疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン

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戦い 5

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「え?」
「え?」
「え?」


全員がマーガレットも精霊の力を受けた魔力で多少なりとも応戦すると思い込んでいた。

しかし、マーガレットは情報操作に長けているが戦闘能力は全くなかった。





「ったく!期待外れなババアだな!もういい!そこのアルバ家の坊ちゃん!お前が行け!」





「え?僕ですか?僕の魔力では思ったほどダメージはないような気がする…。」
ケントが戦意を落としているのが分かる。





「お前もお嬢ちゃんと血を分けあった兄妹だろ!!チビ!何とかしてやれ!」

精霊がケントをじっと見る。ケントは精霊がしっかり見えない。ぼんやりと白い塊程度なら何とか目を凝らして見える程度だ。

精霊は非常に迷惑そうな顔でため息をしている。

少し精霊が腕を組んで考えている。




「何だよ、チビ何か言いたいのか?」

ダンは早くゲイブを倒さなければと焦っているが精霊はマイペースに振る舞うのでイライラしていた。




「ダン、この子の望み分からないのかい?この子あんたと精霊の谷に行きたいんだってさ。」


精霊同様、マーガレットも凄まじい状況の中自分のペースを崩さずダンに話しかける。
マーガレットは精霊と魔力の関係で精霊が望めば通じ合える。


「はあ?そんなことで考え込んでたのか?ったく、ああ!もう良いよ!何処でだって行ってやる!早くしろチビ!!」

精霊は頭をポリポリかいてからケントを見つめた。
ケントは精霊をしっかり見ることが出来ていない。

ケントの近くに飛んでいき、周りに這っているツルを触る。

ケントを直接触るのは嫌なのでツル伝いに接触しようとしているようだ。

リリアは精霊の行動を見てすぐ理解した。

「お兄様!とにかく光っているツルに触れてください!」

「光っているツル…。これか…。」
ケントはそっとツルに触れた。光っているツルとその隣に子供サイズの光の塊がぼんやりと佇んでいる。

ツルに触れた瞬間、光の塊がはっきりと精霊と認識できた。

「き、君は母上に付いていた精霊だな。そうだ、こんな子供のような精霊だった。思い出したよ。すまない…。君の主を殺し君のことを独占しようと君の前で醜態を晒してしまった。本当にすまなかった…。」
ケントが精霊に頭を下げて謝罪する。

精霊も最初は怪訝な表情だったが、ため息をついた後少し表情を緩め頷いた。



「まあ、精霊に謝るのはもちろんだけど、もっと謝る相手いるわよね。」
またマーガレットの野太い声がマイペースな様子でケントに伝える。



「実の妹を実家から追い出して消そうとしてるしね。兄妹歪みあってる奴らはよくいるけど、かなり一方的に潰しにかかってさ。唆されたとは言え、あたしなら許せないね。」

ジャスミンという妹との繋がりが強いマーガレットだからこそ、ケントには一言言いたくなったようだ。

「べちゃくちゃ喋るな!どうすんだよ!早く決着つけねえとみんなもたねえだろ!」ダンがさらに焦る。


今までのダンなら危機が迫るとすぐ身を隠し次のチャンスを狙っていたが、今は違う。

精霊の力をアルバ家の人間でなく自分が継いでしまった。

皆を残して逃げることはできない。
今ここで自分が死んでもゲイブを倒さなければならないのは覚悟していた。

どうしてもダメなら最後は自分が盾になる。

そこまで考えていたが何かできる可能性があるならそれに賭けたい。


「お兄様、その話はこれが済んでからです。あなたがするのは私への謝罪ではなく精霊の力を借りる魔力を発動させることです。」

「うっ…。そう言われてもこの方父上の魔力しか操れていない。どうすれば…。」

「精霊が見えていたのです。元々お母様の魔力は感じているはずです。集中して、思い出して。出来ます。大丈夫。」

「リリア…。すまない…。ありがとう…。」




ケントはリリアに励まされ、目を閉じる。ゲイブが攻撃してくるのはダンやロイが止めてくれている。


(焦るな…。このツルを流れている魔力を感じるんだ…。)


光っているツルを手で触り、額をくっつける。


(ああ、この感じ…。覚えている。柔らかくて、でも生命力を感じる心地よい魔力…。母上だ。母上と触れ合っている時感じた感覚だ。僕を抱きしめて撫でてくれた母上のあの幸せな感覚。僕にも流れている…。小さいけれどあと少しで見つけられる。そう、この辺りにあったんだ、この魔力。)



「見つけた!」



ケントが自分の中にある白い魔力を自身のものとしっかり結合させた時、触れていたツルが更に発光した。
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