疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン

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交渉です 4

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シスタージャスミン、ダン、リリアは店奥の応接室に通された。


部屋に着くまでに何度も重厚な扉をくぐった。
セキュリティーを重視しているのだろう。



最後の扉を開けると血の色のような赤いローブを被った人物がいた。


回転椅子に座っているようで、リリアから見ると後ろを向いている。


案内役の大柄な男にソファに座るよう促される。


シスタージャスミンとダンさんは部屋の端に用意された席を用意されている。

大柄な男が言った。

「お前の間合いは知っている。この位置なら我にも対処できる距離だ。
ここを絶対動くな。ダンよ、お前がここを動くと、この商談がなくなると思え。」

「けっ。もう引退したようなもんだ。オレは何にもできねえよ。」吐き捨てるように返事をした。



リリアの目の前にこの地区の裏組織代表がいる。

後ろを向いたままでレディダークが言葉を発する。

「あんたが隣領のどうしようもない貴族令嬢の子だね。
シスターから話は聞いているよ。貴族ってもんは思いつきで平民を振り回すのが好きなんだろうね。
ましてやあんたみたいな、いわくつき貴族からの依頼なんてあたしが許可できるわけがないだろう。」


「フフフフ。あなたの耳に入っている私の情報はおおよそ間違っていないわ。
その判断も間違っていない。でも、あなたにメリットがある話にしたくてここに来たの。
こんな時のために故郷に確実な財政を確保したのよ。父親って人をね。
ただ、そのお財布も期限付きよ。私は貴族でなくなるのは目に見えているから。
それも知っているのでしょう?レディダークさん。」


「はっ。小娘がへらず口を。あんたに余計な知恵を入れたあの男。
随分慕っているようだけどね、あんたあの男、ダンの過去を知ってるのかい?」

「さあ、興味ないわ。私がダンさんに興味があるのは植物の育て方よ。」

「はっ。じゃあ、教えてやるよ。

あの男ダンはね殺し屋さ。暗殺専門のね。小柄な体格を生かして音もなく相手に近づきスパッといっちまうんだ。
上級の殺し屋だからね、何人殺したことやら。」

「それを私に伝えて動揺させたいのでしょう?揺さぶって反応を見たいってとこかしら。
さっきも言ったでしょう。ダンさんの過去には興味ないの。
あなたこそ、直接私の顔が見られない臆病者ってところかしら。」

リリアも負けじとレディダークを挑発する。

その間シスタージャスミンとダンは冷や汗が出て青白い顔で見守る。


「ガッハッハッハ!なるほどねえ。シスターあんたの苦労が目に見えるよ。
ああ。あんたのことを見てやるよ。あんたもあたしの顔をようく見ればいい。この化物をね。」

椅子を動かしレディダークはリリアの方を向いた。


よく肥えた体。椅子に体がへばりついているような異様な座り方。
多分瞬時に歩けないだろう。

それよりも何よりも目がいくのは顔や手、腕など見える場所は全て黒い何かが描かれている。

文字のような絵のような。

一部薄くなっているだがその上にさらに新しい濃い黒い何かが上書きされたような形跡がある。

(刺青かしら?私にもあった魔契約の印にも似ている。)

リリアはあまりジロジロ見ては失礼だと思ったが、もう一つ気になることがあった。

ただの直感だが、目の前にいるレディダークの目の奥。見たことがある気がする。そう、あの人と似ている。


その時一人の従業員が部屋に入ってきた。

レディダークに耳打ちしている。商談中だ。緊急事態があったのだろう。

「ああ?なんであのバカ坊主がここに?まあ、いいわ。面白いメンツじゃないか。
この中に入ったら引き返せないことになってもいいのなら入れておやり。」
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