127 / 134
戦い 5
しおりを挟む
「え?」
「え?」
「え?」
全員がマーガレットも精霊の力を受けた魔力で多少なりとも応戦すると思い込んでいた。
しかし、マーガレットは情報操作に長けているが戦闘能力は全くなかった。
「ったく!期待外れなババアだな!もういい!そこのアルバ家の坊ちゃん!お前が行け!」
「え?僕ですか?僕の魔力では思ったほどダメージはないような気がする…。」
ケントが戦意を落としているのが分かる。
「お前もお嬢ちゃんと血を分けあった兄妹だろ!!チビ!何とかしてやれ!」
精霊がケントをじっと見る。ケントは精霊がしっかり見えない。ぼんやりと白い塊程度なら何とか目を凝らして見える程度だ。
精霊は非常に迷惑そうな顔でため息をしている。
少し精霊が腕を組んで考えている。
「何だよ、チビ何か言いたいのか?」
ダンは早くゲイブを倒さなければと焦っているが精霊はマイペースに振る舞うのでイライラしていた。
「ダン、この子の望み分からないのかい?この子あんたと精霊の谷に行きたいんだってさ。」
精霊同様、マーガレットも凄まじい状況の中自分のペースを崩さずダンに話しかける。
マーガレットは精霊と魔力の関係で精霊が望めば通じ合える。
「はあ?そんなことで考え込んでたのか?ったく、ああ!もう良いよ!何処でだって行ってやる!早くしろチビ!!」
精霊は頭をポリポリかいてからケントを見つめた。
ケントは精霊をしっかり見ることが出来ていない。
ケントの近くに飛んでいき、周りに這っているツルを触る。
ケントを直接触るのは嫌なのでツル伝いに接触しようとしているようだ。
リリアは精霊の行動を見てすぐ理解した。
「お兄様!とにかく光っているツルに触れてください!」
「光っているツル…。これか…。」
ケントはそっとツルに触れた。光っているツルとその隣に子供サイズの光の塊がぼんやりと佇んでいる。
ツルに触れた瞬間、光の塊がはっきりと精霊と認識できた。
「き、君は母上に付いていた精霊だな。そうだ、こんな子供のような精霊だった。思い出したよ。すまない…。君の主を殺し君のことを独占しようと君の前で醜態を晒してしまった。本当にすまなかった…。」
ケントが精霊に頭を下げて謝罪する。
精霊も最初は怪訝な表情だったが、ため息をついた後少し表情を緩め頷いた。
「まあ、精霊に謝るのはもちろんだけど、もっと謝る相手いるわよね。」
またマーガレットの野太い声がマイペースな様子でケントに伝える。
「実の妹を実家から追い出して消そうとしてるしね。兄妹歪みあってる奴らはよくいるけど、かなり一方的に潰しにかかってさ。唆されたとは言え、あたしなら許せないね。」
ジャスミンという妹との繋がりが強いマーガレットだからこそ、ケントには一言言いたくなったようだ。
「べちゃくちゃ喋るな!どうすんだよ!早く決着つけねえとみんなもたねえだろ!」ダンがさらに焦る。
今までのダンなら危機が迫るとすぐ身を隠し次のチャンスを狙っていたが、今は違う。
精霊の力をアルバ家の人間でなく自分が継いでしまった。
皆を残して逃げることはできない。
今ここで自分が死んでもゲイブを倒さなければならないのは覚悟していた。
どうしてもダメなら最後は自分が盾になる。
そこまで考えていたが何かできる可能性があるならそれに賭けたい。
「お兄様、その話はこれが済んでからです。あなたがするのは私への謝罪ではなく精霊の力を借りる魔力を発動させることです。」
「うっ…。そう言われてもこの方父上の魔力しか操れていない。どうすれば…。」
「精霊が見えていたのです。元々お母様の魔力は感じているはずです。集中して、思い出して。出来ます。大丈夫。」
「リリア…。すまない…。ありがとう…。」
ケントはリリアに励まされ、目を閉じる。ゲイブが攻撃してくるのはダンやロイが止めてくれている。
(焦るな…。このツルを流れている魔力を感じるんだ…。)
光っているツルを手で触り、額をくっつける。
(ああ、この感じ…。覚えている。柔らかくて、でも生命力を感じる心地よい魔力…。母上だ。母上と触れ合っている時感じた感覚だ。僕を抱きしめて撫でてくれた母上のあの幸せな感覚。僕にも流れている…。小さいけれどあと少しで見つけられる。そう、この辺りにあったんだ、この魔力。)
「見つけた!」
ケントが自分の中にある白い魔力を自身のものとしっかり結合させた時、触れていたツルが更に発光した。
「え?」
「え?」
全員がマーガレットも精霊の力を受けた魔力で多少なりとも応戦すると思い込んでいた。
しかし、マーガレットは情報操作に長けているが戦闘能力は全くなかった。
「ったく!期待外れなババアだな!もういい!そこのアルバ家の坊ちゃん!お前が行け!」
「え?僕ですか?僕の魔力では思ったほどダメージはないような気がする…。」
ケントが戦意を落としているのが分かる。
「お前もお嬢ちゃんと血を分けあった兄妹だろ!!チビ!何とかしてやれ!」
精霊がケントをじっと見る。ケントは精霊がしっかり見えない。ぼんやりと白い塊程度なら何とか目を凝らして見える程度だ。
精霊は非常に迷惑そうな顔でため息をしている。
少し精霊が腕を組んで考えている。
「何だよ、チビ何か言いたいのか?」
ダンは早くゲイブを倒さなければと焦っているが精霊はマイペースに振る舞うのでイライラしていた。
「ダン、この子の望み分からないのかい?この子あんたと精霊の谷に行きたいんだってさ。」
精霊同様、マーガレットも凄まじい状況の中自分のペースを崩さずダンに話しかける。
マーガレットは精霊と魔力の関係で精霊が望めば通じ合える。
「はあ?そんなことで考え込んでたのか?ったく、ああ!もう良いよ!何処でだって行ってやる!早くしろチビ!!」
精霊は頭をポリポリかいてからケントを見つめた。
ケントは精霊をしっかり見ることが出来ていない。
ケントの近くに飛んでいき、周りに這っているツルを触る。
ケントを直接触るのは嫌なのでツル伝いに接触しようとしているようだ。
リリアは精霊の行動を見てすぐ理解した。
「お兄様!とにかく光っているツルに触れてください!」
「光っているツル…。これか…。」
ケントはそっとツルに触れた。光っているツルとその隣に子供サイズの光の塊がぼんやりと佇んでいる。
ツルに触れた瞬間、光の塊がはっきりと精霊と認識できた。
「き、君は母上に付いていた精霊だな。そうだ、こんな子供のような精霊だった。思い出したよ。すまない…。君の主を殺し君のことを独占しようと君の前で醜態を晒してしまった。本当にすまなかった…。」
ケントが精霊に頭を下げて謝罪する。
精霊も最初は怪訝な表情だったが、ため息をついた後少し表情を緩め頷いた。
「まあ、精霊に謝るのはもちろんだけど、もっと謝る相手いるわよね。」
またマーガレットの野太い声がマイペースな様子でケントに伝える。
「実の妹を実家から追い出して消そうとしてるしね。兄妹歪みあってる奴らはよくいるけど、かなり一方的に潰しにかかってさ。唆されたとは言え、あたしなら許せないね。」
ジャスミンという妹との繋がりが強いマーガレットだからこそ、ケントには一言言いたくなったようだ。
「べちゃくちゃ喋るな!どうすんだよ!早く決着つけねえとみんなもたねえだろ!」ダンがさらに焦る。
今までのダンなら危機が迫るとすぐ身を隠し次のチャンスを狙っていたが、今は違う。
精霊の力をアルバ家の人間でなく自分が継いでしまった。
皆を残して逃げることはできない。
今ここで自分が死んでもゲイブを倒さなければならないのは覚悟していた。
どうしてもダメなら最後は自分が盾になる。
そこまで考えていたが何かできる可能性があるならそれに賭けたい。
「お兄様、その話はこれが済んでからです。あなたがするのは私への謝罪ではなく精霊の力を借りる魔力を発動させることです。」
「うっ…。そう言われてもこの方父上の魔力しか操れていない。どうすれば…。」
「精霊が見えていたのです。元々お母様の魔力は感じているはずです。集中して、思い出して。出来ます。大丈夫。」
「リリア…。すまない…。ありがとう…。」
ケントはリリアに励まされ、目を閉じる。ゲイブが攻撃してくるのはダンやロイが止めてくれている。
(焦るな…。このツルを流れている魔力を感じるんだ…。)
光っているツルを手で触り、額をくっつける。
(ああ、この感じ…。覚えている。柔らかくて、でも生命力を感じる心地よい魔力…。母上だ。母上と触れ合っている時感じた感覚だ。僕を抱きしめて撫でてくれた母上のあの幸せな感覚。僕にも流れている…。小さいけれどあと少しで見つけられる。そう、この辺りにあったんだ、この魔力。)
「見つけた!」
ケントが自分の中にある白い魔力を自身のものとしっかり結合させた時、触れていたツルが更に発光した。
53
あなたにおすすめの小説
[完結]私を巻き込まないで下さい
シマ
恋愛
私、イリーナ15歳。賊に襲われているのを助けられた8歳の時から、師匠と一緒に暮らしている。
魔力持ちと分かって魔法を教えて貰ったけど、何故か全然発動しなかった。
でも、魔物を倒した時に採れる魔石。石の魔力が無くなると使えなくなるけど、その魔石に魔力を注いで甦らせる事が出来た。
その力を生かして、師匠と装具や魔道具の修理の仕事をしながら、のんびり暮らしていた。
ある日、師匠を訪ねて来た、お客さんから生活が変わっていく。
え?今、話題の勇者様が兄弟子?師匠が王族?ナニそれ私、知らないよ。
平凡で普通の生活がしたいの。
私を巻き込まないで下さい!
恋愛要素は、中盤以降から出てきます
9月28日 本編完結
10月4日 番外編完結
長い間、お付き合い頂きありがとうございました。
いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
冤罪で処刑されたら死に戻り、前世の記憶が戻った悪役令嬢は、元の世界に帰る方法を探す為に婚約破棄と追放を受け入れたら、伯爵子息様に拾われました
ゆうき
恋愛
ワガママ三昧な生活を送っていた悪役令嬢のミシェルは、自分の婚約者と、長年に渡っていじめていた聖女によって冤罪をでっちあげられ、処刑されてしまう。
その後、ミシェルは不思議な夢を見た。不思議な既視感を感じる夢の中で、とある女性の死を見せられたミシェルは、目を覚ますと自分が処刑される半年前の時間に戻っていた。
それと同時に、先程見た夢が自分の前世の記憶で、自分が異世界に転生したことを知る。
記憶が戻ったことで、前世のような優しい性格を取り戻したミシェルは、前世の世界に残してきてしまった、幼い家族の元に帰る術を探すため、ミシェルは婚約者からの婚約破棄と、父から宣告された追放も素直に受け入れ、貴族という肩書きを隠し、一人外の世界に飛び出した。
初めての外の世界で、仕事と住む場所を見つけて懸命に生きるミシェルはある日、仕事先の常連の美しい男性――とある伯爵家の令息であるアランに屋敷に招待され、自分の正体を見破られてしまったミシェルは、思わぬ提案を受ける。
それは、魔法の研究をしている自分の専属の使用人兼、研究の助手をしてほしいというものだった。
だが、その提案の真の目的は、社交界でも有名だった悪役令嬢の性格が豹変し、一人で外の世界で生きていることを不審に思い、自分の監視下におくためだった。
変に断って怪しまれ、未来で起こる処刑に繋がらないようにするために、そして優しいアランなら信用できると思ったミシェルは、その提案を受け入れた。
最初はミシェルのことを疑っていたアランだったが、徐々にミシェルの優しさや純粋さに惹かれていく。同時に、ミシェルもアランの魅力に惹かれていくことに……。
これは死に戻った元悪役令嬢が、元の世界に帰るために、伯爵子息と共に奮闘し、互いに惹かれて幸せになる物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿しています。全話予約投稿済です⭐︎
小説主人公の悪役令嬢の姉に転生しました〜モブのはずが第一王子に一途に愛されています〜
みかん桜
恋愛
第一王子と妹が並んでいる姿を見て前世を思い出したリリーナ。
ここは、乙女ゲームが舞台の小説の世界だった。
悪役令嬢が主役で、破滅を回避して幸せを掴む——そんな物語。
私はその主人公の姉。しかもゲームの妹が、悪役令嬢になった原因の1つが姉である私だったはず。
とはいえ私はただのモブ。
この世界のルールから逸脱せず、無難に生きていこうと決意したのに……なぜか第一王子に執着されている。
……そういえば、元々『姉の婚約者を奪った』って設定だったような……?
※2025年5月に副題を追加しました。
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……
【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです
〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?
悪役令嬢の生産ライフ
星宮歌
恋愛
コツコツとレベルを上げて、生産していくゲームが好きなしがない女子大生、田中雪は、その日、妹に頼まれて手に入れたゲームを片手に通り魔に刺される。
女神『はい、あなた、転生ね』
雪『へっ?』
これは、生産ゲームの世界に転生したかった雪が、別のゲーム世界に転生して、コツコツと生産するお話である。
雪『世界観が壊れる? 知ったこっちゃないわっ!』
無事に完結しました!
続編は『悪役令嬢の神様ライフ』です。
よければ、そちらもよろしくお願いしますm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる