36 / 134
生活が始まった
しおりを挟むリリアがジーナとして過ごしてから2ヶ月が経った。
修道院の雑用はおおかた理解し積極的に取り組む。
皐月の頃一人暮らしや介護の経験もあったのですぐ覚えていった。
体型もさらに贅肉が落ち、スリムではないが標準体型になった。
髪の毛はまだまだ短いままだったがこれはこれでスッキリして気に入っている。
リリアが雑用を丁寧かつスピーディにこなすのでシスタージャスミンが授業を開く時間も
少しずつ確保できるようになってきた。子供たちはまばらだったがカズは必ず出席していた。
ロイも出席していたがリリアの監視目的が大きかった。
リリアはエプロン姿でシスタージャスミンの授業にかじり付くように出席していた。
質問があれば授業終了後ダッシュでシスタージャスミンの元へ駆け寄り分かるまで質問攻めにした。
初めの頃はシスタージャスミンも怪訝な表情で対応していたが
全身で学ぶ喜びを表現するリリアと接するうちに、リリアの質問の答えに付属する知識を付け加えたり参考になる本を貸している。
今はシスタージャスミンの時間がある時は授業内容について意見を交わすこともある。
「なあ、ジーナさんよ。何でそんなに楽しそうなんだ?」ロイが呆れ顔でリリアに尋ねる。
「ロイさん、すごいのよ!この世界には様々なことわりが有るの。点が線に繋がる!
シスタージャスミンの教えが上手いのよね!新しいことを学ぶって本当に素敵だわ!」
「ジーナはすごいよ。僕がシスターに教えてもらっても飲み込めなかったことすぐ理解しちゃうもんな。」
カズが入ってきた。
「カズ。あなたも素敵よ!あなたはとても努力家だわ。
本当はもっと学ぶ機会があっていいと思うの。働きに出るのは必須なの?」
「うん。前も言ったけど、僕はかなり運がいいんだ。
この辺りで子供が働く求人の中で一番安全な所なんだよ。
友達はもっと劣悪なところにしか行けなかった。生きていくので必死なんだ。」
「そんな…。何か策はないのかしら。」
「おい、短髪女!お前また変なこと考えているだろう!お見通しだぞ!」
「あら?ロイさん。あなた探偵になれそうね。」
「お前が分かり易すぎるんだよ!ああ、もう!カズが働く屋敷は俺の知り合いがいてるから心配すんな。
勉強のことも上手く言っておいてやるから!全く。」
「ロイさん、あなた本当に優しいのね。利益なく人のために動ける青年なんてなかなかいないですよ。
この世も捨てたもんじゃないですね。」
「何だよ、言い方がババくさいな。」
最近やっとロイにも慣れてきたリリアだが、興奮すると距離が近くなるが
冷静になると妙に他人行儀な距離感になる。
昔見たことある、雲の上の上司と若手の部下のような距離感みたいだ。
どこかリリアの方が埋められない余裕がある。それが何だか腹立たしく納得できない。俺の方が年上なのに。
「それにしても、ジーナ髪の毛なかなか伸びないね。
僕初めて見た時ジーナが女神様のように見えたんだけどな。
今も可愛いけどあの髪の毛勿体無いね。ジーナは気になる男の人とか居ないの?」
「え?気になる男の人?そうね。探している人はいるの。」
「え?何それ!」
「何だよ!誰だよ!いつの間にそんなやつできたんだよ!」
「ふふふ。子供には関係ない話よ。気にしないで。
私のこと知っても何の特にもならないわ。もっと勉強して頂戴。若者諸君。じゃあ、私はこれで。またね。」
「えええ。僕ジーナ結構好きなんだけどなー。結構ショックだ。」
「あの短髪デブだったくせに。いつの間に…。」
「ねえ、ロイ。ジーナのことデブ女とか短髪女とか言い方失礼だよ。
ジーナ何にも言わなからっていっても、僕の好きな人そんなふうに言われるのは悲しいよ。」
カズは冷ややかな目でロイを見た。
「あああ!うるせーよ。あの女はなあ!意味不明だからいいんだよ!」ロイはまたむしゃくしゃしていた。
177
あなたにおすすめの小説
公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
【完結】転生したら少女漫画の悪役令嬢でした〜アホ王子との婚約フラグを壊したら義理の兄に溺愛されました〜
まほりろ
恋愛
ムーンライトノベルズで日間総合1位、週間総合2位になった作品です。
【完結】「ディアーナ・フォークト! 貴様との婚約を破棄する!!」見目麗しい第二王子にそう言い渡されたとき、ディアーナは騎士団長の子息に取り押さえられ膝をついていた。王子の側近により読み上げられるディアーナの罪状。第二王子の腕の中で幸せそうに微笑むヒロインのユリア。悪役令嬢のディアーナはユリアに斬りかかり、義理の兄で第二王子の近衛隊のフリードに斬り殺される。
三日月杏奈は漫画好きの普通の女の子、バナナの皮で滑って転んで死んだ。享年二十歳。
目を覚ました杏奈は少女漫画「クリンゲル学園の天使」悪役令嬢ディアーナ・フォークト転生していた。破滅フラグを壊す為に義理の兄と仲良くしようとしたら溺愛されました。
私の事を大切にしてくれるお義兄様と仲良く暮らします。王子殿下私のことは放っておいてください。
ムーンライトノベルズにも投稿しています。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
扇 レンナ
恋愛
スパダリ系執着王太子×愛を知らない純情令嬢――婚約破棄から始まる、極上の恋
伯爵令嬢テレジアは小さな頃から両親に《次期公爵閣下の婚約者》という価値しか見出してもらえなかった。
それでもその利用価値に縋っていたテレジアだが、努力も虚しく婚約破棄を突きつけられる。
途方に暮れるテレジアを助けたのは、留学中だったはずの王太子ラインヴァルト。彼は何故かテレジアに「好きだ」と告げて、熱烈に愛してくれる。
その真意が、テレジアにはわからなくて……。
*hotランキング 最高68位ありがとうございます♡
▼掲載先→ベリーズカフェ、エブリスタ、アルファポリス
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
【完結】勘当されたい悪役は自由に生きる
雨野
恋愛
難病に罹り、15歳で人生を終えた私。
だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?
でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!
ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?
1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。
ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!
主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!
愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。
予告なく痛々しい、残酷な描写あり。
サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。
小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。
こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。
本編完結。番外編を順次公開していきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
王子、侍女となって妃を選ぶ
夏笆(なつは)
恋愛
ジャンル変更しました。
ラングゥエ王国唯一の王子であるシリルは、働くことが大嫌いで、王子として課される仕事は側近任せ、やがて迎える妃も働けと言わない女がいいと思っている体たらくぶり。
そんなシリルに、ある日母である王妃は、候補のなかから自分自身で妃を選んでいい、という信じられない提案をしてくる。
一生怠けていたい王子は、自分と同じ意識を持つ伯爵令嬢アリス ハッカーを選ぼうとするも、母王妃に条件を出される。
それは、母王妃の魔法によって侍女と化し、それぞれの妃候補の元へ行き、彼女らの本質を見極める、というものだった。
問答無用で美少女化させられる王子シリル。
更に、母王妃は、彼女らがシリルを騙している、と言うのだが、その真相とは一体。
本編完結済。
小説家になろうにも掲載しています。
【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
秋月一花
恋愛
旅芸人のひとりとして踊り子をしながら各地を巡っていたアナベルは、十五年前に一度だけ会ったことのあるレアルテキ王国の国王、エルヴィスに偶然出会う。
「君の力を借りたい」
あまりにも真剣なその表情に、アナベルは詳しい話を聞くことにした。
そして、その内容を聞いて彼女はエルヴィスに協力することを約束する。
こうして踊り子のアナベルは、エルヴィスの寵姫として王宮へ入ることになった。
目的はたったひとつ。
――王妃イレインから、すべてを奪うこと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる