疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン

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裁判 2

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裁判の日。



ダンは移動式の鉄格子で作られた牢屋に入れられていた。


両手を縛られており、服は勾留中と同様下半身にボロきれを巻いただけの姿だった。

ダンは両手を前で縛られた状態で檻から出された。

檻から出すのは世話係の役目だった。


縛られた状態でダンは周囲を見回した。


「…。おいおい、何でこんなに人がいるんだ。見せもんじゃねえぞ。ったく。」うんざりして、ため息が出る。


特等席に教会の人間が数人座っている。


他はチラホラ貴族らしき人間がいるが、特等席ではない。


その中の一人に、品の良さそうな中年男がいる。


よく見ると擬態している。あの気配…。王族だ。金色の魔力が滲み出ている。


ロイの方に目をやると、ロイもその中年男をじっと見ている。


ロイと男の目が合うと男が意味ありげに口角を上げていた。


(ロイの知り合いか?…おいおい、まさか、国王とかじゃねえだろうな。

ん?今入り口から入ってきた男…。確か…アルバ家当主…お嬢ちゃんの父親じゃねえか!?

自分の子供同士の争いみたいなもんだろ。どっちについてるんだ?)


「父上!?なぜここに?」


「だ、旦那様…。このような場所に来られるとは…。」

明らかにケントとゲイブが困惑している。

「リリアからの手紙が突然途切れてな…。誰の仕業か分からないのだが、不思議な文章が届いてな。

今日という日の招待状だった。」

「不思議な文章ですか?」ケントが冷や汗をかきながら聞いてみる。


「ああ、懐かしい方法で届いたんだよ。

昔マリアが私のために精霊の力を使って祝いの言葉をくれたことがある。

植物のツルを使って文字が書かれていくのだ。幻想的で美しい文章だ。

リリアではなくマーガレットという女性からだった。誰かわからなかったが、それを信じてここに来た。」


「マーガレット?精霊?訳がわからない…。」ケントは頭を抱えた。


「しかし、リリアに関する文章が故意に私の元に来ないよう操作している者がいるようだが…。」
ジロリとケントを見る。


「うっ。さ、さあ…。城内にそのような不届きものがいるのですか…。この裁判が終われば一斉に調べます。」


ケントは青白くなりながら何とか言葉を紡いだ。


(そうだ、この裁判さえ何とかなれば、どうとでもなる。リリアの口さえ封じれば良いんだから。)


「旦那様、ここはむさ苦しい場所です。こちらへ移動してくださいませ。」

ゲイブがケントの様子を察して父親と引き離そうとする。


「いや、自分で席を決める。ああ、あの男性の近くに行くとするか。」


ケントの父親も擬態した男性をすぐ見抜いた。
(四方を私服警備隊に囲まれている。あの方の近くに身を置こう。)ケントの父親はゆっくりと歩き出した。





父親の後ろ姿を見てケントはふらついてしまった。

「ケント様、お気をしっかりお持ちください!大丈夫です。全てうまく行きます。

関係する機関全てがあなたの協力者です。リリア様の一味など一捻りでございます。」


「そ、そうだな。リリアさえ潰せば良いんだよな。大丈夫。ゲイブ。ありがとう。」ケントは息を整えた。

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