しく逃げるしかねぇだろ。」

   「そ、そうかもしれませんが。し、しかし、大金が手に入るかもしれなかったのに!」

   「まあ、今回のより大きな見返りが貰えるかもしれないしな。」

   「は、はいぃぃ。」

   ど、どこかに行くの?おじさん達のことだから、最後までレオ様に立ち向かうと思ったのに。

   「皇太子様。これをあげるぜ。」

   「?これは?」

   頭さん?が、なんかびっしり書かれた物をレオ様に渡した。なんだろう?新しいものから古いものまであるけど。

   「それはここ一帯の組織の情報だ。確かなものだし、貴方たち皇宮が追っている奴らもその組織にいると睨んでいい。有効に活用して下さいよォ。」

   「…………何が目的だ。」

   「今回は見逃して欲しいですね。俺たちが安全に逃げ切るまで、ということで。それ相応の情報なので逃がしてくれるといいんだがァ?」

   「……………わかった。その条件をのもう。だが、今回、お前たちに指示したやつについても教えて欲しいんだが。」

   「ああ、いいぜ。っと言ってもほとんど情報は残ってないと思うが。まぁ、好きに荒らしてくれ。じゃぁな!かわい子ちゃん。」

   おじさん達はどこかへ消えてしまった。なんか、またどこかで会うような気がする。そんなことにはなって欲しくないけど。

   「アカネ。」

   「あ、レオ様。」

   「ごめんね。怖かったよね。遅くなってごめん。」

   暖かい。お日様みたいな匂いがする。

   「ううん。大丈夫だよ。レオ様は来てくれたじゃない。それだけで十分だよ。」

    だからそんなに責めないで。
    俺、貴方に会えて良かったって思ってるから。

   「レオ様、大好き。」

   俺、帰ります。皇宮に。楽しい日常にもどれたらいいな。

   でも、俺は知らなかったんだ。この後もっとすごい体験をすることになるなんて。
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